週刊エンジョイポケモン放送局   作:魔女っ子アルト姫

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エンジョイ:空間支配ヨノワール

『『ハロー、ラビ、初めまして。突然の連絡を許していただきたい』』

『私はフトゥー』『私はオーリム』

『『パルデアの大穴の奥、エリアゼロでポケモンの研究をしている。ロースト砂漠ではアオイとハルト、そしてペパーに手を貸してくれた事を改めて礼を言いたい』』

 

それは余りにも唐突過ぎた事だった。仕事で使っているパソコンに連絡が入った、誰かと思ったのだが回線は強制的に開かれてしまった。何事かと思ったのだが、開かれた先には二人の男女が此方に笑いかけていた。そう、ペパーの両親……しかし妙な程に言葉が全く同時に放たれる。まあこの二人の正体の事を考えれば出来て当然なのだろうが。

 

「私は何もしていませんよ、ただお三方をお手伝いしただけです」

『それについては承知している、だが子供達が無事であるのは君の尽力が大きい』

「それならばイダイナキバ、テツノワダチ双方の危険性については事前に明らかにし警告を発する方が合理的でしょう。あの子達はまだ子供です、大人が守るべき存在です」

『正論だ。それについては此方も彼らに謝罪を行っている、だが今回連絡をしたのはそれらに関する事ではなくイダイナキバとテツノワダチについての事だ』

 

表面上は実に人間らしいが何処か無機質な印象を受ける二人のそれらの話を改めて受ける。ある程度予想はしていたがあの二匹についてか。

 

『イダイナキバ、テツノワダチの両ポケモンを君がゲットしたのは知っている。君に彼らは管理出来るのか?』

『出来ないのであれば此方に転送して欲しい、此方で管理をする』

「管理がずさんであったからこそあの二匹はロースト砂漠に出たんじゃないんですか?生憎ですがイダイナキバさんは私の指示にかなり従順です、テツノワダチさんも大分マシになってきました」

『なんと……通常のモンスターボールで捕獲したパラドックスポケモンがトレーナーの指示に従うとは驚きだ』

『矢張り、君は興味深いな。君の配信も此方でモニターさせて貰っているが、実に面白い。特に夢特性や種族値などのデータには興味が尽きない。是非データを提供して貰いたいほどだ』

 

テツノワダチも最近ではサトシのリザードン位には落ち着いてきた。一方のイダイナキバは寧ろ落ち着きを持ち始めている程だ、最近では現代の環境にも慣れて来ているのかアーマーガアとのぶつかり稽古を頼んで来る。

 

「確認しますが、その管理はもう大丈夫なのでしょうね?」

『ああ。イダイナキバ、テツノワダチはかなり強力且つ獰猛な個体であったが故に力づくでバリアを突破してしまった。既に出力を上げて対策はしている』

「それならいいですが」

『では本題に入らせて貰おう』

「まだなんかあるんですか」

 

正直この二人からの接触の時点でお腹いっぱいなのだが……と思っていたのだが

 

『『子供達と共にエリアゼロへと来て欲しい』』

 

その内容は思った以上に核心的な物だった。

 

 

 

「皆さんこんにちは、今日もポケモン育ててますか?まだまだな貴方もこれからの貴方も、此処をきっかけに一歩踏み出して行きましょう。本日ご紹介するポケモンさんは此方―――ってちょっとちょっと!!?」

 

・なんだぁ!?

・いきなり浮き始めた!?

・主はサイキッカーだったのか!?

・エスパータイプの名門だったりする!?

 

「ああもう、いきなりやめてくださいよ」

「ノワール」

「という訳で改めまして、ご紹介するポケモンさんは此方のヨノワールさんです」

 

・成程、ヨノワール

・ゴーストタイプお得意の透明化かwww

・それで抱えてたって訳ねwww

・なぁんだサイキッカーじゃないのか……

・そこどうでもいい。

 

「ヨノワールさんはゴースト単タイプのポケモンさんです。ゴーストタイプらしい生態をしていて命令を受けてあの世とこの世を行ったり来たりするポケモンさんと言われています。行き場の無い魂等、魂を霊界に連れて行く案内役とも言われています、その為に手が大きく腕も長いのです」

 

・う~むザ・ゴーストポケモン

・ゴーストはこういう一面あるのがなぁ……

・可愛いのも多いけど怖いのも多いんだよなぁ……

・ヨノワールも威圧感あるもんなぁ……

・愛嬌あるけどな

 

「頭の此処はアンテナとなっておりまして此処で命令を受信するとも言われてます。そしてヨノワールさんといえばこの大きなお腹の口、空洞とも言われていて魂を此処から霊界へと連れて行く事もあるそうです―――が、実はヨノワールさんには意思がないのではないか?という学説もあるんです。言うなれば霊界が現世に干渉する為の端末なのでは?というのがあります、実際の所どうなんですかヨノワールさん?」

「(ボリボリ……)ヨワ?」

「うん、これで意思がないとか信じられねぇわ」

 

・フエン煎餅ばりぼり食ってやがるwww

・いまいち信用性がねぇwwww

・コミカルで面白れぇwwww

・なんでこうも面白いポケモンばっかりなんだwww

 

「さて、ヨノワールさんの特性はプレッシャー。これは技を出す為のPP、通称パワーポイントと呼ばれるポケモンさんにある一種のスタミナを一層消費させるという物です。そして私のヨノワールさんは夢特性でお見通し、これは相手が持ち物を持っているか否か、そして持っているとしたら何を持っているかが分かる特性です」

 

・へぇ~PPってそういうものなんだ。回数券かと思ってた

・にしてもお見通し強くね?

・公式ルールでいきまくるな

・木の実警戒とかが楽になるな。

 

「そんなヨノワールさんですが進化前のサマヨールさんが耐久自慢だったところにパワーが加わった感じですね。防御面は双方優れているわりに体力が低めなのが玉に瑕ですが、そんな時は痛み分けで自分のダメージを相手に与えつつ回復する事も出来ます。私のヨノワールさんも出来ます」

 

・うわエグ

・苦労して削ったと思ったらそのダメージ押し付けて来るのかよ

・流石ゴースト、一筋縄じゃ行かねぇ。

 

 

「私のヨノワールさんが良くやるのはトリック、ポルターガイスト、トリックルームという技を使ったコンボ戦術。空間支配ヨノワールさんです」

 

・トリックトリックルーム?

・なんか混乱して来た。

・どういう意味だ?

・えっと……?

・でもその響きは来るものがあるな。

 

「まずヨノワールさんはお見通しで相手の持ち物を把握出来ますので、そこで透かさずトリックを発動して相手から道具を取り上げて自分が持っているアイテムと取り換えっこします。此処で肝になるのが持っている事で効果を発揮するアイテムを押し付ける事。黒い鉄球、後攻の尻尾などを押し付けて相手の動きを抑制し、そこをポルターガイストで攻撃する。ポルターガイストは相手の持っている道具を使って攻撃するので、仮に相手が道具を持っていなくても自分が持っていればトリックで押し付けることが出来るので有効な戦術です」

 

・思った以上にやべぇ戦術だった。

・公式戦で猛威振るうじゃん。

・んじゃトリックルームは?

 

「トリックルームは相手がもしもハイスピードタイプだった場合、それに対抗する為ですね。空間から道具まで支配してしまうのが私のヨノワールさんです。これらに加えて必中技であるシャドーパンチも出来ます。以前トリックルームでミミッキュさんを引き合いに出しましたが、ヨノワールさんの場合はそれを単体で機能させる事も容易なので、トリックルーム初心者向けとも言えます。相手を絶対に逃がさない冥界の仕事人、それがヨノワールさんです」

 

・想像以上にエグかった。

・これで痛み分けで回復も出来るんでしょ?

・ある意味でゴーストらしさ全開だった

・でも好きになった。

・悪戯好きな所とかな。

 

配信を終えてからあの博士二人の通信を思い出す。

 

「ヨノワールさんよ、お前にも来て貰うかもしれん」

「―――ヨワ、ワルルラ」

「ああ、それで」

 

そういうとヨノワールは礼をしてからすっと壁の奥へと消えていった。エリアゼロへと行く事が決定した……これは本当に覚悟をしなければいけないかもしれない。あの時知らされた真実が―――自分を苦しめる。

 

 

『子供達だけでは今のエリアゼロは危険すぎる』

『そこで優れたトレーナーである君にお願いしたいのだ』

「いやそれなら別に私でなくても……」

『これを見て欲しい』

 

あの二人が見せてきたのはエリアゼロの一帯で起きたという現象、それは二人の博士が行っている研究の余波によって巻き起こったという。極小規模ではあったがそれは確実に起きたのだ。

 

『恐らくではあるが時空間が歪みを起こし、時空の歪みと呼ばれる現象がエリアゼロで起きようとしている。頼む、力を貸して欲しい』

「―――悪い予感が、する……子供たちの安全のため、それだけですよ」

『それでいい、感謝する』

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