週刊エンジョイポケモン放送局   作:魔女っ子アルト姫

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インディゴ:ディープゼロ

「それで落ち着きましたか」

「ご、ご迷惑おかけしました」

 

興奮しまくっていたブライアはチリチリのアフロになった状態で正座して反省していた。研究していたテーマの情報、しかもあの有名なオーリム博士の論文だった為にテンションが振り切れてしまった彼女を落ち着かせる為、そして何よりミライドンとコライドンにとって大切な人でもある博士の物を守る為に二匹は炎と電気を用いてブライアを強制的に落ち着かせた。

 

「も、申し訳ない……此処にあるのは博士の研究成果だというのに……余りにも興味深かったもので……いや本当に申し訳ない……」

「アギャアアス!!」「ギャアアアッス!!」

「コライドン落ち着けってもう大丈夫だから!!」

「ミライドンも落ち着いて!!」

 

流石の二匹も博士の物を荒らさんとする勢いのブライアには憤りを覚えた為にこのような強硬手段を取った、本来二人はトレーナーとしては二匹を叱らないといけない立場にある身。だがしかし、この行動は大切な人を思うが為の事なので何とも言えずにいるとコライドンとミライドンの頭に手が置かれて撫でられた、それをしたのはラビだった。

 

「アギャ?」「ギャッ?」

「よしよし、お二人共お手柄ですよ。博士は二人にとって大切なんですね?」

「アギャッ!!」「ギャッス!!」

「なら、少しやり過ぎですがその行動は正しい。私としてもこの人を止めるのを手伝ってくれるのは有難い限りです。私が許します、次同じような事やったら同じようにやっておしまいなさい」

「アギャッス!!」「ギャァッス!!」

 

まるで犬のようにお座りをしながら返事をする二匹、それを見てよしよしと頭を撫でつつもポケモンフーズを出して二匹にあげるラビ。

 

「い、良いんですかラビさん!?護衛対象ですよこの人!?」

「明らかな自業自得ですよ、しかも無許可で他人の研究結果を発表しようとするとか普通に犯罪になりかねませんからね。私としては弟が勤める学園の教員が捕まる事は避けたいですから」

「あっ担任が捕まって欲しくないとかそういうのじゃないんですね」

「聞きますか?この人がランドロスを怒らせた話」

「「え、遠慮しときます」」

 

一体どんな苦労をしたか聞きたいような聞きたくないような……そしてランドロスの名前を聞いたサトシはあれを怒らせたのかぁ……と当時、ランドロスを見た事がある立場からその恐ろしさを感じ取っていた。ラビの相棒がランドロスに有利を取れるダイケンキだった事が唯一の救いだった程度には酷い惨状だった。

 

「兎も角っ!!ここは博士達のラボです、此処にある物全てが博士達の物。当然研究資料などもね、後で厄介な事を招きたくなければ大人しくする事です」

「め、面目ない……」

「ラビこのエレベーター、生きてる」

 

そんなやり取りをしている中でレッドが奥にあるエレベーターのスイッチを押すと扉が開いた。それを見たアオイとハルトがある事を思い出した。

 

「そう言えば、さっきディスクを挿れた時になんか言ってたよね。行先を変更って」

「確か……ゼロの大洞窟とか言ってたっけ?」

「取り合えず乗ってみましょう、何か分かるかもしれないし」

 

ラビが徐にとあるポケモンを出した。それはデスカーン、砂漠の古代遺跡に住まう番人ともされるポケモンでもありシンボラーと同じ遺跡に住んでいたポケモンであり、遺跡を壊してしまったブライアへ激怒し、シンボラーと共に襲い掛かってきたポケモン。

 

「ガ~ガガガガガガガッン!!!」

「デスカーンさん、この人を確り捕まえておいてください。変な事しないように」

「カ~ン?ガ~ンデカス」

「ええそうなんです、貴方の居た遺跡と同じような感じです」

 

事情を察したデスカーンは呆れ切った顔をしながらも優しくラビの背中をポンポンと叩いた。そして棺桶のような身体か伸びている黒い影の手がブライアをガッチリと捕まえるとゆっくりと棺桶の蓋が開いていった。

 

「これ以上妙な事をするなら、貴方はデスカーンさんの中に居て貰いますから」

「そ、それだけは勘弁してくれ!!私自身の目で見届けたいのだ!!」

「だったら少しは大人しくしなさい。デスカーンさん、妙な素振りをしたら遠慮いらないのでしまっちゃってください。中は居心地いいですから何の成果を得られなくても気持ちよさだけは得られますから安心してください」

「全然安心できないんだが!!?」

 

デスカーンの棺桶のようなボディは開閉が可能であり、その中に閉じ込めてミイラのように包帯塗れにしてお仕置きをするという生態がある。と言っても本人にその気が無ければそんな事はされないし、中は意外に広くて居心地がいい上に寝心地もよく、悪夢を見てもデスカーンがそれを夢食いしてくれてすっきりとした目覚めを迎える事が出来るのでラビも時々お世話になっている。

 

「という訳で行きましょう」

「デ~ン」

「わっわっ!?も、もうちょっと優しく運んでくれたまえ!!?いや絶対ワザと、ワザと荒く運んでいるだろうデスカーン!?」

「ガガガガガッ……!!」

 

嘗て、遺跡を壊してしまったブライアへの恨みを今ここで晴らすかのようにやや荒っぽくブライアを運ぶデスカーンの姿にラビも多少の溜飲が下がる。そしてそのままエレベーターへと乗り込み、始動するとそのまま勢いよく下へと向かって下がっていく。

 

「結構な勢いで降りていくなぁ……」

「こういうエレベーターで感じる浮遊感ってさ、例えばワイヤー切ったらどうなるんだろうね?」

「下に着いた瞬間に俺達ザロクの実みたいになるぞ」

 

そんな姉弟のくだらない会話を聞きつつも遂に到着したゼロの大洞窟。そこはゼロラボのあった最奥部よりもずっと結晶が激しく突き出していた。それを見てブライアは更に目を輝かせていた。

 

「凄い凄いぞ!!今高度を調べてみたが、先よりも遥か地下だ!!」

「いつの間にスマホロトム出したんだ……?」

「すっげぇなピカチュウ!!さっきよりもなんか凄いパワーを感じるぞ!!」

「ピィカ~」

「同感」

 

サトシの言葉通り、つきだしている結晶はより強く複雑な光を発している。明らかに何かが違う、そう思いながら周囲を見ているラビはエレベーター近くに机があり、そこに何か置かれている事に気づく。

 

「これは……シロナさん」

「何かしら……これはフトゥー博士とオーリム博士の手記、レポートみたいね」

「しゅ、手記!?ぜ、是非読ませて―――じゃなくて中身の確認を!!此処の手がかりがあるかも!!だからデスカーン仕舞おうとしないでぇ!!?」

 

もうそのままぶち込んでやれ、という指示を出そうかなと思いながらもシロナに読んで貰うように頼む事にした。

 

『エリアゼロの更に下層には巨大な空洞が存在しており、その最深部にはテラパゴス……ゼロの秘宝が眠っている。その体は結晶体となり外敵から身を守っている。目覚めるには少し時間が必要だと思われる。テラパゴスの影響だろうか、この大空洞内には地上では見られないテラスタル現象が起こっている。全てのタイプを宿したテラスタル、私達はそのテラスタイプを仮にステラと呼ぶ事にした。更なる研究を進める事を決めた』

 

「おおっ!!!なんと輝かしい情報!!テラパゴスの事だけではなく全てのタイプを宿すステラテラスタル!!?知りたい、是非とも知りたい―――って仕舞うな仕舞うなデスカーン!!?」

「ガ~ン……」

「もう仕舞っていいよ」

「ラビィィィッ!?」

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