週刊エンジョイポケモン放送局   作:魔女っ子アルト姫

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エンジョイカンムリ:アンガー、キング、レイス

「バクロオオオオオオオゥスッ!!!」

 

高らかに嘶いたレイスポスの背へと騎乗したバドレックス。その手には使い込まれた絆の手綱が握りしめられている、それは徐々に光を帯び始めていくとバドレックスを包み込んでいく。バドレックスのマントは靡く程に長くなり、威厳を纏っていた。そしてレイスポスも力を取り戻したと言わんばかりにゴーストタイプの力を発散させた。

 

「……改めて礼を言わせてほしいのである、ラビそしてユウリよ。余は遂にレイスポスの背に戻り、全盛期の力を取り戻した。信仰と愛馬を失い、孤独の中で彷徨う愚かな余に親切にしてくれた事を……余は一生忘れる事はないであろう」

「そんな改めて言われると困りますよ~……あっそれに困った人が居たら助けるのが当然です!!王様ポケモンだけどまあ細かい事は良いんです!!」

「全くだ、いきなり精神干渉した事はもうチャラにしてやるから気にするな」

「フフフッ感謝するのである……さて、ならば今度は余がお主らの力になる番であるな」

 

バドレックスはレイスポスに事情を説明して二人に協力してほしいと語り掛ける、レイスポスは特に文句はない。というよりも自分はバドレックスの愛馬なのだから命令を下すだけでいい、と答えた。どうやらバドレックスの愛馬という立場に誇りもあるらしい。それを聞いてバドレックスは嬉しくなりつつも咳払いをする。

 

「さてと、何をすればよいのであるか?」

「ああそうだ……改めて、俺がこのカンムリ雪原に来た理由は―――よっと」

「ギャアアアアアアアッ!!!!」

 

事前に交換しておいたファイヤーを繰り出した、バドレックスはその姿を見てほぅっ!!と懐かし気な声を上げた。

 

「なんと懐かしい、愛馬の背にまた乗れたと思いきや今度は其方の登場か、ムムッ?しかも其方、我が愛馬たるブリザポスに幾度も戦いを挑んでおった気骨のある奴ではないか」

「ギャア……?」

「レロ~ス」

「ギャッ!!?ギャアアアッギャアアアア!!!」

「おおっ思い出したであるか、誰かの下に付く事などあり得ぬと豪語しておったのにラビのポケモンになっておったのか」

 

如何やらバドレックスはファイヤーの事を知っている様子だった、しかも愛馬時代のブリザポスに何度も何度も挑み続けていたとの事。レイスポスとも戦った経験はあるらしいが、ブリザポスの方が圧倒的に多かったとの事。

 

「それで、こいつは今俺が面倒を見てるんだけどカントー地方で大怪我をしている所を保護されたんだ。その原因を調査する為にここに来たって訳だ」

「なんとっそのような事が……」

「ちょうどいい、王様話せるならファイヤーから話を聞いてみてくれないか?何度か俺に話してくれようとしてくれてるんだけど……生憎ポケモンの言葉はサッパリだ」

「うむっ任せておくがよいぞ!!」

 

そんな訳でバドレックスに通訳をお願いしてファイヤーと話をする事にした。バドレックスがファイヤーの話に相槌を打ったり、そのような事が!!と話したりしている様子を待っているとユウリがラビの袖を引いた。

 

「王様の事で忘れてましたけど、それが私たちの目的ですもんね。でも実際どんな原因があるんでしょうか……?」

「何とも言えないのが確かだなぁ……何せ、こいつの事もあるし」

 

ウルトラボールを見るとボールが震えた、何故か脳裏にサイドチェストを取るマッシブーンが浮かんできた。あの筋肉そんな事も出来るのだろうか……?

 

「ウムウムッ……成程、聞いたぞラビ。如何やらファイヤーは久しぶりにこの地にやって来てダイ木の木の実を食そうと思ったらしい。目的を果たす事は出来たらしいのだが、そこで懐かしい顔に遭遇したとの事だ」

「懐かしい顔……此処の友達かな?」

 

ユウリはファイヤーは長生きだから各地方にそんな感じで友達がいるんだろうなぁと思っているのだが、ラビは恐らく別のガラル三鳥であるサンダーとフリーザーの事だと思った。此処まではゲームの展開と同じだが……。

 

「戯れをしている内にある事が起きた、突如として地面から現れたそれは我らに対してこの地から去れと告げた。突然すぎる警告に動揺したが、それ以上に戯れの邪魔をされた事が許せなかった。故に戦う事を決意したようだが……全く歯が立たなかったとの事だ」

 

無数の光が翼を貫き、波打つ波動は逃げる力を制限し、その強大な光は一瞬で自分たちを吹き飛ばしたと語った。ファイヤーの身体は震えていた、その時の恐怖が蘇っているのかもしれない。伝説のポケモンに此処までのダメージを与える存在は一体何なのかと思ったが……ラビは此処である事に気づいた。

 

「ファイヤー、翼を貫かれたって言ったな」

「ギャアアアッ……ギャアアアア」

「うむ、大空へと羽ばたく我らを無数の光が貫いたと言っておるぞ。そのダメージで高くは飛べなくなったと」

「……そして波打つ波動……まさかそいつは……」

「こ、心当たりあるんですか?」

 

断言する事は出来ない、だが可能性自体は極めて高いと思っている。だがそうなると……極めて厄介且つ難敵であることが確定してしまう。

 

「……王様、カンムリ雪原になんか伝説とかはないか?」

「伝説、であるか」

「ほらっ例えばこの地の秩序が乱れし時、その存在は顕現するみたいな」

「ま、待てそう急かすな……ええっと、あっあるぞ!!そうか余も思い出したぞ、そうかあれか!!」

 

バドレックスも納得がいったように手を叩いた、そしてレイスポスも思い当たる節があるのか頷いた。この中で何もわからないのはユウリだけ、お願いだから教えてと懇願するとラビは言いにくそうに言った。

 

「そのポケモンは秩序を司ると言われている。普段は洞窟の奥から各地を監視し、生態系を乱す者が現れると洞窟より出てその力を行使するとされている。恐らくこいつだ」

「秩序……ってルール、とかですか?」

「ウムッこのカンムリ雪原においては秩序と安寧を守る神だと言われておる。だが余が統治していた時代には眠りについていたという話を聞いた」

「何かの切っ掛けで目覚めたか、それとも役割を全うしているのか……」

「そ、そのポケモンの名前は……?」

 

思わず喉がなった。いったいどんなポケモンなのかと、ユウリは聞き、ラビは答えた。

 

「ジガルデ。カロス地方の伝説のポケモン、ジガルデ。まさかこのガラルにもいるとは……」

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