「という訳ですので近々パルデア地方を離れる事になると思います」
『せやけどそれをなんでウチに言うかな、なんか勘違いしてへん?』
「チリさんほど、今の私にとって信頼できるリーグ関係者はいませんから」
『分かってるな~よっしゃいざっちゅう時は任しとき』
流石に今日明日パルデアを離れるという訳ではないが、それでも前もっての連絡は大切だろうと思ってチリにその旨を伝えておく。
『やけど一体何の用、またブルーベリー学園の方に顔出すん?』
「中らずと雖も遠からずですね、何年も帰ってない実家に帰るだけです」
『ははっそりゃええこっちゃ、久々の家族団欒を楽しむって事か、ほなら一層チリちゃん力になんで。行く日決まったら教えたってな、ほなな』
そう言って笑顔で通話を切るチリ、チリからすれば久々に帰省するという律儀な連絡で実家に帰るのは当然の事だし前以て教えてくれるなら助かる程度の認識しかない。まあ実際はシンオウ地方とイッシュ地方を行き来するという結構な旅になるだろうとラビは見ている。
「サザレ、お前のご家族はどんな感じに思うかな?」
「う~ん……お父さんたちは別にラビの事嫌ってる訳じゃないし寧ろ気に入ってる部類だから喜んでくれるんじゃないかな、それでもケジメとしてバトルで勝ち抜け!!とか言い出しそうではある感じはするかなぁ……一度負けてるのもあってリベンジの機会伺ってたみたいだし」
サザレの実家との関係はそれほど悪くはないと思っている、寧ろ此方は通話で挨拶したとしても高確率でいい返事を貰える可能性が高い、ヒスイの資料を預けて貰えるぐらいには気に入って貰っているという自覚がある。
「そうなると問題は……ウチかぁ……行きたくねぇよぉ……サザレこれでまた新しく弟妹出来ましたなんてオチが待ち受けてたら如何しよう……」
「もうどうしようもないって言うか、もうそうなったら開き直って諦めるしかないみたいな展開だよね……」
矢張り最大の課題は自分の実家だ……本気で帰りたくない、こういうときばっかりはシリアスモードで応対してくれることを期待するが如何にもそんな姿は想像しがたい。いかなる時でも二人揃えばラブラブオーラを全開する程のバカップルが自重してくれるなんて那由他の彼方であっても驚く事はしない自信がある。
「どっちかと言えば、私のバトルの腕前を見るとか言われそうな気がしなくもないんだけど……」
「いやあのバカ夫婦はそういうタイプでもないし、どっちかと言えば俺の腕前を見るみたいな展開にはなりそうだな」
「そう言えば、ラビのご両親ってどんな人なの?いや凄い仲良いのは分かるんだよ?ほら、トレーナーとしてはどの位の腕前だったの?」
その話の流れでトレーナーとしての話になった、ラビのポケモンにも両親のポケモンの子供というのは少なくない。そうなるとトレーナーとしても一流という事になるのではないのだろうか……?
「親父は元々竜の里出身のドラゴン使いでな、その関係でドラゴンタイプが多かったらしい」
「それでお義母様も同じ感じ?」
「いやむしろバリッバリのドラゴンスレイヤー、対ドラゴン戦闘を極めてるような人だった」
「ええっ……?」
話を聞く限りでは二人がバチバチにやり合っていたなんて事は信じられない、当時は殺気が漂うレベルのライバル関係同士だったのだが、付き合いだしてから一気に空気が変わったと祖父からは聞いている。
「それで親父は元フロンティアブレーン、母さんは母さんで各地のリーグを荒らしてたんだ」
「何というか……ラビのバトルの腕前って親譲りだったんだね」
「其処だけは感謝してる」
「皆さんこんにちは、今日もポケモン育ててますか?まだまだな貴方もこれからの貴方も、此処をきっかけに一歩踏み出して行きましょう。今回紹介するポケモンは此方です」
「―――……」
「コノヨザルです、あの挨拶」
「コオオオオオオ!!!」
「うおぉっと!!!」
| ・な、なんだなんだ!!?急に暴れ始めた!? ・ナンジャモ:コ、コノヨザルじゃん!?そりゃ暴れまわるよ!!? ・キバナ:あのオコリザルの進化形って奴か…… ・そりゃ気性が荒くて当然だわ。 ・アイリス:だからってトレーナーに平然と襲い掛かる普通!? ・シロナ:まあない話ではないけれど…… |
|---|
「ウーラオス!!」
「ベエエエクウアアアア!!!」
「コッヨォ……コノ?」
「落ち着きました?」
「コノヨ、コルルルルル?」
| ・踵落とし!? ・お、落ち着いた? ・頭が冷えた、みたいな……? ・ならいいけど……。 ・懐いてはいる、のか?普通に言う事聞いてるし……。 |
|---|
「改めて、コノヨザルは格闘とゴーストの複合タイプです。オコリザルの怒りが臨界点を突破した事で精神が肉体を凌駕、肉体という殻から解放されたような凄まじいパワーを発揮します。生きているのに霊体としてのパワーを得たというべきでしょうか、偶に言われますけど決して憤死した訳じゃないです」
| ・ブチギレたのが一周したみたいな感じか。 ・だからってこんな事なるん? ・なっとるやろがいって事なんだろうなぁ……。 ・でも、なんかぱっと見は落ち着いてない? ・それがなんか逆に不気味だ……。 ・言えてる。 |
|---|
「オコリザルが激情のままに暴れ狂うのと比べてコノヨザルは怒りが境地と言える地点まで達してしまったというべきなのかもしれませんね、それまでと同じように怒り狂うのも居れば敢えてダメージを受け続ける事で怒りを溜め込み、それを一撃と共に全て放出して相手の内部をズタズタにする破壊の拳に変換する事もあります」
| ・ひぇぇ……どっちにしろ怖い ・ベクトルが変わりつつも更にキレてパワーアップとか洒落にならんわ。 ・耐える事が出来るの!?あのオコリザルの進化形が!? ・少しの事でブチギレるのに奴の進化形とは思えんな。 ・ホントホントwww |
|---|
「特性はやる気、精神力、夢特性が負けん気です。どれも精神面な面白い感じですがどれも役に立つものばかりですね」
| ・精神力と負けん気は分かるけどやる気は微妙なんじゃ ・何を言うか胞子が効かないじゃないか!! ・あっ成程確かに。 ・眠りってすげぇ厄介だからな。 ・それを防げるのは強い。 |
|---|
「コノヨザル最大の特徴と言えば憤怒の拳でしょうか、これは進化条件にもなっている技ですね。これはゴーストタイプの技なのですが、攻撃を受ける度に威力がどんどんと上がっていくという特性があります。この為にコノヨザルは攻撃を敢えて受けて憤怒の拳の威力を上げて大反撃というのが鉄板の戦術とも言われています、最大限に高まった憤怒の拳の威力は大爆発をも凌駕する程の火力になるとも言われています」
| ・だからあんなに徐々に受け切れなくなっていったのか ・というかそんなに強くなるの? ・大爆発以上って……確かにやばいけど、そこまでなるまで攻撃受け切れるか? ・そうだよな、体力とかの関係もあるだろうし……。 ・それでも上がってくれるだけでも有難いと思うけど。 |
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「この戦術と相性がいいのが通称ビルドレインです。これはビルドアップとドレインパンチを合わせた造語で、ビルドアップで防御と攻撃をあげつつダメージを軽減しつつ威力の上がったドレインパンチで削られた体力を回復するという物で憤怒の拳とも相性がいいのです」
| ・あ~なるほど ・憤怒の拳との相性ベストマッチ過ぎでは? ・それな。 ・威力が欲しくなったら憤怒の拳、体力がきつくなってきたらビルドレインか ・これは中々強烈 ・アイリス:これさ、壁で援護したらさらにいいよね。 ・キバナ:ああ、ビルドアップじゃカバーしきれない特防を援護出来るからな。 |
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「加えてコノヨザルは中々に多芸です。蜻蛉返りでサイクル、三色パンチで幅広いタイプに対応、毒突きやダストシュートでフェアリー対策、岩石封じで速度操作、非接触の種爆弾、先制技の真空波、強烈なストーンエッジなどの強力な技を使えますし挑発や身代わり、ステロ、やる気のコノヨザルなら相手の眠り粉や胞子で固定して攻め込めるアンコールと言ったサポート技も覚えます」
| ・うわぁ流石格闘タイプ、やれるなぁ……。 ・三色パンチだけでも相当にスゲェのに……。 ・ビルドレインで耐久しつつサポートも結構あり? ・ありよりのありだ。火力は憤怒の拳で確保できるしな。 ・前回のダイノーズも厄介だけどこいつも厄介だぁ…… |
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「しかも体力を高めで維持出来るので真価を発揮しやすい技があります、命懸けです。命懸けは自分の残っている体力と同じだけのダメージを与えますから体力が残っていればいるだけ威力が上がるので自力回復且つ相手にダメージを与えられるビルドレインとも相性は良好です。肉体から解放されたが為に激烈なパワーを使うコノヨザル、如何でしょうか」
| ・うっわぁ…… ・こりゃきついわ、不利な相手が来たら命懸けで持ってくのか ・憤怒の拳で削って命懸け?ほとんどの相手持って行けそうだな。 ・キバナ:そうなったらダイマックスでもしねぇときつそうだな……。 ・ナンジャモ:戦うとしたらコノヨザルよりも早い相手で飛行技を叩き込むとかかな? ・アイリス:悪戯心で挑発うつのも良いよね ・サイトウ:鬼火を使ってもよさそうですね……。 ・ナンジャモ:そうなるとボクのムウマージで鬼火とか有効かな? |
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配信を切る。ウーラオスに頭を蹴られたコノヨザルは素直に正座してウーラオスから説教を喰らっている、こいつが説教をするというのは違和感があるが格闘ポケモンとしてはかなりカーストが上なので正解ではあるのだろうか……?
「まあ俺は気にしてないからな、気にするなコノヨザル」
「ルルルル……」
なんて馬鹿な事をしてしまったんだろうか……昨夜の警備を終えて眠り、その夢でも戦う夢を見ていたので目を覚まし、そこにいたラビを対戦相手と誤認してしまうとは……格闘ポケモンの名折れ、この拳で主を傷つけてしまう所だった……そんな後悔をしているとウーラオス師範が掛かって来いとジェスチャーをしてくれる、有難い、ならば私の我儘に付き合って貰おう!!
ラビのコノヨザルはコノヨザルとしては怒り過ぎて逆にクールになってしまうタイプのコノヨザルで普段は冷静で大人しいのだが……いざスイッチが入ると手が付けられない程の戦いぶりを始める。ラビとしてはルカリオやウーラオスに比べて扱いやすいので助かっている。
「ルザアアアアアア!!!」
「ベァァァアアクアアアアアアク!!」
因みにウーラオスとルカリオはどっちが師範と呼ばれるに相応しいかで争っている。お前が師範代だ!!と言い合い、最終的に殴り合いにまで発展するのがデフォであり、コノヨザルは二人とも師範じゃダメなのかな……と思っている。