「ジュラルドン、力業ラスターカノン!!」
「メタグロス、早業コメットパンチ!!」
ラビの庭の一角、整備されたバトルフィールドで戦っているキバナとダイゴ。力業と早業伝授の為に数日間この家に泊まり込んでいる訳なのだが……流石はトレーナーでも上から数えた方が早いであろう実力者とそのポケモン達、呑み込みが異常に早い。
「堪えろジュラルドン、ラスターカノン打てぇ!!」
「ジュゥゥウウウウラァァァ!!!」
「メタグロス、光の壁!!」
早業の利点の一つ、それは技から次への繋げる速度の上昇。それを活かして光の壁を展開してパワーアップしたラスターカノンを防御するメタグロス。ジュラルドンも力業をマスター出来ている、本当に呑み込みが早い事に驚きを隠せない。
「よし、もう完璧だな!!」
「いやはや、まさかたった数日でゼロの状態から力業と早業を習得できるとは思いませんでしたよ……伊達にジムリーダーとチャンピオンじゃありませんね」
「いや褒められる程じゃないよ、君のジュカインやダイケンキ程の練度じゃないからね。目指すべきはあそこだね」
「だな、つうかよなんでお前のジュカイン、お前のメタグロスに絡まれてんだ?」
キバナの視線の先ではダイゴのメタグロスに手本を見せていたメタグロスが木の上で寝ているジュカインにちょっかいを掛けているように見える。
「私のメタグロスはスピード狂な事は知ってます?」
「ああ、配信で言ってたな。ベストなコース導き出すのに頭使ったりエスパーパワーで風の抵抗を減らしたりしてんだっけ?」
「ジュカインさんが同じ地方のポケモンな事もあってか、ライバル意識があるんですよ。シンプルにジュカインさんのスピードはとんでもないですからそれに勝ちたいんですよ」
「成程、自分の得意分野故に負けたくないんだね?」
肩を竦めて応える。メタグロスとしてはスピードの探求の為にジュカインと高め合いたいのだろうがジュカインとしてはそんなものに興味はないし寝る邪魔をしないで欲しい程度位にしか思っていないだろう。
「あのジュカイン相当やべぇだろ、この前のラスターカノンをぶった切ったリーフブレードもとんでもなかったぞ」
「威力、スピード、タイミング、全てが完璧すぎたね。しかも……あの時、僕の目が確かならあの一瞬にリーフブレードを三つ重ねてたよ」
「……っ納得だぜ、オレ様の相棒のラスターカノンを両断して消滅させてやがったからな。一撃じゃないと思ってたが……あれも早業か?」
「持ち前のスピードと早業による初動の速さと繋げ方が上手すぎるからああなってるんですよ、便宜上私は分けて瞬撃と呼んでます」
「もったいねぇな~あんだけの腕があるならバトルでも大活躍だろうにね」
「まあこればっかりは生まれ持った気質と育った環境が影響しますから」
「僕としては才能があるからバトルを強制するトレーナーよりもラビの方が好感を持てるよ」
「まあそれはオレ様もそうだよ、だから勿体無いで済ませてるんだよ」
ジュカインは平穏且つ安静を望む、だからバトルへの参加も最低限にしている。
ポケモンの要望を叶えてあげられないで何がポケモントレーナーか、自分達はポケモン達がいるからこそトレーナーを名乗れる、ポケモン達は彼らだけでも生きて行ける。それをエゴで捕獲しているのだからこの位は当然。
これは父と母から教わった中でも数少なく受け継いだ考え方でもある。だからラビも出来るだけ友情ゲットが出来ればそうして来たという事もある。
「さてと、力業と早業伝授はこれで終わりです。後は他の技でも出来るように頑張ってください」
「応。目指すは力業流星群だな、この応用を考えるのも楽しいだろうな」
「だね、早業からの補助技へ繋げるのはかなり可能性があると思うからボクはこの辺りの研究をしようと思ってるよ」
矢張りというべきか二人はトレーナーとしてこれをいかに活かすべきなのかにわくわくしている。まあそれは自分も同じで力業と早業を再現できた時には狂喜乱舞した物だ。
「次はお二人が教える側ですけど大丈夫そうです?」
「まあ、何とかなるだろ。特訓中の録画も貰ったし、ナンジャモも特訓配信やってるし」
「大丈夫だと思うよ。とりあえず僕は四天王の皆と共有してからそこから各ジムリーダーへ、そこからホウエン全体へみたいなのを考えてるよ」
流石御曹司、計画が既に立てられていて現実味がある。楽観視が入ってるキバナとは大きな差だ。
「あっお前今オレ様の事馬鹿にしたろ」
「してませんしてません誰も考えなしの楽観主義者とか思ってませんから」
「なぁ~んだじゃあ問題―――大有りだこの野郎!!ジュラルドン力強く流星群!!」
「ガチすぎるわアンタ!!?ジュカインさん助けて!!瞬撃ドラゴンクロー!!」
「皆さんこんにちは、今日もポケモン育ててますか?まだまだな貴方もこれからの貴方も、此処をきっかけに一歩踏み出して行きましょう」
「よおっ元気か皆、オレ様キバナが引き続き登場だぜ!!」
「やぁっ皆こんにちは、ホウエン地方でチャンピオンをしてるダイゴだよ」
「今回紹介するポケモンは此方」
「ドオオオオオオオオオッ!!!」
「ダイオウドウさんです」
「おや、鋼タイプとは嬉しいね」
「やっぱ立派な鼻してるよなぁ~」
| ・おおっ今日もキバナ様がいるわぁ~♡ ・なんというか、本当にキバナファンの声でかいなぁ…… ・そりゃ主も出したがらねぇ訳だよ、コメ欄荒れたからな。 ・結局キバナから注意されるまで続いたもんな。 ・こう思うと此処のコメ民度って高い方? ・割と高い。 ・ダイオウドウに反応したれよお前らwww ・ぞーさんは凄い好きです!! |
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「タイプは鋼単タイプ、見た目はかなり緑っぽいですがこれは元々雨に弱かった皮膚が雨によって錆び、錆が馴染んだ事で逆に水に対する耐性を得て変化した物です。皮膚の色が鮮やかな程群れの中で尊敬を集めるそうです」
「なんかそういうのあるよな、角の長さとか羽の鮮やかさとか」
「自然界だとよくある話だよね」
| ・あ~ありますね。 ・ダイオウドウも例に漏れずそういう系って事ね。 ・でも立派な体してるなぁ。 ・子供とか好きそう。 ・でっかいの好きだしな。 ・実際パルデア四天王の手持ちだしな。 |
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「プライドが高く気難しい性格ではあるのですが、一匹で飛行機を軽々引っぱる程に強い力を買われて工事現場などで力仕事を手伝う個体も多いです。しかも鼻もかなりのパワーですが、かなり器用な上に力の調節も得意です」
| ・あ~俺見た事あるわ、緊急時の飛行機引っ張ってた ・ギガイアスと一緒の工事仲間か。 ・こうしてみるとインフラで頑張ってくれてる子多いよな。 ・有難いよなぁ…… ・ホントホント。 |
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「ダイオウドウさんの特性は力尽く、夢特性はヘヴィメタルです」
「夢特性はそれか、んじゃ活用は難しくねぇか?」
「いえそうでもありませんよ?ダイオウドウさんは素で重いですからヘヴィメタルで重くなってもけたぐりや草結びを受けてもダメージはそこまで増加しませんしヘビーボンバーやヒートスタンプといった体重が重ければ火力が上がる系の技を底上げする方面で活躍します」
「成程、加えてポケモンによっては重すぎてけたぐりが失敗する事もあるし、それらをメインにして追加効果も欲しいならヘヴィメタルの方が有用な場合もあるな」
「あ~成程、疑似ダイマックスみたいな活用も出来るのか。そりゃ目からうろこだわ」
| ・けたぐり出来ないとかあんの? ・重すぎるのと硬すぎて転ばせられないってのはある。 ・あ~……重くて硬いとかマジでキツいからな、動かんから。 ・ナンジャモ:そう考えるとヘヴィもありなんだね。 ・アイリス:う~ん奥深いなぁ。 |
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「鋼タイプの技は勿論、フェアリータイプからドラゴン、炎、電気という範囲もあって中々なやり手。元々素早さが相当に低いので鈍いでの素早さ低下も気にならずにビルドアップ的な感覚で使えますし、トリックルームを採用するなら逆に素早さを上げる事にも繋がります」
「おっ出たなラビの十八番、トリックルーム宣伝」
「勝手に十八番にしないでください、素早さが低いポケモンさんには本当に有効だからいいじゃないですか」
| ・まあ実際トリックルームは強い。 ・にしてもこの図体でじゃれつかれたら……問答無用で死にそう ・言いたい事はわかる。 ・でも実際トリックルーム推し多いよな ・まあそりゃ素早さ逆転の常とう手段だし。 |
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「ステルスロックと吹き飛ばしを覚えるので相手にダメージを与えつつ相手の手札を探る戦術も可能です。個人的にお薦めなのは一撃必殺ですが命中不安の地割れと技が外れたら威力が倍になる地団駄とのコンボですね」
「成程。地割れが当たればよし、外れたらそれはそれで地団駄の威力が上がるからよしという事だね」
| ・あ~成程思った以上にテクニカルだな。 ・図体でかいのにな ・大きい事は良い事だ。 ・能ある鷹は爪を隠す。 ・大は小を兼ねる。 ・何の言い合いそれ。 |
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「素早さこそ遅いですが、中々テクニシャンなパワフルダイオウドウ。炎、鋼、ノーマル、電気の圧し掛かり系技で文字通り相手を圧殺してみるのも面白いかもしれませんよ」
こんな所で配信を締める。終わるのを見るとダイオウドウはバトルフィールドに立つとドスドスと足音を響かせながら地面を均し始めた。
「おっ何だなんだ?」
「彼はバトルフィールドの維持と修復担当なんですよ、特性はヘヴィメタルなのでその体重で凸凹になってしまった地面を均してるんです」
「へぇ面白いね」
「悪かったな荒らしちまって、有難うよ!!」
とキバナがお礼を言うとダイオウドウは鼻をヒラヒラと振って返事をした。
「さてと、俺達はそろそろ行くわ。目的は達成したし何時までも居る訳にはいかねぇからな」
「そうだね、本当にありがとうねラビ。この礼はいつか必ずするよ」
「期待して待ってますよ」
去っていく客人、彼らのポケモンの強さは中々の物だとバトルフィールドの有様が物語っている。こういった物を均して元通りにするのが自分の役目だが……バトルの情景を脳裏に描く事が出来るそれらを均すのは心苦しい一方でそれらの上で新たな歴史が生まれる楽しさの間で自分の理性が揺れ動く。
「ドオオオオ……ダオオオドドドウウ」
いかん、こんな事を思ってる暇があったら仕事をせねば……完璧に均してこれまで以上に素晴らしいバトルフィールドに―――
「ガアアアアアアアッ!!!!ガアアアアアアアアアアアア!!!!」
「クルオオオオンヌ!!!」
「えんるがるるるるるるぁ!!!!」
「クルルルルオオオオオオオン!!!!」
折角均した部分を台無しにするように降ってきたルカリオ、ウネルミナモ、ウガツホムラ、そしてアーマーガア。それらが暴れ出してバトルフィールドは見るも無残な状態へ……折角仕事をしている時に、何で選りにもよって今……後なら文句はない、だが、だが―――
「パァァァァァ……ダアアアアアアアイオオオオオオオオオドオオオオオオオオオオオオオ!!!!」
俺が一番嫌いなのは仕事を増やされる事じゃない、仕事を台無しにされることなんじゃあああああ!!!と言わんばかりにダイオウドウはブチ切れて、4匹を纏めて相手に弾き飛ばし、そのままそのバトルへと乱入するのであった。
「あ~あ……ダイケンキ、オノノクス、ゴルーグさん、流石に止めてきて」