週刊エンジョイポケモン放送局   作:魔女っ子アルト姫

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エンジョイカンムリ:フレンド

「ウッウッ……うっめぇぇぇぇぇっっっ!!!」

 

呻きのようなものから一気に歓喜の喜びの声へと変わって天へと昇る、それはカンムリ神殿までやって来たホップのもの。ユウリを追いかけて単身此処まで来たのは良い物の、防寒装備も何もなしで普段着そのままでやって来たホップの身体は完全に冷え切っており、低体温症になる寸前で抱き合っていた際にホップはユウリの体温に心地よさを覚えたのか、そのまま眠りにつきそうだったのを大慌てで叩き起こし、大急ぎで湯を沸かして飲ませている間にカレーを完成させた。そして今、食べさせている所である。

 

「信じられねぇぐらいにうめぇぇぇっ!!!カレーなんてずっと食べてる筈なのに、なのに、なのに!!人生で一番うまいカレーだぁぁぁ!!きっとあれだな、ユウリが作ってくれたからだな!!」

「い、良いから早く食べる!!体の中から体温を上げる!!」

「分かった、どんどん食べるぞ!!」

 

紅潮した顔で照れるように顔をそらしつつもカレーを食べるユウリ、微笑ましい光景だ。自分は忘れられているのだろうか……まあそれならそれで別にいいけど……と思っているとホップは此方を向いてきた。

 

「いや違うな、ラビさんも一緒に作ってくれたからだな!!」

「単純に体温が凄い低い状態であったかい物食べたからそれが染みてるだけな気もする」

「余も一票である。このかれーが美味いのも事実であるが」

「バクロォォス」

 

兎も角ホップは大丈夫そうで安心した、低体温症もこのまま身体を温め続けておけば大丈夫だろう。しかし……よくもまあここが分かったものだ。

 

「でもホップ、どうして私が此処に居るって分かったの?」

「ああそれは……カンムリ神殿を中心にここらは異常気象が起きてたんだ、それこそブラックナイトみたいな空になって、ダイマックスエネルギーが活性化してた。それでもしかしたらと思って……ソニアの心配振り切って此処まで来ちゃったんだよなぁ」

「んな事になってたんだ……」

「ぜ、全然知らなかった……」

「あの状況で空の事情を知れというのも無理があるであるからな」

 

岩盤の下でネクロズマと戦っている最中、カンムリ雪原では嘗て起きたムゲンダイナ事変を思わせるようなダイマックスエネルギーの氾濫と言えるほどに迸っていたらしい。

 

「凄かったんだぜ?雪降ってると思ったら豪雨になったり吹雪になったり」

「そんな中来たの!!?本気で何考えてたの!?」

「いやぁユウリの事が心配だったから」

「真面目に笑い事じゃないと思うのは余だけか?」

「いや俺も思う」

 

まだ影響は完全に消えておらず、多少の気象異常は残っているとの事。これだけ体温が低いとなれば……途中で雨を受けたところに吹雪に吹かれたのでは……本当になんて無茶を……と言いたくなったがそれを言ったら伝説のポケモン相手に戦っていた自分たちが原因だし、無茶度で言えば完全に人の事を言えない。

 

「でもユウリ、人の言葉を話せるポケモンと一緒だったなんてすごいぞ!!これはこれで大発見だぞ!!そういえばニュースでロケット団がサトシさんにぶっ飛ばされたってのがあって、そこで喋るニャースの話があったな……それと同じか!?」

「そのニャースとやらも話すのか!!一度会ってみたいものであるな」

 

あれと一緒にするのは如何なのだろうかと思うラビであった。ニャースのそれは真面目に猫に小判やらが出来なくなる程の経験値を言語に回した努力の結果でバドレックスのそれはサイキックパワーの延長線に近い気がする。

 

「それで、ユウリはこれからどうするんだ?」

「如何って……何が?」

「兄貴が会見で言ってたぞ、ユウリをサポートする為の体制を整えるって。だけどそれはあくまでチャンピオンを補佐するって事でユウリをチャンピオンに縛るつもりはないって言ってた。だからなんだったらこのまま別の地方に旅に行ってもいいって」

 

それを言われてユウリは心が揺れなかったと言えば嘘になる、実際は何処か遠くに行ってしまいたいという欲求がない訳でもない。誰も自分の事を全く知らない土地に行って自由に過ごしたいと思った事は一人でワイルドエリアに居た時は数えられない程に考えた。

 

「……」

 

 

―――迷っているのですね。皆が望むチャンピオンユウリであるべきか、自由なポケモントレーナーユウリであるべきか。

 

 

脳裏に過ったラビの言葉、きっとチャンピオンに求められることは変わっていくし自分らしくいる事だって出来る筈、そういう風にする為にダンデもキバナも動いてくれている。その為にチャンピオンに戻るべきなのか……それとも、もうそんな物に囚われたくないと手を振り解いて、憧れていた各地方の旅をしてみるか……。

 

「ホップは―――」

「俺はどっちでもいいと思う、仮に旅に出るとしたら俺も付き合う」

 

ノータイムで答えが飛んできた。でもホップにはホップの事が……そんな不安が顔に出たのか、ホップは笑って答えた。

 

「大丈夫だぞ、博士には実際に現地に赴いて色々調べる人も多いって聞くぞ!!だから俺も各地方を巡ってこの目でポケモンの生活を見て研究するのもいいって思ってるんだ。だから、俺の事は全く気にしないでくれ、ユウリのしたいようにするのが一番だぞ!!俺はその上で付き合うぞ!!」

 

見ていても本当にホップがいい男なのがよく分かる、バドレックスもニヤニヤしながらも頷いている。ユウリも顔を赤くさせながらも俯いた、彼がそういう男なのは分かっている筈なのにそれを真正面から受けてしまった。

 

「……ちょっと、考える」

「それが良いと思うぞ!!あっでもどっちにしろ生存報告とかしないとマズいぞ?キバナさんとかすげぇ心配してたぞ?」

「いや低体温症で死に掛けた君が言うか」

「あっそれならラビさん!!配信、やりましょう!!」

「え~……ああいや今更かな……?」

 

 

「皆さんこんにちは、今日もポケモン育ててますか?まだまだな貴方もこれからの貴方も、此処をきっかけに一歩踏み出して行きましょう。本日はゲスト付きです」

「どうも皆さん!!勝負いつでも全力でユウリに決めちゃおう!!ユウリです!!」

「みんなもバトルやってるか!?ホップだぞ!!」

「今回は此方をゲストにお迎えしてお送りします、そして今回ご紹介するのはこちら」

「レレディ」

「ドレディアです」

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