週刊エンジョイポケモン放送局   作:魔女っ子アルト姫

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リユニオン:オーバ

「よっラビ」

「―――いやなんでいるんです?」

「何だよつれねぇな、お前とは熱く語り合った仲じゃねぇか」

「殴りあったの間違いでは?しかも私達じゃなくてポケモン達が、ですし」

 

今日も今日とてポケモン達の世話と仕事を両立させて日々を過ごしていたラビの元へ来客が来た。最近多いよなぁ……これも配信の弊害かな、と思いながらも出迎えを行ったのだが……その相手が予想だにしなかった人物だった。

 

「いやぁにしてもお前の庭すげぇ事になってんな、配信は毎回見てたつもりだけど改めて見るとすげぇなぁ~……研究者とか此処に来てぇって言ってる奴多いのも納得だな」

「それは良いんですけどマジで何しに来たんですか、あの人なら直帰するって言ってましたよ?」

「ああそれとは無関係だ、肝心な俺個人の用事で来ただけだから気にすんな」

「いや気にしますよ、仮にも貴方も有名人なんですから―――オーバさん」

 

自分を訪ねてきたのはシンオウの四天王の一角、炎タイプ使いのオーバ。嘗て、自らが進出したシンオウのチャンピオンズリーグにおいて最後のゴウカザルまで追い詰めこそしたが、後一歩及ばずに敗北した相手でもある。

 

「あの時必死に歯食い縛りながらもダイケンキに笑顔を作って労ってた奴がでっかくなったもんだな。ホント見違えたな」

「何時までも旅をし続ける子供じゃありませんよ、私だって一応成長はするんですよ」

 

一先ずバルコニーへと上げてそこで茶を出してもてなす、それを有難く貰いながらも当時の事を懐かしむオーバと複雑そうな顔をするラビ。

 

「ンでどうだ、今度のPWCSには出ないのか?」

「出ませんよ私にだって本業はあるんですよ」

「ダイゴだってお前さんに出て欲しいって言ってたぜ?」

「あの人は私を買いかぶり過ぎなんですよ」

 

オーバは何処か笑いながらもラビを観察しているようにも見える、それを感じ取っているのかラビも一歩引いたような対応を貫き通す。

 

「よく言うぜ。実力的にはハイパーボール帯の癖に」

「……昔の話ですよ」

 

オーバは自分に火を付けようとしているようにも感じられる、一介のイラストレーターで終わるには惜しい存在である、自分のようにポケモンバトルの表舞台で活躍するべきだと言外に言っているように感じられる。ワザとらしくスマホを取り出して何かを呼び出すと語り始めた。

 

「ポケモントレーナーラビ。その実力は四天王と比較しても遜色ないと評価する者も多く彼のPWCS参戦を熱望するトレーナーは数多い、その裏付けともされているのが氏のポケモントレーナーとしての卓越した技術である」

「何ですかいきなり」

「お前さんの特集記事、配信者として名が売れて来てるだろ?その関連で俺にも取材来たんだよ」

 

そういうのまであるのか……パルデア地方では自分は良くも悪くも馴染んでいるのでそういう目では見られないしコルサの弟子という事もあって親しみを持たれる事が多いが……。

 

「一つの技を複数の技が如くに扱う、相手ポケモンが習得可能な技への警戒が特段に素早く危機対応能力がトレーナーの中でもずば抜けていると言える。オーバとの対決では相棒のダイケンキと共に致命傷になる攻撃を防御と受け流す事で接戦を繰り広げた、だと」

「……煽てても何も出しませんよ」

「俺は本音を言っただけだぞ」

 

そう評価して貰えてもそこまで喜ばない自分がいた、自分は既にトレーナーを引退しているに近く昔のようなリアクションを取る気が起きない。

 

「なぁっ配信ゲストに出ていいか?」

「……まあいいですけど」

 

 

「皆さんこんにちは、今日もポケモン育ててますか?まだまだな貴方もこれからの貴方も、此処をきっかけに一歩踏み出して行きましょう。今回紹介するのは此方」

 

ラビのPWCSへの参戦は自分が最も熱望していると言ってもいい事、あの時の燃えるような戦いをもう一度したい、ハッキリ言ってシロナに挑んだ時以上のものがあった。

 

『ダイケンキ、シェルブレード!!!切り裂けぇ!!!』

『ゴウカザル、フレアドライブ!!!燃やし尽くせぇ!!!』

 

何方が勝っても負けても可笑しくないギリギリのバトルの中でしか見えないものがあった、あの時、自分は水タイプであるダイケンキを如何絡め取ろうかと思っていた。ゴウカザルは燃え盛る炎と素早いフットワークから繰り出される格闘技が魅力だが、それ以上に器用なポケモンで豊富なタイプの技を習得できる。それでダイケンキを挫こうとしたのだが―――

 

『雷パンチが来るぞ!!跳べっ!!』

『あの野郎、読みやがった―――!?』

『草結びが後ろ三方向!!地面に向って冷凍ビーム!!』

『面白れぇ……面白れぇ面白れぇ!!!』

 

自分の戦術を先読みしてくるラビの戦術眼とそれらを完全に信頼し自らの全てを委ねているダイケンキ、互いが互いの視界を共有し合ってるかのようなそれにオーバは小細工をやめた。真正面からそれを打ち破りたくなったのだ。

 

『こっから全部真っ向からぶち破ってやらぁ!!ゴウカザル、ビルドアップ!!捻じ伏せるぞ、本来の俺達を見せてやろうぜ!!!』

『ゴウゴウゴウラァァァアアアア!!!!』

『来るぞダイケンキ!!備えろ剣の舞!!』

『ケンッ!!』

 

結果的に自分が勝ったが、オーバは自分は負けているような感触だった。あの時、自分はダイケンキが勝ったと思った、だが最後はゴウカザルが自らに活を入れて立ち上がる姿を見た。相棒に助けられた、相棒と共に一心同体になって戦っていたラビと違って。だからもう一度バトルがしたいんだ、こいつと本気のバトルを。

 

「あ~……オーバさん、アンタ何時まで無視するんですか?ルカリオを抑えるこっちの身にもなって欲しいんだけど」

「えっあっ悪い、考え事して―――うおおおおっ!!?あっぶねぇなおい!!?俺になんか怨みでもあんのかルカリオ!!?」

「そりゃああんだけスルーかましてれば私のルカリオはキレますよ、アンタに負けてますしそりゃキレます」

「いやだからって顔面に波動弾は殺意しかねぇぞ!!?」

 

「え~っと……とりあえずやり直します、今回紹介するのは此方」

「ルォオオオン!!」

「ルカリオです、何時まで腰抜かしてるんですかさっさと立ってくれます?」

「お前鬼か!?」

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