週刊エンジョイポケモン放送局   作:魔女っ子アルト姫

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エンジョイ:バトル、ラビ&ロイ

「よぉしっ……いくぞアチゲータ!!」

「ゲタァッ……ンゲェッ!?」

「ギャアアアアアアアアアアア!!!!」

 

ロイの言葉に気合を入れようとした時、天から舞い降りる怒りの炎を纏う暴虐の妖鳥、ガラルファイヤー。それが翼を広げながら吠えるとアチゲータは思わず身を震わせてしまった。ファイヤーのやる気は十分過ぎる程、例え腕試しだとしても加減をする気は皆無、全力でぶつかってこいと言いたげな咆哮が庭中に広がり、それに触発されて襲い掛かりそうなアーマーガア、ルカリオ、ウーラオス達がラビの主力に押さえつけられている。

 

「今回のバトル、一番キツいのはロイだな……何せ相手は伝説のポケモンたるガラルファイヤー、しかもトレーナーがラビだ。あいつ多分ガラルファイヤーの強みを全て引き出せるだろうからあいつに限っては六英雄とのバトルの方がよっぽど楽だぞ」

「だ、だよなぁ……」

「まあでもほら、これは力試しなんだから勝つことが目的じゃないし」

「そうそう、ラビもある程度加減してくれる、よね」

「だといいがの」

 

ボルテッカーズの大人メンバーが若干汗を流しながらも言葉を交わしているが、サザレはラビの瞳を見て思う、恐らく加減はするだろう、数%単位で。それと恐らくガラルファイヤーは性格上全力まで行かなくとも加減は一切しないだろう。

 

「それでは、バトル開始!!」

「アチゲータ大丈夫!!今の僕たちなら立ち向かえる!!火炎放射だ!!」

「チゲェッ!!アチッチチチチッゲェェェ!!!」

 

ロイの言葉を受けて奮起したアチゲータは炎を吐き出す、だがファイヤーはそれを回避する事もなく受け止める。ラビも回避も防御の指示を一切しない。だが翼を広げれば爆風が周囲を包み込んでしまう。

 

「今度はニトロチャージ!!」

「バークアウト」

「ギャアアアアアアアッ!!!」

 

爆音の叫びが木霊する、それはアチゲータへと襲い掛かるが余りの音圧の為か周辺のフィールドまで揺るがす程の音圧。それでも負けじと突進するアチゲータはファイヤーの頭部にニトロチャージを炸裂させる。

 

「ギャアアアッ!!!」

「よし、流石に効くよね!!」

「ギアを上げるぞ、エアスラッシュ!!」

「ギャアアアアアアアッ!!」

 

力強く、鋭く羽ばたかれる翼によって巻き起こされる風圧の刃。それがアチゲータへと降り注ぐ。

 

「な、何だこの数!?アチゲータ、ニトロチャージで加速しながら避けるんだ!!」

 

一度二度三度、羽ばたく毎に無数の刃が生み出されていくその光景は刃の雨、絶句してしまったアチゲータはロイの言葉で正気に戻り、加速しながらもエアスラッシュを避けていく。

 

「アチチチチ、ゲェエエエッタァ!!?」

「右右右!!ああいや今度は左!!危ないジャンプ!!」

 

必死になって回避に専念するアチゲータを誘導して何とか回避させ続けていくロイ、だがその刃は避ける度により正確になっていく気がしてならなかった。そしてそれが真実だという事が分かる時が遂に来た。

 

「次は―――左!!」「左に飛ぶぞ、合わせろ!!」

「ギャアアアアアアッ!!!」

「ンゲェッチチャァァァァ!!!?」

「ア、アチゲータ!!?」

 

遂に被弾したエアスラッシュ、ロイの足元にまで大きく吹き飛ばされてしまうが、ロイはそれ以上に完璧に自分が避ける方向を見抜かれていた事に驚愕していた。

 

「あれだけ乱発してたんだ、回避方向の予測も容易い。生憎、俺のファイヤーは唯凶暴なだけじゃない、実戦慣れをしている―――凶鳥だ、雨乞い!!」

「ギャアアアアアアアアアアッ!!!!」

 

空へと吠えると一瞬で雨雲が空を覆いつくして雨が降り始める、突然の雨乞いにドットはどうして……と呟く中でリコはその真意を察していた。

 

「猛火の発動、それが近いから封じに来たんだ……!!」

「あっそうかもうアチゲータはかなりのダメージを受けてるから猛火の発動も……それを事前に潰す為だけに雨乞いを……!!」

 

その言葉通りにアチゲータの身体は赤く発光し始めた、体力が限界に近づき猛火が発動しようとしている、だが炎タイプの威力アップが雨乞いで打ち消されてしまった。原種ファイヤーと違って炎タイプの技は十分な戦力となるのに……。

 

「ラビの奴、マジだぜ……相手の数歩先を事前に潰して取れる手札を落としていく、ラビの十八番の一つだ」

 

思わずフリードは身震いした。彼とはそれなりの付き合いがある、当然何度もラビとバトルもしてきた。本気になるとラビは恐ろしく強い、真っ向からの正面衝突でも強いが、本当に恐ろしいのは勝利の為の手段を無数に持っているのに此方の選択肢を平然と潰して自らの勝率を上げて相手の勝率を下げに来る事。

 

「悪巧み」

「アチゲータ、炎タイプの技が使えなくてもまだあの技がある!!」

「アッチチ……?ゲタァ!!」

「そうあの技だ!!」

 

一瞬アチゲータもえっそんなのあったっけ?と言いたげになったが即座に何を指しているのかを理解したのか思いっきり息を吸い込み始めた。恐らく次が最後の一撃になるかもしれないという予感があった。もう取れる札はこれしかない、だったらそれに全てを懸けるまでと言いたげなロイとアチゲータに六英雄のファイヤーは口角を持ち上げた。

 

「チャームボイス!!!」

「ァァアアアアアゲエエエエエエ~♪」

 

悪タイプに効果抜群且つ歌を歌う事で進化したアチゲータにとってこのチャームボイスは特別な技と言っても過言ではない。フェアリータイプのそれが迫る中でラビは悪巧みが完了したのを見て、呟いた。

 

「憤怒を滾らせろ、燃え上がる怒り!!」

「ガアアアアアアッギャアアアアアアアアアアアア!!!!」

 

猛々しい広げられた翼、爆風のような風圧が周囲に広がる同時に溢れ出す悪タイプのエネルギー。フィールドの地面を捲りながらチャームボイスと激突する、が一瞬でチャームボイスを飲み込むと即座にアチゲータをも包み込んでしまった。

 

「ア、アチゲータ!!」

「―――……ホゲェェェ……」

 

嵐が過ぎ去ったような感触が肌を通り過ぎれば、戦闘不能となっているアチゲータの姿がそこにあった。

 

「アチゲータ戦闘不能!!ファイヤーの勝ち!!」

「お疲れ、今日はセカイイチをご馳走してやるよ」

「ギャアア」

「分かった分かった、良い感じに柔らかさと硬さを合わせたあれな」

 

此処まで完勝に近い戦いをしているラビ、ロイはまだまだ自分たちが弱い事を受け入れながらも前を向いて堂々とアチゲータにいいバトルだったと告げる。それを見てリコはニャローテと共にフィールドに立った。

 

「ラビさん、次は、私とニャローテです!!」

「なら次はオリーヴァさんでお相手です、さあ次の冒険に挑む準備は整いましたか」

 

言葉こそ敬語だがリコはそこに隠されている大きなモノに気づいている、負けたくない、勝ちたいと強く思うとニャローテもそれを感じ取ったのか勇ましい声を出す。

 

「うん、行こうニャローテ!!」

「ニャアアアアッ!!!」

「素晴らしい闘志です、では参りましょうか……次の英雄に出会う為の戦いを、オリーヴァさん」

「リィィヴァ」

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