週刊エンジョイポケモン放送局   作:魔女っ子アルト姫

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祝334話!!

「なんでや!!エレブーズは関係ないやろ!!」

ナナコはアニポケに帰れ!!


エンジョイ:クライシスオブテラスタル

『ならばお前にはこれを受けて貰う必要があるな』

 

デオキシスの両腕が触手へと変わり合計4本のものへと変じる、いや更にその先に鉤爪が存在していた。それらを此方へと向けると赤黒い光が徐々に高まっていく。

 

「ちょっと待て!!?その技は!!!」

「パァゴッ」

 

ラビがその技に背筋を青くしているとテラパゴスが前に出た、自分に任せてと言いたげな軽い声色だが……此処はエリアゼロ、テラパゴスによって最もパフォーマンスを発揮しやすい環境ともいえる……ならばそれに賭けるしかないかと開き直る。

 

「テラバースト!!!」

「パアアゴッッ!!!」

 

最早やけっぱちで指示を出してみるとテラパゴスは驚くほど忠実に従ってくれた、目の前に甲羅型のエネルギーを展開し、そこに一本のビームを照射した。直後にデオキシスの攻撃も開始、4本の手から赤黒い波動が放射される。それらは真っ直ぐと迫りながらも周囲の温度を上げていく、ダイケンキがアシガタナを構えようとするがラティオスがそれを止める、まるでテラパゴスを信じろと言いたげに。

 

「パゴッ♪」

 

テラパゴスは甲羅へと向けて一本のビームを照射した、ダイヤモンドのような煌めきはノーマルテラスタルを想起させる。それがそれが甲羅へと触れると甲羅を構成する一枚一枚からビームが拡散するように飛び出していく。計7本のエネルギーが波動に向かっていき、途中で複数回の軌道変更を繰り返し、それぞれ1本1本が波動を受け止めつつも残った3本がデオキシスの身体へと向かい、四肢を貫いた。

 

『グッ……!!』

「そうか、これか!!叩き込め辻斬り、マジカルフレイム!!」

 

それを聞いて即座に動いたのはラティオスだった、言っただろ?と言いたげなドヤ顔を浮かべてからマジカルフレイムの発射体制に入ったのでダイケンキはなんか腹立つ……と思いつつもデオキシスの懐へと突っ込んで辻斬りで触手の一本を切り落とし、そこへすかさずマジカルフレイムが炸裂する。流石のデオキシスも堪えるのか身悶えしているがそれによって波動の放射が途切れてしまい、続け様に身体にテラバーストが突き刺さっていく。

 

『グッァァァァ……ゥウィイイァァァアアア!!!!』

 

甲高いノイズのような悲鳴を上げると全身を回転させて炎を振り払う、そして失った腕の一部を即座に再生してみせた。自己再生をせずとも高い生命力が異常なスピードで細胞を作り直している。

 

『……このテラスタルの結晶は全てのタイプを内包している、故に原理上は全てのタイプを無効化、ないしは半減出来る筈なのだが……』

「(テラパゴスならあいつのテラスタルをぶち抜ける……!!もはやイベント戦闘だなこれ)ラティオス、兄としての自覚があるなら少しは末っ子の役に立ってみせろ」

「クオオオオオンッ!!!」

「ダイケンキ、タイミングは掴んだな。デオキシス唯一の泣き所を突く!!」

 

デオキシスの唯一の泣き所、それは体力が低い所。様々な状況に対応するために姿を変化させて戦闘を行うデオキシス、だがそれの唯一にして絶対の弱点がHPが非常に低い事。攻撃防御スピード、それらに特化した姿になれるが共通して体力が低い事が突破口。

 

『……やってくれるな……ならば此方も全力で行くまでだ……!!』

 

その時、デオキシスの瞳が赤く輝いた。同時にその身体が大きくなりつつも結晶化が進行していく。胸部の結晶体も肥大化して胸の中央部にあるのではなく結晶体そのものが胸部を覆いつくし、腕と脚部は鋭角化し、肩は逆に丸みを帯びた重厚な物へと変わり、頭部は抵抗を受けにくそうな鋭利な流線形な物へと変貌する。

 

「テラスタル、いやメガシンカ……!?どっちにしろやばい事には変わりないか……ダイケンキ、ラティオス自慢の技を準備だ、こっちも次に勝負を掛ける!!」

「ケンッ!!」「クオンッ!!」

 

両手にアシガタナを持った構えを取るダイケンキ、ドラゴンとサイコパワーを高めていく。そしてラビはその手にテラスタルオーブを握り締めた、テラパゴスはそれを見て一層嬉しそうな声を上げた。それを見てこいつの本心は一体何処にあるんだ?と怪訝そうな顔をしてしまうが、その笑顔に破顔させてしまった。

 

「お前に無理を強いるかもしれない、それでもいいか?」

「パゴッ♪」

「全くこいつは……まあいい、行くぜ!!」

 

オーブを構える、するとエリアゼロの結晶から光が巻き起こってそれらがオーブへと収束していく。その勢いは通常時とは比較にならないがラビはそれを抑え込みながら叫ぶ。

 

「染め上げろ、自らを、世界を、そして星々の煌のように、輝きを以て変革を成せ!!」

 

オーブのパワー充填が終わったのを感じる、今までにない程のパワーが収束しているのが分かった。それをテラパゴスへと向けて投げた、が投げた軌跡にも結晶が出現していた。空間がテラスタルによって結晶化しているとしか思えない光景だった。だが今はそんな事はどうでもいい、それがテラパゴスを包んだ時―――テラパゴスはゼロの秘宝として真の姿を取り戻した。

 

『―――漸くその姿を取り戻したか……私を封じたその姿を、さあっ何故私を封じたのかを話して貰うぞ!!理由なくして何千、何万年の封印は得心がいかんのでな!!!』

 

その姿は古代の人間が地球の全体像として考えていた姿によく似ている、半球状のドームの台座の上にテラパゴスがおり、その上にステラテラスタルの結晶が浮き、周囲をそれぞれのタイプの結晶が取り囲んでいる。これこそがテラパゴスの真の姿、ゼロの秘宝とも言われたエリアゼロの宝の正体でもある。

 

「おいラティオス、テメェ感激してねぇでさっさとチャージ終わらせろやボケ」

「ク、クオン!!」

「さてテラパゴス、俺にとってはお前がどんな奴だろうがどうでもいいさ。お前は俺にとってそうだな……歳離れた弟みたいなもんか、それで十分だ。さあそれじゃあ準備は万端行こうか!!」

 

全身の結晶を発光させながらも天へと向けて巨大な光の柱を出現させた、その光にデオキシスは覚えがあるのか不敵に笑った、それをそれを上回るような勢いで光を放ち始めた。先程の鉤爪を再び触手の先に出現させるとそれを胸の前で構える、光が全て収束されていき球状へと変わっていきながらもブーストされていく。

 

『これが私の全てっ!!食らえええええっ!!!』

「ゼロの秘宝の輝きで裂空の訪問者を打ち砕け!!テラ、クラスタァ!!!」

「テエエエエラァァァァ!!!!!」

 

天へと伸びる光の柱から無数の流星が嵐のように降り注ぎ、それに対して極限にまでブーストし圧縮された一撃が激突した。衝撃波と爆風、様々な物が吹き荒れている、テラスタルの結晶が罅割れて無数に四散し地面には地割れが起き始める。破片が頬を切り裂いて血が流れるがその痛みすら、ラビには届かない。

 

「今だ、激流を超えた流れとなりて君臨しろダイケンキ!!シェルブレェド!!!その名に刻まれたムゲンを以て凌駕せよラティオス!!ラスターパージィッ!!!」

「ケエエエエキィィィイッッ!!!!」「クウウウガァァァァァ!!!!」

 

全ての色が溶け落ちて、真っ白な闇で覆いつくす中でラビは迷う事なく指示を出した。その中を突き進むダイケンキとそのダイケンキに纏わせるように拡散させつつも一切彼の動きを阻害しないラティオスのラスターパージ。天からの訪問者の一撃と地中深くで眠っていた宝の一撃のその先へと手を伸ばした。白い闇、それが眩い光を奪っていく。

 

「―――闇だ、白い闇が……俺達を……誰だオれって……なんで、こんな事―――」

 

思考すら抜け落ちて、何もかもがゼロへと帰していく。そこに忖度はなく、全てを飲み込む無の穴と化していった。全てが染まり切ろうとした時―――

 

『お前がゼロになってどうする気だ、お前は埋める物、描く者だ。ゼロになるのではなく、ゼロから始める者だ』

 

その声に手を引かれるようにラビは立ち上がって、そちらへと足を進めた。その声は何処か冷たくて熱くて痺れるような……だが何処か放っておけないような声だった。

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