週刊エンジョイポケモン放送局   作:魔女っ子アルト姫

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エンジョイ:アタックヒスイダイケンキ

ヒスイダイケンキとの遭遇とバトル、そして撤退、からのヒスイヌメイルまでもがこのキタカミの里にいるという事実にラビが頭を痛くしている中でキタカミの里の収穫祭に参加していたリコ達はそこでゼイユと遭遇し合流を果たす事になった。

 

「いや~まさかラビさんと会うとは思わなかったよ」

「それはこっちのセリフだ、なんで態々こっちに。いやこっちが実家なんだからいても可笑しくはないんだけどさ」

「いやさ、アタシは収穫祭の手伝いと先生の付き添いっていうかなんて言うか……まあそんな所」

 

前回と同じく、民宿をお願いしていたのでそこで詳しい話を聞いてみると……キタカミの里の周辺の異変はブライアの耳にも届いているらしく、てらす池の調査と並行してキタカミの里の環境調査を行う事にした。それに里帰りついでのゼイユも付いてきたという事らしい。

 

「スグも来たがってたけどさ、スグはリーグ部の方で忙しいんだよね~今レビ達いないから」

「ああそうか、アカデミーに来てるからな……そっちは俺が引き受けるつもりだ、気になる事もあるからな……ゼイユはフリード達をてらす池に案内してくれないか?」

「えっそりゃいいけど……分かった、アタシはブライア先生をなんとか抑える役目に入る、ぶっちゃけいやだけどラビさんの頼みを断れないし~」

 

ゼイユは直感的に何かを理解したのか素直にそれを引き受けてくれた、感謝しつつ今度何か返礼をするという事で話をつけた。キタカミの里周辺の調査は此方がやる。

 

「ねぇラビ、ヒスイのポケモンが如何して此処に居ると思う?」

「ぶっちゃけ分からん、元からこの辺りの環境がヒスイに近しい物があるんじゃないのかなとは思ってたが……それだけじゃ今回のこれは説明がつかん」

 

サザレには環境を写真で残す役目をお願いしつつもダイケンキと共に行く。ここにはバスラオのヒスイの姿が生息しているしアカツキガチグマだっていた、だから環境的にヒスイに近しいのでは?とは思っていた。実際此処からシンオウ地方はそこまで遠い訳ではないから可笑しい話ではない。

 

「だからって急に現れるのは可笑しいだろ」

「だよね……一応ヌメラとかヌメイルはいるみたいけど普通の姿だったし……それが突然変異を起こした……とかかな」

「ないとは言い切れないのがなぁ……」

 

それならば完全な杞憂で済む、じゃあヒスイダイケンキはどう説明すればいい。技のキレと明らか様に戦い慣れしている動きは完全に自分の身体の特性や何が出来て何が得意なのかを完璧に把握しているからこそ出来ている芸当だ。流れのミジュマルかフタチマルが辿り着いて進化したらヒスイダイケンキになった、なんてことは納得できない。

 

「最悪の場合……その時代に生きていた個体が紛れ込んでいる、って事を考慮せにゃならん」

「そんな事って有り得ちゃうのか……庭の子たちの事考えたら」

 

普通に考慮したら大笑いされるか馬鹿にされるような事象だが、生憎それによって実際にこの時代に来ているポケモン達が庭にいるので否定しきれない。

 

「ヌメイルたちの事も調べたいが……俺としてはダイケンキの方を優先したいな」

「やっぱりそれだけ強いから?」

「それもあるけど、あいつには是非とも手本を見せて欲しいからな。本場のヒスイの秘剣、是非とも目に焼き付けたい」

 

この事象の原因をハッキリさせたいというのは本心だが……それ以上に思っているのが秘剣・千重波をこの目に焼き付けるという物だろう。原種がヒスイ種の技をするというのはかなり難しく、現在も苦労している。それが解決するならば万々歳と言わざるを得ない。

 

「結局そこなんだ……というかゲットしたいとかではないんだ」

「なんでゲットしないといけないんだよ、俺のダイケンキはこいつだけだ」

「分かってるって、聞いただけ」

 

本当にこういう所だけは頑固なのだから……ダイケンキもそれに対して胸を張っている。暗にダイケンキの代わりなどは存在しない、相棒はお前だけだと主張しているのに満足しているのがよく分かる。

 

「でもヒスイのダイケンキは如何して攻撃して来たんだろうね」

「さあな……単純な興味、それとも―――あいつも勝ちに来たか」

 

その言葉の直後、目の前にそれは現れた。あの時の黒い鎧を纏ったダイケンキ、今度は不意打ちなどせずに姿を見せた。

 

「で、出た!?」

「不意打ち、しなくていいのかよ」

「……ケッ」

 

挑発的な言葉に分かっている癖にそれを聞くか、と言わんばかりに息を吐き捨てる。ダイケンキに対して不意打ちの成功率は低い上に察知されてカウンターされる可能性が高い、ならば真っ向から挑んだ方が余程良いと判断したと言っている。

 

「サザレ、俺の後ろから絶対に出るな」

「それって……」

 

ラビはそれ以上言わなかった。察してくれという訳ではない、既に集中がヒスイダイケンキへと注がれている。サザレは自分のリーフィアを出して護衛をお願いしつつ何歩か後ろへと下がった。それを確認してからラビはワザとハッキリと大きな声で言う。

 

「嬉しいね、そっちから来てくれるとは……―――シンオウ様のお膝元で力を振るいしダイケンキ、この地で何故いるかは敢て聞くまい……だがしかし今度は最早待ったなし、最後まで付き合って貰う!!」

 

ヒスイダイケンキはその言葉に反応するかのように姿勢を低くした、それを見て理解し、ダイケンキもそれに応じるように姿勢を低くした。そして両者はゆっくりと歩み寄る、何時戦いが始まるかサザレが冷や冷やとしていると両者はアシガタナを抜刀、そのまま互いの刃を見せつけ合い、そのまま刃が交差するように掲げた。そして、それらが軽く触れあった瞬間―――

 

「「―――ッ!!」」

 

空気をも両断する斬撃が結ばれた。互いに必殺の間合いに立ちながらの斬り合い、変幻自在に形を変える水のように軌跡を変えるダイケンキの刃、無数に打ち付ける波は何れ岩をも削り取ると言わんばかりの怒涛の斬撃を放つヒスイダイケンキの刃。過去と現在の刃が無数に交錯する。

 

「ダイケンキ、シェルブレードタイプA!!」

「ケェェェエンッ!!!!」

 

ヒスイダイケンキの一撃を回転しながら弾きながらも自らは距離を取る、そしてそこから勢いよくシェルブレードを放つがヒスイダイケンキは目を丸くした。何故ならばシェルブレードが飛んだからだ、回避するがその一撃は地面を、岩を容易く両断する程の切れ味。それを見せつけられて火が付いたのかヒスイダイケンキは更に姿勢を低くしながら構えを取る、まるで礼だ、というように。

 

「来るぞダイケンキ、見逃すなよ!!」

「ケンッ!!」

 

その様子を、サザレは夢中になってシャッターを切っていた。その光景が美しかったから。

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