「全くこれだからチャンピオンってのは常識を超えて来る……」
「まあそう言うなって、チャンピオンはそれに相応しい実力とポケモンとのきずながあるって思ったら当然だろ?」
「いやぁ……でも本当に凄かったね」
スケジュールの都合で一日だけの休暇を取ってやってきたカルネ、そしてそれに対抗したシロナはたった一日で業の皆伝を行うと宣言し指導を行ったのだが……その気になったチャンピオンの集中力たるや恐ろしいものがあった。瞳は鋭く輝き、ゴーゴートとアシレーヌの業を行った際の挙動などを一つ一つ注意深く観察し、自らのポケモンへと取り入れていった。そして最終的には一日どころか半日で業の皆伝を完了させてしまったのだから驚いた。
「しかし、カルネさんは兎も角シロナさんまで帰っちゃったのは驚きね」
「元々無理を言ってこっちに戻ってきたらしいからなぁ……シンオウリーグから技を覚えたら直ぐに帰ってきて欲しいって言われてたんだってさ」
「チャンピオンとなると忙しいんだな」
ククイは少しの間でも一緒に居られて光栄だったな、と言いたげにしているのだが……実際はパルデアに長期間滞在し続けた為だからというのは黙っておこう。まあ流石にそれではあれなので、ヒスイの資料を一部コピーして渡しておいた。シロナなら妙な使い方はしないだろうという信頼からなのだが……片付けが出来ない事を思うとデータで渡しておいて正解だった。
「ガオガエンは火の粉から始めさせたんですよね?」
「ああ、俺は別に急いでる訳じゃないしのんびりとやらせて貰うよ」
一方のククイ博士は初級者向けである基本技の皆伝からゆっくりと行っている、ガオガエンもサーナイトとガブリアスが大技を業化しラビのポケモンと模擬戦を行っている横で黙々とククイと共に基礎から鍛えていた。その結果として力業と早業の完成度自体は二人よりも高みに立っている。
「ラビさんただいま帰りました~」
「おっサトシ!!よっ久しぶりだな!!」
「ククイ博士!!本当にお久しぶりです!!」
帰ってきたサトシを出迎えたククイ、アローラ地方ではククイの家でお世話になっていたサトシにとってククイは家族同然の存在でその姿を見るとピカチュウと共に喜びながら駆け寄った。
「本当に元気そうだな、背ぇ伸びたな!!ピカチュウも元気そうで何よりだ」
「ピッカチュ!!」
「モクローやガオガエン達は元気ですか?」
「元気も元気、大元気さ。最近だとお前のPWCSの映像を見直してからバトルする事が日課になってるんだよ、特にメルメタルの奴はガオガエンと良く戦ってるな」
「メルメタルの奴、アローラリーグで博士のガオガエンに負けたから頑張ってるのかな」
「流石だな、俺のガオガエンとも偶に戦うぞ」
本当に楽しそうな会話は家族のそれ、父親と息子の会話にしか見えない。笑顔が絶えないそれを見たラビとサザレは思わず、自分に子供が出来てあんな風に話せたらなぁ……と思ってしまった、互いに目が合った時に思わず顔をそらしてしまった、婚約したと言ってもまだまだ先へ踏み込むのは先になりそうである。
「そうだ。なぁラビ次の紹介さ―――」
「成程、いいですよ。丁度彼方も博士に会いたいでしょうし」
「皆さんこんにちは、今日もポケモン育ててますか?まだまだな貴方もこれからの貴方も、此処をきっかけに一歩踏み出して行きましょう。本日のゲストは此方」
「アローラ!!皆元気にしてるかな、俺はククイだ。今日はよろしく!!」
「ポケモン、ゲットだぜ!!皆、今日もポケモンバトルしてるか?俺は相棒のピカチュウと一緒に毎日楽しんでるぜ!!皆こんにちは、俺サトシ!!こっちは相棒のピカチュウ!!」
「ピッピカチュ!!」
「さて今回のポケモンは此方」
「―――ガェエンッ!!グアアアアッ!!ガアアアアアアアアアエンンヌ!!!!」
「ガオガエンって相変わらずテンションバカ高いですねアンタ。何ビルドアップしてるんですか」
| ・おおっガオガエン!! ・オニャンコレスラー!! ・猫ではあるけどおニャン子ではねぇだろ…… ・ナンジャモ:まあうん、ニャオハとかに言うべき言葉だよねそれ。 ・猫は猫なんだけどさ、強面だからなぁ…… ・嫌いじゃないわ!! |
|---|
「おおっ元気だなガオガエン!!」
「ガッ?ガアアアアッ!!」
「ハッハッハハハハハッ!!!よしよし」
「博士知ってるんですか?」
「ああ、知ってるも何も俺がラビに託したニャビーが進化した奴だからな。目立ちたがり屋で人の視線を浴びるのが大好きな奴だったんだけどそれは進化しても変わらないみたいだな!!」
「だからビルドアップしてるんですか、凄い迫力あるけどなんかマッシブーンみたいな奴だな」
「ピィカ」
| ・目立ちたがり屋、ガオガエンにピッタリな性格してやがる……。 ・ククイ博士から貰ったポケモンなのか、じゃあアシレーヌもなのかな。 ・じゃね?野生は聞かんしアローラの初心者用ポケだし ・何みたいなやつ? ・分からん、もう一回いってくれ。 |
|---|
「ガオガエンは一般的な性格は極めて自己中心的で気分が乗る事が無ければトレーナーの指示とて平然と無視をします。時にはトレーナーをも巻き込みかねないほどの大規模な攻撃を仕掛けるなど敬遠される事もあります、強敵との戦いやギャラリーがあればあるほどに闘志と炎は燃え上がりますが、逆の場合には白けてしまってやる気が無くなり戦う事すらしてくれません」
| ・あ~……確かに、俺も巻き込まれかけた事あるわ。 ・俺も、スゲェ炎飛んでくる。 ・うわマジか、そんなに激しいのか。 ・良くも悪くも常に全力で豪快なんだよなぁ…… ・ホントレスラーっつうかエンターテイナーっていうかな。 ・ルチャブルとのバトルは色々面白いぞ。 |
|---|
「自身がヒール役という自覚があるのか、幼いポケモンさんや子供から懐かれると見た目は嫌そうにしますが内心では酷く喜びます。嫌々渋々を装いながらも困っている所を見捨てられないという優しさを兼ね備えています。加えて格下をなぶる事も嫌いで、弱い相手や手負いな相手には実力を発揮出来なくなってしまうという一面もあります」
「そうそう、俺のガオガエンもそうなんだ」
「俺のガオガエンもそうなのかなぁ」
| ・思った以上に優しい、のか ・悪役に徹してる感じがするな。 ・無理しなくてもいいのに……。 ・ナンジャモ:世の中にはギャップ萌えという物があってだね…… ・ああ、ナンジャモが芸人扱いなのもギャップ萌えか。 ・そうそうそれで偶に見せる涙目がもうね ・ナンジャモ:いやぁそれ程でも―――誰が芸人だぁ!? |
|---|
「ガオガエンの特性は猛火、そして私のガオガエンは夢特性です」
「あっやっぱりそうだったのか、どうにもニャビーの頃から妙な凄みと迫力があると思ってたんだが……もしかして威嚇か?」
「正解です、もしもブルーベリー学園にいた頃に出会えてたら常に手持ちにいたでしょうね」
| ・へ~夢特性威嚇なのか ・納得の特性である。 ・強面だからなぁ ・おい、ヌシの童顔で可愛いって言うくらいには失礼だぞ!! ・お前が一番失礼。 ・まあ事実だけどな。 |
|---|
「何でガオガエンが常に手持ちなんです?確かに炎と悪タイプは通りがいいし相性補完も良いとは思いますけど」
「ブルーベリー学園は基本的にダブルバトルが常なんです、故に場に出るだけで相手の攻撃力を下げる威嚇は極めて有効なんです。耐久力も耐性も優秀ですしそれらを活かす技も豊富です、交代してもう一度出すだけで相手の攻撃力は半減する訳ですからね」
「しかも二体同時にな、出ているのが物理アタッカーだとしたらこれはかなり致命的な能力ダウンになっちまう」
「確かに……そう思うと相当に怖いですね」
| ・これだから威嚇パとダブルで当たるの怖いんだよなぁwww ・俺、ギャラドスとムクホーク同時に出されてひでぇ目にあったわ ・想像しただけで怖いな、盤面が。 ・顔面が? ・盤面だよ!!確かにどっちも怖いのはそうだけどさ!! ・ムクホークは怖くないだろ!!唯リーゼントなだけだ!! |
|---|
「此処に猫騙し、蜻蛉返りなどが加わると更に性能が上がりますし捨て台詞という技で交代しつつ相手の攻撃と特攻を同時に下げて特殊アタッカーも巻き込めます。これによって相手の攻撃を下げる事で実質的にガオガエンの防御を上げる事も出来ます。特殊メインの相手ならバークアウトで対応可能ですし、シングルバトルでもこれだけの役割でも相当にパーティを楽にする名サポーターとして活躍する事も出来ます」
「う~ん俺とサトシのガオガエンとは違うが、それはそれでかなり凶悪だな」
「ですね、俺達はどっちかと言えばエースみたいな立ち位置ですし此処まで出来るとは思いませんでした」
「ガァエン!!」
「私のガオガエンは目立ちたがりですが同時に仲間の為に身を張る事を誇りにしています、ビルドアップをして目立つのも自分を狙わせて味方を守る為……などではなく自分の身体を強調したいだけでしょうね、筋肉バカな所がありますから」
| ・うっへ~想像以上に曲者だぞこいつ。 ・特殊アタッカーで何とかなると思ったらそうでもねぇぞこいつ……。 ・そうなると如何したらいいんだ? ・ダイゴ:ミラーアーマーアーマーガアとかかな? ・アイリス:いや精神力コジョンドはどうかな、威嚇効かないよ? ・キバナ:負けん気とかどうよ ・ナンジャモ:え、え~っと……あっアシレーヌ!! ・ナモ公勢いねぇぞ~? |
|---|
「此処までサポーターとしてのガオガエンを紹介しましたがアタッカーとしても優れています。ビルドアップや剣の舞で攻撃を上げてからドレインパンチで回復、相手の能力変化を無視して攻撃するDDラリアット、足の遅さをカバー出来るニトロチャージ、ダブルバトルでは使用機会の多いであろうやけっぱちなどなど……ハッキリ言って私のガオガエンは曲者です、何ならククイ博士勝負でもします?」
「おおっ!?なんだなんだ挑発か?いいだろう乗ってやろうじゃないか!!」
| ・中々なレパートリー ・キバナ:だけど全部言ってねぇのがラビの癖者加減を現してるぜぇ ・ナンジャモ:まあラビ氏だし…… ・えっ博士とバトルするの!? ・なにそれみたい。 ・みるみる~!! |
|---|
「それでは使用ポケモンは3対3のシングルで行きましょうか」
「おういいぞ!!サトシ、悪いけど審判頼むぞ!」
「分かりました!!後で俺ともバトルしてくださいよ!!」
「まずは―――ガオガエン、先鋒を頼みます」
「ガエエエンッ!!」
出番か!!と意気勇んでバトルフィールドに立つガオガエン。試合が始まる前のそれは卑怯なので、形だけのビルドアップをしてアピールをする。先鋒に立ち場を盛り上げる事は誉れだと言わんばかりの登場。ラビのガオガエンはハッキリ言ってガオガエンとしては変わっていて兎に角正々堂々としたぶつかり合いを好む。
「行くぜこっちはウォーグルだ!!」
それで居ながらも平然と捨て台詞や猫騙しと言った技も使用する、あくまで好んでいるだけで絶対的な物ではない。仲間のため、ラビの為ならば自らの矜持など喜んで捨てる正義の非道レスラー、それがラビのガオガエン。アローラではその力を活かしてとあるポケモンと熾烈?なビルドアップ対決を行った事もある。
「それじゃあバトル開始!!」
「ウォーグル、アクロバット!!」
「それでは―――捨て台詞!!」
「おまっいきなりか!?」