週刊エンジョイポケモン放送局   作:魔女っ子アルト姫

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エンジョイ?:サーベイトゥガラル

「よっ進捗教えに来たぞ」

「いや電話しろよ」

 

思わず素を出してしまうほどに唐突な訪問にラビは突っ込んだ。来客はガラルのトップジムリーダーのキバナ、ラビ個人としては余り会いたくはない部類の人物である。電話だけで充分、というかジムリーダーが軽々しくジムを離れるなと言いたい、特にガラル地方のジム巡りは興行的な意味合いが強いというのに……。

 

「マジで軽々に来るような立場の人間じゃねぇだろアンタ……」

「安心しろちゃんと代理は立てたしイベントとかも用意してケアはしてきた」

「というか、来るなら来るで一言言えよ。こっちにも準備とか色々あるんだよ」

「オレ様にもだいぶ遠慮なくなったな」

「もうする意味ねぇって諦めてんだよボケカスバカ」

「なんだと童顔外見未発達」

「「あ"あ"っ!⁉」」

 

ワザとらしく声を荒げて殴り合いの構えを取る二人だが、勿論殴り合うなんてことはしない。尚、挨拶をしていたジュラルドンはバトルの準備をしていたが、ダイケンキは欠伸をしていた。相棒にその気がない事を見抜いていた。

 

「ンで進捗ってどんな感じなん?」

「一先ず人選が済んだって所だな、ガラル三鳥が怪我を負わされたって事を考慮して実力と性格、信頼性を優先した結果……該当は今のところ二人、だけど実質的に一人だな」

「どんな奴?そっちのチャンピオンとか?」

「してやってもいいけどあの方向音痴に調査依頼は怖いだろ」

「言えてる」

 

レッドとの死闘を繰り広げた事でも有名なガラルのチャンピオンことダンデ。リザードンを相棒にする超凄腕のトレーナーなのだが……ドが付く方向音痴。故か移動に関しては相棒のリザードンがマネージャーを兼任しているに等しい状態らしい。

 

「それにあいつは今バトルタワーの支配人って役割があっからな」

「えっあの人チャンピオンから退いたのか?」

「ああ、レッドさんとのバトル後に色々考えたらしくてな」

 

ガラルでは無敵のダンデとも言われたあのチャンピオンが引退……世界大会ではレッドの対決も多く、レッドを超える事を夢とも公言していたのに。

 

「バトルタワーを中心に他の施設も作るって構想もあるらしくてな、ガラルにフロンティア建設事業が今盛り上がってんだ」

「ほ~……ンで結局その人選って?」

「ああ。そのダンデの後釜には4人の候補がいてな、ンでまあ最終的に一人に決まった訳なんだけどな」

「んじゃそのチャンピオン決定戦にまで進んだ子が推薦してくれるって子か?」

「ああ、決勝はそりゃ盛り上がってな。ラストはキョダイマックス同士のスーパー大決戦だ」

 

それは是非とも見たかったなぁ……ガラル地方のジムは見ていて色々映えるのだ、その分耐久要塞型への評価は低いのが不満ではあるが。

 

「一人はマサル、生憎負けちまったけど根性とガッツが自慢の奴で重く腰を据えたバトルをする奴。なんだが修行で生憎ガラルを離れててな、フロンティア施設の一角を預ける予定でそのための修行でカントーに行ってんだ」

「んじゃ本当の推薦は」

「ああ、もう一人の方でこっちが今のガラルのチャンピオンだ。チャンピオンのユウリだ」

 

マサルにユウリ、剣盾の主人公ズとは……マサルがカントーに行っているのはちょっと残念だが、ユウリに会えるのは少しワクワクする。個人的にユウリが女性主人公の中で一番可愛いと思っている、と内心ワクワクしていたのが……キバナは少し溜息を吐きながら、ハーブティーにジャムを追加した。

 

「最近、あいつなんか思いつめちまってる感じがしてなぁ……ダンデの代わりにチャンピオンになったから気負ってるのもあるだろうけど」

「前任者が前任者だからな……」

 

ダンデは単純に強いトレーナーという訳ではない、エンターテインメントを理解していたチャンピオンだった。求められた100点に対して120点を平然と叩き出す程、それからチャンピオンを継承した為に新チャンピオンであるユウリへの視線は熱狂的だが何処か冷たく、厳しいものだとキバナは語る。

 

「オレ様も一応フォローしてんだけどなぁ……なんか間に合ってなくて、最近はイベントやら用事がなけりゃワイルドエリアに入り浸ってるって話を聞いたぜ」

「完全に人間と距離を置いてるな……」

 

ユウリはまだ十代そこそこ、まだまだ幼いのは変わらない。ダンデは18年間チャンピオンを守り通した歴戦のトレーナー、そんな存在とユウリを比べて同一視はナンセンスも甚だしい。

 

「頼むラビ、ユウリのケアお願い出来ねぇか?」

「えっ俺?」

 

まさか過ぎる言葉に流石にビックリ、キバナ曰くユウリはラビの配信を毎回楽しみにしているとのことでワイルドエリアにいる際には通信速度向上の為に持ち運び出来る通信アンテナを使っているとの事。

 

「お前もファイヤーの事が気になるし、ユウリにはカンムリ雪原の調査依頼をする訳だし顔位は合わせておくのが筋って思うだろ?だったら直接顔を合わせて少しでいいからあいつの気を楽にしてやってくれねぇかな?」

「まさかその為だけにパルデアまで……?」

「この位の事は当然だと思ってる」

 

真面目なキバナの顔にラビは少しだけ考え込む、此処までされて何もしないというのも間違っている気がする。キバナにはガラルの調査を頼んでいる訳だし……自分でもある程度は動くべきだろうと自分を納得させて頷く。

 

「分かった、ガラルへ行きましょう」

「助かる―――んじゃ行くか」

「今から!!?ちょっと待て準備とか飛行機の手配とか色々あるんだけど!!?」

「オレ様のプライベートジェットだから安心しろ、因みにアカデミーには連絡済みだぜ」

「用意周到か!!?それでも色々あるんだよ留守番のお願いとか色々!!」

「んじゃ手伝うから早く行こうぜ」

「何ダルそうに言ってんのこの人!?」

 

ラビ、ガラル行き決定。

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