サザレの実家から受け継いだ業の資料、それを基に自分の知識と照らし合わせながら研究した結果として復活した早業と力業。それもポケモンによっては得意不得意が存在し、相性がある事も分った。出来るポケモンもいれば出来ないポケモンも当然いるし、早業が得意で力業は不得手で力業は得意だが早業は出来ないといった個体もいた。そんな中で徐々に明らかになっていったのが得意な業を重点的に伸ばすという事だった。
「ジュルルルルッッラァ!!!」
刹那、無数に分裂するかのように駆けるジュカイン。神速の領域に到達したリーフブレードが瞬く間に放たれる。それを真正面から防御を固めたドサイドンが受け止める。苦手とするタイプの攻撃だが、ハードロックの影響もある為か堪えてはいない。そして続けてドサイドンは飛び上がりながらも両腕を地面へと叩きつけた。
「ドオオオオオオオオオオンッ!!!」
地響きと共に地面から飛び出していく無数に重ねられた鋭利な岩の棘、ジュカインならば自慢のスピードで回避が可能である筈なのに守るを発動させた。緑色の障壁はストーンエッジに耐え切るが、ジュカインに回避は不能だと思わせるだけの物があった。
「これが瞬撃と重撃……その名の通りと言った印象ですわね」
ツツジの言葉にシャガも頷いていた、未だ習得に至れていないが一刻も早く業の皆伝をしたいと思わせるだけの凄まじい物があった。
「と言っても瞬撃と重撃はポケモンの得意の先にある物ですのでポケモンによっては習得は出来ない場合もありますのでご注意ください」
「ジュカインが重撃は出来ず、ドサイドンが瞬撃が出来ないようなものか」
「はい。まあそもそも二人は力業と早業が出来ません、だから得意を伸ばした結果とも言えなくもない訳ですが」
何事も取り敢えず業の習得が出来なければこの発展もない、事実としてラビのポケモンには業が全く出来ないメンバーもいる。そもそもが業の技術自体が古いので使いこなす為にはセンスを要求するからだ。
「私の1軍メンバー全員が業を修めてる訳でもありませんからね、こればっかりは本当にセンスの有無と努力につきますね」
「そうなのですか?」
「ええ、中々に強いのがいますよ」
「フム……知りたいな」
「では配信でお教えしますね」
「皆さんこんにちは、今日もポケモン育ててますか?まだまだな貴方もこれからの貴方も、此処をきっかけに一歩踏み出して行きましょう。本日のゲストは此方」
「皆さんどうもこんにちは、私ホウエン地方のカナズミシティでジムリーダーをさせて頂いておりますツツジと申します、本日は宜しくお願いいたします」
「ソウリュウシティソウリュウジム、ジムリーダーのシャガだ」
「本日もこのメンバーでいきます、そしてご紹介するポケモンさんは此方」
「ガアアンッ」
「ドンカラスです」
| ・おおっドンッ!! ・何それ、ギャグ? ・ナンジャモ:これには流石のボクもあんぐり ・ナモ公がいます!! ・これはナモ公が正しい。 ・同意。今回ばっかりは ・うわああああああナモ公にいわれたぁぁぁ!!! ・ナンジャモ:どういう意味だぁ!!!? ・キバナ:芸人とかそういう意味だろ? ・アイリス:私もそう思う。 ・というかドンカラスに触れようぜ。 |
|---|
「ドンカラスは悪と飛行の複合タイプ、進化した事で名前通りに群れのボスらしさを獲得して一部ではマフィアのボスっぽいと言われてますね。実際ドンカラスが統率する群れの大きさはかなり大きく、一鳴きすれば100匹を超える配下のヤミカラスさんが集結するといわれています」
| ・カラスと聞いて此処のマスコットかと身構えたぜ。 ・まああれに比べたら可愛いよ。 ・ホントあいつなんなんだよ。 ・でもドンカラスってなんか嫌われてなかったっけ?お祖母ちゃんとか苦手って言ってた ・ああ俺も聞いたことある。 ・なんでだろうな? |
|---|
「それはヤミカラスさんが不吉の象徴とされているからですね、ヤミカラスさんは悪戯として森へと誘い込んだり、防衛として黒い霧を用いて相手を惑わせる事でついてしまったイメージです。ヤミカラスが飛ぶまでに帰れ、というのはこれらから身を守るための教訓でもあります。そしてそれらを統率し、100を超える群れを従えるドンカラスが空を飛ぶ様子は圧巻です。空が黒い影で覆われたかのような風景で、昼間なのに夜かと誤認するケースも多いです。その為かドンカラスは夜を招く者として恐れられているのです」
| ・あ~確かにそれは怖い……。 ・不吉のヤミカラスを大量に、空を埋め尽くす数を率いるって思うと確かに怖い……。 ・確かにいきなり夜になったら怖いよなぁ……。 ・そりゃ祖母ちゃんとかは苦手だわなぁ…… ・昔なんて、今みたいに照明とか未発達の地域もあっただろうからな。 |
|---|
「でもヤミカラスは意外と可愛い所も良いですよ」
「ああ、私の学園でもパートナーにしている者もいるぞ」
「そうですね、ヤミカラスさんは綺麗でキラキラしたものに目が無いです。そしてそれを拾ってボスであるドンカラスへの献上品にしたりしますが、それは大切にしてくれているトレーナーにも同じ事をします。この習性を利用して、落とし物センターではヤミカラスさんを使って落とし物を集めるという事もしているそうです」
| ・へ~そうなんだ ・ああそれでなんかガラス玉を持って飛んでた奴いたんか。 ・献上してるのか ・ドンカラスはそれをもらってるってわけか。 ・まさにボスだな。 |
|---|
「そんなドンカラスですが、部下の失敗は決して許さず、獲物の調達に失敗したり裏切ったりした子分は執拗に追い詰めて始末すると情け容赦がありません。しかしこれは裏切りによる群れの崩壊を防ぐ為の秩序と言われています。その一方で成功した部下を確りと褒めたり、自分が毛繕いをしてあげたりと信賞必罰を徹底しています」
| ・お、思った以上にボスしとる…… ・伊達にドンと言われてないな。 ・まあ失敗とかは叱るの当然だしな、裏切るとかもってのほかだしそれは当然だろ。 ・ボスってそういう役回りだしな。 ・かっこいい |
|---|
「そんなドンカラスの特性は不眠、強運、夢特性が自信過剰です。不眠はその名の通りに眠り状態にならないという特性です」
| ・眠り無効、急所確率アップ、攻撃上昇か。 ・結構優秀じゃない? ・眠り無効とか最高だな、よしこいつでガッサを狩りとろ。 ・おちちこう、殺気漏れてるぞ ・おちちこう ・やめて |
|---|
「ドンカラスは中々に強力な技を覚えます、攻撃と特攻がどちらも高くタフなのでアタッカーとしての活躍が期待できます。ブレイブバード、ドリル嘴、アクロバット、ダブルウイング、暴風、エアスラッシュ、不意打ち、辻斬り、悪の波動、我武者羅、熱風、凍える風、蜻蛉返り……主な攻撃を挙げてもこれだけの選択肢があります」
「どれも優秀ですわね……ダブルウイングはマルチスケイルなどにも強いですし」
「先制の不意打ちに急所アップの恩恵が大きい辻斬り、素早さを下げる凍える風や行動阻害も期待出来る暴風に悪の波動、エアスラッシュ……中々だな」
「他にもメタルバーストと同じ性質の報復も使えますので中々です」
| ・うわぁ思った以上にやべぇこいつ!! ・我武者羅も報復も行ける……あれ、これ思った以上にやべぇのでは? ・キバナ:大ダメージを報復で倍返し、体力が削られてるから我武者羅もいきるな。 ・アイリス:うわ思った以上に中々ひどいコンボ。 ・ナンジャモ:しかも不意打ち持ちでしょ、エッグイ。 |
|---|
「変化技としては電磁波、黒い霧、挑発、追い風、悪巧み、怪しい光、フェザーダンス、見切り、嫌な音、羽休め、黒い眼差し、滅びの歌、などですね。いざという時は黒い眼差しからの滅びの歌が出来てしまうのが恐ろしいですね」
| ・げぇ滅び持ちかよ!!? ・積みリセットに麻痺、混乱、能力ダウン、変化封じ、攻撃防御ダウンに回復…… ・そ、想像以上に厄介だぞこいつ。 ・それでもドンか!!姑息だぞ!! ・悪タイプにそれは誉め言葉みたいなもんだぞ。 |
|---|
「大ダメージを報復で返し、我武者羅で次のポケモンを削り、不意打ちで仕留めたりという戦術も可能です。組織のドンに相応しい器と技の数々を持つドンカラス、いかがでしょうか?」
| ・キバナ:対策としては連続技には弱い所か? ・ナンジャモ:ロクブラとかつららとか? ・アイリス:バンギラスとかキリキザンとかも相性いいからいけそうだね。 ・鬼火入れたら楽そうな印象。 ・上から一撃でたたかれるのも辛そうだな。 |
|---|
そんなところで配信を切るとドンカラスがまるで自分を労うように肩を大きな翼で撫でて来た、それに有難うとお礼を言うとフンと鼻息を荒くして飛び去って行く。
「ラビさんのドンカラスは気難しいのですか?」
「結構単純で分かりやすいと思いますよ、あれだって照れ隠しみたいなもんですし」
「尊大で我儘が多いドンカラスを単純で分かりやすいとはな、らしいな」
お気に入りの木に作った自分の巣に戻ったドンカラスは帽子のようになっている鶏冠で顔を隠しながらもニヤけそうになっている顔を必死に抑えていた。やったやったと言いたげに揺れている身体が隠している本音を表している。そんな様子を偶然木の下にいたドラピオンが見ており、思わず声を上げた。
「ドォウラ」
「ガァッ!!?ガ、ガアアラドンッ!!?ガァアアア!!!」
「ドォラァ……ドピオォン……ドォラ」
「ガ、ガァアアアッ!!!」
お前はいい加減にもっと攻めろ、その程度であいつの心を射止められると思っているのか?と私のように攻めろ、というドラピオンに対して貴方は攻めすぎなのよ!!と真っ当なツッコミをしてしまうドンカラスであった、ドンカラスは何方かと言ったら臆病で優しい性格でもっぱら仲良くしているのはオーガポンやチラチーノ、ドラピオンやガブリアスそしてアブソルの過激なアプローチに対してどうすればいいだろうかと二人に相談してアドバイスを貰っている乙女である。
「ガ、ガァァァッ……!!」
「ドラァ……」
そうだお花をプレゼントしよう!!これはいいアイデア!!とウキウキで飛び立っていくドンカラスを幸せな奴……とある意味で羨むドラピオンであった。