朝食をとるツツジとシャガ。庭で取れた野菜や木の実などを使った朝食は非常に豪華だ、朝からこんなに豪勢に食べていいのだろうかとも思う一方である事も思う。
「これでよしっと」
「はいお茶、今日は何時もより量多かったんじゃない?」
「どこぞの馬鹿が早朝からバトルしやがったせいで腹空かせてる奴が多くてな」
「ホント、懲りないね」
「懲りたらあいつじゃねぇよ」
それはツツジもシャガもよくしている事、トレーナーとしては当然の事、そう自分のポケモンの食事である。ラビの家は元々が農家兼育て屋であった為に敷地は広大で野菜や木の実を栽培しており、それらを食べる事も自由でそれらで済ませる者も多い一方でラビの作る食事じゃないと食べないという偏食家という名の我儘を行使するのが多い。なので毎朝それらの食事を作っている。
「しかし見事な手際だったな、慣れているのだな」
「そうでもないですよ、流石に全員に作ってやれる訳じゃないんで毎食ごとに作ってやれるのは6匹までってルール設けてますから」
「そうだとしても6匹分の食事をあんな短時間に……ブリーダーとしても高いレベルにいますのねラビさんは」
「いえいえ、長い付き合いだから好みを把握してるだけです」
好みを把握しているとはいえ、毎日どころか食事の度にメニューが入れ替わるのだとすればその量は凄い事になる。技や特性、戦術などを踏まえるとこの男の頭の中はどうなっているんだとツツジは素直に感嘆してしまい、シャガは見事なものだと感心する。
「まあ中にはそれでも対応が難しいやつがいますけどね」
「バンギラスにゴーゴート、ジャローダにドラピオン、カミツオロチとアシレーヌ辺りだよね妙にグルメで毎回メニューを変えないと納得してくれないの」
「あいつらが全員揃った時の面倒臭さと来たらな……ドラピオンはドラピオンで相変わらず認めてくれないし……はぁっ俺もトレーナーとしてはまだまだだなぁ……」
ドラピオンは相変わらず攻撃を仕掛けてくる、それを毎度毎度ヒスイから伝わる回避法で避けているラビ。しかし最近は攻撃の仕方にも変化が出てきており、ギリギリで避けたり服が破れたりする事も多くなってきた。自分も運動をもう少しするようにしなければ……
「そういえば……今ご飯を食べているジュカイン、彼の早業は凄い物でしたわ」
「ウム、明らかに早業を他のポケモンよりも使いこなしていたな」
そんな二人が視線を向ける先には食べ終わったので日の当たる場所に移動して日向ぼっこをしつつ眠り始めているジュカインの姿があった。
「あれは早業の更に上で瞬撃です、彼は力業が苦手ですけど逆に早業は大得意なんですよ」
「ではもしかして、力業の上もあるのでは……?」
「勿論、折角ですから今回はそれが使える彼をご紹介しましょう」
「皆さんこんにちは、今日もポケモン育ててますか?まだまだな貴方もこれからの貴方も、此処をきっかけに一歩踏み出して行きましょう。本日のゲストは此方」
「皆さんどうもこんにちわ、私ホウエン地方のカナズミシティでジムリーダーをさせて頂いておりますツツジと申します、本日は宜しくお願いいたします」
「ソウリュウシティソウリュウジム、ジムリーダーのシャガだ」
「本日もこのメンバーでいきます、そしてご紹介するポケモンさんは此方」
「ドォォオオオオンッ!!!」
「ドサイドンさんです」
| ・おおっ先生、先生じゃないか!! ・ドサイドンだぁ!! ・出たよ重戦車 ・キバナ:いい趣味してんな。 ・アイリス:この前のチャレンジャー元気かな~ ・ナンジャモ:頼もしそ~ |
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「ドサイドンさんは岩と地面の複合タイプです、サイドンさんがプロテクターというアイテムを所持した状態で通信交換を行うことで進化するポケモンさんで、身に纏ったこのプロテクターは火山の噴火や名刀の一撃でもビクともしない程に強固です。未知の物質で構成されているそうで、現在もこのプロテクターの解析が行われているそうです」
| ・偶にいるよな通信交換族 ・そこに紛れるアイテム所持通信進化勢。 ・こいつらって、ある意味幻のポケモンだよな…… ・ナンジャモ:えっなんで? ・ナモ公が煽ってます!! ・ナンジャモ:えっいや煽ってないけど!!? ・……フッそれが分からないからナモ公なのさ ・ナンジャモ:なんかむかつく!!? |
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「掌には穴が空いておりまして、そこに岩を詰めて瞬間的に筋肉へ力を込める事でそこから岩を発射して攻撃する事が出来ます。たまにイシツブテさんやダンゴロさんが発射される事もあるとか……される側からしたら堪ったもんじゃないですね」
| ・また変な進化の仕方を……。 ・なぜそういう進化を…… ・でもこれが強烈なんだよな。 ・そう、筋肉発射だから遠距離物理技なんだよな。 ・火炎放射が物理みたいな感じ? ・大体あってる。 |
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「そんなドサイドンさんの特性は避雷針、ハードロック、夢特性が捨て身です。ハードロックは効果抜群のダメージを軽減するという物で弱点が多い複合タイプですがこれによってある程度のカバーが可能になります」
「故にドサイドンを突破出来ないトレーナーというのは多いのですよね」
「攻撃や防御面も優秀ゆえにな、特防が低いからと言ってもそれもハードロックで軽減されるから強力な技で刈り取らなければ反撃を食らうことになる」
| ・電気無効、ダメージ軽減、火力アップかな。 ・んじゃ正面突破がきつい? ・いや、水と草の特殊技は受けきれない。まあリフストとかドロポンじゃないときついって事 ・ハイポンでしょ? ・イドンプだろ。 ・おい此処で争うなwwww ・正直すまんかった×10 |
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「そんなドサイドンさんですが、基本的にサイドンさんの能力をそのまま底上げしたようなイメージなので基本的な戦術はそのままで戦えるというトレーナーからしたら助かる所があります。進化によっては大幅に能力が上がったり、一部が下がったりもしますからね」
| ・あ~確かにそれは助かるわ。 ・試合中に進化したら能力変わり過ぎて適応できないとかあるもんな。 ・キバナ:オレ様とのバトルでもあったなぁ……あの時は何だったかな ・アイリス:私は追い詰められたこともあったけどなぁ…… ・サトシ:ナエトルがハヤシガメになったときは大変だったなぁ…… ・それ違うんじゃってチャンピオンっ!? ・いやもう驚く気にもならんわ。 |
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「やはり生かすべきはその高い攻撃と防御ですね。攻撃を耐えて、返しで強力な地面と岩タイプの技で押し切る戦術を得意とします。特に地震やストーンエッジの火力は絶大です。そしてドサイドンさんと言えばの技が岩石砲、これは岩タイプ版の破壊光線というイメージでOKです」
| ・出た!!ドサイドンさんのロマン砲だ!! ・やっぱロマン砲はあこがれるよなwww ・小さい子はみんな破壊光線撃ちたがるよなwww ・うちの地元はギガインパクト派と割れてたな ・あったあったwww |
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「私のクラスでもそういうのが多いですわね、やたらめったら破壊光線を撃ちたがる子が多くて大変だった事もありますわ……確りと使いどころを考えれば有効な技でありますが」
「サトシ君はギガインパクトの威力を逆に利用してインパクト直後に後退するという戦術も見せていたな、あれこそ素晴らしい技の応用だった」
| ・サトシ:いやぁあれはグライオンが凄い訳で俺は別に ・いや平然と有効活用してましたよね? ・普通は動けなくなってやられるんですよ ・直撃の衝撃利用して後退は普通出来ねぇっすよ ・手持ちポケモンを自慢する対応、嫌いじゃないわ!! |
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「ドサイドンさんは元々がかなりの鈍足ですので、アームハンマーの素早さ低下も気になりません。これは逆にトリックルーム採用パーティでは素早さの向上にも繋がりますし、鈍いと併用しても面白いですね。加えてドサイドンさんの面白いところはサブウェポンが揃っている所です、メガホーンや冷凍パンチ、サンダーダイブ、雷パンチ、やけっぱち、ヒートスタンプ、ヘビーボンバー、シャドークロー、ドラゴンテールなどなど……それと意外なことにドサイドンさんは波乗りを覚える事が出来ます」
「よ、よくご存じでしたね。意外な事に覚える事が出来るのですよね、私も知ったときは驚きました」
「ジョウト地方では波乗りサイドンの話を聞いたな、現在では水脈が多いトンネル工事の応援の依頼が多いという噂を聞いた」
| ・サトシ:ああっエリコさんのサイドンか!!懐かしいなぁ…… ・えっマジでいんの⁉ ・サトシさん公認なの⁉ ・お前、一応岩と地面だろ ・効果抜群の水に自分から入るのか……!? |
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「他にも定番の角ドリルが出来たりします。どんな頑丈な壁でも突破可能の重戦車アタッカー、と思いますがその気になったらロックカットで高速移動したり、剣の舞で更に攻撃を上げて高速アタッカーになる事も、凍える風や岩石封じ、吠えるやステルスロックなどで相手の動きを縛るというサポート的な動きも可能です。器用な重戦車ドサイドン、いかがでしょうか」
| ・これが加速ってこわ…… ・こんなのが高速移動しつつ攻撃してくるとか唯のホラーやん……。 ・ナンジャモ:ボクだったらムウマージで鬼火かなぁ…… ・キバナ:ありだな、それこそ水や草で強行突破が一番でもある。 ・アイリス:さすがに4倍弱点はきついだろうからね。それでも耐えるときは耐えるけど。 ・でもドサイドンでサポートは思いつかなかったなぁ…… ・耐える可能性高いからある種適性は高いのかもな。 |
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そんなこんなで配信を切る。ドサイドンは何やらやる気満々と言いたげな雰囲気を醸し出しているが、指示を待っているようにも見える。なのでラビは待っていたであろう言葉をかけた。
「ツツジさんにシャガさん、それではお見せしますね。ドサイドンさん、お願いします」
待ってたぜ、この瞬間をよぉ!!!ウズウズしてたんだこっちは!!と言わんばかりにやる気を出したドサイドンは相撲の四股踏みのように思いっきり地面を踏みしめてから両手を構えた、そしてそのまま大地に向けてそれをハンマーのように叩きつけた。
「ドオオオオオオオオオオオオオオンッッ!!!!」
その瞬間にドサイドンの目の前には巨大な山が無数に大地から隆起した、それは真っ直ぐにミミロップに説教されているバシャーモへと向かっていく。正座をして受けていたバシャーモは素早く反応すると此方も異様に素早い身のこなしで連打を放って隆起してきた山を拳と蹴りで砕いてみせた。
「バッシャァッ!!!」
「ドォォン……!!」
「ミミロォ……」
「バシャ、シャモシャモバッシャ」
バシャーモがこういう時は彼氏らしく、ミミロップが怪我でもしたらどうするんだ!!?と言わんばかりにキレるのだが、ドサイドンのだったら少しは口説きを自重しろ、という言葉にミミロップはホントホント……と頷いた。が、肝心のバシャーモは何を言う、美しい女性を口説くのは摂理だろうと何故か胸を張るのでミミロップの溜息は尚の事深くなった。
「これはっ――――!!」
「力業、いやそれ以上の……」
「そうです、ポケモンによって業の得意不得意は異なります。そして重要なのは得意な技を伸ばす事、彼は力業が大得意ですのでそれを伸ばした結果会得したのが力業の上位、重撃です」