週刊エンジョイポケモン放送局   作:魔女っ子アルト姫

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エンジョイ:パラドックスアタック

「な、何このポケモン!?」

「ウルガモスにドンファンに、スイクン?!」

「い、いや似てるけど違う、全然違う……!?」

 

バトルフィールドへと姿を現したポケモン達を見てリコ達は驚愕した、見た事があるポケモンへの既視感が湧き上がるが同時にこんなポケモンは見た事が無いという矛盾したような感覚が湧き上がってくる、奇妙な違和感に苛まれる。そしてそれはフリードも同じなのか自身もポケモン図鑑を向けてしまった。

 

『―――ERROR、該当データ、無し。近縁種と思われるポケモンを表示します。

 

ウルガモス、太陽ポケモン。虫、炎タイプ。暑い土地では燃える体は嫌がられるが、寒い土地では太陽の化身 と崇められる。炎の鱗粉をまき散らし周囲の酸素を奪ってしまう。

 

ドンファン、鎧ポケモン。地面タイプ。普段は落ち着いているが一度怒らせると体を丸めて回転しながら突っ込んでくる。硬い皮膚は車とぶつかってもビクともしない。

 

スイクン、オーロラポケモン。水タイプ。世界中を駆け巡り汚れた水を清めている。北風とともに 走り去る北風の化身、北風の生まれ変わりと言われている』

 

「該当データなし!?エラーで近縁種しか出せない、しかも俺でも知らねぇぞこんなの……!!」

 

フリードも目の前にいるポケモンは知らない、ウルガモスに似ているが確りと地面に足で立っており、ドンファンのように見えるが牙が余りにも異常に発達している、スイクンに見えるが明らかに前脚は小さく後脚は大きく発達したそれはラムパルドを連想する。

 

「これがエリアゼロに住まいし存在、パラドックスポケモンだ」

『パラドックス、ポケモン!?』

「聞いた事あるぞ、確かつい最近になってエリアゼロ付近で目撃情報があったって……だがあれは目撃情報だけが先行しててその存在さえも怪しまれたはず……」

「存在するのだよ、パラドックスポケモンは」

 

ブライアは何処か興奮しているように見えたが確りと理性の鎖を携えたまま、言葉をつづけた。

 

「私も最初はドククラゲとリククラゲのような関係のポケモンと思っていた、だが実際は異なる。彼らの存在は明確な矛盾を抱えている、故のパラドックス。本来はあり得ない物が混在しているという奇跡、そう言うなれば彼らは生ける奇跡だ。奇跡が満ちるエリアゼロ、そこに飛び込みたい……その思いは私と同じな筈だろう少年少女!!」

「生ける、奇跡、テラパゴスもきっと奇跡なんだ……」

「そんなのが満ちるエリアゼロ、絶対行きたい!!」

「あり得ないパラドックス、この目で全部確かめたい!!」

「ニャローテ!!」「アチゲータ!!」「ウェルカモ!!」

 

繰り出される相棒たち、この程度で尻込みなどはしないか……良い覚悟だが、それが上っ面だけでない事を祈るばかり。

 

「行くよ、ニャローテマジカルリーフ!!!」

「チヲハウハネ、熱風」

 

先手必勝と言わんばかりにニャローテが先陣を切る、溢れ出す無数の葉の刃が迫って来るが彼らは全く動じない。一歩、チヲハウハネが踏み出すとその巨大な翅を羽ばたかせる。それは次第に熱を帯び始めてマジカルリーフを焼き尽くしながらもニャローテ達を飲み込まんとする。

 

「アチゲータ火炎放射!!」「ウェルカモ水鉄砲!!」

 

ニャローテの前に躍り出ながらも技を放つ二匹、相性的にもいい判断。チヲハウハネの熱風を二匹がかりで相殺する事に成功するが、ラビはすかさず次の手を打つ。が、それよりも早くリコが動いた。

 

「ニャローテ、電光石火からアクロバット!!私たちが突破口を作るよ!!」

「ンニャアアアア!!!」

 

二匹の後ろから文字通りの電光石火のスピードで迫るニャローテ、守られてばかりではないし自分達の道は自分達で切り開くと言わんばかりの思い切りの良さ。蔓を伸ばしてイダイナキバの牙をガッチリとホールドしながらも駆け回って隙を窺う。これで此方の注意を惹きつつロイ達のチャンスを作るのだろうと思ったらロイとドットが顔を見合わせた。

 

「火炎放射!!」「水鉄砲!!」

「イダイナキバ、小賢しい計略など粉砕しろ!!高速スピン!!」

「ファアアドオオオオオ!!!」

 

その巨体が動くだけでもフィールドを揺るがす、イダイナキバは走り出しながらも超高速で回転し始めた。そのあまりの速度でニャローテは蔓を引っ張られてしまって逆にグルグルとジャイアントスイングを受けているかのような状態へとなってしまった。

 

「ア、アチゲータストップ!!?これじゃあニャローテに当てちゃう!!」

「ならウェルカモ僕たちはこのままいくぞ!!ダメージを与えないと救いようがないし水鉄砲ならニャローテにもダメージは少ない!!」

「うん、そのまま打って!!ニャローテ、その状態から何とか技を出せる!?」

 

ウェルカモはそのまま水鉄砲を発射、合理的な判断だ。そしてニャローテの振り回されているだけではなく必死に身を捩ったり、口から木の葉を発射しようとしたり努力している。悪くない悪足搔きだが……

 

「ミナモ、ニャローテに向かって火炎放射!!」

「か、かえん!?」「ほうっ!?」「しゃぁぁっ!!?」

「ナァァァァァ……ガァァアアアアア!!!!」

 

その指示に全員が戸惑った。スイクンのようなポケモンに火炎放射!?スイクンも様々な技を使いこなす事が知られているが流石に炎タイプの技を使えるなんて事は聞いた事はない。フリードは指示ミスか?!と思った程、ブライアはそこまでスイクンとの差があるのか……と必死にスマホロトムで録画しつつ同時に自分の手帳にデータを書き込んでいる。その最中に息を吸い込んだウネルミナモはレーザーのような勢いの火炎放射を発射、それは的確にニャローテへと向かうが―――

 

「ニャローテ離して!!そして火炎放射の勢いを使って帰ってきて!!」

 

咄嗟にリコの指示が飛ぶ、ニャローテは蔓を牙から放すとそのままの勢いで吹き飛ばされるが、それが功を奏して火炎放射の射線上からギリギリで回避することが出来た。そして火炎放射の爆風を利用してなんとか離脱に成功する。

 

「ンニャ、ニャアアア!!!」

「大丈夫そうでよかった、だけどほ、本当に火炎放射が出て来るなんて……」

「水タイプじゃないの!?」

「い、いやそんな事言ったらギャラドスとかだって火炎放射撃てるし……」

 

良いリアクションをしてくれる、だがこの程度で驚いているようだったら行かない方がいい。

 

「良い反応をしてくれるのはいいがこっからはギアを上げていく。ゼロダイブしたきゃ耐えてみるといいさ―――チヲハウハネ、日本晴れ!!」

「ぷっぴぃぃぃぃぃ」

 

チヲハウハネが翅を大きく広げると翅の中央部から空に向けて閃光が放たれる、そしてそれによって太陽は更なる輝きと熱を放ち始めた。それに呼応するようにチヲハウハネ達から光が放たれ始めていく、それを見たブライアはまた声を上げた。

 

「これは、そうかコライドンと同じ特性、いや彼らはそれを活かすための力さえも持っていたのか!!気を付けるんだ、パラドックスポケモン達の本気はこれからだぞ!!」

「ゼロという名の空に挑みたければこれに耐えてみろ、これがパラドックスポケモンの特性、古代活性、さあ始めようかポケモンバトルを!!!」

「ぷっぴいいいいいいっ!!!」

「ファアアアアドオオオオオオオ!!!」

「クオオオオオンヌッ!!!」

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