週刊エンジョイポケモン放送局   作:魔女っ子アルト姫

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エンジョイ:すいすい太鼓バトンニョロボン

「「ご馳走様でした」」

 

手を合わせて挨拶をする、サザレの表情はとても幸福に満たされているのが良く分かる。それを見てラビも口角を持ち上げていると二人の元へ一人の男が歩み寄り、丁寧に頭を下げた。

 

「本日は御来店頂き誠に有難う御座います、本日のお勧めメニューは如何でしたでしょうか」

「実に素晴らしい出来だった、これ程の美味は中々出会えない」

「私も……こんな素敵なレストランに来れただけでも幸せなのに、こんなご馳走まで頂けて」

「お客様の喜びは何よりのお言葉です、シェフも喜ぶでしょう」

 

そんな二人へと笑みを向けているウェイターの格好を姿をしている彼に向けてラビは肩を竦めた。よくもまあ抜け抜けと……と思いながらも声を掛ける。

 

「相変わらずいい腕をしてるよ―――デント」

「ハハッホントに久しぶりだねラビ、また君が訪れてくれる日を僕は待ち侘びていた気がするよ」

 

ウェイターの正体こそシェフであり、ラビがサザレを連れてやって来たレストランでありポケモンジムでもあるサンヨウジムのジムリーダーの一人にしてポケモンソムリエのデント。

 

「う~ん君は実に興味深いテイストだね、力強く根付いた大樹のような程よい渋さと落ち着いた香りを感じさせながらも芽吹いたばかりの新芽のような若々しく青々しさを伴ったテイストがする。実に興味深いねぇ」

「相変わらずだなぁ……」

「そうそう、サトシには会ったかい?実は久しぶりに会って、っとサトシの事なら君の方が詳しかったねこれは失礼」

「またぬけぬけと」

 

クスクスと笑うデントと呆れつつもそのやり取りを楽しんでいるようなラビ、そんな瞬間をサザレはフィルムに収めるのであった。

 

「それでどうしてまたイッシュに?君は余程の事が無いと里帰りしないと思っていたんだけどね」

「その余程の事があったから、かな?」

 

チラリとサザレを見るラビと背筋を正したサザレ、相手は有名レストランの経営者にしてジムリーダー、そしてポケモンソムリエという渋滞が起きそうな程に肩書がある人。幾らチャンピオンやら博士やらと大量にあったからと言っても社会的に地位がある人と会うのは緊張する。

 

「は、はじめまして私はその、カメラマンのサザレと言いまして……!!」

「もしかしてラビ!!そうかそうなんだね、僕にはわかるよ君から溢れる幸せのフレーバー!!」

 

満開の笑顔を咲かせながらもラビの手を握って強く握手をする。心の底からの祝福を滾らせ、サザレとも握手をする。

 

「本当におめでとう!!ああっなんて幸せな時なんだ!!是非、君たちのマリアージュには僕も手伝わせてくれ!!いやサンヨウジムが全力で最高の物を作らせて貰うから、ああっ今すぐにもメニューを考えたい気分だよ!!ああっごめんよもっと話したいんだけど、本当にごめんね!!?また今度ちゃんとしたお祝いをさせてね、絶対にだよ!!」

 

と言いながらも駆け出していくデントを見送るのだが、サザレは思わず呆然としてしまった……まさか話すまでもなく自分とラビの関係を看破されてお祝いされるなんて思いもしなかった。

 

「デントはサトシさんとも一時期旅をしてたからか経験豊富なんだ、そもそもポケモンソムリエはトレーナーとポケモンの関係を深めるアドバイザー的な存在だからそういうのを見抜くのは得意中の得意だ」

「成程……」

「つうか、指輪見たら一発だったろうしな。デントなら見なくても分かるだろうけど」

「―――あっ!?」

 

そう、サザレは今指輪を付けていたのだ。ご両親にご挨拶に行ったときに是非指輪を付けてみて欲しいと言われてつけて、そこで褒めちぎられて嬉しくなって普段は外しておこうと思っていたのに完全に頭から抜けてしまっていたらしい。

 

「は、外しとくね」

「付けたままでいいぞ、どうせ顔バレしても気にしない」

「そ、それでも一応、ね……?」

 

既に自分の顔なんて色んな意味で知られ過ぎている訳だし……一応今は軽く髪型と伊達眼鏡で印象を変えているが……まあそれ以上にバレていないのは服装のせいだろう。

 

「あっサトシさんの服ですね、ファンなんですね」

「ええ、寧ろあの人のファンじゃない人の方が少ないですよ」

「ハハッそりゃそうだ」

 

ベストウィッシュの時のサトシの服装を真似た物を着用しているのだが……童顔なせいもあってか完全にサトシのファンボーイとしか見られていない。なんだったらサザレと合わせて姉弟にしか思われていない……分かってやっている事だが、改めて腹立たしくなってきた。

 

「さてと、次はヒウンシティでも目指すか」

「ヒウンシティってイッシュでも一二の大都会だっけ?」

「そう、あそこなら何でも揃うし名物のアイスもあるからな」

 

兎も角サンヨウジムでの目的を達成する事は出来た、腹ごなしが終わったら出発するとしよう―――と思ったのだが。

 

「おっそこのサトシさんのファンボーイ!!俺とバトルしないか!!ついさっき、サンヨウジムのバッジをゲットした俺とさ!!次のジムへと向かう前の肩慣らしをしたいんだ!!」

 

ポケモンバトルを挑まれた、こういうノリは久しぶりな気がする。パルデアだともう少し大人しめな感じなのでこうも好戦的なのは久しぶりだ。

 

「勿論いいですよ」

「うおっしゃぁ!!行くぜヤナッキー!!」

「ヤッキー!!」

「それではこっちは―――ニョロボンさん、行こうか!!」

 

 

 

 

「皆さんこんにちは、今日もポケモン育ててますか?まだまだな貴方もこれからの貴方も、此処をきっかけに一歩踏み出して行きましょう。今回もイッシュからお送りいたします、そして今回ご紹介するのは此方」

「ボンッ!!」

「ニョロボンさんです」

 

・おおっニョロボンだ!!

・イッシュだからてっきりイッシュ縛りだと思ってたら違ったでござる。

・というかヌシの帽子、なんかサトシさんっぽいな

・折角だから合わせてる?

・それはありそう。

 

「ニョロボンさんは水と格闘の複合タイプです、見た目の通りかなり筋肉質な体つきをしていてその脂肪率はなんと驚異の0%というからやっぱり人間との差が伺えますね。参考までにボディビルダーの体脂肪率は5~6%と言われており、これは生きる為の必要最低限の%で飢餓状態と言ってもいいそうです」

 

・まさかの脂肪0。

・まぁなんてダイエットにいいのかしら、レベルに見た事がねぇ。

・女性陣は憧れるなよ

・というか目指そうとしたら確実に死ぬわ。

・わ、分かってるよ!!

・ナンジャモ:だけど0%は吃驚だねぇ

・アイリス:何というか、分かってはいるけど乙女としては憧れるよね。

 

「全身が筋肉の鎧故か、その水泳能力や身体能力は高いの一言で、バタ足で海を渡り切ったり、ほんの一瞬だけなら水面を走る事が出来るなどの芸当が可能です。世界レベルの水泳選手でもニョロボンさんの水泳には勝てず、寧ろその泳ぎを参考にする程だそうです。スイミングスクールでは先生の相棒を務めている事も多いとか」

 

・バタ足だけで……?

・どんだけなんだよこいつ。

・あ~子供の頃のスクールに居たわ、先生の手伝いしてた。俺も手持って貰って泳いだことある。

・いたいた、バタフライで注目集めてたわ。

・人型に近いし結構適役なのか。

 

「そんなニョロボンさんの特性は貯水と湿り気、夢特性にすいすいです。さて、ニョロボンさんですがかなり能力値としてはバランス型です。特攻と素早さが少し低いですがそれ以外が中々に高く攻撃と防御のバランスがとれており、攻撃一辺倒になりがちな人にとってはかなり扱いやすい部類になると思います」

 

・水無効&回復、爆発系無効、雨下で加速か。

・同じ水に強く出れるし貯水派だなぁ

・キバナ:オレ様は雨も使うしすいすいだな。

・あ~いるいる、そう思うと攻撃してもいいし防御もあるのはいいな。

・ありがちな奴なwwwww

・逆に防御一辺倒も偶にいるよな、攻撃より希少だけど。

 

「そんなニョロボンさんですが、物理技のバリエーションが豊富です。アクアブレイク、滝登り、インファイト、気合パンチ、瓦割り、ドレインパンチ、ローキック、巴投げ、爆裂パンチ、疾風返し、冷凍パンチ、岩雪崩に岩石封じ、毒突き、叩き落とす、地獄突き、竹箆返し、地震、10万馬力、我武者羅……主力級としてもこの位ですね。特殊にはハイドロポンプや波乗り、濁流、気合玉に冷凍ビーム、サイコキネシス、大地の力、真空波などです」

 

・圧倒的格闘率www

・まあ格闘タイプとしてはある意味正しい姿よ。

・というかえっサイコキネシス使えるの!?

・お前格闘タイプの自覚あるのか!!?

・想像以上に多芸だ……。

・格闘タイプだけ抜いても色々出来すぎるだろ。

 

「変化技としては催眠術、アンコール、ビルドアップ、雨乞い、守る、影分身などですが、私一押しなのは矢張り腹太鼓です」

 

・ダイゴ:呼ばれた気がして。

・呼んでねぇwwww

・分かってやってるだろあんたwww

・ダイゴ:あっ分かる?ボクの鉄板ネタなんだけど。

・更に鋼タイプを重ねた、だと!?

・ダイゴ:君、いいね。

・なんか気に入られた!?

・許さん……。

・ダイゴさんのファンがお怒りじゃぁ!!

・ダイゴさんのせいで催眠術のインパクトが、消えた!!

・んで腹太鼓覚えるの?

・ダイゴ:みたいだね。

 

「腹太鼓は体力を大幅に削る代わりに攻撃が最大限にまで高まる剣舞を超える技です。そしてこれに合わせて使いたい技があります、それは―――バトンタッチです」

 

・ハァッ!?バトン覚えるの!?

・嘘マジか!?

・腹太鼓からバトンとか唯の無法じゃねえか!!?

・よしそっからガブに繋げようぜ。

・おいバカやめろ!!

・んじゃ神速カイリュー

・もっとやべぇよ!!!?

 

「そう、バトンタッチは自分の能力変化などを後続に引き継ぐ技です。この腹太鼓からのバトンタッチが出来るのはスケッチによって習得技を変化させるドーブルを除けばザングースとニョロボンさんだけが扱えるコンボです。更に身代わりなども覚えるのでそれも加われば腹太鼓と身代わりを引き継がせたうえで交代が出来るという事になります」

 

・こっわぁ……。

・ダイゴ:これでマルスケカイリューに繋げられたと思うと恐怖だね……。

・神速が更にどえらい事に……。

・あれ、マルチスケイルって身代わりにも影響するのかな

・あっ……。

・もうやだこのカエル。

 

「雨乞いなどで雨を展開、腹太鼓の後はドレインパンチで大ダメージ&体力の回復、相手を見つつ場合によっては継続かバトンタッチの選択という事になりますね。仮にこれがすいすいではなく、貯水になると水タイプ相手に相当に強く出れる事になりますので貯水腹太鼓も強いと思います」

 

・水って通り良いもんな

・アイリス:サブで水技覚えさせるトレーナーもいるもんね

・よしニョロボンパーティに入れよう!!

・でもこれはこれで練習が要りそうなポケモンだな……

・キバナ:体力管理が肝だな。

・ナンジャモ:天候一つで此処まで変化するんだね~

 

「海を縦横無尽に泳ぐパワーファイターニョロボンさん、貴方も如何でしょうか」

 

・キバナ:注意点は雨発動のラグと体力管理だな。

・ナンジャモ:ボクならガンガン電気で削って体力ない事による不発狙うかな

・アイリス:それもありだね

・ダイゴ:グラスフィールドからのグラススライダーも注意だね。

・そうなると神速持ち相手もきついか?

・上から殴られる事がきついからな、すいすいだとマシになるけど。

 

そんな所で配信を止めておく。ヤナッキーのトレーナーとのバトル後にそう言えばニョロボンはまだ紹介していなかった事に気づいて配信をしたラビ。前回は前回でアカデミーでのネモとのバトルだったと思いだす。

 

「さっきのヤナッキーのトレーナー、いい根性してたね。んんっ!!負けちまったけど今度は負けねぇからな、んじゃまた会おうぜ!!って言うなんてさ」

 

ワザとらしく咳払いをして声を真似をするサザレ、サンヨウジムのバトルシステムと似たような事になったなぁと改めて思うが、彼のヤナッキーも中々の物だった。バッチゲットも納得だった。

 

「ボンッ!!」

「お前さんもそう思うか」

 

 

 

うむ、彼は実にいい青年であった。あのまま精進してほしいものだな、と腕を組みながらも頷くニョロボン。まだ未熟な所はあったが成長の兆しは見えていたので問題はないだろう、彼は強くなるぞと自分も負けていられないと奮起するニョロボン。

 

彼との出会いはカントー地方を旅をしている頃、まだイクハと旅をしている時の事だった。誤ってボールを落としてしまった時に丁度川から顔を覗かせた当時はまだニョロモだったのだが、頭に当たってしまいそのままゲットしてしまったという何とも間抜けな出会いだった。

 

『あ~……如何する、一緒に来る?』

『ニョロ~……ンニョロ!!』

 

流石のラビも困ったが、一応ニョロモの意思を確認した上で旅をする事になった。勢いが先行する元気が自慢のニョロモだったのだが……それが影響してか中々勝てずにいた。そんな時に弟子の元を訪れてジョウトのジムリーダーのシジマからの水の石を貰ってニョロボンに進化をした。そしてシジマをリスペクトした格闘技を主力にした事で一気に頭角を現した。

 

「ボボボン!!」

 

シジマを師と尊敬するニョロボン、彼は今日も教えて貰った正拳突きの稽古をするのであった。

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