この日、ラビはナンジャモからコラボの要請を受けてその打ち合わせをする為にハッコウシティへと訪れていた。本来ならばロトムの通話で済ませる筈なのだが……ナンジャモから是非顔を合わせて行いたいと言われたのでジムへと足を運んだ。
「ラ、ラビ氏!!ボ、ボクこと不肖ナンジャモ!!ラビ氏に話さないといけない事がありまして……!!」
受付の人に案内されたナンジャモの部屋、そこではナンジャモが正座をして待っていた。促されるがままに彼女の前へと座るとナンジャモが覚悟を決めたかのように、震えた声を出しながらも真面目な顔で話を切り出す。
「こ、今回ボクがラビ氏をお呼びしたのはじ、じじじ、実はですねその……!!!」
「レベの事が好きな事は分かってますよ」
「ふぇ?」
キョトンとした顔で硬直するナンジャモ、それを笑うことなく穏やかな顔のまま応対する。
「私はレベの兄でしかありません、そんな私に弟の惚れた腫れたに首を突っ込む気は毛頭ありませんしギャロップに蹴られるつもりもありません。弟の恋路です、レベが決めればいいだけの事―――お好きになさい、レベも貴方の事は好いていますから」
「っ―――ラ、ラビ氏ぃ~!!!!」
思わず涙を流しながらもラビの手を取るナンジャモ、自分はラビに絶対にNOを喰らうと思っていた。なんというかラビは家族の事に関しては極めて厳しいというイメージが勝手ながらあった。それは噂程度に聞く両親がバカップルすぎる故に、皆揃ってラビに懐いているから。ラビも長兄としての立場で弟妹を守らなければならない責務がある為に厳しくされると思っていたのだろう。
「そ、それじゃあこれからはお義兄様とお呼びした方がいいのでは!!?」
「せめてレベを落としてから言ってくれませんか?まだ仲のいいお友達程度な癖に早まり過ぎなんですよ、スイーツ脳ですか貴方は」
「なななななっ仲はそこまでじゃないかな!!?だってまだデートとかしてないし、してると言えばお互いの近況をチャットで話し合ったり業の進捗を教え合ったり仲良くお喋りしたり好きなポケモンの事を話し合ったりしたり……その程度の関係だからねまだ!!?」
「世間一般的にはそれは既に仲のいいお友達と言うんですよ、というかデートしてないだけで実質交際してるようなもんじゃないですか。レベの奴思った以上に手が早いな」
「人聞きの悪いことを言わないでくれるかなぁ!!?この前だってレベ氏のラムパルドが電気テラスタルだってことが分かって凄く嬉しくてレベ氏も嬉しそうでボクは幸せだっただけなんだからね!?」
「……もう告れよ、それでも芸人か」
「いやだってまだどういったシチュエーションとか考えきれてないしそもそもネタの仕込みだって……って誰が芸人だぁ!!?」
正直なことを言おう、想像以上にレベに惚れこんでいる。その事に吃驚している。
「しかし、レベの何処が良かったので?兄の贔屓目で見ても確かに良い奴だとは思いますが……」
「そ、それはえっと……その、わ、笑わない?」
「内容によりけりですけど」
もじもじとしているナンジャモ、この人も乙女らしい要素があったのか……と我ながら失礼な事を考えているな、と自分を戒めるラビ。それよりも弟がどんなやり方でナンジャモを落としたのかも興味がある。
「……一目惚れ♡」
「帰るぞアーマーガア」
「ガア」
「待って待って待って!!冗談、イッツジョーク!!ラビ氏が芸人とか言うから僕もなんかいつの間にかそっち方面の才能が開花したと言いますがオチを付けないといけない焦燥感に駆られたと申しますかというかアーマーガアも普段はあんなに荒々しいのにこの状況でなんでそんなクールで素っ気無いのこんなの絶対可笑しいよ!!?あ~待って本気で帰ろうとしないでお願いだから待って!!」
「皆さんこんにちは、今日もポケモン育ててますか?まだまだな貴方もこれからの貴方も、此処をきっかけに一歩踏み出して行きましょう。本日ご紹介するポケモンさん―――を紹介する前に本日はコラボ編とさせて頂きます、それでは今回コラボしていただきます方をご紹介します」
「貴方の目玉をエレキネット!!ナニモンナンジャ?ナンジャモです!!今回は何とコラボ回だぞ~!!ボクナンジャモと毎度おなじみラビ氏とのコラボ配信だぞ~」
「ホント毎度恒例みたいな行事になりましたよね、最初はナンジャモさんとコラボするとか色々面倒起きそうで嫌だったのに今では何とも思わなくなりましたよ、慣れるって怖いですね」
「それ、ボクが言うべき台詞だよね?普通のコラボだと思って何度とんでもない方々と一緒になったと思ってるの?というかマジでラビ氏の人脈どうなってるのよ、怒らないからまだ呼んでない著名人の名前リストアップしてみて?」
「―――本当に言っていいんですね?」
「やっぱいいです!!」
| ・なんというか、本当に力関係逆転したよね。 ・最初はヌシもナンジャモリスペクトだったのにね。 ・いやある意味今もしてる事はしてるよね。 ・いじり的な意味でな。 ・ナンジャモも今ではすっかり芸人枠に収まって…… ・このままお昼のワイドショーにも呼ばれそうだよね。 |
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「そうそう、ボクってば人気者だから配信だけに飽き足らずTVデビューも……だから誰が芸人じゃあ!!!」
「そういう所では?」
「100%ラビ氏のせいだよこれ!!」
「はいと言う訳で今回紹介するのは此方」
「ラララ~イ!!」
「ライチュウです」
「スルー!?というか、あれまたライチュウってあっこっちはノーマルライチュウだ!!」
| ・このヌシの手慣れてます感よwww ・ホント慣れたもんね。 ・そして今回は―――あれライチュウ? ・前やらんかった? ・キバナ:あれは確かアローラのライチュウだろ、これは原種だ。 ・アイリス:私こっちも好きだな~ |
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「ライチュウは電気単タイプのポケモンさんです、ナンジャモさんとの初コラボの際に紹介しお渡ししたライチュウさんはアローラの気候風土に適応したリージョンフォーム、これが本来のライチュウです。ライチュウはピカチュウに比べると圧倒的に体格が大きい為に電気袋も大きいです、ピカチュウよりも高圧の電気を頬袋で生成します。ピカチュウちょっとこっちへ」
「ピピピ」
「おっラビ氏のピカチュウだ、こうやって改めて見比べてみると大きさが全然違うね。大きさは2倍ぐらい違うや」
「体重に至っては5倍も違いますからね」
| ・あ~ピカチュウ可愛いんじゃ~ ・ピカチュウ自体も珍しいけどライチュウってもっと見ないよな ・あ~確かに、サトシさんとレッドさんの影響で進化させないとか? ・シロナ:実際それはあるらしいわね。 ・アイリス:まあライチュウは大きい身体からだっこも大変なのもあるよね。 ・キバナ:あるあるらしいなそれ。 |
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「進化させないのはピカチュウで活躍させているトップ層の影響もあるらしいですが、それ以上に進化に必要な雷の石が中々見つからないという切実な問題もあるそうです。実際あれはレアですし採掘されたとしても直ぐにイーブイを持つトレーナーに向けられるという話もあります」
「あ~……成程、それは結構切実な問題だね」
「そんなライチュウの特性は静電気、夢特性が避雷針です」
| ・寧ろ何でピカチュウがあそこまで強くなるのかが解せぬ。 ・あの二人に憧れてピカチュウ持ちたがる子多いけど、無理だからって言いたいよね。 ・キバナ:夢壊しちゃ悪いけどあれら目指すのはキッツいぞ…… ・アイリス:あの二人はねぇ…… ・ああそうか、サンダースへのか……。 ・確かに進化の石の需要って高いけどレアだからなぁ……。 ・切実だなぁ……。 |
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「ねぇねぇラビ氏、原種ライチュウじゃないと出来ない立ち回りってあるの?少なくともアロライだと厳しいのとかあるの?」
「そうですね、一番なのは電気単タイプなので弱点が地面タイプだけな点ですかね。アローラの場合はエスパータイプが混ざるので虫、悪、ゴーストが入ります。あと原種だと物理型にし易いですね、アロライだとどうしても特殊メインになりますから」
| ・明確な差別化自体はない感じか ・強いて言えば弱点云々。 ・でも地面だけって改めて考えると楽だよな。 ・弱点が一つだけって素直に助かるもんな。 ・エスパーは強いけどその分、対策考えるのがきついんだよな。 |
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「因みにこれはライチュウとアローラライチュウの差という訳ではなく、私のライチュウとナンジャモさんのアローラライチュウさんとの明確な差があります」
「おっ何々?」
「私のライチュウは波乗りが使えて、ナンジャモさんのは使えないという物です」
「えっ尻尾に乗ってるのに!?」
| ・波乗りピカチュウ!? ・じゃなくてライチュウだろ!! ・マジか波乗り使えるって相当レアじゃねぇ!? ・シンプルに凄いぞそれ。 ・というかアロライさん使えないのか |
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「それと穴を掘るのも得意です。エレキネットでトランポリンを作ってアイアンテールで勢いを付けて跳ぶ事で大ジャンプも出来ますからアロライさんに負けず劣らずの事ができます」
「サラッと陸海空制してないラビ氏のライチュウ!!?」
「ラララ~イ♪」
「アロライさんは電気の扱いは得意ではあるんですけどねぇ……波乗りや穴を掘るは補助的にしか使えないんですよ。後嘘泣きや甘える、怪電波などの相手の能力を下げるのも得意です」
| ・サラッと公開される現ナンジャモのアロライの弱点。 ・いやでも言うてそこまで弱点になってねぇぞ。 ・あのアロライエレキフィールドでクソ速いからなぁ……。 ・おいサラッとこのライチュウすげぇ曲者な事暴露したぞ。 ・特防、攻撃、特攻がガクっと下がるじゃねえか!! |
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「得意なコンビネーションが長い尻尾で相手を拘束してからの全力気合パンチとか破壊光線接射、高速移動からの影分身、そこからの無数のボルテッカー分身です」
「何それエグい」
| ・シンプルに怖い!! ・長い尻尾を有効活用してやがる!! ・なんでそんなにエグいコンボばっかなんだよ!!? ・サトシ:あのライチュウ、凄い曲者で俺のピカチュウも苦戦したなぁ…… ・うわぁチャンピオン!!? ・あのピカチュウ苦戦させるとか何なん? ・普通に考えたら苦戦って事は勝ってるって事で、進化形に勝ってる事が凄いんだけど ・この場合はサトシさんのピカチュウに苦戦させるという事実がやばい。 |
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そんなこんなでこの後は、ライチュウ同士のバトルをしたりをしてから配信を切る事になったのであった。尚、ナンジャモが負けた。
「ライチュウお疲れさん」
「ライ~♪」
ラビの為だから頑張った~♪と言いたげにラビに抱き着くライチュウ、ちゃっかりと尻尾までラビの背中に回して身体を固定するライチュウにナンジャモは本当に仲が良いなぁ……と思っていたら、アローラライチュウもラビに引っ付いていた。まあ元々ラビのポケモンなのだから当然かぁ……と思いつつも少しだけジェラシーを抱く。
「高速移動からの影分身ボルテッカーのやばさが分かったよ、マジでどれが本物か全然分からなかったし高速で迫って来るから思考する時間がガンガン削られる……ラビ氏の戦術ってさ、割とかなりエグいの充実してるよね」
「何を言ってるんですか、戦術は相手に苦手や不利を押し付ける物ですよ?」
「いやまあそうだろうけどさ……」
ムフ~と胸を張るライチュウ。あのコンボはサトシのピカチュウだって出来ない自分の必殺コンボなのだ、身体が大きい分スタミナもパワーもあるからこそ出来る芸当なのだ―――まあ、一度やったら3分身ボルテッカーは出来るようになられた時は目を疑ったけど……。
「ンで、レベの何処に惚れたんです?」
「き、聞いちゃう!!?」
「そりゃ聞きますよ」
「そ、その……優しくてボクの事を一人の女の子として扱ってくれて笑顔が素敵でそれでそれで―――」
「べた惚れじゃないっすか」
「いいじゃないかボクが恋したってぇ!!」
「誰も悪いとは言ってないです」
頑張れナンジャモ!!同じ電気タイプとして応援するぞ!!とライチュウはナンジャモを応援するのであった。