週刊エンジョイポケモン放送局   作:魔女っ子アルト姫

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バトル:ラビ&レビ

「オーガポン……」

「ぽにっ!!」

 

家でも何度も見た事があるし週一のピザの日は一緒に生地を捏ねたりする事もあったので知らない訳ではないが……実際どの程度の能力があるのかは分からない。だが兄がこうして繰り出してくるのだから実力者なのは変わりない。赤い面をその手に持っており、何処かバトルにわくわくしているような仕草すら見せている。手が自然と伸びた先はブリザポスのボールだが……それは違う。

 

「……いえ、違うわね。キュウコン、行くわよっ!!」

「コォォンッ!!」

 

レベもロルも自分の相棒と共に戦った、確かに勝利の確率はブリザポスの方が高いかもしれないが自分は兄に今の自分と相棒の力のありのままを見て欲しい。キュウコンはラビの姿を見るとにっこりと笑うが直ぐに天高くへと吠えると空には雪雲が生み出され、そこから雪が降り始めた。

 

「それではお互い準備は良いっすね!?では、バトル開始!!」

 

「草分け!!」

「オーロラベール!!」

 

ほぼ同時に飛ばされる指示、オーガポンは放たれた弾丸のようなスピードで飛び出し、そのままキュウコンへと体当たりを仕掛けようとするがそれを雪下のみで発動できるオーロラベールで受け止める。

 

「瓦割り!!」

「ぽにおーん!!!」

 

棍棒を取り出してそのままオーロラベールの二重の障壁を一瞬で粉々に粉砕する。かと言ってそれに動きを止めるレビとキュウコンなどではない、オーロラベールの破壊なんて数えきれない程に見て来たし当然の行動。ならばそれをされる前提の行動をするまででしかない。

 

「冷凍ビーム!!」

「コオオオンッ!!!」

 

ベールの破壊に全く怯む事もないキュウコンは素早く動きながら冷凍ビームを発射、それを見てオーガポンは地面に突き刺さった棍棒を軸にして身体を持ち上げ、自分ごと掬いあげるように棍棒を振るい、フィールドの一部を持ち上げて冷凍ビームを防ぐ。

 

「その岩に蔦棍棒!!」

「ぽにっおーん!!!」

 

可愛げのある声からは裏腹に手にした棍棒は炎を纏いながら凍結した岩塊を一瞬で砕き、その石礫をキュウコンに向けて放った。即席の岩の散弾だ、無数のそれらが向かって来るがレビも慌てない。

 

「アクアテール!!」

 

自慢の尻尾が水を纏って行くが、その水は瞬時に凍結した。それによってリーチと攻撃範囲を増加させながらも石礫を迎撃するキュウコン。

 

・う、うおおおおおっ……

・オ、オーガポンだっけ?めちゃつよっ……!?

・カンナ:アクアテールを瞬時に凍結させてアイステールとして使う、いい判断ね。

・キバナ:水と氷の親和性はたけぇからな……

・ダイゴ:あのオーガポン、凄いバトル慣れしてるね。しかもラビとの意思疎通も完璧だ。

・アイリス:アイコンタクトなしにあそこまで出来るなんてなかなかないわよ?

 

「―――っ吹雪!!」

「コオオオンッ!!!」

 

雪下である事を利用して必中の吹雪を使う選択を取ったレビ、その選択は間違っていない。自分だってそうする筈だ、天候を利用する事で威力も倍増してオーガポンにも大きなダメージを見込む事が出来るだろう……ならば。

 

「オーガポン、地面に向かって蔦棍棒!!」

「ぽにぃぃぃおーんっ!!!!」

 

スキップでもするかのような足取り、軽やかな物だがレビは一瞬背筋が凍った。寒い冷たいなんて慣れっこな筈の自分が寒気を覚えたのだ。オーガポンの瞳が仮面を越えて見えた気がした、そのまま振り上げられた棍棒はフィールドへと炸裂するのだが―――一撃は容易く地面を砕き周囲に地響きを巻き起こした。

 

「くぅぅっキュウコン守るよ!!」

「コ、コンッ!!」

 

その破壊力は留まる所を知らない、砕かれた地面は周囲に飛び散り当たったらダメージは逃れられない。フィールドは崩壊して無残にも地形が変化する。フィールドにはクレーターが生み出され、余りの衝撃に押し出された岩石がクレーターに生える程。

 

・―――何このバカげた威力?

・オーバ:ラビの野郎とんでもねぇポケモン仲間にしやがって―――燃えるじゃねえか。

・キバナ:あいつ、オレ様にオーガポンがこれだけやれるって事だまってやがったな!?

・アイリス:うええ……こんなに凄かったのオーガポン、可愛いピザ好きじゃなかったの?

・シロナ:なんて威力……

・やっぱりポケモンは恐ろしい生き物なのでは?

・今更過ぎん?

 

「っ……キュウコン、冷や水よ!!」

 

そのバカげた威力を目の当たりにしてレビはその攻撃力を下げようとした。冷や水を発射するがオーガポンは蔦棍棒で弾いてみせた、その際にその棍棒が激しく燃え滾っている事に気づく。

 

「雨乞い!!」

「コォォォオンッ!!!」

 

即座にレビは雪を捨てて雨へと天候を変えた。オーガポンのタイプは草を複合した炎タイプだと推測した。ならば此処は雪の利点を捨ててでもこうするべきだと判断した。

 

「その判断は悪くない―――電光石火!!」

「冷や水よ!!」

 

猛スピードで走り出すオーガポンへと水を浴びせかけようとするが、そのスピードと身のこなし故に当てる事が出来ない。そして懐に潜られた、その時にオーガポンは棍棒に炎を纏わせていた。

 

「蔦棍棒!!」

「ぽにぃぃ!!」

「リフレクター!!」

 

咄嗟にリフレクターでダメージを軽減を狙う、だが棍棒はリフレクターの障壁を越えるかのようにキュウコンへと炸裂した。爆炎がキュウコンの身体を焦がしながらもレビの足元まで吹き飛ばした。まだ動けるが、このダメージは……。

 

・シロナ:明らかにリフレクターが意味をなしてないわ。

・キバナ:ってことは急所か

・うわついてねぇ……

・ナタネ:でも、なんだろうこの違和感、急所に当たっただけじゃない気がする……。

・オーバ:急所に当たりやすいのかあの技……?

 

「……此処までね、キュウコンをこれ以上無理をさせられないわ。兄さん、私の負けよ」

「まだ、手はあるように見えるけどな」

「あるにはあるけど、キュウコンに無理を強いる物ばかりしかない時点で私の負けよ。オーガポンのタイプをもう少し早く見抜けていたら違ったのだけど……お疲れ様キュウコン、ゆっくり休んで頂戴ね」

 

そう言うとキュウコンは気にしないで頂戴、と言いたげにレビの頬を一舐めしてからボールへと戻っていった。敗北こそしたがレビの表情には憂いや悔しさなどはない。

 

「やれやれ、我ながらこういう意地を張ったバトルをしたら駄目ね。もっと冷静にバトルを見なきゃ……何処までやれるかを計るんだからこそいつも通りにやるべきだったかしら?」

「その場合は場合でブリザポス出す気満々だろお前」

「当然じゃない、私の場合はキュウコンは相棒だけど先手での壁の展開と雪が主な仕事だもの―――それでも私の大事な相棒よ、何処まで行けるかは気になる物よ」

 

そう言いながらもレビは回復マシンへと歩いていく、そして不意に見せた顔には今度は3対3で頼むわよと書かれていてラビは肩を竦めるのであった。それに気づいたオーガポンはニコニコとしていた。

 

「分かったよ、その時はまたお願いするさ」

「ぽにっ♪」

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