週刊エンジョイポケモン放送局   作:魔女っ子アルト姫

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エンジョイ?:エリアゼロダイブ セカンド

極めて残念な事が起きた。と言っても突き詰めれば自分のミスにもなってしまうのが腹立たしいが顔には出さないラビ、目標だった観測中継所にまで辿り着けずに幾らか前でキャンプを張る事になってしまった。可能であれば辿り着きたいが……此処まで足場が悪い崖を暗い中進むのは危険な上に夜行性のポケモンに襲われたらそれこそ一番危険。なので程よく大きな洞窟でキャンプを張る事に予定を変更したのである。

 

「ほら、出来たぞ。ラビさんお手製の色々ゴロゴロカレーだ」

「うわぁっ美味しそう!!」

「本当に凄い良い匂い……!!」

「く、口の中が大変な事になっちゃう……」

「よし全員コメを準備だ!!」

「早い者勝ちで大盛自由だぞ!!」

『わっ~!!!』

「元気だな……」

 

エリアゼロの探索は数日に及ぶと思っていたので物資はそれなりに多く持ってきている。最近ではモンスターボール型の収納アイテムの発展も凄まじい、その内DB世界のカプセル染みたものが誕生するのではないだろうか、と睨んでいる。

 

「本当に美味しいですこのカレー!!野菜もいっぱい入ってて辛いのに甘さも確りと出て食べやすい!!」

「おいしいからお代わり~!!」

「おっなんだロイ少食じゃないか、俺はもう3杯目だぞ」

「フッ甘いなフリード博士、私などすでに4杯目だ」

『何っ何時の間に!?』

「バカやってねぇちゃんと食え、後もっと噛め」

 

喜んで食べてくれるのは良い、だがもうちょっと静かに落ち着いて食べる事は出来ないのかと呆れてしまう。というか大人が子供を置いてきぼりにして飯を食うな、このエリアゼロで。なんでこんなに和気藹々とできるんだよとラビは頭を抱えていた。

 

「兎も角これから先が問題のエンテイがいたと思われるエリアに入る事になる、ハッキリ言うけどこっから危険性は跳ね上がる。エリアゼロは幾つかの階層に分かれているが、そのすべてに言える事が基本的には下へ下へ降りて行けばいくほどにポケモンのレベルが上がっていく事だな」

「じゃあこっからはハッキリ言って……」

「そう、だからこそ私たちはモリモリ食べて体力を付けなければいけないのさ。なに大丈夫、私は余計な事は何一つしないから!!」

「その言葉は俺が在学中に是非とも聞きたかったんだけどね……」

 

現在も警戒は続行中、入り口にはクレベースが陣取っていざという時は身を挺してこの洞窟を封鎖する。オノノクスとダイケンキの周囲警戒とここが自分達の縄張りだというアピールとラティオスの早期警戒網を張っている。素直な事を言えばこれでも足りないと思っている、可能ならばバドレックスとオーガポンとガチグマとウーラオスが欲しいと言いたいが、こういう時でもポケモンの6体手持ちルールは解除されないのが辛い所だと思う。

 

「さて、飯食ったら早めに休んでおけよ。見張りは俺がしておく」

「えっでもそれじゃあラビさんが休めないんじゃ……」

「それが護衛役だ、子供は下らない事は気にしないで大人の言う事に従っとけ」

 

ラビはそういってカレーを一息に食べ終わるとゴーゴートの身体のケアに入る。別段身体が繊細とかではない、単純に気位が極めて高いためにこういう事をしてやらないといざという時ですら此方の指示を無視するからしているに過ぎない。そんなラビを見てリコは少しだけカレーを食べるスピードが落ちる。

 

「如何したリコ」

「なんて言うか、ラビさんの雰囲気が全く違ってちょっと、怖いなって思っちゃって……最近は私達にも敬語じゃないしいい意味で親しみを持てるようになったの、だけど……」

「そうだよね、こっちを気遣ってくれてるのは凄い分かるんだけどピリピリしてる感じがちょっと迫力あるって言うかなんて言うか……」

「うん、ボクもラビさんって配信の優しいお兄さん的な印象が強いから面食らったのは分かる」

 

フリードは言いたい事はよく分かるが何とも言えないような顔をしてしまった。素直な事を言えばラビに強いてしまっている負担は極めて大きい、子供3人に大人2人の命をたった一人に押し付けているのだから……。

 

「確かにラビはピリピリしている、だがそれは恐らくこのエリアゼロの変化を感じ取っているからだ」

「変化……ですか?」

「前回此処と訪れた際の差異、まずはあれだ」

 

スプーンで差し向けられた先にはリコのテラパゴス、パゴゴがいる。

 

「知っての通りラビのテラパゴスはこのエリアゼロの最奥部で発見した個体だ、それがいない状態のエリアゼロは初めてだ。テラスタルと強い結びつきがあるこのエリアゼロでテラパゴスの有無による環境の違いを感じ取ろうとしているんだ」

「ポケモン一匹でそこまでの変化が……」

「実際にあるんだ、ホウエン地方に伝わる伝説のポケモンたるジラーチ。その一個体はファウンスと呼ばれる現在では指定保護区域となっている地域にいるとされているが、そこにある雄大な自然はジラーチが1000年以上の時間をかけて自然にゆっくりとエネルギーを与えて育てた、とサトシさんから聞いた事がある」

「す、すげぇ情報のソースだ……」

「これ以上ない信頼性のある情報だ……」

 

何処から得た情報なんですかと聞こうと思っていたフリードとドットはサトシからと言われて何も言えなくなっていた。

 

「テラパゴスは休眠している最中に巨大なテラスタル結晶と共にいた、テラスタルから何かエネルギーを供給して貰っていたのかもしれない。だとするとこのエリアゼロに変化があったとしても、不思議はないだろう?そして二つ目は言うまでもないが新たなパラドックスポケモンへの警戒だ」

 

このエリアゼロのパラドックスポケモンは現在は停止しているタイムマシンから呼び出されたものだが……時空の歪みなどで新たな種が現代に来ているとしても不思議ではない。流石にないと信じたいが……

 

「三つめは……未知への警戒だ」

「未知って分からないって事ですよね、それに対して警戒するって……意味あるんですか?」

「ならば解りやすく言おう。君は真っ暗道を懐中電灯の明かり一つを頼りにしている、その時に君が最も恐れるのは……何も分からない闇、ではないかな」

 

ブライアの説明に3人は理解した、恐怖の根源とは未知数、不安が未知を極端に恐れさせる。

 

「このエリアゼロで、何かが起きる、のかもしれない」

 

 

 

「この感覚は以前にも感じた事がある、何時だ……ガラル、カロス、いやそれよりもずっと……」

 

胸中を駆け抜ける謎の不安を抱えながらもラビは闇夜に視線を投げかける、このエリアゼロにはまだまだ謎が多い。その最たるものが―――

 

「パァゴッパゴパ~ゴ」

「ダメだよ、ラビさんの邪魔しちゃ、パゴゴはこっち」

「パァ~ゴ?」

 

テラパゴスだ。

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