週刊エンジョイポケモン放送局   作:魔女っ子アルト姫

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アート:コルサ

「いやぁやっぱり強いねラビさん!!また負けちゃった!!」

「やれやれ全く……相変わらずですね貴方も」

 

一方は満面の笑み、一方は肩を竦めながら呆れた笑いを浮かべている。何方も同じ笑いなのに意味が全く異なっているそれらを見るリコとロイ、二人は黒いレックウザの情報を求めて芸術家のコルサに会いに行きたいと申し出てきた。それは自分の師でもあるので案内をしようとしたのだが……

 

『あっラビさん!!目と目があったらバトルの始まり!!!早速やりましょう!!』

『ああもう、しょうがないか……相手をしてあげましょう』

 

ボウルタウンを訪れていたネモに見つかってしまった挙句にバトルを申し込まれてしまった。なので連れて来ていたソウブレイズ、オノノクス、ポリゴン2で勝った。

 

「ラビさん凄い、ネモさんってあのチャンピオンランクで凄腕トレーナーで有名なあのネモさんですよね!?それにまた負けたって……!?」

「あははっそうだよ、私ってばラビさんにまだ一度も勝てた事ないんだよね。いやぁまだまだ私も成長出来そうで嬉しいよ」

「すっげぇっラビさんって本当に凄いんですね!!」

 

少年少女からの尊敬の視線が一層強くなってなんだかむず痒くなってきた……一先ず早くコルサの元へと行かなければ、と思っていたらネモから相談を受ける。

 

「そういえばラビさんは聞いてます?最近コルサさんがジムを閉めてるって話」

「あのコルさんがジムを?いえ全くの初耳ですね」

「急にジムをお休みしてるらしくて……町の人達も心配してキマワリ集めをしてる子もいっぱいいるんです。ラビさんってコルサさんのお弟子さんですよね、だから何かを知ってるかもって思ったんですけど……」

 

あのコルサが理由もなくジムを休むなんて事は有りえない、理由があるとすれば3つ。一つは純粋な体調不良だが、それならそれでその旨を確りと説明する筈。二つ目は作品作りに没頭し過ぎている事でこれは比較的可能性は高い、そして最後の一つは―――

 

「ノットアヴァンギャルドォォォッ!!!」

 

一先ずコルサのアトリエへと向かっているとそこから聞こえてきたコルサの声、これは恐らく第三の可能性……即ち、スランプだ。アトリエの庭へと足を踏み入れる、そこには作品を地面に叩きつけて割っている師の姿があった。

 

「コルさん」

「ッ……ラビ、これは恥ずかしい所を見せて―――おや、ネモに其方は……」

 

愛弟子とも言えるラビの姿を見ると冷静さを取り戻すかのように深呼吸をするコルサ、ラビとネモの後ろにいる二人に一瞬怪訝な顔をするのだがその素性を聞くと一気に態度を急変させた。

 

「まさかあの絵本作家アレックス氏の娘が訪れてくれるとは、実にアヴァンギャルド!!飲むがいい、私自慢のブレンドティーである」

「あっ有難う御座います……」

「あ~いい香り~……美味しい!?」

 

リコが絵本作家アレックスの娘である事を知ると機嫌を良くしてアトリエの中へと入らせて貰い、茶をご馳走してくれる。ラビも好きなコルサ特製ブレンド、日によって味が変わるがそれもまたアヴァンギャルドとの事。

 

「それでコルさん、ジムを閉めていると聞きましたが」

「ムゥッ……そういう貴様とて最近は妙に塗料の配合に熱心だとアグから聞いたぞ」

「ウグッ……」

 

二人の仕草が似ている、師と弟子だとこういう所も似るのだろうかとリコが首を傾げている中でラビは自分の近況を語りだした。黒いレックウザの絵の依頼を受けたがその黒色がどうしても表現できずにいる事を告げるとコルサは目を見開きながら言った。

 

「なんとっ貴様も黒いレックウザについて!?」

「貴様もってまさかコルさんもですか?」

「―――……ジムを閉めている訳も話さなければならぬ。来るがいい」

 

コルサに導かれてアトリエの奥へ行く一同、作業場ともなっている地下へと降りていく一同を待っていたのは―――

 

「レレレレレッレックウザだぁぁぁぁ!!?」

 

リコとロイが探し求めている黒いレックウザ。圧倒的な威圧感と存在感を放ちながら鎮座するそれらに思わずロイが叫んでしまった。

 

「ってキマワリがっ危ないっ!!ってあ、あれ?」

 

リコはレックウザの前にいるキマワリに気づき守ろうとするのだが、両者が全く身動きしない事に気づいた。そしてそれらがこのボウルタウンに多く設置されているポケモンの彫刻と似ていると感じ取るとコルサは流石はアレックスの娘だと感心する。

 

「そう、これは私がかつてアレックスさんの作品からインスピレーションを受けて制作した作品、黒龍に睨まれたキマワリ!!私は黒いレックウザの迫力をキマワリからの視点で表現しようとしたのだ、だが先日黒いレックウザと遭遇してしまったのだ……!!紛れもなく、本物と……!!」

「「「本物のレックウザと!!?」」」

「それは本当ですかコルさん!!?」

「ああ、事実だ……!!あれは町外れの森でだった……あの究極の美に比べたら私の黒龍など紛い物……贋作にすぎぬ……」

 

紛れもない伝説を目の当たりにしてコルサは打ちのめされた、正しく生きる伝説を目の当たりにして黒龍に睨まれたキマワリのようになってしまった。どんな作品を作っても納得がいかず、ジムでバトルをする気も起きなかった。故にこのアトリエに籠っていたというコルサ。

 

「……コルさん、本当にこのレックウザを偽物だと思いますか」

「何が言いたい……ラビよ」

「彼の目を見てください」

 

そう言ってロイを見つめる、そこにあったのは紛れもないレックウザへの憧れと感動の眼差しを向ける純粋な少年の目。コルサはその目に本当の感動が宿っている事が分かる、真実の感動を。

 

「コルサさん、ボク、このレックウザと話を聞いて益々レックウザに会いたくなりました!!だって一流の芸術家さんを此処まで圧倒する存在なんだよレックウザって!!ボクはコルサさんのレックウザからあのレックウザと同じものをビシビシ感じます!!」

「―――ハハハハハッ!!なんという純粋さ、何という情熱!!熱いな、実にアヴァンギャルドな少年、これ程の純粋無垢な情熱を持つ思春期に会えるとは……少年いやロイといったな貴様!!」

「はい!!」

「貴様のその熱さ、気に入ったぞっ!!ならばこの私が貴様がレックウザに会う資格があるかテストしようではないか―――だがその前にラビよ!!」

 

ロイと共にラビを真っ直ぐに見据える。

 

「貴様も黒龍に悩んでいるといったな、ならばまずは我々でバトルを行うぞ。我らも一度、初心に戻るのだ、そして少年少女に我々芸術の徒の真のアヴァンギャルドを見せてやろうではないか!!」

「そちらから誘ってくれるとは、嬉しい限りです。それじゃあ配信しながらやりますかバトル!!」

「無論だ!!我々の芸術を見せてやろうぞ!!!」

 

 

 

 

「皆さんこんにちは、今日もポケモン育ててますか?まだまだな貴方もこれからの貴方も、此処をきっかけに一歩踏み出して行きましょう。本日は特別編、私とジムリーダーコルサのバトルから入ります」

「成形開始だ、キノガッサ!!」

「ガッサァッ!!」

「仕事の時間だ、描けメープル!!」

「ブルゥゥゥ!!!」

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