「瞑想!!ンで光の壁!!」
相手が此方の特防を下げて来るなら対応するまでだ、何開幕で特防を下げられただけじゃないか。やりようは幾らでもある、ラティアスは瞑想を行いながら壁を展開する。火炎放射とも思えなかった其れの威力は大分軽減出来ている、が通常時と比べると明確にダメージが大きいのも事実。厄介な特性だ。
「ミヨンミヨン」
「エスパーってのは悪タイプに無力、なんて事は有り得んティだし。サイコパワー、解放!!」
放たれる莫大な悪意のエネルギー、それは周辺の岩すらも溶岩へと変貌させながらも迫ってくる。ラティアスは笑いながらもサイコキネシスで周辺の空気と岩石、溶岩などを集め、それらをサイコパワーで渦のようにして三層の防御層を作り出してカタストロフィを完全に無効化する。
「ミヨ?ミヨヨ~」
自らの攻撃を無力化されて不思議なのか、イーユイは再びカタストロフィを発動する、今度は先程よりも多くの溶岩を巻き込んでの攻撃だが……ラティアスはそれを完全に防いでみせる。それを見て首を傾げるように宙で回転するイーユイにロルは笑う。
「アハハハッ何こいつ、すっごい興味示すじゃん!!いいねいいね、そういう奴、ウチは好きだよ!!ラティアス、龍の波動発射!!パワー70で拡散!!」
「ひゅわぁぁぁぁん!!!」
発射された龍の波動はイーユイに直撃する寸前に無数の線へと分裂、イーユイは迎撃を試みて火炎放射を発射するが、波動はまるで生きているかのように回避していく。悪の波動に切り替えて範囲を拡大して応戦しても捉えきれずに全身に龍の波動を受けていく。
「うむ、いい腕してるし!!」
「ひゅわわんっ♪」
ロルのラティアスはラビのラティオスの妹、兄のラスターパージに憧れて龍の波動で練習していたのである。それが功を奏したという所だろう……肝心のイーユイはまだ健在だが妙に此方を凝視している、思わず顔を見合わせているとイーユイは壁に向かって悪の波動を発射するが、それは途中で三方向に放射状に拡散した。
「あれって、もしかしてウチらの拡散式を真似したってこと?えっ見ただけで?」
「ひゅわわ~……」
自分達だって何度も練習して、全力で撃てはしないが8割ぐらいまでなら出来るようになったのに……凄いセンスのポケモンだ、だがまだまだ練習不足なのも否めない。だけど……素直に欲しいと思った。いい加減自分のエスパーオンリーのパーティも頭打ち感が出てきてしまった、味変というか、見方を変える為にこの子が欲しくなった。
「ウチんとこに来ない?アンタ、確実に強くなれるしもっともっとやれるよ!!」
「ミヨン?ミヨッヨヨヨン?」
「いや全然怖いとか思ってねぇし、寧ろ可愛いって思ってっけど?」
「……ミヨヨン?」
「いや多分うちが特殊なんだし、エスパー使いなだけに」
平然と会話をするロルだが、エスパータイプには理解が難しいポケモンも多いしその応用でイーユイのそれも平然と理解してしまった。
「んじゃま~イーユイゲットでウェ~イ!!」
「ミヨッ?」
「全員お疲れ様、本当にすまなかった」
「いや別に気にしてないよ、面白い子と会えたって気分」
「同じくよ」
「ウチも~」
四災の捕獲に無事に成功した一同、一旦集まって状況を語り合いつつも四災は庭に解放した。大丈夫かと思ったが、暴れる様子もなければ下手に力を使おうとする様子も見受けられず、チオンジェンはオーガポンとフラージェスと何かを話しており、アーマーガアともバトルの約束をしている。パオジアンはレビの足元で丸くなって眠っている。ディンルーはレベのバンギラスと何やら話している。そしてイーユイはその辺りをのんびりと飛び回っており、時折回転などをしている。
「それにしても、本当にこの子達って厄災と言われたポケモンなのかしら。この子、バトルが大好きなだけでそれ以外は私に甘えるようないい子よ?」
「今も甘えてるしね、というか仮にも氷タイプが丸くなって人肌求めていいもんなん?」
「良いんじゃない別に」
それについてはラビも思うが、矢張りこの子達を狂暴化させたのは人間の欲望などに起因しているのだろう。そう思うと人間に振り回されてしまっているという事になる。
「まあお前ら、そいつらの事を宜しく頼むぞ」
「この子は私の剣よ、手放す気はないわ」
「ボクも。ディンルーとは仲良くなれそうな気がする」
「ウチもあの子に沢山テク仕込む予定」
そんな風にワクワクとしているところ、悪いのだが……それは暫く待って貰う事になるかもしれない。それを言い出すのは忍びないのだが……ラビは覚悟を決めて口にした。
「悪いが、少しの間面倒事になると思う」
「へっ?なんでなん?」
「今回の一件、ぶっちゃけると俺はかなりテンパってた。バクフーンがヒスイの姿になる程の変化も含めてその原因たる四災、正直言ってこれは個人レベルで動くべきレベルを超過している。ハッキリ言おう―――怒られるべき対応だった」
頭を抱えて深いため息を吐くラビに三人は顔を見合わせた、そんなに悪い事だったのかと思うロルと言われてみたらやばいか……と思うレベとまあそうなるわよね、と納得のレビ。せめてサトシかレッド辺りに連絡しておけばまだマシだったが……それはそれで面倒事への発展もあり得るので自分は身内に逃げた。
「……取り敢えず、オモダカさんに頭下げて来る……チオンジェン、バクフーン、悪いけど付いて来てくれ」
「ルス」「バク?バグゥ、フ~ン」
呼んだか主、なチオンジェンとダイケンキに向けてまた後でね、という意図を込めたウィンクをするバクフーン、相変わらずダイケンキは如何するべきか困っている。二匹をボールに収めて、早速アカデミーのチリへと連絡する。すると此方の事情をある程度察したのか、直ぐに準備を手配してくれた。
「はぁ……出頭する気分だ」