週刊エンジョイポケモン放送局   作:魔女っ子アルト姫

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エンジョイ:アームドアーマーエアームド

「ねぇラビ」

「んっ~?」

 

テーブルにうつ伏せになるように身を委ねながら調合をしている、最近ではもう見慣れた光景になってきたそれを見ながらサザレが声を出した。

 

「如何してオーバさんからの誘い蹴ったの?別に私としてはラビがPWCSに出るとかは好きにすればいいって思ってるけどさ、何で断ってるのかなぁって思うの」

「何で、と言われてもな……」

 

色を混ぜつつも過去を見る、自分は10年ほど旅をした。その最中で自分はどうするかという事を模索していた、旅の中では様々な人がいて人生のサンプルになっていた。そんな中で自分にバトル以外に何があるのかと悩んだ時期もあった、だけどポケモンといるとそんな事は吹き飛ぶし重要視するつもりもなかったのだが……

 

「なんつうか、唯意味もなく旅してる自分がなんか逃げてる気がしてな……それでどうしたもんだと思いながらパルデア地方を旅してたらコルさんと会ってな」

 

本当に偶然だった、森の中でキャンプを張っている時に自分のスケッチブックを野生のポケモンが持ち出してしまった事があった。それを追いかけているとコルさんがそれを取り戻してくれたのだが―――

 

『こ、これはっ―――実にアヴァンギャルド!!!ダイナミックでありながらも繊細な描画、おおっこのホエルオーなど今にも此方に水しぶきが飛んできそうではないか!!貴様、名うての絵師だと見た、どうだワタシと合作をしないか!!?』

『えっえええっ!!?』

 

それが切っ掛けだった。ただ好きでやっていた事をあそこまで褒められたことはなく、単純に嬉しかった。それから自分はコルサの弟子となった。

 

「弟子になったばかりの頃はそれなりにこのパルデアを歩き回ってた、だけどその内に止めてた」

「何で?」

「……なんでだろうな、気付けば絵を描いたりポケモンの世話する方が多くなってた」

 

理由は何となくだが分かる、自分は旅を止めたかったのだろう。何処かで打ち切りたいと思いながらもその切っ掛けがなく惰性で続けていた、それを打ち切るにもいい機会だった。

 

「でもそれならバトルしてもいいんじゃない?」

「……俺もそう思う、だけどなんかな……そこまで意欲ないんだよな」

「ふぅ~ん……」

 

そういう物ならば致し方ないし自分もそれ以上の事を言うのはやめておこうと口を閉じる。一方で調合を終える、一先ずこの状態で一日寝かせて様子を見る事にする。メープルに今日は終わりだと告げると身体を伸ばしながらも自らボールへと戻っていった。

 

「(PWCS……か……)」

 

サトシとレッドが戦ったあの舞台に自分も上がる、なんて烏滸がましい気がしてならない。自分はこれで良いと思っている、そうこれでいいのだ。

 

 

「皆さんこんにちは、今日もポケモン育ててますか?まだまだな貴方もこれからの貴方も、此処をきっかけに一歩踏み出して行きましょう。今回紹介するのは此方」

エ"ア"ァ"ァ"ァ"ァ"ァ"ァ"ッ!!!!

「エアームドですってうるっさいよアンタ!!」

「エ"ッエアァァッ……」

 

・ダイゴ:エアームド、懐かしいね。

・おおっエアームド!!

・相変わらずカッコいなぁこいつぅ!!

・ってダイゴさん!!?

・キバナ:アンタ、鋼タイプが出たから出てきたのか?

・ダイゴ:君だってジュラルドンの時は大喜びだったじゃないか

・キバナ:オレ様の相棒だからな

 

「エアームドは飛行と鋼の複合タイプです、見た目通りに鋼の身体を持っていますが見た目ほど重くはありません。最高時速は驚異の300キロ、翼はまるで刀のような鋭さを誇りスピードを活かしてすれ違いざまに相手を切り裂くヒット&アウェイ戦法を得意とします」

 

・防御が高い事は知ってたけど、そんなに素早いのは知らんかったわ。

・同じく。

・ダイゴ:エアームドはそのスピードと防御が魅力だよ、素早いけど脆いのがよくあるよね?

・ありますね

・ダイゴ:だけどエアームドはそれがないから初心者ポケモンとしてもお勧めできるよ

・成程~

 

「その鋼の身体を活かして茨の中に巣を作って雛を守ります、その際に茨で傷つきながら成長する事で更に頑強な鋼の身体を形成していきます。翼の羽は時折抜け落ちるのですが、古代の人はこれを包丁として重宝していたようです。因みにアーマーガアとは熾烈な縄張り争いを展開するそうですよ、まあ私のアーマーガアとするよりかは楽でしょう」

 

・生態でも鋼の身体活かしまくってるなぁ

・雛ームド見てぇな

・にしてもアーマーガアと縄張り争いかぁ……

・どうしても過るな、あのアーマーガア

・もうマスコットだな

・いやじゃ!!あんな物騒なマスコットがいて堪るか!!

 

「エアームドの特性は頑丈と鋭い目、そして私のエアームドの特性で夢特性な砕ける鎧です」

 

・絶対防御と命中低下なし、スピードアップか

・でもどうやって活かすべきなんだこれ?

・ダイゴ:エアームドはアーマーガアというライバルがいるのもきつい所だね。

・あ~あっちは強力な技と特性があるもんなぁ

・ボディプレスとかは?

・ダイゴ:出来るけどそれはアーマーガアも出来てしまう。

・うわあぉ……。

 

「エアームドが最も優れているのは防御、それ以外は平均的な能力値をしています。最高速度は300ですが加速はそこまでではない感じですかね。エアームドはアーマーガアに比べてサイクル的な戦術への適性が高いですね。しかもたった一匹のエアームドの対処を疎かにしたおかげでパーティが半壊してしまうという例も多くありますから侮れません」

 

・えっマジで?

・そんなやばいのこいつ。

・そうなのダイゴさん!?

・ダイゴ:う~ん場を整える系の技を多く使えるのは確かだね。

・どんな技あるん?

 

「ステロにまきびし、追い風、挑発、吹き飛ばし、自己強化技としては高速移動、剣の舞、鈍い、鉄壁などですね。これらを活かして場作りが出来るというのがアーマーガアとの分かれ目です。攻撃技としてはアイアンヘッド、ブレイブバード、ボディプレス、岩雪崩、岩石封じ、ドリルライナー、フェイント、辻斬り、起死回生などですね」

 

・うわかなり曲者だぞこいつ。

・これは確かに対処ミスると一気に崩壊するわ。

・鉄壁からのボディプレも出来るのか……

・そうなると如何なんだ?アーマーガアの方が強い?

・その要素もあるんじゃね?

 

「私は一撃は耐えてくれるのでそこを剣の舞で上昇させつつ、砕ける鎧でスピードを確保して300キロが直ぐに出せるような態勢を作ってからの高速戦闘をしますね。この速度から繰り出せるドリルライナーの威力は鋼タイプへの打点としても十分ですし、逆に体力が減っている状態なら超火力になる起死回生で押し切る事も可能です、これは頑丈でも出来ますからお勧めです」

 

・へ~

・ダイゴ:高い防御に囚われ過ぎずに本来のスピード勝負で行く、いいね僕も好きだよ

・おおっチャンピオンも好印象だ。

・というかダイゴさんヌシに基本好印象?

・そりゃそうだろ。

・ダイゴ:うん、チャンピオンズリーグで戦ったからね。

・―――えっシンオウリーグが最高記録じゃねぇの!?

 

「違いますよ、ホウエンリーグはダイゴさんまで行きましたけどシンオウ大会ほど接戦を演じられなかったから話題にならなかっただけです」

 

・ダイゴ:よく言うよ、僕は相棒含めて2体だったんだけど?

・あと一歩まで追い込んでんじゃん!!?

・これで話題にならないとか嘘だろ。

・まあ世の中には化物がいますから……サトシさんとか

・あの人は反則だろ。

・レッドさんもな。

 

「まあ兎も角、エアームドは剣の舞や鉄壁、高速移動などでカスタマイズ性も高く、防御が高い上に鋼タイプの耐性で先制技にも強いという欲張りセットです。鋼タイプに多めな素早さが遅い事もないので初心者にもお勧めです」

 

・キバナ:オレ様捕まえようかな、マジで興味湧いてきた。

・アイリス:アーマーガアじゃなくていいの~?

・キバナ:いやオレ様だとエアームドの方が生きると思うんだよな。

・ダイゴ:それは同感、エアームドはダブル向けの技も多く覚えるよ。凍える風とか

・えっそんなの覚えるの?器用だなぁ……

・ダイゴ:ボクも使うからね。対策としては特殊の炎や電気アタッカーに弱い事かな

・ナンジャモ:ボクならロトムかな?特にヒートロトム。

・キバナ:コイル系もありじゃね?

 

そんな所で配信を切る。チャンピオンズリーグで自分はチャンピオン戦まで行った事はある。と言ってもダイゴに勝つ事は出来なかったが……ダイゴにはダンバルを貰っただけではなくシロナの時には果たせなかった直接バトルをするという約束を果たす為にも本当に頑張った。

 

「エアームド、お前も頑張ったよなぁ?」

 

 

喉を鳴らしながらラビの手の感触を味わう。自分はこの手が好きだ、ボコボコになってしまっている自分の身体を綺麗な身体だと言ってくれるラビが好きだ。チャンピオンズリーグではメタグロスを温存する為に鋼タイプ枠として四天王の内3人のバトルで出場した。

 

「エァァァ」

「無理して自分を強く見せようとしなくていいぞ」

 

自分は強くなりたい、だがその一方で限界が見えている。ラビのアーマーガアとはよくバトルするが勝率は落ち続けるばかりだ。だから少しでも強く見せようと声を低くして威圧感を出そうとしたりもする。だがやった後は喉が痛くてラビに摩って貰っている。

 

「エァァァ……」

 

ラビはきっと望まないだろうが自分はあのチャンピオンと戦いたい、メタグロスではなく自分をパーティに入れて欲しい。そう思うのは我儘なのだろうか……そんな風に思いながらもラビの手の感触を楽しむのであった。

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