週刊エンジョイポケモン放送局   作:魔女っ子アルト姫

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エンジョイ?:タクティクス・サード

リコ達の手合わせ後、ライジングボルテッカーズは無許可でラビの庭にブレイブアサギ号を下ろしてしまった事の罪滅ぼしという名目で宿泊しつつも庭のあれこれについて手伝いなどを行っていた。ラビとしては別によかったのだが……リーダーの事を知っている筈なのに確りと確認しなかった自分達にも責任はあるとして譲らなかったので承認する事にした。そしてラビは……

 

「成程、そういう感じか」

 

相棒のダイケンキと共に業の研究に励んでいた。リコが自力で見つけ出した新たな業。力業や早業とはまた違った新たな境地にラビの好奇心は極めて大きく揺り動かされた。ニャローテで何度か見せて貰った後にそれがどういった物かを相棒と共に解釈しそれを実践する事にした。

 

「研ぎ澄ませ、―――鋭利に、シェルブレード!!!

「ケンッキィィッィ!!!!」

「ぽにおーん!!!」

 

同時に放たれるシェルブレードと蔦棍棒が激突する、技の相性の観点からすればシェルブレードの圧倒的な不利。だが―――威力は完全に拮抗しておりオーガポンも驚いた、が直ぐに口角を上げて本気で腰を入れて振り抜き始めた。

 

「ケ、ンッ―――……キィィィィィィッ!!!!!」

 

ダイケンキの裂帛の叫びと共に振り抜かれた斬撃は蔦棍棒を完全に押しのけてみせた。その反動でオーガポンも尻餅をついて目を白黒させている。

 

「おいおいおいマジか、オーガポンの一撃をはねのけたぞ……」

 

フリードも言葉を失っていた、オーガポンの強さも彼もリザードンと共に叩き込まれた一人だ。技相性を完全に無視しているかのような破壊力に言葉が出なかった。

 

「よし次アーマーガア!!」

「ガアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!」

 

待ってました!!と言わんばかりに喜び勇んでやってくる我らがバ鴉、前以て鉄壁を限界まで積んで貰っている。自分の勘が正しいのならば……恐らくは。

 

「ケェェンキ!!!」

「ガアアアアッ!!!?」

 

再び振るわれたシェルブレード、それを真正面から受け止めたアーマーガアはそのダメージに驚いた。限界まで積んだ鉄壁で物理技ならばダメージは全くと言っていい程にない筈、それなのに想像以上のダメージが身体にある。そこから導き出されるリコが編み出した鋭く技を繰り出すこの技の性質は……

 

「相手の能力変化を無視し、等倍扱いでダメージを与える事が可能って事か」

 

蔦棍棒にもパワー負けしないのはダイケンキの腕前もあるだろうがタイプ相性貫通と能力変化無視はハッキリ言って恐ろしい、積み型のポケモンを完全に無効化できる。業で天然を再現しているようなものだ……これをトレーナー歴が1年にも満たなかった頃から編み出していた?全くこれだから……

 

「クククッアハハハハハハッ!!!これだからポケモンってのは面白い!!それと生きるトレーナーも面白い!!それらが一つになって戦うバトルが面白くない訳はねぇよなぁ!!!」

 

本当に面白くてたまらないじゃないか、自分がヒスイの資料を譲り受けて必死に頭を捏ね繰り回して、何度も何度も練習して、時には暴発して一緒に地面を転がって、苦心した再現した業を超えられた―――それなのに面白くて笑いが止まらない。

 

「リコ!!」

「はっはいっ!!?」

 

此方を見ていたリコへと声を掛ければ面白い程に跳びあがる、彼女からすれば憧れの配信者に名前を呼び捨てにされているのだから無理もないだろう。

 

「お前は凄い業を編み出した、力業早業に続く第三の業だ!!好きに名前つけていいぞ!!お前がオリジナルだ!!」

「え、えええええっ!⁉どどどどどどっどうしようロイにドットォ!?なんかすごい事になっちゃったよぉ……!?」 

「リ、リコ取り敢えず深呼吸!!深呼吸しよう!?」

「目が凄い事になってるよ!?」

 

威力と命中アップの力業、優先度アップの早業、そしてタイプ相性と能力変化を無視する第三の業はポケモンバトルの革命と言い換えても言い過ぎではないと思う。同時にこの技への興味も増していく。本当にそれだけなのか、極めたら最悪特性すら無視するのでは、その場合はヌケニンの特性も貫通するのではないか、様々な事が脳裏を駆け巡ってしまう。

 

「ケン、ダァイ……」

「ダイケンキそれ以上言うな」

「……ケン」

 

すまねぇ相棒と言いたげなダイケンキを撫でる。この業があったら、あの時もっと上に行けたのでは、と思うのは当然だ。あの時こうしていればああしていればなんて誰でも思う。正直言えば、第三の業だけでもあれば自分たちは更に上に行っていただろう。力業や早業よりもずっとヤバいのがリコが編み出した業だ。

 

 

―――これらが旅をしている時に会得していたら……今、俺達はどうなっていた。

 

 

「考える意味すらねぇよ相棒、今に不満があっか?」

「……ケェンキ」

「だな、未来組がいい加減にしろってぐらいだよな」

 

言い換えればその程度の不満しかないのだ、全てが満遍なく幸せで不満がない人生などあり得ないし御免被る。山あり谷ありこそが人生だ。それに……

 

「あれ、何ラビ?」

「いや今夜如何って思っただけ」

「ちょっ!!?フ、フリード達もいるのに何考えてるの⁉

「冗談が通じねぇな、期待してた?」

「うぅぅっ……」

 

サザレとのこういう事もなかったのかもしれない、だとすればそんな世界に興味はない。俺はこの世界でいい―――っ。

 

「ッ!?」

「ど、如何したの!?」

「いや今なんか妙な寒気が……邪神に目でもつけられたか……?」

 

 

「皆さんこんにちは、今日もポケモン育ててますか?まだまだな貴方もこれからの貴方も、此処をきっかけに一歩踏み出して行きましょう。本日ご紹介するポケモンさんは此方」

「デュ~」

「ドククラゲさんです」

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