「ンガァァ~……」
「ガァブ」
「ガブ?ガ~ガガダブゥ~アスリ」
「ガァアアブ、アアバァ」
何やら話し込んでいるのはラビのガブリアス、そしてサトシのガブリアス。ダークライとも対戦経験があるあのフカマルが進化してガブリアスへとなったのだ。サトシもこれには大喜びする一方でガブリアスがフカマルのような性格な事に胸を撫でおろしていた。
「う~ん……ダメ、ワタルさん分かります?」
「……生憎俺にも全くだ。あのガブリアスが一体何を考えているのかが全く読めん、あれ程までに思考をしないガブリアスなんて初めて見る、だがそれでいながら動きが的確且つ繊細だ。無我の境地という奴なのかもしれんな」
力業と早業の為にサトシが選んだのはなんとピカチュウとガブリアスだった、ラビは少し不安だった。何故ならばフカマルのままの性格である為にガブリアスは極めてマイペース且つアイリスとワタルというドラゴンのスペシャリストをして何を考えているのかも分からないと言わしめる程。二人はそれが悔しくて何とか読み取ろうとしているのだが……それすら極めて困難。
「私とかのドラゴン使いって相手がドラゴンポケモンを使ってきてもその挙動とかで次に何をするかを分かったりするの、だけどこの子は全くダメ。サトシこの子何処で見つけたのよ」
「見つけたというか……シンオウ地方で流星群を教えてるタツ婆さんの所に遊びに来てた奴なんだ、それで見様見真似で流星群をやろうとして唯の流星になっててさ」
「あのタツ婆様の、成程……見様見真似で流星まで出来るのは凄い事だぞ、寧ろ力が溜まり過ぎて上手く散らせなかったのかもしれんな」
驚いたのはそんなガブリアスがサトシ、アイリス、ワタルのポケモンの中で最も早く力業と早業の習得をしてしまった事だった。これには流石のチャンピオンズも驚愕し、オノノクスはライバル心を燃やすのだが……肝心のガブリアスは我関せずと言いたげにボ~ッとしている。
「素早く、ドラゴンクローだ!!」
「ガァァァバアア!!!」
「ガブリアス、力強く流星群!!」
「ガァァァァァァッ……バァァァァァアアアアアア!!!!」
ガブリアスは完璧に力業と早業を皆伝した、ラビのガブリアスの模擬戦では見事な早業ドラゴンクローからの力業流星群というコンボを見せて来た。あのダークライ使いをして、流星群が当たっていたら危なかったと言わしめる逸材だったのを思い出させた。
「あっそうだ、ラビさん聞いてみたかった事があるんですけど」
「何です?」
「変化技を力業早業したらどうなるんです?」
サトシからの疑問は流石だと言わざるを得なかった、それにはアイリスとワタルも頷いた。二つの業は基本的に攻撃技にしか適用されないものだと思っていたからだ。それを確かめるためにガブリアスに指示を飛ばす。
「素早く―――剣の舞!!」
「ガァァバァァァッ……!!」
「は、速い!?」
「そして力強く―――ドラゴンダイブ!!」
「ガブリアス、来るぞ!!こっちも力強く、ドラゴンダイブ!!」
ラビの指示とほぼ同時にサトシも力業の指示を飛ばすが、早業からの切り返しによって初動は明らかにラビのガブリアスの圧勝だった。一瞬でドラゴンタイプのパワーチャージが終了し光の竜となって突撃した。サトシのガブリアスも遅れながらも突撃するが、助走が明らかに足りていない。即座に防御体勢を取ってドラゴンダイブを受けるが―――
「ガバアアアアッ!!!」
「ガブリアス!!」
一方的に弾かれて吹き飛ばされてしまうガブリアス、それを神速を使ったカイリューが受け止めた。サトシはそれを見て一安心しつつも駆け寄っていった。
「大丈夫か!?」
「ガ、ガバァ……」
大丈夫ではありそうだが呆然としている様子、一方でアイリスとワタルはその事実に震えていた。
「これは……早業で変化技を使った場合には効果は薄れないのか!?」
「ご名答です。早業で能力を強化する、防御を固めて備える、能力を下げるか状態異常にするなどが出来ますがおススメがこれです、早業から間髪入れることなく力業で相手を圧倒する。これは双方を習得した上で切り替えを確りと出来る技術を身に着けてからですが」
「それでもこれ凄い有効的だよ!!だって龍の舞から攻撃できるんでしょ!?うわぁ夢が広がるぅ!!」
「しかし……それはダイゴとキバナに言わなくて良かったのか?」
「聞かれなかったので。それにあの二人ならすぐに気付きますよ、だから大丈夫です」
「人が悪いな、ラビ」
「いえいえそれ程でも」
「皆さんこんにちは、今日もポケモン育ててますか?まだまだな貴方もこれからの貴方も、此処をきっかけに一歩踏み出して行きましょう」
「やっほ~みんな元気してる~!?イッシュのアイリスだよ~」
「カントージョウトのチャンピオンのワタルだ、こんにちは」
「ポケモン、ゲットだぜ!!皆、今日もポケモンバトルしてるか?俺は相棒のピカチュウと一緒に毎日楽しんでるぜ!!皆こんにちは、俺サトシ!!こっちは相棒のピカチュウ!!」
「ピッピカチュ!!」
「今回紹介するポケモンは此方」
「……ジャァラガァ」
「ジャラランガです」
| ・相変わらずやべぇゲストだ ・チャンピオンズ三連星。 ・どうせだヌシ戦う配信やろうぜ。 ・それはみたいけど迷惑になるからダメだろ。 ・そっかぁ……ごめん、ドラゴンチャンピオン同士見たかったんです ・それは分かるぜ兄弟。 ・おおっジャラランガ!! ・修行するドラゴン!! ・すっげぇ傷だらけな個体だな。 ・歴戦の個体か? |
|---|
「ジャラランガはドラゴンと格闘の複合タイプ、厳しい修行を積み重ねた結果として進化しジャラランガになった個体は修行のために離れていた群れを遠くから見守る存在となり、いざという時は群れを守る盾として矛として命を懸けます」
| ・なにそれかっけぇwww ・笑っちまう位にカッコいいwww ・マジでカッコいいなこいつwww ・修行を終えた戦士が見守ってくれるとかスゲェ安心できるな。 ・だからこんなに風格あるのか。 |
|---|
「性格はドラゴンとしてはかなり大人しい方です、と言ってもジジーロンのような温厚さではなく無差別に攻撃をしたり暴れたりしないという意味合いでの大人しさです。弱いポケモンさんが近づいてくると威嚇として尻尾の鱗を鳴らす事で自分の存在をアピールし戦闘を避けます、これには他にも意味合いがあり、獲物を捕獲した際の喜びの表現、威嚇に動じずに迫ってくる相手を選別する為にも用いているとの事です。最大の武器は鱗を共振させて放つスケイルノイズ、ではなく修行で身に着けたフィジカルから放つ渾身のアッパーカットです。その破壊力は衝撃で地形を変え、一瞬地面が波打つと言われています」
| ・へ~まさに修業した武人って感じだな。 ・カッコいいなぁ~ ・最大の武器、フィジカルなんだ。 ・ある意味一番恐ろしいタイプだったわ。 ・ナンジャモ:下手な技より恐ろしいことして来るね…… ・しかもスカイアッパーって技あるよな?空飛んでてもアッパーカット飛んでくるって事? ・何その恐怖。 |
|---|
「ジャラランガの鱗はまるで黄金のような光沢を纏い、世界を包む闇を払うという伝説が存在しておりアローラでは神聖視する所もあるそうです。その為に抜け落ちたジャラランガの鱗は武器や防具、そして日用品にまで使われていたそうです」
| ・カッコいいなぁ ・世界を包む闇を払うとかなにそれ疼く。 ・ああ、滾るな。 ・キバナ:なんだろうな、この心の奥底の男が騒ぐ感じ ・それって所謂厨ニby ・それ以上いけない。 ・ダイゴ:男は何時までも男の子さ。 ・良い事言うぜチャンピオン!! ・男ってこんなのばっかなの? |
|---|
「特性は防弾と防音、そして夢特性は防塵です」
「どれも防御系なんですね」
「防塵、茸の胞子などが効かない特性だったか?」
「そうですよ、他にも粉系の業は完全にシャットアウトです、後砂嵐の影響も受けません」
「うわぁ凄い頼りになる」
| ・完全防御系だな。 ・でもどれも頼りになるぞ来れ。 ・主力技にボール系の技とかも多いしな、音技で身代わり貫通出来なくもするのか ・想像以上に厄介だなこの武人。 ・防塵思った以上に凄いな ・何度茸の胞子に泣かされたか……!! ・主にキノガッサな。 ・俺はモロバレル。 |
|---|
「ジャラランガはキングドラさんと同じく満遍なく能力が高く、癖が無いタイプです。体重も軽くフットワークも軽快なのでお勧めし易いドラゴンですね。ドラゴンと格闘タイプなだけあってかなりの技のレパートリーもあります、体力にやや不安な所がありますがドレインパンチで十二分にカバーが利きます。フェアリータイプが大きな弱点ですが、アイアンヘッドや毒突きと言った技でのフォローも出来ます」
「ホント器用だよね、三色パンチも出来るし爆音波とかもできるから遠近両刀で強いの」
| ・格闘タイプ入るとなんか器用になる法則でもあるのかね? ・まあ格闘家って器用な事多いし。 ・割と納得 ・キバナ:こいつ地震とか火炎放射とかシャドークローとかアクアテールまで行けるからな ・ダイゴ:タイプという意味だと本当に器用だよね。 ・これも修行の成果か……。 |
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「そんなジャラランガの奥義はソウルビートという技です、これは体力を削って全能力が上昇するという特徴があります。因みにこれも音技の範疇なので喉スプレーというアイテムが使えるようになり、それによってさらに特攻を上げるという事も出来ます」
「これが中々に厄介なんだ、体力が減ったと思ってもドレインパンチも必然的に強化されるから体力を戻されてしまう」
「龍の舞とかと違って防御面も上がっちゃうのが厄介なんだよね」
| ・あっそうか、体力減るからいいじゃんと思ったけど ・ドレパンがあったかぁ…… ・そうなると地獄突きで封じたいなぁ ・ネモ:封じられました。 ・ああやっぱり有効―――うわぁ!? ・またチャンピオンが湧いたぞ! ・まあネモは何処にでも湧くし…… |
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「ステルスロック、吠える、挑発、身代わりと老獪な戦い方も可能です。修行で身に着けたのは強靭な肉体だけではないといった感じなのかもしれません、ソウルビートを無理に採用せずに腹太鼓で更に一撃の威力を上げて素早さはスケイルショットや龍の舞で補うといった事も可能です」
| ・腹太鼓ドレパンとか考えたくねぇ……www ・体力減ってねぇじゃん!?ってなりそうね。 ・実質的にノーダメとかザラだからな ・ネモ:私ラビさんのニョロボンでそれやられたね!! ・うわチャンピオンも被害者だった。 |
|---|
「最強の肉体と優れた防具、鍛えた技で相手を粉砕するスケイルアーマーの竜戦士がジャラランガなのです」
そんな所で今回はこれで配信を終える、アイリスとワタルはこれで帰るのでお別れパーティをする予定なのだ。
「本当にいい収穫を得られたな」
「早業からの力業、う~ん研究のし甲斐あるよねぇ!!サトシ、後でちょっと付き合って」
「勿論」
そんな話をするお三方を見つつ静かに丸まっているジャラランガに労いを込めて好きな木の実を置いておく。
「ありがとな」
そんな言葉を掛けられる程、自分は優れた戦士ではない。既に全盛期は通り過ぎて後は衰えていくのみの存在。群れを守る盾にもなれず、敵を討つ矛にもなれない老いた身。群れに襲い掛かってきたそれに手傷を負わせるのが限界、自分はトドメを刺されるだけだった。そんな時に出会ったのがラビだ。
『ダイケンキ、アシレーヌ!!バンバドロさんはジャラランガを守るんだ!!』
何故助けてくれたのかは分からない。だが見た事もなく、異形染みたあのポケモンとラビは戦ってくれた、そして気づいた時には自分はポケモンセンターに居た。群れには自分よりも若く強いジャラランガがいる、ならば自分は如何するべきなのか……せめて助けられた恩を返す為にラビの旅に同行させて貰って今はこの庭でのんびりと隠居しているような状態だ。
「ジャァァ……」
若い連中は自分を頼って技を見てくれとせがんで来るが既に老境の身、役立てる事など少ない。だが……それでも役に立てるならば動くべきだと思うのは戦士の性だろう……今日も若い連中に稽古を付けてやる為に立つ。
「ララランガ……」
盾にも矛にもなれぬ、だが……それでも何か出来る筈だ、道標の楔程度ならば務まるだろう……。