週刊エンジョイポケモン放送局   作:魔女っ子アルト姫

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エンカウント:デュアルパラドックス

カラフシティ。パルデア地方西部にある大きめの街。ロースト砂漠の傍に位置するが、町全体が三段構造の滝と一体化した水の街、砂漠の入り口にそびえるオアシスを思わせる青と白の美しい街である。そんな街にやって来たラビ、ポケモンセンターへと向かっていると此方に向けて手を振っている二人が見えてきた。

 

「お待たせ致しました、お二人共その後は順調でしたか?」

「お陰様でミミズズにも勝てました!!」

「ラビさんには通じなかったけど、やっぱりあれは呆れる程に有効な戦術でしたよ」

「それは上々」

 

潜鋼のヌシことミミズズ。普通のミミズズよりもずっと大きかったが、助言もあった事で対応する事が出来てスパイスの確保に成功したとの事。

 

「ペパーも有難うって言ってましたよ、お陰でスパイスが手に入ったって」

「いえいえ、皆さんの努力の結果ですよ―――さてお二人共準備は如何でしょうか」

 

その問いに頷いた二人と共にロースト砂漠を見る。此処に件の噂があるという……。

 

「じ、実は此処で情報収集をしたんですけど最近ロースト砂漠で巨大な二匹のポケモンが目撃されたって……」

「しかもそいつらかなり頻繁にぶつかり合ってるらしいですよ、その際の衝撃はとんでもなくてその辺りに住んでるポケモンたちが住処を追われたり、怖がって街近くまで逃げて来てるって」

「成程、それで……」

 

近場には砂漠に生息するポケモンたちが避難してきているのが見える、メグロコやサボネア、ヒラヒナ……どれも怯えているのがよく分かる。

 

「これは、より一層の注意をしなければいけませんね。お二人ともこれを」

 

二人へバッグからあるものを出して渡す。

 

「これって……?」

「ホウエン地方で使われるゴーゴーゴーグルです、これを使えば砂嵐の中でも視界を確保出来ます。それと此方は砂が口に入るのを防止する布です。此処から先でのバトルは常に砂嵐だと思った方が良いですからね。それとこのイヤホンを、スマホロトムとリンクさせて通信機のようにすれば連絡もバッチリです」

「成程」

 

そう言いながらもラビもゴーゴーゴーグルを装着する。ハッコウシティで会った後に注文しておいてよかった。そして砂漠を行くのだが、その際にラビはミライドンに乗せて貰う事になった。

 

「すいませんねミライドンさん、私まで乗せて貰って」

「ギャッス、ギャァス」

「勿論、この後はサンドイッチをご馳走しますよ」

「ギャァッ♪」

「アギャ!?ギャア、ギャアアッス!!」

「分かってますよコライドンさん、貴方にもお作りしますから」

「アギァッ♪」

 

平然とミライドンとコライドンと会話をするラビにアオハルは驚いた、一応自分がこの二匹のトレーナーという事になっているのだが自分達でもまだまだ意図を計りかねている部分がある。特にミライドンなんて表情からは全く読み取れないので苦労しているのに……。

 

「旅を長くしていると色んなポケモンと会いますからね、ミライドンさん以上に無機質的で全く表情や声に出してくれないポケモンさんもいます。彼らと比べたら優しい物ですよ」

「へぇ~」

「やっぱ色んなポケモンがいるもんですね」

 

そんな会話をしている時の事だった、辺り一面を揺るがすほどの凄まじい地震が巻き起こった。コライドンとミライドンも思わず脚を止めてしまう程。ポケモンの技である地震並の衝撃が巻き起こっている。

 

「おわわわわっ!?何だこれ揺れ!?コ、コライドン姿勢低く!!」

「ア、アギャッ!!」

「ミライドンも!!」

「ギャッス!!」

「お二人ともあそこです!!」

 

ラビが指を向けた先、そこには土煙が絶えず立っていた。しかしそれは何度も四散しながらも新たな爆音が土煙が生み出されていた。その先に一体何があるのかと思った直後に、それは晴れた。そこに居たのは―――

 

「ドンッ!!ファアアアアアドッ!!!!」

「ウィ・ルドン・ファァァァ!!!!」

 

まるでドンファンのようなポケモンが二体いた。

 

しかし一方は巨大な体躯と曲がりくねった長い牙、四肢に生えた赤い体毛、黒い背中にウロコと赤い棘が並んだ鱗に長い尻尾とまるで恐竜的な特徴を兼ね備えている。

 

そして一方は……まるでミライドンのようだった。身体は冷たい鉄のようで、だが身体を丸めて突撃する様はドンファンの系譜を色濃く継いでいる事が分かる。

 

「あれがポケモンたちを追いやっている原因ですね」

 

両者が激突する度に周辺に凄まじい衝撃波が伝播する。爆弾染みた風圧は岩場を削る程の威力、これは早急に何とかしなければ……と思っているとアオイとハルトのスマホロトムに連絡が入った。

 

『ハローアオイ、此方フトゥーだ』『ハローハルト、此方オーリムだ』

「フトゥー博士!?」「オーリム博士!!?」

 

連絡をしてきたのはこのポケモンが現れる原因ともなった博士であるフトゥーとオーリム、そしてペパーの両親でもある……何か言いたげな顔になるがラビはそれを抑える。

 

『そこにいるテツノワダチ、そしてイダイナキバは本来パルデアの大穴のポケモンだ』

『十二分に気を付けてくれたまえ、これまでのヌシポケモンとは格が違うぞ』

『『用件は以上だ、では』』

「「あっちょっと!!?」」

 

それだけを言いたかったと言わんばかりに連絡を切ってきた。なんて自分勝手な……と言いたかったがそこへ走ってくる足音が聞こえてきた。

 

「お~いアオイ!!ハルト~!!!」

「「ペパー!!」」

 

件の博士たちの息子であるペパーだった。遅れながらも確りと参上してくれた、想定こそしていたがイダイナキバとテツノワダチを両方相手にしなければいけないこの状況は人手が欲しい。

 

「おっアンタがもしかして二人が言ってたラビって人か?」

「ええ、お初にお目にかかりますラビです。ペパーさんですね?お二人からお話は聞いてます、とてもお料理が上手なんだと」

「い、いやぁそれ程でも無いちゃんだぜ、ってそれ所じゃねえ!!なんだアイツら!?あいつらが土震のヌシ⁉あれってポケモンなのか!!?」

「何とも言えませんね……今回は分担と行きましょう、ペパーさんとアオイさんで一方を、私とハルトさんでもう一方を引き受けるのは如何でしょう?」

 

ヌシポケモンは一体で数体分の力を発揮する事も容易、故にタッグを組んでバトルするのが一番だろう。その意見に異論はなかった。

 

「うん分かりました!!ペパー宜しく!!」

「応任されたぜ!!ラビさんだっけか、そっちもハルトと上手くやってくれ」

「お任せを、ハルトさんを上手くサポートしますよ」

「それ俺がする事になったりしてな」

「それでは、まずは分断からですね」

 

作戦は単純、ラビがポケモンを使って一時的に意識を誘導しそこに攻撃を仕掛けてヘイトを奪いながらミライドン、コライドンの機動力でそれぞれ分断してそこで各個撃破。それに備えてペパーはミライドンへ、アオイの腹部に手を回した。

 

「悪い、アオイこうしないとアブねぇから……」

「き、気にしないで危ないもんね!!?」

「おや青春ですね」

「あっやっぱそう思う?」

 

二人の関係がこれからも楽しみだなぁと思いながらもラビはコライドンに乗せて貰う、そしてラビは強く震え続けるボールへと手を伸ばす。此処こそお前の出番だぞ、と声を掛ければ更に強く震える。それだけ暴れたいなら存分に暴れさせてやるとも。

 

「さあ出番ですよ、暴れますよアーマーガア!!」

「―――ガァァァアアアアアアア!!!!」

 

姿を現したのはガラル地方の空の王者とも言われるアーマーガア、だがその身体は通常のアーマーガアよりも巨体で全身を覆っている鎧には幾重にも傷が刻まれている。加えてアーマーガアは全身が燻銀に輝いている。

 

「おおっ色違いなアーマーガアちゃんだぜ!!?」

「ええ、注意を引くには十分でしょう?さあアーマーガア、奴らを分断します、貴方の相手はご立派な牙を持った奴です!!」

「ガアアアアアア!!!!」

 

ラビのアーマーガアは色違い故に群れの中で独りぼっちにされていた個体、だがそこでバトルの快感に目覚めてしまった戦闘狂。バトルだけでもテンションが上がるのに自分の相手が巨大であればある程に更にやる気が上がってしまう、好み的にもイダイナキバと戦いたいらしい。超低空で滑空し、二匹が激突する寸前の間に入りながら砂を巻き上げながら上昇した。水を差された二匹は周囲を警戒し始めた、そこをそれぞれが攻撃を仕掛ける。

 

「ドンッォ!!ファァアアアアアアアアアドッ!!!!」

「ウィ・ルドン・ファァアアアアア!!!!」

 

怒りを剥き出しにし、血走ったような瞳で此方を見据えるイダイナキバとテツノワダチ。それを確認するとそれぞれ真逆の方向へと駆け出していく、それを見て逃がすかと言わんばかりに追いかけてくる。

 

「よし釣れた!!」

「さあ準備はいいですか皆さん、ヌシ討伐を開始しますよ!!」

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