「ここがヒウンシティ……凄い都会ね、ハッコウシティに似てる感じがするけどあそことはなんかまた違うわ」
到着したヒウンシティ、シャッターを切りながらもサザレは彼方此方を見回していた。無数の高層ビルが並び立つイッシュ地方の中心街、ビジネスに携わるスーツ姿の男やOLなどが多くいる光景はパルデアでは中々見られない。
「此処からポケウッドに行く事が出来る」
「ポケウッドってあのポケウッド?映画とかのあの」
「そうそれ」
イッシュ地方と言えばの名物は幾つかある。ライモンシティのバトルサブウェイ、ジョインアベニュー、ホドモエシティのPWT、様々な名物スポットがあるが一般的な認知度で最も高いとされているのが映画の聖地とも言われるポケウッド。トレーナーとして本格的に活動している訳でもないサザレを連れて行くならばポケウッドかジョインアベニュー辺りが妥当だと思っている。
「さてと、んじゃまずはヒウンアイスでも食べに行くか」
「あっそれが名物?」
「ああ、イッシュに来たなら食わないとって言われる位には有名だな」
一先ずアイスでも食べるかとアイスの屋台を探してみる事にした。久しぶりにヒウンシティに来たラビはこの空気感は変わってないなぁと暢気な事を考えている一方でサザレは大都会特有の雰囲気を感じて何処かにいいシャッターチャンスが無いかと構えている。そんな事をしながらもアイスの屋台を発見するのだが―――そこには先客がいたのだが、その男はラビの姿を見て更にテンションを上げ、もう一方の少女はラビを見て吃驚したような声を上げる。
「おおっラビじゃないか!!イッシュに帰って来てたのかい!?ハハッ君に会えてボクの純情ハートはトキメいているよ!!」
「本当にお元気そうで何よりです、ちょっと里帰りしてましてね、こっちは連れのサザレです」
「あっどうもサザレです」
少し遠慮気味に挨拶するサザレだが、自己紹介をしようとするのだが直ぐにテンションが高くなった。
「おおっ以前ボクの作品を素晴らしく取ってくれたカメラマンさんだね!!君の掲載してくれた写真の見せ方、実によかった、お陰でボク自身の作品なのに新たなインスピレーションを貰えてうれしかったよ!!」
「そ、そう言って貰えると嬉しいです、カメラマン冥利に尽きるって言うか……」
常にテンションが高く、純情ハートという独特な口癖を持つこの男はこのヒウンシティのジムリーダーにして芸術家、モスト・インセクト・アーティストのアーティ。
「ラビ、パルデア地方のコルサの弟子になったと聞いたよ!!それならボクの弟子になってくれても良かったじゃないか」
「まあ、俺にも色々あったんですよ。旅をしてね」
「それを言われたら何も言えないね!!!どうだい久しぶりのイッシュは」
「懐かしいことこの上ないですね」
「それは結構!!」
快活に笑うアーティ、この人とコルサを引き合わせたらそれはそれで面白いアヴァンギャルドが生まれそうだなと今度コルサに話を通してみようと思うラビであった。
「さて二人はこの後は如何するんだい?」
「ポケウッドにでも行こうかなと思ってます」
「へぇっポケウッドに、じゃあ知ってるかい?最近ポケウッドには良い女優が誕生してね、ハチクさんにも届きそうなのさ」
「あのハチクさんに?」
ハチクは元ジムリーダーで現在は俳優として活躍している、元々は俳優をしていたがそこからジムリーダーへとなり、再び俳優に復帰したという人物だがそのバトルの腕は確かで、それは俳優としても生かされており迫力のある演技とポケモンとのアクションによって絶大な人気を博している。そんなハチクにも追い付きそうな女優、一体誰なのだろうか。
「行ってみれば分かるさ、行ってからのお楽しみっていうのも素敵な気持ちさ」
「成程……分かりました行ってみます」
「うんうん!!あっそうだ、折角だからボクも配信に出させて貰ってもいいかな!?それで虫ポケモンだと嬉しいんだけど!!」
「それならいい奴がいますよ」
「おおっ!!楽しみでボクの純情ハートはワクワクドキドキだよ!!」
「皆さんこんにちは、今日もポケモン育ててますか?まだまだな貴方もこれからの貴方も、此処をきっかけに一歩踏み出して行きましょう。今回もイッシュからお送りいたします、そして本日のゲストは此方」
「ヒウンシティジムリーダーにして芸術的な虫タイプの使い手、アーティだよ!!」
「相変わらずテンション高いなぁ……」
| ・またジムリーダーが登場したよ……。 ・今度はアーティさんかよ ・アイリス:アーティさんズルい!!私も出たいのに!! ・ナンジャモ:イッシュならいけるんじゃね? ・アイリス:そうじゃん!? ・キバナ:気づいてなかったのかよ……? |
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「今回ご紹介するのは此方」
「ハハァリ~」
「おおっハハコモリじゃないか!!」
「はい、ハハコモリさんです」
| ・おおっなんかかわいいの来ちゃ!! ・ハハ、つまりメスだな!! ・いやオスもいるぞ ・パパコモリやん!! ・草 ・尚タイプ。 |
|---|
「ハハコモリさんは草と虫の複合タイプ、ハハコモリさんはカッターのようになっている手と粘着性の糸を使い、集めたはっぱを加工して服にするという習性があります。これは進化前のクルマユさんやクルミルさんに着せるお包みになりますが、小さかったり幼いポケモンには平等に作ってあげる母性的な面が強いポケモンさんです」
| ・つまり、ママ味があるって事だな!! ・それ、あってるか? ・アイリス:私のキバゴもサトシのハハコモリに作って貰った事あったなぁ ・へぇっそれじゃあ基本小さければ作ってあげるスタンスなのかね。 ・保育園とかに向いてそう。 ・確かに。 |
|---|
「実際保育園に居る事もしばしばで、演劇に使う衣装のテストショットをハハコモリさんにお願いするという事もかなり多い事から服を作る腕前は相当な物とされています」
「それだけじゃないよ、ボクのような芸術家やファッションデザイナーもハハコモリの作り出すナチュラルな物作りからは多くのインスピレーションを貰う事は多いんだ」
| ・へぇ~ ・それってすごくね? ・普通に凄いぞ。 ・カミツレちゃんの衣装もハハコモリ原案ってあるもんな。 ・ああ、あのエメラルドグリーンのあれか!! |
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「そんなハハコモリさんの特性は虫の知らせ、葉緑素、夢特性が防塵です」
「ほう、防塵だったのかい。それは知らなかったなぁ……さて、ラビ君はハハコモリをどう生かすかね?」
「私ならば起点作成兼天候エースですね」
| ・起点、作成? ・おっ此処初めてか?力抜けよ。 ・起点作成、それはこのチャンネル発祥のワード。 ・起点作成、それは味方のチャンスを誘発する為のスタート地点。 ・起点作成、それはそれ一つで後続を活かし、敵への楔となる物。 ・何この説明。 |
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「まず、ハハコモリさんはかなり優秀な変化技を多数覚えます。ねばねばネットに糸を吐く、甘えるで素早さと攻撃を下げ、剣の舞や鉄壁、高速移動、瞑想などで自身の能力を向上、両壁も展開できれば自力で日本晴れを行って葉緑素の発動も可能ですし、雨乞いで炎タイプの弱体化も誘える、身代わりも出来るし光合成で回復可能、そしてこれらを踏まえたうえでバトンタッチも可能です」
| ・う、うおおおお…… ・想像以上に出来すぎて笑う。 ・こんなに出来るのか!! ・俺、此処に来はじめてから変化技の凄さ気付いたけどこれマジで凄いぞ。 ・俺も、勝率上がってきて相棒も楽しそうで俺も楽しい。 ・やっぱ勝てると嬉しいよなぁ |
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「私のハハコモリさんは葉緑素なんですけど、日本晴れを起動させてからはスピードを上げて立ち回りつつも攻撃と変化技を切り替えてますね」
「ハハコモリと言えばその両手の一撃は大木も切り倒せる程だからね」
「ここに葉緑素での加速を組み合わせてリーフブレードを繰り出すと大抵の相手ならば深手となります、相性が悪いとそこまでですが普通ならばかなりの威力となります」
| ・やっぱり草タイプ故の辛さはあるけどかなり強いのか。 ・自力で加速しつつ、相手は能力値下げる、結構厄介だなこれ。 ・ほんまそれ ・アイリス:私の挑戦者にハハコモリ連れて来る人もいる位だからね ・マジで!? ・チャンピオン相手でも一定の活躍見込めるのか……。 |
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「他にも攻撃技として飛び掛かる、這い寄る一撃、飛び付くで攻撃と特攻、更に素早さを下げる事が可能ですので相対すると早めに対処しないと致命傷になりかねないですね。特殊技にはなりますがエレキネットや虫の抵抗も使えるのでそちらで下げるのも手です、エレキネットは飛行タイプへの対策にもなります。と言ってもハハコモリさんは氷タイプのトリプルアクセルを覚えるので飛行タイプにはそれなりに強く出れます」
「おおっトリプルアクセルを覚えるのかい!?君のハハコモリは使えるのかい、是非僕のハハコモリにも伝授してほしいな!!」
「ええ、大丈夫ですよねハハコモリさん」
「ハハンハ~リィ~♪」
| ・ダイゴ:変化技を封じられてもそれだけ下げられるのか…… ・ああそうか挑発されてもこれだけできるのか!! ・うわ、そう思うとただじゃ転ばねぇなこいつ。 ・最低でも攻撃素早さ特攻が下げられると思うと恐ろしい……。 ・ナンジャモ:流石虫タイプって感じ~ |
|---|
「ハハコモリさん、如何でしょうか。皆を包むような母性を持ちながらもその鋭い一撃を放ちながらも味方を活かす攻撃を得意とします、エースとしてだけではなくパーティの潤滑油としても如何でしょう」
| ・これはシンプルに一考の余地あり。 ・飛行で一撃、と思ったけど氷技あんのかよ。 ・キバナ:そうなるとドラゴンタイプでも一気に、とはいかねぇな……。 ・アイリス:トリプルアクセルは知らなかったなぁ…… ・ナンジャモ:炎タイプが一番楽かな?ヒートロトムとか。 ・ダイゴ:アーマーガアなんて最適じゃないかな |
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配信を切ると早速アーティが自分のハハコモリを出して、トリプルアクセルを教わり始めていた。
「ハハァンリ~」
「ハハリ~?」
「ハッハリ~」
「成程、ハハコモリ純情ハートと共に風になるんだ。そしてそのまま勢いを付けるんだ!!」
「ハッハ~リ!!」
「何であれで出来てるの?」
「アーティさんは何だかんだで一流だから……」
教え上手でもない私の指導で此処まで上手くなるなんて……これじゃあ教える事なんてないんじゃないかな?と思いつつもそれは胸の内に仕舞って素直に拍手をして二人を讃える。初めての技を短時間で此処まで習得するのは素直に凄い事なのだ、ならば讃えるのは当然の事。
「いやぁハハコモリの教え方も上手だね、ボクも感心しちゃったよ!!」
「ウチだと小さいポケモンの纏め役ですから」
「成程!!適任だね!!」
その位しか役に立てないだけなのに……でもそれでもいい。小さなことでも役に立てている、それだけで嬉しいのだから。それに小さい子達がお母さんやお父さんのようになりたいから色々教えて、とせがんで来るのも楽しみの一つ。そんな子達のために服を作るのも楽しい。だから、このままでいい。私は、幸せだ。