週刊エンジョイポケモン放送局   作:魔女っ子アルト姫

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エンジョイ?:テラスタルWithレビ

リコのテラスタル研修が終了し次のレビの手番がやってきた。ブルーベリー学園チャンピオンという事もあってカエデも加減をする気はないと明言した上で繰り出されたのは―――

 

「クモちゃん、アクアブレイク!!」

「グモオオオオオ!!!」

「な、なんだあのオニシズクモ速すぎる!?」

 

思わず、ムクロジにアルバイトに来て研修の見学をしていたマードックが声を上げてしまう程の爆速で移動する虫ポケモン、オニシズクモ。アローラ地方のヌシポケモン並の巨体を誇っているカエデのオニシズクモは異常なスピードで迫って来るがレビは落ち着き払ってグレイシアに指示を飛ばす。

 

「雪景色!!」

「レイァァァァ……レイッ!!」

 

グレイシアは瞬時に周辺の天気を雪が降る天候へと書き換えた、そしてそのままアクアブレイクをまともに受けて吹き飛ばされる。

 

「ま、まともに食らった!!?」

「これは相当なダメージな筈だよ……!!」

「レビさん頑張って!!グレイシアも!!」

 

リコ達が必死に声援を送る中でレベとロルだけは笑っていた、ラビはそういう選択を取るかと思考を巡らせる。カエデのオニシズクモの特性は水泡、水タイプの威力は上昇する―――がグレイシアは空中で見事に体勢を整えるとそのまま着地してみせた。

 

「あらまぁ、この天気を差し引いても良いダメージが入ったと思ったんですけど見積もりが甘かったかしら?それとも……当たる瞬間に後ろに引かれたせいかしら?」

「両方、と答えておくわ。吹雪!!」

 

その言葉と共に放たれた猛吹雪はオニシズクモへ容赦なく襲い掛かる、この状態での吹雪は必中状態で回避は不可能。オニシズクモの水泡の温度も下がり、動きは鈍くなり始めている。

 

「今よグレイシア、凍てつき砕けフリーズドライ!!」

「レィシァ!!!」

 

グレイシアが思いっきり地面を踏みしめるとオニシズクモの足元から無数の氷柱が突きだした、それらが完全に包囲すると中心部のオニシズクモが一気に凍り付いてしまった。

 

「オ、オニシズグモが凍っちゃった!?」

「フリーズドライ、可愛い顔してエグいのを使うぜ……」

「ど、如何いうことなのマードック!?」

「フリーズドライはね~水タイプのポケモンには効果抜群になるマジテン上げな氷技♪」

 

ロルの言葉に全員の視線がオニシズクモへと注がれる、水タイプを併せ持つオニシズクモにとってフリーズドライは効果抜群になってしまう技。加えて周辺の天候が雪で気温も下がっている為に氷タイプのポテンシャルは最大限に引き出せる環境となっている。フィールドを完全に味方にしたレビの作戦勝ちである。

 

「クモちゃん、お疲れ様。ゆっくり休んでくださいね、レビさん流石の腕前ですね。テラスタルを使うまでもなく負けてしまいました……ですが貴方とグレイシアちゃんの心は完璧に通じ合い、ここぞという所で最大限の力を発揮するタイミングも最適。合格です」

「有難う御座いますカエデさん、この子とは長い付き合いなので」

「レィ」

 

ムフ~とドヤ顔をするグレイシア。レビのパートナーはアローラキュウコンではあるが、次点で付き合いが長いのがイーブイから進化したこのグレイシア。その実力も相応に高いのだがグレイシアはラビを見つけると其方へと走り出し、その肩へと飛び乗って頬ずりし始めた。

 

「全く元気そうだなグレイシア」

「シァ~♪」

「グレイシア、兄さんが困ってるでしょ戻りなさい」

「シァン」

 

レビのボールから放たれた光線を軽々と回避、そのまま光線を連打するが全く当たる気配はない。もう雪は止んでいる筈なのに……。

 

「戻りなさい、戻って、ねぇ戻れって言ってるの、戻りなさい!!戻れって言ってるでしょうがグレイシアァァァッ!!何時までお兄ちゃんの肩や頭に乗ってるのよっ好い加減にしなさいぃぃぃ!!!」

「シァシァシァァアン♪」

「ああそうよ羨ましいわよコラほっぺにキスしてるんじゃないわよぉぉぉ!!!」

「シァ―――」

「ハァハァハァハァッ……や、やっと戻った……」

 

レビが肩で息をする程に消耗する攻防が繰り広げられた結果、漸くグレイシアはボールへと戻っていった。レビのグレイシアはかなり珍しいメス個体でトレーナーであるレビとは大の仲良し……であるのだが、グレイシアはレビが兄が好きな事を確りと理解しているので煽り目的でラビに甘えていたのであった。

 

「まぁまぁ♪愛されてますねラビさん♪」

「……兄としてはお恥ずかしい限りですよ……」

「ハッハッハッハッ!!まあいいじゃねえか、妹さんと仲が良いなんて良い事だぞラビ」

「そうそう、ウチらお兄ちゃんの事鬼好きだし~♪」

「それは否定しないけどさ……人前なんだしある程度自重しないと父さん母さんみたいって思われるよ?ぶっちゃけそれはいやなんだけど」

「「そ、それは確かに……」」

 

自分達の両親の事である筈なのに一緒にされたくはない、というのが共通認識となっている。それを聞いてリコやマードック達は一体どんな両親なんだ……?と若干気になるのであった。

 

「結局テラスタル出来なかったのよね……カエデさん、グレイシアのテラスタイプを今見てみてもいいかしら?というか私テラスタル使わなかったのだけど研修としては良いのかしら……?」

「勿論いいですよ、私のテラスタル研修は必ずしも使わなければいけないという事ではありませんから問題はありません。人によってはどのタイミングでテラスタルを使うのか、というのもありますから一概には言えませんけど……私が見るのはテラスタルを使うに値する絆などがあるかどうかですから」

「それでは早速、行くわよグレイシア!!」

 

もう一度グレイシアを出してからテラスタルオーブを構える。そして周囲の光を吸収したテラスタルオーブをグレイシアへと投げた。

 

「氷原を舞う輝きとなれ、グレイシア!!!」

「レイァァァァ!!!」

 

テラスタルを発現したグレイシアのテラスタイプは―――水だった。水色の結晶を纏い、頭部には噴水のような結晶が輝いていた。それを見てレビは興味深そうな顔をした。

 

「水なのね、これは……フフッ考え甲斐があるわね、冷や水の威力が上がるのは良いわね。水の波動の使い勝手も上がるって事だし」

「炎や岩タイプに強くなったって事じゃねこれ?」

「う~んボク的には辛いタイプ……」

「シァ~」

「グレイシアァァァ!!!だからお兄ちゃんの肩に乗るなぁぁ!!」

「だああもう、レビも落ち着けぇ!!」

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