週刊エンジョイポケモン放送局   作:魔女っ子アルト姫

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エンジョイ?:テスト、ボルテッカーズ

「……」

 

久方ぶりにラビは自身が集めたジムバッジを眺めていた、その隣にはフロンティアシンボル、Zクリスタル、Zリングなどが並んでいる。そこにあるのは自分の旅の歴史、道筋、今に至るまで築きに築き上げたもの。これらを見て悦に入る趣味なんてないのだが、何故か急に見たくなってきた。少し視線をズラしてみるとリーグ挑戦で獲得した賞状やらトロフィーなども置かれているのだが、実はサザレにいわれて棚を購入するまでは割と乱雑に置かれていたのは秘密である。収納用の箱は貰ったのでそれにずっと入れたまま、飾ったりは一切していなかった。

 

「俺も歳かね、昔の記録を見返してみようなんて……」

 

飾り直してからこの部屋は定期的に弟妹達によって改造が行われており、何か自分の記念室的な事になっていた。本気でやめろ、客人来た時にこの部屋見られたらナルシストだと思われるじゃないかと言っているのだが、相応しい活躍をしたのにそれを飾らない方が可笑しいと言われてしまった。

 

「にしてもまたリコ達と戦うのかぁ……正味、これで何回目だっけ……3回目ぐらいか?」

 

エリアゼロへの立ち入り許可を出すに当たっての試験官を引き受ける事になってしまったラビだが一体誰を出すべきかを微妙に悩んでいた。六英雄のそれとは違う、今回は危険地帯に行くに値するのかという試験を出す側としてポケモンを選定しなければならない。そうなると自然にエリアゼロの危険性に対応出来るかが焦点になってくるわけだが……

 

「それならもう護衛に誰か紹介した方が早くね……?」

 

と素でそう思ってしまった。まあ流石にシロナは忙しいだろうけど、レッドとサトシはまだ何とかなる、というか普通に連絡付くし偶に帰ってくる程度ではあるが此処を活動拠点にしてくれている訳だし話を通せばたぶん行けるだろう、というかレッドはエリアゼロに行けるとかいったら確実に釣れる自信がある。

 

「今回はリコ達の実力の把握とか色々兼ねてる訳だろうからそうはいかないか……ライジングボルテッカーズはエクスプローラーズともやり合ってる訳だし……そういう意味では必要だよな……」

 

そうなると選定するポケモンは自然と自分の最大戦力の1軍の中から選出する事になるのだが……と思ったところでとある事を思いついた。

 

「いやエリアゼロの環境に適応出来るかを審査するんだよな……だったら適任がいるじゃねぇか」

 

そう思うとニヤリと笑いながら部屋を出る、リビングではサザレがガーティと共にウインディに埋もれてお昼寝中、そんな彼女の頬にキスを落としながら庭へと出る。今日も今日とて騒がしい日々がそこで繰り広げられている。

 

「クオオオオンヌッ!!!」

「えんがるるらぁぁぁ!!!」

「らいごうおおおおああああ!!!」

 

ダイケンキの手伝いの一環としてパラドックスポケモンを一手に引き受けているウネルミナモ、今回はある種同期とも言うべきウガツホムラとタケルライコとバトルをしている。あの二匹も一応自分を主とは認めているが、何処か渋々な所がある。故に……

 

「よし決めた、ダイケンキ」

「ケン?」

「今から言うのをちょっと連れて来てくれ―――、―――、―――だ」

「ケェン」

 

 

 

「ラ、ラビ今回はちゃんと連絡した上に指定された所に降ろしたから大丈夫だよな?俺、リバーブローされないよな!?」

「しねぇよ俺を何だと思ってんだ、そもそもあれはお前の暴挙のせいだろ」

『全く以てその通り』

「め、面目ねぇ……」

 

やって来たブレイブアサギ号、今回はちゃんと前以ての連絡と指定されたポイントへの着陸を行っているので別にラビも怒っていない。あれはいきなりやって来てバトルフィールドに降りたからこその拳なのだから。

 

「それでラビさんあの!!」

「オモダカさんから話は聞いている、お前らゼロダイブをするって本気か?」

「ああ本気だともラビ」

「ゲッそういえばアンタもいたのか……」

 

後ろからひょっこりと顔を覗かせたブライアに嫌な顔をしてしまう、ある程度関係性は修復されているとはいえ今までの事があるので反射的に顔にそれらが出てしまった。申し訳ないとは思ってはいるが、勘弁してほしい所である。

 

「六英雄に関する事は君も承知している事だろう、実は彼らもエンテイとは既に遭遇はしているがそれは六英雄ではなかった。そんな時にエリアゼロの定点カメラにエンテイと思われる影が映ったのだ、テラパゴスと六英雄の事を踏まえるとこれが真の六英雄だという可能性が極めて高い」

 

そう言いながら自分のスマホロトムに映像が送られてくる、本当に一瞬影だけが映っているのみだが……それは確かにエンテイの一部のようにも見える。だがこれだけの根拠でエリアゼロへの突入、ゼロダイブを敢行するというのは……ラビとしては首を縦には振りたくはない。鋭い瞳を作るとリコ達は思わず身を強張らせた、怖い顔を受けたかのような錯覚を感じる。

 

「ブライア先生、アンタも分かってる筈だろ。あそこは普通のエリアじゃない、過去に事故も起きていて死傷者も出ている、だからこその危険区域指定が行われている。そこに未だ実力も判断力も確かではない子供達を伴っていく?学園の遠足とは訳が違うぞ」

「承知しているつもりだ、私とてハッキリ言えば反対の立場でいるよ」

「ブ、ブライア先生!?」「ええっなんで!?」「そんな!?」

 

完全に味方だと思っていたリコ達は声を上げてしまったがブライアは厳しい顔をして言う。

 

「君達はエリアゼロを危険区域だと理解しているが、その程度ではない。あそこは極めて危険な場所だ、だから私としてはラビがそう言ってくれている事には感謝しているさ、でもね―――その程度で止められるなら私も苦労はしないし、探検家という類の人間は止まらないさ」

「……つまり、貴方もオモダカさんと同じく俺に見極めろ、と?断ったら?」

「頭をかいて困るだけさ」

 

ワザとらしく手を横に広げて言ってみせる姿に溜息が出る、断らないと分かっている癖に……ラビはそのまま三つのボールを手に取り、そしてそのまま鋭い瞳を向けた。

 

「なら俺にその情熱とやらを見せてみろ。エリアゼロに眠る力を、その身で味わえ!!GOチヲハウハネ、イダイナキバ、そしてウネルミナモ!!!」

「ぷぴぃぃぃっ」「ファアアアアアアアンド!!」「クオオオオオンヌ!!!」

 

リコ達の前に立ちはだかるのは―――エリアゼロで待ち受ける古来のポケモン。パラドックスの名を冠するポケモン達が……その牙をむく。

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