「な、何、あれ……」
「あれって、ポケモンなの……人みたいに見えるけど……」
「あれって、確か数年前のニュースになってて、ああもうなんだっけ思い出せ何だっけ!?」
突如として現れたそれはテラスタルの粒子を放ちながら空を飛んでいるように見えた。胸部に光の差し具合によって色を変貌させる魔性の結晶があり、それから力を得ている、それが力の源だと言わんばかりの眩き加減。右腕、と思われる触手は完全にテラスタルの結晶。
「おいおいおい……なんだなんでおめぇが此処に居るんだよ、しかもなんだテラスタルと同化してますってか!?なんだウガツホムラが言ってたテラパゴス云々ってこれじゃねぇよな!?」
「デオキシス、デオキシスってあのデオキシスか!?」
「宇宙からの隕石という船に乗って地球へとやって来た来訪者……!!?」
フリードとブライアが思わずその名前を問いただすかのような勢いでラビに問い、それを聞いたリコは聞き覚えがあった。そしてすぐにスマホロトムを向けてみた、すると反応があった。
『デオキシス DNAポケモン。エスパータイプ。レーザーを浴びた宇宙ウイルスが突然変異を起こしポケモンとなったと言われているが詳細な事は不明。姿を見せるとオーロラが出現すると言われている』
「思い出した!!僕のテラスタル研修の時にボウルタウンに行った時のお祭りでコルサさんとラビさんが合同で作ったって言うあれ!!」
「あ、あのポケモン!?」
「それがどうして……」
そう思っている時の事だった、オノノクスとクレベースが自分達の前に立っていた。そして同時に二人はモンスターボールを渡してきた。
「えっこのモンスターボールって……」
「フリード、オノノクスとクレベースを好きに使え。あいつは俺が抑える、ゴーゴート好きに暴れろ」
「おい本気かってどうやらお前を御指名みたいだ、随分と熱っぽい視線を送ってくれていやがりますぜ旦那、んじゃ後は頼みますぜ」
「おまっ……昔みたいな事を言いやがって……任せろ」
互いに顔を見る事もなくグータッチをするラビとフリード、その姿にリコは知らない筈の二人が繰り広げた冒険を見た気がする。そのままラビは駆け出していく、ダイケンキはその隣に並走、デオキシスはそれをジッと目で追っている。そしてラビは躊躇する事なく、中心部へ、奈落の底とも言えてしまう程の場所へと飛び込んだ。
「ラティオォスッ!!」
「クゥゥゥゥゥゥゥゥウウウウウンン!!!」
空中でラビは立った、そこには透明のままのラティオスがいた。姿を現しながらもラビは立ったまま、空を舞うラティオスの上でデオキシスを睨み付けるとラティオスはワザとらしく宙がえりをしてエリアゼロの奥へと誘うように降下し、ダイケンキはワザとらしく、デオキシスの真横を通りながら微笑んでその後を追った。
「―――さそっているのか、おもしろい。なにをみせてくれるんだおまえは」
その言葉をフリードは聞いた、ノイズ交じりの電子音と言われたらそうかもしれないがあれは明らかにデオキシスの言語。あれが宇宙から来たポケモンの言葉なんだ、と思うと無性に鳥肌が立ってきてしまった。これだからポケモンの研究って奴はやめられないんだと思ったその時、自分の頭上で何かが炸裂して目の前でオノノクスが着地した。
「ノクサァ!!!」
「悪いオノノクス、大丈夫だ―――こっからの俺ライジングボルテッカーズのフリードじゃない、だがポケモン博士のフリードでもねぇ!!俺は―――ラビの仲間の一人のフリードだ!!行くぞリザードン、そしてスターミー!!」
「ッ~……」
ラビは降下するラティオスのスピードのGに耐えていた―――
「てんめぇラティオスワザと宙返りしやがったな!?俺がまだお前に跨ってねぇのを知った上でやりやがったな!?殺す気か、とんでもなく怖かったじゃねぇか!!?あ~あもう俺知らね、お前の妹にある事ない事吹き込んで1ヶ月無視されても絶対に庇ってやんねぇ!!!」
「ク、クオオオッ!?オオオッコオオンンラァ!!?」
「何が殺生だ!?人を殺す気だったテメェが言うかなぁ!!?」
なんてことはなく、また座ってもなかったのに宙返りを敢行したラティオスへの抗議に溢れていた。ラティオスは妹のラティアスへと様々な事を吹き込まれる事を酷く恐れているのか、必死にラビに謝罪している。当人的には悪意などはなく単純にラビにカッコつけさせてやろう程度の軽い気持ちだったが、ラビからしたら堪った物じゃないので今度ロルを甘やかしながらラティアスに色々言ってやる事を決意した。尚、ラティオスはシスコンである、分かりやすく表現をするならば某ギアスのあれ並に。
「ケェェエンキ、ケエエエンッ」
「ああもう……この話は後!!ラティオス、ラティアスに言われたくなきゃ真面目に戦えよ!!」
「クオオオオンッ!!!?」
「ケェンキケン」
「何が最初から真面目だゴラ!?あの状況で誰がカッコ良さなんて求めんだ馬鹿!!」
ラビがラティオスの耳と思われる所を引っ張ってラティオスが涙目になったり、ダイケンキがそれをまあその辺りにしとけよという寸劇を繰り返していると遂にデオキシスが此処まで降り立ってきた。別に初めて見た訳でもないが……この個体は中々の威圧感を放つ、これもテラスタル化の影響か……?
「おまえはずいぶんとおもしろいにんげんだ、そいつをつれていることがいいしょうめいだ……つよかったぞ、だがそれいじょうに……おまえ、どうほうにあっているのか」
「いやゴメン、何言ってるのか分からない」
恐らくデオキシスは会話を試みようとしてくれているのかもしれないが……生憎何を言っているのか全然分からない、電子音が乱れているような声?が聞こえてくる程度でそれが何を意味しているのかを全く汲み取れないのである。参ったと頭をかいている時にある事を思い出した、カバンから予備のスマホを取り出した。スマホロトムのガワが何かの拍子に使えなくなった時の予備、それを取り出してデオキシスの足元に投げる、それをデオキシスはサイコパワーで受け止めて興味深そうに手に取った。
「それに同調してみろ、ロトム」
「ロトトトトトッ」
自分のスマホロトムを見せて手本を見せてやる、するとデオキシスはこれが電波を使うものだと直ぐに理解しスマホを起動させると触手をソケットへと差し込むと、砂嵐のような電子音が響き始めた。何かデオキシスも驚いているようだが直ぐに収まるとスマホを完全に取り込んだ、そして―――直ぐに声が明瞭且つはっきりとしたものへと変わった。
『この星の現在の言語を学習した、これで通じるか』
「すっげぇなおい……俺が昔にあった奴は現代社会にいたからかモニターに文字を打ち込んで意思疎通してたんだが……」
『フム興味深いな……だがまずはお前との話をしたい、お前は―――なんだ』
宇宙から来たポケモンに言われたくはないんだけど……と内心で思うのだが、それを飲み込んでおく。というか自分でも偶に思う事をデオキシスに言われるとは思わなかった。
「唯の人間さ、強いて言うのであれば……ラビ、描く者さ」
『描く者……ならばその描く者はテラパゴスと共にある』
「いや……餌付けしちゃったから?」
『……???』
デオキシスが頭に無数の?を浮かべて首を傾げるというレア過ぎる光景にラビは笑いそうになるのを必死に堪える、尚ダイケンキは普通に笑っており、ラティオスは顔が引き攣っている。
「お前はテラパゴスに恨みでもあるのか」
『それは私を封じた藍の円盤、何故私を封じたのかを問う必要がある。太古の昔、私がこの星へと来た時、テラパゴスは巨大な結晶の中へと落ちた私が目覚める前に封じた。それを質さなければ私の疑問は悠久に晴れる事はない』
「そうか」
我ながらこの選択は馬鹿げている気がする、相手はデオキシス。レックウザと真っ向からやり合う事が出来る上に自由自在にその姿を変化させて戦いに適応し対応する文字通りの宇宙から来た怪物だ。このデオキシスは理性的だろう、ならばそれに準じて話し合いをすれば良い筈……だけど、自分の中にあるトレーナーとしての血が叫ぶのだ、戦いたい、デオキシスと―――あの時のように肩を並べるのではなく相対したいと!!
「ならまず俺を下してみるのは如何だ、お前も身体を動かしたいんじゃないか?」
『……見破られていたか、私もこの身体の変化を確認したい。付き合って貰うぞ描く者よ』
「ならお前の敗北で俺のキャンパスを埋めるだけだ」
テラスタルデオキシスが現れた!!
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さっさと次書け