週刊エンジョイポケモン放送局   作:魔女っ子アルト姫

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バトル:ディザスター

「カキィッ!!」

「確実によけろアーマーガア、絶対に当たるな!!」

「ガァッ!!」

 

災いの木簡、チオンジェンとの戦闘を開始したラビ。チオンジェンは開始早々に大技を放ってきた、全身から溢れだした異様な悪エネルギーがアーマーガアへと迫っていく。ラビのその指示にアーマーガアも迷わず従った、回避したがエネルギーの波動は後ろにあった木に直撃したが……あっという間に木が朽ちていった。枯れていくのではなく、朽ちているのだ。

 

「ガァッ⁉」

「怒りの前歯みたいな技だ、当たるなよ!!」

「ガァッ!!」

 

カタストロフィ。四災達共通の技、性能として怒りの前歯などと同じで相手の体力を半分にするという技だが……チオンジェン自身の力と合わさってカタストロフィによって抉られた体力が本体に還元されている、これでは強力なギガドレインだ。

 

「ドリル嘴!!」

「ガガガガガガァァァァア!!!」

 

超高速回転しながら突撃するアーマーガアへチオンジェンは悪の波動を放つ、がそれを真正面からぶち破ってチオンジェンに直撃を与える―――のだが、チオンジェンは軽く吹き飛びはしたが直ぐに体勢を立て直して悪の波動を連発する。

 

「ガアアアアアア!!!」

「ああそうだ、何度でも技をぶち込んでやれ!!」

 

アーマーガアも気づいている、自身の攻撃力が低下している事に。悪の波動を打ち破りはしたが、チオンジェンへのダメージが少ない。これも厄災の特性によるもの、その名も災いの御札。四災はカタストロフィと同じく共通した特性がある。

 

 

「氷柱落としが来るわよ!!鉄壁!!」

「シロッス!!シロォ!!」

「キルルルルルルル!!!!」

 

無数の氷柱が落とされるがそれを鉄壁で防御するブリザポス、想像以上に素早いがブリザポスで速い相手なんて幾らでも相手にしてきている。何だったら自分のマニューラで対スピードタイプの対策だってやっているのだこの位……と思うよりも先にレビは違和感に気づいた。

 

「ダメージが大きすぎる、でも白い霧で能力変化はない筈……そうなるとこれは特性ね」

 

 

「ガソオオオ!!!」

「地震が来るぞ、こっちも地震だ!!」

「レェレェレェジィィロック!!」

 

飛び上がったディンルーと同じくジャンプしたレジロック、同時に繰り出された地震はぶつかり合って相殺されるが、その奥から破壊光線が発射された。レジロックの得意技は破壊光線、確かに攻撃に比べて特殊攻撃は低いが、伝説のポケモンにカテゴライズされるだけあってその威力は通常のポケモンのそれとは比べ物にならない。しかも、全力で撃たない限り反動で動けないなんて事もない。

 

「よし命中……ってな、なんか効いてない?地面タイプって聞いたけど……」

 

ディンルーは確かに破壊光線をまともに受けたのにピンピンしている。いまひとつではない筈なのに効きが悪い事にレベも違和感を覚えた。

 

 

「ミヨミヨミヨミヨミヨ」

「あちちちちちっあっついっての!!?ラ、ラティアス水の波動だし!!」

「ヒュワワン!!」

 

爆炎を発射してくるイーユイ、その異常な熱波の火力にロルは驚きながらもラティアスに水の波動を発射させる。が、驚いた事にイーユイの火炎放射は水の波動を押し退けてそのままラティアスへ向かって行った。咄嗟に身体をひねった事で回避したが、ラティアスの表情は苦痛に歪んでいたのをロルは見逃さず直ぐにチーゴの実を投げて火傷を治療したが……

 

「火傷だけのダメージじゃねぇしこれ、こいつ特攻がバチバッチに高すぎるんだし。いやそれだとしてもタイプ相性がある筈なのにこれって……特性しかないよね、やっぱ」

 

高すぎる技の威力、低下する此方の攻撃……厄災に相対する全員が気付いた。そう、厄災達の特性は共通している。災いのお札、災いの剣、災いの器、災いの玉、それらに共通しているのはその場にいるだけで自分以外の全てのポケモンの能力値を下げるという物。チオンジェンは攻撃、パオジアンは防御、ディンルーは特攻、イーユイは特防を低下させる。

 

 

「カキ、シル、スッ!!」

「この野郎……やっぱり耐久戦術で来やがった……というか地味に器用な事しやがって」

 

チオンジェンは矢張り耐久型、物理アタッカーには滅法強いこのポケモン。幾らダメージを与えても回復してくる、花粉団子を真上に打ち上げて自らに当てる事で回復を行ったり、根を張るで土壌から栄養を奪う事で体力を回復してくる。

 

「ガアアアッガアアアアアアアアアアッ!!!」

「もう喜んでるのこいつだけだな……」

「カ、カキィ……?」

「おい厄災がドン引きしてるじゃねえか」

 

アーマーガアからすれば自身の攻撃が下げられている事は別にどうとも思っていない、寧ろ自分が幾ら攻撃しても復活してくる無限の再生力を持っていると言っても過言ではないチオンジェンという存在に歓喜している。幾ら戦っても戦いが終わらない、こんなに嬉しい事は無いと言わんばかりに大歓喜。流石のアンチコメントの化身も大喜びされて困惑している。アンチコメントどころか全力でいいね!!をされているような物だから当然と言えば当然である。

 

「ガアアアッガァァァァァァッ……!!!」

「いやなんで泣く、ああいやお前からしたらホントに嬉しいのか……良かったなアーマーガア、俺からもお礼を言わせてくれチオンジェン、こいつを満足させてくれてありがとう」

「ル、ルス?」

 

チオンジェンは理解が出来なかった、今自分は何をされているのか。感謝という言葉と感涙されている事実にどうしても理解が追いつかなかった。アーマーガアから欲望は感じられるが、酷く澄んでいて今まで自分が感じて来たものとは余りにも異質すぎるものだった。ラビからも感謝を感じる、チオンジェンはもうパニック一歩手前であった。

 

「……なぁチオンジェン、お前俺と一緒に来ないか?」

「カシ!?キ、キルス!!?」

 

ラビの言葉に思わずチオンジェンは大きな声をあげながら驚いた様子だった、何を言っているんだ!?と言わんばかりだ、自分は封印されるような存在なんだぞ!?と言いたげなのが良く分かる。身体から蔓を出して周りを指差すような仕草までして、自分の危険性を訴えているようにも見える。

 

「まあ確かに土壌の栄養を吸っちまうのは問題だな……だけどな、フラージェスさんにオーガポン出てこい!!」

「ジェェエス」「ぽに!!」

 

繰り出された二匹のポケモンにチオンジェンは警戒するが、二匹は周囲の自然の様子を見て驚いた。どうしてこんな事になっているのかと言いたげな様子だ、だがラビは軽く事情を説明した。そしてお願いをした。

 

「お前達の力を見せてくれ」

「ぽに!!」「フラァ」

 

任せて!!と言いたげに頷くオーガポンと丁寧に頭を下げるフラージェス。オーガポンは碧の仮面を被り直すと地面に棍棒を差しつつも意識を集中させていく、そして深く呼吸をしながら地面へとパワーを送り始めた。

 

「ぽにぃぃぃぃっ……!!」

 

棍棒を通じてオーガポンのパワーが土壌へと伝わっていく、碧の波動が大地を走っていくと先程まで枯れていた草に、木々に生命力が戻り始めた。それを見てフラージェスはグラスフィールドを発動させ、それを更に促進していく。チオンジェンによって栄養を奪われていた筈の土地が通りの肥沃で美しい大地へと戻っていく光景が広がる。

 

「お前のそれは生態だ、だから文句は言わない。だがやり過ぎないなら、オーガポンとフラージェスの力で土地の力を戻してやる事は出来る。俺の家に来いよ、今度はお前を楽しい言葉で満たしてやるよ」

「ル、シカス……キッ……」

 

チオンジェンにとっては初めてかもしれない温かな言葉に思わず涙を流した。そしてそっとラビが差し出したモンスターボールに触れて自ら中へと入っていった。

 

「チオンジェン、ゲットだぜ」

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