週刊エンジョイポケモン放送局   作:魔女っ子アルト姫

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エンジョイ?:アフターアフター

「……」

 

ベッドで泥のように眠っているラビ、愛しの彼の頭を優しく撫でるサザレ。ここ数日、ラビは連日ポケモンリーグに出向してそこで業の皆伝の為に尽くしている。自分がどうやって業を復活させたかを記録にし、カリキュラムの為の一助にする為に。イラストレーターであるラビは絵を描く為に徹夜をする事は珍しくないのだが……疲労の度合いが違うのか眠りの深さも違っている。

 

「こんな事しても全然起きないなんて、ほんと疲れてるんだね」

 

枕から自分の膝に移しても起きる気配がない、布団に潜り込んで抱き着いても反応はない。こんなに疲労しているラビを見るのはディアルガとパルキアの絵を描いた後以外では初めて。

 

「無理はしないでね、旦那様」

「せんよ、俺の主義じゃない」

「なんだ起きてたの?」

「今目が覚めた、ったく膝枕なんて頼んでないぞ?足痺れるだろうからやらなくていいぞ」

「やってみたかったのよ」

 

のそのそと起きだすラビ、だが明らかに疲れが抜けきっていないのがよく分かる動きの鈍さ。

 

「ここまで疲れるのは旅してた頃以来かもなぁ……イッシュの序盤辺りはこんな感じだったな」

「そうなの?」

「ああ、一日にどれ位移動するべきかいまいち分からなくて進めるところまで行ってみようとしたら体力の限界を越えて移動しててな、行軍スピードってやつを考えるって事が身に染みて分かったよ。イッシュの時はまだ一人だったから余計にどんどん進んでたからな」

 

ゲームと違って町と町の間には大きな森があったり草原があったり、そんな世界を旅したり野営をしたりするのは凄く楽しかったが……同時に荷物の計算やら食品の管理やらも酷く大変だった。

 

「慣れてない事で疲れているって意味だと同じとは言えなくもないか……?」

「ラビには本業もあるんだからうまく休まないとつぶれるよ?」

「本業つっても、不定期の極みみたいなペースで仕事してるからなぁ……」

 

思えば自分のイラストレーターという職も旅の末にたどり着いたのだった、絵を描くという事で頭を整理したりしたので業の開発の一助になった。旅に自分の全てがある……と言われても否定は出来ないのだろう。そんな旅の末に今がある、不思議な気分だ。

 

「サザレ、偶には恋人らしい事でもするか?」

「例えば?」

「映画見たり買い物行ったり」

「あ~そういえばマーガリンがなかった気がする」

「んじゃ調達しに行くか、あっおやつにはフレンチトーストにするか」

「いいね~」

 

 

 

 

「ケェェン……」

 

そんなラビの不動の相棒たるダイケンキは何時も通りに庭の統率者としての責務を果たしているのだが……顔色は良くなく溜息をついてしまっている。隣を歩いていたウネルミナモが他のパラドックスポケモンに鎮圧という名の殴り込みをかけたからではない、今ダイケンキを悩ませているのは……

 

「チィラ、リラチー」

「ソルルル、ソゥルル」

「メエエエ、グメェェェ」

「フゥゥン♪」

 

メスポケモンたちの集いと言えばいいのだろうか……チラチーノやバイウールー達が中心となって結成されてコミュニティで基本的におしゃべりをしたりする場なのだが現在話題を搔っ攫っているのがヒスイの姿に進化したバクフーンである。

 

「グフフフゥゥ……バグンググ」

「メェェェ!?メエエエ、メエエエ!!」

「ソルルルッ!!ソウルァ!!」

「チィラ~、チリノリ」

 

バクフーンはその時が来るまで進化をする事を拒んでいた、だがそれを決意させたのはダイケンキ。そして本能的にこの環境ならばヒスイの姿になれるという不思議な確信を得たうえでの進化、思い人の為への決心などが彼女らにはクリティカルなのか、ワイワイと話が盛り上がっている。盛り上がってしまっている……というのがダイケンキとしての本音である。当然だろう、彼女らにとっては楽しい楽しい事だろうが当事者からしたら恋とは暴力のようなものなのだ。する方は素敵だが、されるほうは完全な不意打ちだ。

 

「きゅうんぬ」

「ケン……」

「きゅうううんぬ、れぇぇいぬ」

「ラ、ラグゥ……」

 

そんなものに興味はないといわんばかりの態度のアシレーヌ、この庭の筆頭がそんな状態では全体が緩むからしっかりしろと小言を言ってくる。ついでにそんな姿ではラグラージの方がまだ役割があると言って当人を困らせている。

 

ダイケンキとしてはバクフーンの好意は分かっているし有難いとも思っている、秘剣のスランプの打破の切っ掛けを作る為に自らヒスイの姿に進化してくれたのも分っている、いるのだが……どうしたらいいのか全く分からないというのが素直な本音である。

 

「クス……」

「ムゥゥ……」

 

オノノクスとムーランドに励まされるが、これから如何したらいいんだと本気で悩んでいる。受け入れるべきなのか、それとも時間をかけていくべきなのか……ラビの女性関係云々で狼狽えていたあの頃が懐かしくすら思える……。

 

「ルス?」

「ケン、ダケェンキ……」

「キルス~……ルスルス、カキシルス」

 

環境整備班に入り、肥沃になり過ぎた部分の栄養を吸収したり、それを活かして雑草を駆逐したりする役割を喜んでこなしているチオンジェンも流石にダイケンキを気遣って背中を摩る。新人にまで心配されて、自分はなんて情けないのだろうかと猶更凹むダイケンキ……そんなダイケンキを励ますように隣に立つバクフーン。

 

「バァグ、バグフゥゥン」

「ケンッ……キィィ……」

 

徐々にバクフーンの優しさに心が動き始めているダイケンキ、しかしそれを見てチオンジェンは思った。自分はある種原因だから言う資格はないかもしれないが……そんな凹むような事になっている原因は慰めているバクフーンで、これは一種のマッチポンプなのでは……だがそれを口にする事はしない、なぜならばしたら女性陣からボコられるからだ。チオンジェンは空気が読めるポケモンなのである。

 

 

 

「皆さんこんにちは、今日もポケモン育ててますか?まだまだな貴方もこれからの貴方も、此処をきっかけに一歩踏み出して行きましょう。今回紹介するのは此方」

「ブッシィン……!!」

「ローブシンです」

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