週刊エンジョイポケモン放送局   作:魔女っ子アルト姫

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エンジョイ?:ラクアを目指して

「ったくいい加減にしてくれ、もう大丈夫だって言ってるだろう。モリーからのお墨付きも貰ってんだから」

「いやだからってなぁ……」

「そうだよ、休んでればいいんじゃん」

「フリードだけにこの子らを任せる気か」

「「それはそれで不安だけどぉ!!」」

「うぉい!!?」

 

レックウザに導かれるがまま到達したのは天を突くほどに高い山、その麓にあるクムリタウンだった。そこには黒いレックウザに関する伝承などを聞き、それらを総合して山の頂上、天と地が出会う場所にラクアがあると断定した。しかしブレイブアサギ号で行くには高度が高すぎる為に徒歩で登っていくしかないという結論になり、準備を進めている時にラビも登る事を表明するとマードックとオリオは反対の意見を出し続けていた。

 

「馬鹿にするな、俺が何度山を登ってると思ってんだ。この中じゃ寧ろ一番経験がある」

「モリー、主治医としての意見で止めてやってくれ!!」

「だから私は人間は専門外だって……健康状態にも問題はなし、体重も3キロは戻ってるし血液、心拍数、脳波その他諸々に問題はなし。残念ながら止められるだけの材料はないね」

「そういう訳だ」

 

心停止という事実は想像以上に深くライジングボルテッカーズに突き刺さっており、この事をサザレに伝えてまでラビを止めるべきなんじゃないかと二人は見合う訳だが、例えサザレに言われてもラビは止まる気はない。

 

「つうかサザレに告げ口にしても無駄だぞ、俺からゲロったから」

『―――はぁっ!?』

 

ラビはサザレに止められないように既に手を打っている、今回起きた事を隠すことなくサザレに暴露した。当然彼女は狼狽えていた、本当に大丈夫なのかと何度も問われたし戻ってこないのかとも言われたが……最終的には納得してくれた。

 

 

『じゃあ条件を言うから……絶対に帰って来る事、それで帰って来て一緒に式場を決める事』

『了解だ、愛してるよ』

 

 

何とも濃厚な死亡フラグの香りがしなくもない訳だが……まあ何とかするしかないだろう。というかもう一回死んでるようなものだし。

 

「お、おまっフィアンセになんて事を……」

「これを隠す事の方が問題だ、ハッキリさせた方がいい事だってある。帰ってからが色んな意味で大変だけどな……あ~あ、もうちょっと時間を置きたかったけどしょうがねぇか……心の準備、もうちょっとしたかったんだけどなぁ……」

 

溜息を吐く。当然理由は親を呼ばなければいけないのでいろいろと面倒な事になるからである。そんなこんなで遂に登山を開始、本来はドットに対して過保護を発動させるマードックがオリオとタッグを組んで自分を阻んできたのは予想外だった。

 

「ったく心配してくれるのは良いが、し過ぎなのも毒なのを知れぃ……妙な肩の凝り方してきた」

「それだけお前もライジングボルテッカーズの一員として見られてるって事さ」

「都合のいい解釈だねぇ……」

 

先頭で道を歩くラビはフリードと軽口を叩きながら進んでいく、その姿に本当に大丈夫なんだという安心感と本当に大丈夫かという不安が入り混じるリコ達、そして頭にはあの言葉が響く。

 

 

―――今度は俺を守ってくれ、俺やダイケンキが手を貸さなくても、レックウザすら自分達で倒せる位に強くなれ。

 

 

本当にそんな自分達になれるのだろうか、そんな疑問が頭を過りながらも山道を登っていく。途中途中の難所はパゴゴが六英雄にお願いしてくれたために力を借りることが出来たので無事に進むことが出来ている。六英雄が力を貸してくれている、それだけでリコは酷く嬉しそうにしている。もうスマホロトムに電波も入らぬ程の標高に差し掛かり頂上も近い。

 

「というかよラビ、お前のスマホロトムはなんでそんなに元気なんだよ。もう電波なんて入らないだろ?」

「俺のは以前ダイゴさんから貰ったデボンコーポレーションの通信衛星との回線が通じる特別製だからな、此処でも問題なく通じる、なんなら配信も出来るぞ」

「うっへぇ~……それ馬鹿高い奴だろ、しかも予約必須の超ハイエンドモデル。流石御曹司だな」

 

そんな話をしながらも遂に雲の中へと突入する、視界が乳白色に染まる中で前を進むパゴゴの声を頼りに足を進める。高揚感が湧き上がる中で遂に雲を抜け……雲よりも高くへと到達した。眼下には雲海が広がり、澄んだ空気が肺の中に入ると身体が洗浄されるかのような感覚になる。

 

「天と地が出会う場所……!!」

「すげぇ……圧倒的大自然~!!」

「しゃ、写真写真!!ナンジャモ姐さんも見せてあげたいなぁ~……!!」

「良い眺めだ……ってあれ、おいフリードなんでか妙に呼吸がしやすくないか」

「んっ確かに……此処に来るまでよりもずっと呼吸が楽だな……」

 

不意に気になった事が口から出る、山を登っていた途中よりもずっと呼吸が楽になっている。そんな事を疑問に思っていると更に上からレックウザが下りて来た、オゾン層に生息する彼にとってはこの環境こそが一番過ごしやすいのかも―――と思っていれば身体を大きくくねらせ空気の渦を生み出した。それが雲を払っていく……その先の頂上に茂る豊かな自然、鮮やかな草原。とても雲を穿つほどに高い雲の頂上とは思えぬ光景。

 

「森になってる!!?」

「驚いたな……そうか、此処の酸素濃度が安定してるのはそういう事なのか」

「誰にも辿り着けぬような霊峰の頂上、雲に覆い隠された秘密の楽園って所か」

「流石イラストレーター、コメントが上手いですね」

 

ここが目的地のラクアなのか、そう思っていればレックウザが急に岩肌に身体を下ろして瞳を閉じて眠り始めた。疲れたと言わんばかりの行動にロイは試しに古のモンスターボールを向けてみると素直にボールの中へと戻っていった。そして遂にラクアへと足を踏み入れる事になった。

 

「見てよあれっ!!木の実がいっぱい生ってる!!」

「チイラにイブにウブ、マトマにノメル、フィアにあれはイバンか?凄い貴重な木の実まであるぞ……しかも俺の庭で育ててる奴よりも一回りデカい……」

 

ラクアに足を踏み入れて驚愕するのはその豊かさ。通常は極めて希少で効果も高いとされる珍しい木の実が群生している上にどれも大きく栄養価も高い、火山でもないのに地面は温かい為に高高度でも過ごしやすい気温が保持されている。

 

「謎だらけだな……火山って訳でもなさそうだが」

「ああ、クムリタウンの大婆様の話じゃあ違うと言ってた。この地形も妙だ、まるで隕石でも落ちたみたいだ……だが隕石が落ちた場所にここまで豊かな自然が生まれるかな……」

「パァァゴ♪」「パアアゴッ♪」

「あっテラパゴスお前、何時の間に……」

 

何時の間にか飛び出したラビのテラパゴスもこのラクアの環境が気に入っているのか、酷く上機嫌になっている。まるでエリアゼロにいるかのような状態になっている。

 

「テラパゴスにとっても此処は良い環境って事か……調べるしかないか」

「だな、よしそれじゃあ改めてラクアの調査開始だ!!」

『おっ~!!』

 

 

「通信環境はグリーン、流石ダイゴさんお墨付きモデルだ……位置情報を送信っと、これでいい、後は……待つだけだ、フリード一応注意はしとけよ……奴らがいつ来ても可笑しくはないぞ」

「ああ、分かってる」

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