週刊エンジョイポケモン放送局   作:魔女っ子アルト姫

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エンジョイ:トリプルチャンピオン

「そ、そのラビ……えっとさ、キバナさんにその私の事彼女みたいなもんだって……」

「言った、な……確かに言った」

 

ダイゴとキバナが去って数日過ぎて頃、サザレは意を決したかのようにテラパゴスにご飯をあげているラビへと言葉を紡ぐ。内容は勿論キバナのからかいへの返答について。

 

「そのさ、私はすごく嬉しいの。ラビにそう言って貰えてさ、嫌とか全くないの本当だよ。でもなんていうかあんな感じにぶっきらぼうに言いきられるのはちょっとなんていうか……」

 

分っている、ロマンのロの字もないふざけた発覚だ。女性としてはもっとこう、せめて確りとした告白を望んでいた筈だろう。だけど理由はある。

 

「少しこっち来てくれ」

「えっええっラビ!?」

 

そう言ってサザレの手を取る、自然と指を絡められて顔が赤くなる。向かう先はラビのアトリエ、ポリゴン2やロトムのチェックを通過して中へと入る。そして一番奥に飾られていた巨大なキャンバスの前に連れてこられた。

 

「如何しても、これを完成させてからにしたかったんだ」

「これって……?」

 

布が掛けられて何が描かれているのかも分からない、だけど不思議と胸が高鳴っている。どうしてなんだろうか、どうしてこんなにドキドキしているの?分からない、如何してラビが此処に連れてきたのかも何もかもが……そんな思いを抱いているとラビが、布を取った。そしてそれを見た時―――その理由が分かった。

 

「ぁっ……ぁぁっ……」

「如何してもこれを君に見せて言いたかったんだ」

 

其処には宇宙があった、そこには世界があった、そこには神がいた。巨大な銀河の渦の下に悠然と佇む神の世界がそこにあった。呼吸音が聞こえてきそう、動き出しそう、最早何が本物と異なっているのかと探す事すら出来ぬ程に完璧に描かれた時の神と空間の神がそこにいた。

 

「俺の全てを込めて描いたディアルガとパルキア。これを完成させたかった」

「凄い、これが私の先祖が崇めていた神……」

「これを描くのは正直何度も辛すぎて何やってんだと思ったよ、神を描く事の難しさやらあらゆる物をこの身で味わった気分だ。でもその価値はあったな、君のその顔が見れた」

 

心の底から感激と感動で身を震わせている姿、人を心からいや魂から感動させる事こそが芸術に身を置く者にとっては目指すべき物。自分も芸術の世界の末端位に足を踏み入れる位は出来たのかもしれない……。

 

「サザレ、改めてこの場で言わせてください。俺と―――俺と人生を歩んでくれませんか」

「っ―――!!」

 

懐から取り出された小さなケース、開かれれると中に鎮座していた物が顔を覗かせた。そこには見事な金剛石の指輪があった。コンゴウ団、それがヒスイの時代にサザレの先祖が率いていた組織の名でありディアルガを祀る民だった。その名を冠する石の石言葉は永遠の絆。

 

「はいっ……私、なんかでよければ―――ずっとずっとずっと一緒に居させてください……!!」

 

大粒の涙を流しながらもサザレは指輪を受け取ってくれた、ぎこちなく嵌められた指輪を心の底から愛おし気に見つめながらもラビに抱き着いた。そして沢山泣いた、嬉しすぎて泣き続けてしまった。

 

「ご、ごめんね私感極まっちゃって……!!」

「いや嬉しいもんさ、俺としては最高だよ」

「―――え、えへへそう言って貰えるとその嬉しい、かな……?」

 

指に嵌められた指輪を何度も何度も翳すように見つめる、本当に立派なダイヤモンド……そう思っていると呼び出しチャイムが鳴り響いた。ラビは少しだけ不満げな顔を浮かべた。

 

「もう少し、浸りたかったんだけどなぁ……」

「私も、でもさもうちょっと早かったら告白してる時にブッキングするかもしれなかったんだからいいんじゃない?」

「だとしたら最悪だったな……悪意無くても俺は殺意湧いてたな」

「アハハハッ出迎えに行こうよ」

 

共に歩みだすと自然と手を重ねて指を絡めた、アトリエから出てきた二人を見たテラパゴスは二人の嬉しそうな顔を見て嬉しくなったのか小躍りしてしまうのであった。

 

「お久しぶりですラビさん!!」

「サ、サトシさん!?それに其方の二人は―――」

「配信は何時も見てるよ、コメントだと何時も会ってるね!」

「突然失礼するよ、どうしても我慢出来なくなってね」

 

やってきたのはブルーベリー学園へと残っていた筈のサトシ、そしてコメントをよく残してくれる人にして故郷のイッシュ地方のドラゴンプリンセスたるチャンピオンのアイリス。カントー、ジョウトの二つでチャンピオンを兼任しポケモンGメンとしても活躍するチャンピオンのワタル。

 

「な、なんか凄い事になってるけど不思議、全然驚けないや」

「それな」

 

レッド&サトシ、そしてシロナがこの家にいた関係でサザレも大分耐性が付いてしまったというか慣れてしまったというか……兎も角三人を中へと招き入れる、テラパゴスはサトシを見つけると嬉しそうに声を上げて近寄っていく。

 

「パァゴ!!」

「おっテラパゴス、久しぶり~元気だったか?」

「パゴ!!」

「ピピピ、チャ~」

 

ピカチュウもテラパゴスと再会できて嬉しそうにしている、折角だからと二人にはマゴの実ポフィンを出してあげて此方もお茶を準備する。この三人の目的は矢張り―――

 

「力業と早業の伝授ですね?」

「ああ、是非お願いしたい」

「私も~」

 

矢張りというべきか、ワタルとアイリスの用件は力業と早業の伝授だった。ダイゴとキバナと全く同じという訳だがダイゴの読み通りでもある。これはシンオウやアローラからも来る事を想定しなければいけないのか……いやその場合はサトシでいいのだろうか……?

 

「サトシさんはこの流れだとアローラチャンピオンとして、ですか?」

「いえ俺は普通に個人的に興味あるので、アローラ地方は多分ククイ博士本人が来ると思いますよ。博士の研究テーマはポケモンの技についてですし」

「へ~随分アクティブな博士なのね」

「まあ博士と一口に言っても様々な人がいるのも事実だろうからな」

 

アローラはククイ博士本人が来るのか……そうなると最悪の場合嫁さんも来る事になるのだろうか……それはそれで色々とすげぇ事になりそうだと思うラビであった。

 

「しっかしドラゴンタイプのチャンピオンが同時に来るとは……あれですかお二人もブリジュラス目当てですか?」

「それもある、ドラゴン使いとして興味を惹かれない訳がないさ」

 

ドラゴンチャンピオンとしてはブリジュラスの事は興味があったらしい、だがアイリスは違う色を瞳に浮かべていた。

 

「私はカキツバタの事でお礼を言いに来たの、私のせいで世界を狭めちゃった。でもサトシから聞いた話だと今は学園で楽しくやってるらしいの」

「ええ、弟から聞きましたよ。四天王筆頭を取られたって」

 

そう、カキツバタはレベを下してブルベリーグ2位の座を勝ち取った。しかもアオイとハルトの挑戦を跳ね退けながらの2位に着いたのだからこれを大した物だと言わずしてなんだというのだろうか。スグリが四天王から落ちてしまった事になるが、当人は余り気にする事もなく、逆に今度は勝つとグライオンと楽しくやりつつも特訓しているとゼイユから聞いた時はホッとした事もあった。

 

「でも前に進みだした、それを聞いてお爺ちゃんにもちゃんと報告出来て私も嬉しかった。お爺ちゃんなんてカキツバタが大人になったら一緒に飲もうとしてたワインを開けそうになったって笑ってた。その位嬉しかったんだって」

「シャガさんが……フッ、なんだかんだで心配してたんだな」

「カキツバタは良いトレーナーですよ、俺もバトルしましたけど俺のガブリアスとウオノラゴン、オンバーンといい勝負しましたから」

 

カキツバタも順調に成長している、それを聞けて自分も何処か肩の荷が下りたような気がしてしまった。サトシからもバトルの腕前を聞いて安心した自分がいた……今度ちゃんと会いに行こうと思う位には。

 

「それじゃあ…まずは配信、やります?」

「やってやって~!!あっドラゴンタイプが良い!!」

「無茶を言っては、と言いたい所だけど俺もその方が嬉しいな」

「リクエスト頂きました」

 

 

「皆さんこんにちは、今日もポケモン育ててますか?まだまだな貴方もこれからの貴方も、此処をきっかけに一歩踏み出して行きましょう。本日はゲストをお迎えしたので、久しぶりに前回から早めに放送しております、本日のゲストは此方」

「やっほ~みんな元気してる~!?イッシュのアイリスだよ~」

「カントージョウトのチャンピオンのワタルだ、こんにちは」

「ポケモン、ゲットだぜ!!皆、今日もポケモンバトルしてるか?俺は相棒のピカチュウと一緒に毎日楽しんでるぜ!!皆こんにちは、俺サトシ!!こっちは相棒のピカチュウ!!」

「ピッピカチュ!!」

「本日はこのメンバーでいきます、そしてご紹介するポケモンさんは此方」

「ドゥ~」

「キングドラさんです」

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