週刊エンジョイポケモン放送局   作:魔女っ子アルト姫

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トレーニング:ブラザーズ

「よしっそこまで!!」

 

その言葉と共にバンギラスとバサギリが動きを止めた、互いに姿勢を正して互いに向けて頭を下げた。戦いの後の一礼、称賛を送った後に二匹は完全に力を抜いてその場に座り込んだ。バンギラスに膝をつかせた、此処までの健闘を見せるバサギリに素直に口角が上がった。

 

「お疲れバンギラス、バサギリ。はいオボンの実」

「バァァ」

「分かったよ、ほらっ!!」

「バァァグァ」

 

大口を開けて此処に投げてと言わんばかりに待機するバンギラスに苦笑しつつも投げてやると嬉しそうに齧り付く。旨そうに咀嚼する姿を見つつもバサギリは木の実を貰うと静かに食べ始める、なんというか品がある。それを見てバンギラスも姿勢を正して静かに食べ始めた、今更遅いのだが……。

 

「……ハァッ……我ながら馬鹿な事したかなぁ……?」

「どしたのレベ……?」

「ああうん、なんでもないですよナンジャモ……うん」

 

妙な言葉の詰まりをさせながらも会話する二人、レベとナンジャモ。レベは今、ハッコウシティのナンジャモのジムに世話になっている。当人も我ながら何でこんな事になってしまったのか……と自問自答を思わずしてしまう程に勢いに任せすぎた行動だったと反省気味。そう思いながら、あるボールを取り出す。

 

「また、お前をお兄ちゃんに紹介しそびれちゃったね」

 

そう言うとボールは気にするな、と言いたげに震えた。というよりも実際にそう解読できるように震えているのだから器用な物である。何よりレベにとって一番辛いのは―――

 

「そろそろご飯だし一緒に食べようっか~レベ―――氏」

「そ、そうですね御一緒しましょうナンジャモ―――さん」

「「((あ~結局付けちゃったぁぁぁぁ!!!!???))」」

 

一つ屋根の下、同居しているというこの状況にどうしても耐えられないという二人の純情ハートが限界に近い事である。

 

 

 

 

「それにしてもレベ君も大胆な事言うよね~ちょっと修行行ってきます!!今回の事で自分を見直したいので!!とか言ってナンジャモちゃんの所に修行に行くなんてさ」

「現役ジムリーダーの所に修行に行くんだ、いい経験になるだろうさ」

 

オレンジアカデミーでのバトル後、レベは短期の修行だと言ってナンジャモの元へと行った。自分からも弟の事を宜しく頼むと言ってあるのでまあ大丈夫だとは思うが……良くも悪くも奥手が似通ってる二人だから一つ屋根の下という事で必要以上に緊張しているに違いない。

 

「その一方で妹二人は普通にウチに居る事についてはどうお思いで?」

「それだって当人の意思と決断によるところが多いんだから俺が口出しする所じゃねぇだろ?それにあいつらだって修行はしてるんだし」

 

そう言って視線を向けてみれば―――庭のバトルフィールドではレビが相棒のキュウコンと共に立っている。対戦相手にはなんとポケモン達が立っている、ウルガモスとコジョンド、そして現在フィールドでキュウコンと相対しているのはムーランド。イッシュでラビがゲットした所謂古参勢達ばかりである。

 

「キュウコンオーロラベール!!」

「コォォオオン!!」

「ラァァァァァ!!!」

 

張られた障壁をムーランドは一息に粉々に噛み砕いてみせた、リフレクターや光の壁を粉砕するサイコファングである。

 

「くっ今度は炎の牙、キュウコン冷凍ビームよ!!」

「コォォオンッ!!」

「ラァァンッ!!」

「速い、動き続けて!!ムーランドの距離に持ち込まれてはダメよ!!」

 

ムーランドはキュウコンの役割と戦術を直ぐに理解した、故に一番手にサイコファングで壁を粉砕。続いて炎の牙で突撃しキュウコンの得意な距離である中遠距離ではなく近距離戦を強いる事で苦手を押し付けて有利な場を作り出している。

 

「(お兄ちゃんの指示なしで此処まで高度な戦術を組み立てるなんて……)キュウコン戻って!!行くわよサンドパン!!」

「ム~ランッ!!」

「ぷぴぃぃぃぃっ」

 

アローラサンドパンに交代したのを見て瞬時にムーランドはウルガモスと交代した、コジョンドではなくウルガモスなのが本当に抜け目ない。

 

「レビ負けるな~!!今度はウチが戦うんだから景気づけに勝つし~!!」

「勝つつもりではあるわよ、行くわよサンドパン!!」

「ササッド!!」

 

レビの次にはロルが控えているのだが、ロルと戦うメンバーも既に選出済みなのか後方で待機している。だが……だからと言ってもあれはきつ過ぎないかともラビは思う。何せゾロアーク、ペンドラー、シャンデラという面子。レビもそうだが、レベルアップの為に自分が苦手としているタイプと敢て戦う事を選んでいるとは思うのだが……だからと言ってあの面子は幾らなんでも辛すぎるだろうと思う。

 

「ムーランドも凄いなぁ……よくもあんな事出来るね」

「伊達にダイケンキを除けば最古参じゃないからな、勉強のために当時はバトルに出さずともボールから出して見学させてたからな。それで俺の指示とかも逐一聞いてたから覚えた部分もあるだろ」

 

これも言わば年の功、長年一緒にいたが故の経験値が出たと言える。ダイケンキ辺りもお手の物だろう、だが指示の上手さならムーランドが飛び抜けているとは思う……なんというかムーランドは仲間の気持ちを察したり汲んであげるのが上手い、ダイケンキが引っ張っていくリーダーだとすればムーランドは中弛みや脱落が起きないように下から押し上げるリーダーだとラビは思っている。

 

「でもこうなるとレベ君だけ、なんか環境的に劣ってる気がしなくもないけど……大丈夫かな?」

「大丈夫だろ、少し視点を変えるには丁度良いだろうし軽い息抜きだけで驚く程に伸びる時だってある。俺だってそうだったからな」

「なんか籠ってますな実感」

「カントー時代にちょっとな」

 

そうだ、折角だから今回の配信で取り上げるのはあの子にしよう。と言ってもそこに行くまでが少し大変だが……まあ何とかなるだろう、多分。

 

「皆さんこんにちは、今日もポケモン育ててますか?まだまだな貴方もこれからの貴方も、此処をきっかけに一歩踏み出して行きましょう。今回のポケモンは此方」

「マ~ジョ」

「アマージョさんです」

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