週刊エンジョイポケモン放送局   作:魔女っ子アルト姫

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エンジョイ?:教師と教え子

「と、兎も角問題は解決した……という事でいいのか?」

「まあそういう事にしといてください、説明はある程度省きますが……犯人は消えましたよ」

「ええ、まあ何処に行ったかとは分かりませんが」

「むぅっそうか……分かった、これ以上の詮索は無粋だな……ってコララビ!!なんだその顔は、私が無粋と言って引き下がるのがそんなに可笑しいか!?」

「可笑しい」

「即答するなぁ!!?リグレー……!!」

「リグリグッ♪」

 

慌てるブライアを宥めてキャンプセットを引っ張り出してお茶を入れて、一先ずの報告を行う。そこでラビはブライアが成長している……!!?と露骨に口を手で覆った上に即答だったのでリグレーに泣きつく教師、そしてリグレーは頼られてて嬉しいのか笑顔且つ弾んだ声で頭を撫でてあやしている……いやこれは甘やかしているだけなのでは……?もしやあのリグレー、そういう趣味か……。

 

「兎も角心配は要らない、これ以上増える事はないと思う。増えるにしても自然繁殖程度だろ、元々ここにはヒスイのバスラオがいる位だから環境的に近しいから心配はないと思う。と言っても環境が変動するかはこれから長い目で見ていく必要があるからなぁ……」

「そうだよね、今までいなかった種類のポケモンが住み着くだけでも環境って大きく変わる事があるもんね」

「住み着いてしまったポケモンの種類にもよるだろうが……例えばマグカルゴが住み着いたらそりゃもう周辺は大騒ぎになるだろうからな、この辺りには生息しているが」

 

平然と議論されるこの辺りの環境についての事、ブライアはこれでも研究者として有能な部類な上にテラスタルの関係でその土地との関連性も調べたりもするので中々に詳しい。サザレはカメラマンとしてあちこちを飛び回りながらも環境データとしてその写真が採用される事もあるので、その道の研究者には劣るがそれなりにある。ラビはラビで10年という旅で得た知識と文字通り自分の足で歩いた環境から学んだ蓄積があるのでフィールドワーク的な事ならば分かるつもりでいる。実際にホウエン地方では旅先で出会ったオダマキ博士のフィールドワークに同行しつつ護衛を務めた事もあった。

 

「学園からこっちに何人か引っ張ってこれるかい先生、一応口の堅い奴で」

「う~ん……数人いるな、どうせなら生徒達も連れて来て授業にしても面白いな。テラリウムドームは広い事は広いが環境が固定されているからな、偶には本当の自然の中での学びも素晴らしい体験になるだろうし……ゼイユとスグリに纏め役を頼むか……?」

「おいおいおい、授業で行った先が家の近くとかたまったもんじゃねぇぞ。遠足で行った先が自分の家の畑でやる事が体験学習です、なんて冗談じゃないぞ」

「あ~……それは確かに嫌だね……」

「……確かに、言われてみたら……」

 

こう思うと、ブライアは数人でブレーキを掛けてやるとかなりいい塩梅に収まるらしい。自分の時のは自分一人だった上にブレーキというか最早ツッコミをやってただけだったからあれだった可能性が出て来た……

 

「どうしたねラビ」

「……いや、なんかさ今更ながら学生時代の事を思い出して仮にも教師にとる行動じゃなかったなぁって……」

「ああ……あれは私も私だったからなぁ……我ながらランドロスの社の一部を転んだからと言って壊したのは……今思うとホント自分があれだったと思うよ……いやホントあの時はすいませんでした……」

「いえいえ此方こそ……すげぇ雑な言葉遣いとか罵声浴びせてすいませんでした……」

「いえいえいえいえそんなそんな……」

「いえいえいえいえいえいえいえ」

「いえいえいえいえいえいえいえいえいえ」

「「いえいえいえいえいえいえいえいえいえいえいえ……しつこいわぁいい加減!!」」

「仲いいねぇ~」

 

なんだかんだ言いながらもラビとブライアの気質的な相性は決して悪くはない、大変な思い出が大半だが同じぐらいには楽しい思い出もあったのだ。ラビは毛嫌いしている様子だったが、なんだこういうふざけ合いも出来るんじゃないか。

 

「それでてらす池の方は?」

「君たちが見つからない間、私も私で出来る事をと思っててらす池を調べたんだ。そりゃもう必死で何か手掛かりがあるんじゃないかと思って」

「それで?」

「……」

「ブライア先生?」

「なんのっ!!成果も!!得られませんでしたぁ!!!」

 

テーブルに突っ伏しながらも苦しむように言うブライア、必死の努力を重ねてくれたらしいのだが……結局、何も分からなかった。教え子とその恋人が無事だったのは嬉しい、だが研究者として目の前の怪奇現象についてのデータを何一つ得る事が出来なかった事が悔しくてしょうがない。

 

「うぅぅぅぅ~……あんな貴重な現象を全く記録出来なかった上に解析しても何も分からなかったんだぁぁぁぁ……二人が無事だったのは何よりだが、私の研究者としてのプライドがぁ……」

「まあ、俺達の身を案じてそれを優先してるからよしとするか……」

 

お茶を飲んで口を塞ぎつつもサザレは学生時代のラビかぁ……いや今と変わりないかと、少しだけ笑うのだが、ラビに凄い目で見られた。

 

「今、すっげぇ失礼な事考えたろ」

「ううん、学生時代一緒に過ごしたかったなぁって思っただけ」

「なら大丈夫さ、今と大して変わらないから。いやぁ女としては此処まで変化がない事について本当に羨ましくてね、なあラビ何か秘訣があるんじゃ―――」

「おう先生、永遠の悪夢に興味ねぇか」

「いやほんとすいませんでしたつい口が滑って……」

 

何かが違ったらこの二人は普通にいいコンビだったんじゃないかなぁと思うサザレ、でもそれはそれでなんか嫌な気分がして、ラビとの椅子の距離を縮める。それを見てブライアは良いなぁ……と少しだけ思うのであった。

 

「ンで調査すんだろてらす池、リコ達もまだ来てないみたいだし……久々に手伝うよ、サザレ折角だ写真を任せる」

「お任せあれい!!」

「それは助かる!実を言うとリグレーのレベルではまだ不安な所があってね、本当に有難い」

「なら多少はレベル上げてからくればいいのに……それでアンタが怪我して泣くのはリグレーだぞ」

「リグッ」

「いやぁ……ごめんなさい……」

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