週刊エンジョイポケモン放送局   作:魔女っ子アルト姫

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エンジョイ:流れる戦局

「バナァァァァァ!!!!」

「ガンネェェエエルッ!!!!」

 

真っ向からのパワー勝負、ぶつかり合う度に空気が振動し大地に響く。ウォロのフシギバナはかなり好戦的で真正面から此方へと向かってくる。何度跳ね返させても向かってくる、デントの言葉を借りるとするならば、芽吹いたばかりの新芽のような若々しい香りを感じさせるのに力強く根付いた大樹のような程よい渋さと落ち着いたものを持っている。

 

「バアアナァァァァ!!!」

「ガンネェエエエルッ!!!」

 

火傷によってパワーが落ちているハガネール、なのでそれを解決する為にハガネールは鉄壁を重ねて自らの防御を高めながらも自らの質量と重さ、そしてスピードをそのまま威力へと転化出来る体当たりで攻めている。ラビも敢てそれ以外の指示を出さずにいる。

 

「気張れハガネール!!若僧に負けたら親分の名が廃るぞ!!」

「捻じ伏せろフシギバナァ!!」

 

咆哮を上げて再度突撃するハガネール、龍の舞のスピードアップもある為にその姿は自在にコースを変える新幹線。それが気迫を全開にしながら突撃した時、フシギバナは自らの身体を弾くように地面を蔓で殴りつけて高々と跳躍。ハガネールの上をすれ違いざまに取りつつも蔓の鞭をハガネールへと巻き付けた。

 

「バァァァァナアアアアアアアアアアアアアッ!!!!」

「ガアネエエエッ!!?」

 

突撃の勢いを利用してフシギバナはそのままジャイアントスイングのようにハガネールをぶん回し始めた。幾らフシギバナとはいえこれだけの体格差でそれをやるなんてラビでも思わなかった、その表情は重さで苦痛に歪んでこそいるが、それ以上に絶対に勝つぞ、と言いたげなもので染まっていた。

 

「バアアアアアナァァァァアッ!!!!」

「戻れハガネール!!」

「―――ガンネ」

「バ、バナ!?バァァナアアアアアッ!!!!!??」

 

叩き付けられる前にラビはハガネールをボールに戻した。荒れ狂う波のように動くハガネールを正確に戻すのは本当に難しい事、それを容易くやるラビも凄いが……まさかこんなバトルを平然とやめさせる事にサザレは驚いていた。フシギバナも驚きすぎて空中でバタバタしながら墜落し、立ち上がって此方に文句を言ってきている。

 

「ああ、お前の勝ちで構わないぜフシギバナ。ハガネールはもう限界だったからな、悪いが俺はお前らに合わせてやるほど……優しくなければお利巧でもないんでね」

「ハッ、どうやら貴方はワタクシが思っていた以上にワタクシと近しいようだ」

「抜かせ、同類扱いは異議申し立てだ。お次は―――粉砕せよ、ドラピオン!!!」

「―――……ドラァァァァァァアアアアアアオオン!!!!」

 

ドラピオンは力強く着地しながらも大きく吠えた。一瞬ラビの方を向こうとするのだが、そんな事をしている場合ではないらしいことを察すると真っ直ぐにフシギバナを見据えた。フシギバナはまるで闘牛が今か今かと走りだそうとするかのように地面を蹴っている。草タイプの技よりも肉弾戦が好きなタイプと見える。

 

「フシギバナ、花びらの武闘!!」

「バァァァァァ!!!」

 

待ってましたと言わんばかりに突撃、だが同時に無数の花びらをその身体に纏っていた。確かにこれは舞とは言えない、武闘とはよくいった物だ。ならば此方も……

 

「ドラピオン、ミサイル針!!」

「ドォラァ……ラララララララララッ!!!!」

 

両腕で確りと地面を掴んだ、その姿はまるで反動から身を守る為のアンカー。そして長い長い尾をゆっくりと狙いを定めるかのように差し向けた。向かって来るフシギバナに照準を決めると……そのまま無数のミサイル針が発射されてフシギバナへと直撃していく。

 

「踏み止まれ!!所詮ミサイル針、技の切れ目を狙え!!」

 

タイプ相性的には技としては最悪、だがポケモンのタイプを踏まえれば耐え切れる。それにミサイル針の威力は低い、ならば問題ないと判断したのだろうが……ミサイル針は全く途切れない、途切れる事が無く降り注ぎ続けている。しかも一発一発の威力が可笑しい事にウォロは気付いてしまった。一発一発受けるごとにフシギバナの突進スピードが鈍化し、遂に足を止めてしまった。

 

「ポケモンの特性にはスキルリンクってのがある、連続技を確実に最大限に繰り出せるって特性。じゃあ特性抜きじゃそれは出来ないのか?そんな事はない、訓練さえすればこういう芸当も出来る……例えば、技を繰り出す隙間を極限まで狭めて疑似的に連続させるとかな、ドラピオン押し切れ!!」

「ドラァァァァァ!!!!」

「バ、バナァァァァッ……!!」

 

遂に身体にも着弾し始めたそれにフシギバナな苦悶の声を漏らす。既にハガネールとのバトルで限界に近かったのが更に大ダメージが襲い掛かって来る、そこで先程と同じく蔓の鞭で自分を空中へと打ち出して脱出を図る。多少のダメージを受けつつも何とか脱出に成功、此処から反撃を―――

 

「射角修正、追尾式ミサイル針撃て!!」

 

ラビの指示を受けて瞬時に尾が上を向いて新たなミサイルが発射される。フシギバナは必死に身を捩って回避を試みるのだが……それらはうねる様にコースを変えながら此方を追尾するように向かうと大爆発を引き起こした。

 

「バ、バァァナァァァァ……」

「クッ……でたらめな」

「時間を歪ませた奴よりかはマシさ」

 

フシギバナを戻しつつもウォロは自然と拳を握っていた。自分でもその理由は分からなかったが、気付けば次のボールを取っていた。

 

「白き絶望を与えよ、トゲキッス!!!」

「……キッス」

 

今度はやや灰色になっているトゲキッス、その瞳は何処か鋭くハイライトがない。絶望を与える悪魔にも見えるが、白い悪魔には相応しいかもしれないと心の隅で思ったラビは悪くない。

 

「ドラピオン、お前は縁があるなトゲキッスに」

「オンッ……?」

「分かったもう言わない。だから睨むの止めて」

 

少しだけからかいを含んだ言葉だったのだがドラピオンは想像以上に気に入らなかった模様。シンオウでの旅でシロナやダリアのトゲキッス、ガラルではポプラと中々に交戦経験がある。戦績としては負け越しているのでドラピオンからしたら若干イラっと来る言葉だった、バトル中でなければ襲い掛かっていた所だぞと言いたげな視線を向ける。

 

「フシギバナ、随分と最近の加入だった奴みたいだな」

「6年程前にゲットした新参者ですよ、だから弱いのもあったな……ロズレイドであればこうはならなかった……だがあいつはあいつでいい仕事をしたのは事実、それを白い絶望で覆してみせましょう」

「上等」




連続ミサイル針:要するに連続で撃ちまくるミサイル針、スキルリンク?知らんわ撃ちまくれば同じだよという脳筋的解決法で撃ちまくっている。尚、ミサイル針は追尾したりするなどのバリエーションもある。現状ドラピオンのみが使用可能。シンジのドラピオンよりかはマシだと思うんだ。
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