週刊エンジョイポケモン放送局   作:魔女っ子アルト姫

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エンジョイ:ラビVSシンジ 3RD

開戦の狼煙と言わんばかりの火炎と雷撃が激突した、直後に火炎は掻き消えて雷がゴウカザルへと、直撃する事はなかった。その場にゴウカザルはいなかった。エレキブルが何処にと視線を彷徨わせた時、頭上に影があった。上を取られたかと焦るが、シンジは焦らない。

 

「焦るな、雷を落とせ!!」

「ブラァァァァァ!!!」

 

二本の尻尾をピィンと立てると頭上に雨雲が出現し、そこから極太の雷が降り注いできた。それが天の怒りの槍がゴウカザルを打ち貫く―――なんて事はなかった。それは雷を受けると直ぐに掻き消えた。

 

「何、影分身か!?」

「エレキェ―――……!?」

「……ゴゥラァ!!」

 

雷を落としたエレキブルは直ぐに改めて電気を纏おうとするが、それよりもずっと早くに拳がエレキブルの腹部へとめり込んでいた。深々と突き刺さったのはマッハパンチ、エレキブルは呼吸が上手く出来ないのか弱弱しい呼吸音を吐き出している、がそれは直ぐに引き抜かれた。エレキブルは相手が接近してくれるのを待っていた、それを察して一気に後方へと飛びのいた。

 

「逃したか……」

「ブルゥゥ」

 

先程までの苦しい姿は何だったのかと言わんばかりに腹部を払って効いてないぞと言いたげなアピール、それにゴウカザルはケッと気に入らなそうな舌打ちをする。

 

・な、何が起きたんだ?

・オーバ:派手な火炎放射を隠れ蓑にして影分身にワザとらしく真上を取らせて意識を奪わせて素早く懐に飛び込んでマッハパンチだな

・サトシ:しかもエレキブルの雷の威力を完璧に把握して即座に引いてる……

・ナンジャモ:全然分からんかった……

・ナモ公に同じく……。

・俺も……。

 

「岩石封じ!!」

 

腕を大きく振り抜きながらもエレキブルは地面に尻尾を勢いよく叩きつけて無数の岩石を浮き上がらせるとそのまま尻尾で打ち出して攻撃を開始する。しかも岩石は電気を纏っている、二重の素早さダウンを狙ってのことかと思う一方で電気はお前の専売特許じゃないと言いたげにゴウカザルは無造作に振り抜いた一撃で岩石を砕いてみせた……その手に雷を纏わせながら。

 

「あれは雷パンチか?」

「全弾打ち返せ!!」

「ウキャアアアアキャキャキャキャキャキャキャァァァ!!!!」

 

胸を殴ると同時にもう片方の手にも雷が迸り始める、そのまま向かって来る岩石全てを打ち返し始めたゴウカザル。それに負けじとエレキブルは攻撃速度を高めようとするが―――直後にゴウカザルが満面の笑みを浮かべながらも此方へと駆け抜けて来ていた。

 

「怯むな、地震だ!!」

「キブルラァ!!」

 

飛んで来る岩石に当たらぬように大ジャンプをするエレキブル、着地と同時に衝撃波がゴウカザルへと向かっていく。だがゴウカザルは一切の躊躇もなく駆け抜け続けて来る、と思った直後に同じようにジャンプして地面を殴りつけた。発生した衝撃波はエレキブルのそれを完全に相殺した、そして再び駆け出してくる。

 

「奴も地震か!!動きを止めろ、広範囲に電磁波だ!!」

「火炎車で加速、跳び上がれ」

 

これならばどうだと言わんばかりに放射される電磁波、だがそれに対してラビは火炎車。炎の轍となったゴウカザルは地面を大きく蹴って空へと大跳躍し電磁波を回避、そこで実にいい笑顔をエレキブルへと向けた。

 

「火炎放射!!」

「ならっ……いっいや回避だ!!」

ゥゥゥゥゥゥゥゥウウウウギャアアアアアア!!!

 

開始と同じ気配を感じさせるゴウカザルの気迫、それにシンジは特大の危険を感じ取った。放たれたゴウカザルの火炎放射は青白くなっており回避したエレキブルがいた地面を溶かすように燃え尽くしていた。

 

「これは、猛火か……!?」

「全然違う、生憎まだまだダメージは負っていない。俺のゴウカザルはバトル大好きっ子でね、バトルが始まれば普段の優等生から一気にボルテージが尻上がりに上昇していく。それだけだ」

「それだけでこの威力だと……!?」

 

・オーバ:あいつ、何処であんなやべぇゴウカザル見つけたんだ……?

・サトシ:オーバさんがそれ言います?

・シロナ:貴方のゴウカザルも大概やばいわよ?

・シロナさんのガブリアスとのスピード勝負できる上に殴り合い出来るのはそうそういねぇよ

・ナンジャモ:ボクもそう思います

・オーバ:なんで味方いねぇの俺に

 

「さてと、ゴウカザル守りは一切捨てろ―――インファイト、承認!!」

「ゴウッキャアアアアアアアアッ!!!!」

 

その言葉と共にゴウカザルは何度も何度も胸を殴りつけるようにして打ち鳴らして狂ったような喜びの叫びをあげた。エレキブルもその変貌に言葉を失ったかのようにだったが、刹那ゴウカザルの姿が消え、その代わりと言わんばかりにその瞳の赤い光だけが残光のように空中に残っていた。

 

「エレキブル、ワイルドボルト!!その状態を維持しろ!!」

「キブルラァァァ!!!」

 

シンジの指示は言うなれば電気を纏い続けろという事、相手がインファイトを仕掛けて来るならばカウンターを狙うしかない。インファイトは防御と特防が下がる、それを狙えば―――

 

「キブルゥゥゥアアアアア!!!??」

「キャキャキャキャキャキャキャキャキャキャキャキャキャアアアアア!!!」

「な、何だと!?」

 

・で、電気を纏ってて感電してるのに殴り続けてるぅ!!?

・ダメージは受けてる筈なのに全然勢いが止まらない!?

・サトシ:あのゴウカザル、正気じゃいや正気ではあるんだ、滅茶苦茶テンションが高くなってるだけなんだ……多分

・あれで!?

・逆鱗で暴走したカイリューみたいな面してますけど……

・オーバ:いや、ありゃマジでテンションがぶちあがり過ぎててもう止まれないって感じだな……あれを止めるのは至難の業だぞ……

 

「これさえなけりゃ、常に1軍なんだよなぁ……」

 

ゴウカザルは普段は大人しくて優等生、木の実の収穫を手伝う事もすればバトルの仲裁も普通にする。だが相手が一定以上の強さがあってインファイトを発動させると生来の気性の荒さがテンションと結びついてしまって制御が極めて困難になる。

 

「負けるなエレキブル!!落雷を落とせ!!それを纏え!!」

「キブラァァァァァ!!!!」

「キャアアアアアアアアアアアア!!!!!」

 

エレキブルが雷の電気エネルギーを纏う、それを受けて一瞬ゴウカザルの動きが止まる。その一瞬に渾身の雷パンチがゴウカザルに突き刺さった。インファイトの防御低下もあってこれは効いただろうとシンジも思った―――が、ゴウカザルは一際巨大な雄叫びを上げると自慢の剛腕で更なる乱打をエレキブルへと浴びせかけた。

 

「キッブゥゥルゥゥウァァ……」

「ウキャアアアアアアアアアアアアア!!!!!」

 

崩れ落ちるエレキブル、それを前に全身から炎を滾らせて叫ぶゴウカザル。その光景にシンジは嘗ての、サトシとの戦いがフラッシュバックする。あれから幾度もバトルを潜り抜けたエレキブルが圧倒されて負けた。それに悔しそうに歯軋りをしようとした時、ゴウカザルがゆっくりと仰向けに倒れ込んだ。その瞳は完全に回っており戦闘不能になっていた。

 

「ダブルノックアウト、って所かな」

「何が、あったんですかこれは……?」

「エレキブルの電撃もこいつには十分なほどに効いていたんだよ、だけどこいつは精神が肉体をしょっちゅう凌駕するんだよ。だから自分のダメージに気づけずにインファイトをし続けた、そして体力の限界を迎えて倒れたって感じだ。というかエレキブルがあそこまでこいつのインファイトに耐えられる事に吃驚だよ……俺のウーラオスとラッシュの速さ比べする位の実力はあるのに」

 

・サトシ:あのシンジにほぼ完勝した……。

・やっぱりヌシってやべぇ奴だわ

・オーバ:つうかよ、ゴウカザルって俺に対する当てつけかよ

・ああそれは有りそう。

・なんか当たり強いもんね。

 

「いや、赤アフロの事は全然考えてませんでした。彼のエレキブルにはゴウカザルで戦ってみたいとは思ってたので」

「……光栄です、此処まで俺を評価してくださってありがとうございました。本当にいい経験が出来ました、有難う御座いました」

「いえいえ、なんでしたら業の伝授しましょうか?」

「興味深いですが……まずは自分で出来る事を全てこなして、それでも出来なかったらお願いしたいです、自分勝手ですがそうしたいと思ってます」

「いえ、素晴らしい考え方だと思いますよ。またいつでも来てください」

 

・オーバ:おいやっぱお前俺に恨みあんだろ。

・しつこく勧誘してるからじゃない?

・オーバ:そんなにしつこいか俺?

・しつこい×40

・サトシ:よく愚痴ってましたよラビさん

・オーバ:……火が消えそうなぐらいには強い風当たりだぜ……

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