週刊エンジョイポケモン放送局   作:魔女っ子アルト姫

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エンジョイ:VSエクスプローラーズ……?

「おいエクスプローラーズ、テメェら何をする気だ」

 

自分でも、そしてリコ達も驚くほどに冷淡な声が出ていた。此処までの声が出るなんて……目の前の存在がそれほどまでに自分の気分を害している。エクスプローラーズは既にこのラクアを発見し結晶のバリアが解除されるのを待っていた。パゴゴとテラパゴスによって解除された今、自分達は用済み……だから何だ。

 

「お前たちはこのポケモン達の理想郷とも言うべきラクアを台無しにする気なんだな」

「必要であれば、な。ラクリウムを手に入れエクスプローラーズは更なる発展を遂げる」

 

その言葉の中で二人は気まずそうな顔をしていた、エリアゼロで自分が助けた二人だ。エクスプローラーズである事は分かっていたしこうなる事も想定していた。だが改めて前に立つとあの時の事が如何しても脳裏を過るのか、言葉が出ないと言いたげな様子だ。

 

「お前たちを排除する事に変わりはない」

 

刹那、周囲の気温が数度一気に下がったような錯覚をエクスプローラーズは覚えてしまった。ゲンガーが集団で現れたのかと思う程の寒気、その源泉、その中心地は……紛れもなくラビ。そしてその後ろにはテラスタルデオキシスが控え、前にはダイケンキが立った。

 

「ラクリウムだかは俺にとってはどうでもいい、だがな―――……ハッキリした事を言う、今から俺はキレるぜ、だから今の内に引け……でなければ……」

「答えなど決まっている、貴様らを―――」

「……俺は、何もしない」「ウチも」

「なっ……!?」

 

エクスプローラーズ側にいた二人、オニキスとサンゴは道を譲るかのようにその場に座り込んだ。それに対してアゲートは声を上げて驚き、もう二人のジルとコニアも呆然とした。幹部である二人がこの重要な局面での役割を放棄した、それが彼らにとっては驚きでしかない。

 

「お前たち、何を言っている!?この局面で、裏切るというのか!?」

「俺はエクスプローラーズを裏切るつもりなどない、だがそこのラビ殿には命を救われた。キョジオーンも救ってくれた、その恩義には報いなければ俺は俺ですらなくなる。だがエクスプローラーズを裏切るつもりもない、故に……俺は何もしない」

 

オニキスは何処か辛そうにしつつも堂々とした態度でそう言ってのけた。これが彼にできる最大限の譲歩であり所属する組織の忠誠への道理を通すやり方、そして何より―――

 

「サンゴ、貴様もだ!!」

「あぁ~ん?報告全部上げたじゃん」「上げたのは俺だ」

「つぅかさ、相手誰か分かってんの?あのラビだよ、それを鬼分かってねぇのはお前だっつぅの」

「その危険性について進言したのも俺だ」「鬼うっせぇよ放送局マニア!!」

 

相手はあのラビだというのが最大にして一番の問題点なのである。ライジングボルテッカーズの子供たちだけならなんとかなっただろうが、そこにいるのはあのラビだ、数々のリーグで成績を残しリーグチャンピオンに挑戦までしてあと一歩まで追い込んだ実績まである。そんな実力者と本気で戦えという方が冗談だろう。

 

「おまけにさ……あんな鬼ヤバそうなのがいて戦えってのが冗談じゃね?」

 

サンゴが指さす先にはもうやる気満々ですと言わんばかりにサイコブーストのエネルギーチャージを終了させて何時でも打てますという態勢を確保しているデオキシス、しかも4本の触手の先それぞれにサイコブーストを生成しており、貝殻の鎧を漆黒に染めながらも今か今かと抜刀の時を待っているダイケンキの姿がそこにある。

 

「ッ……どんな相手であろうとも、エクスプローラーズは戦わなければならない!!」

「あっそ、んじゃ戦えば?いっとくけど、あいつ、鬼やばいエリアゼロのポケモンを一蹴するポケモン複数持ってる鬼やべぇ奴だから多分瞬殺で終わるね、それと前見た方がよくね?」

「何を―――ッ!!!!???」

 

何時の間にか目前にまで迫ったデオキシスが今にもサイコブーストを身体に押し当てそうな程に接近している上にダイケンキのアシガタナの間合いにも完全に入っている。しかもリコ達はデオキシス・シャドーが持ち上げて先に向かわせている。あの一瞬で、まさか自分を囮にしたのか!?と思う間もなくラビが自分の目を見ながら言った。

 

「最後通告だ―――退け、邪魔をするなら……潰す」

「……ッ!!だ、だれが貴様などっ―――……っ!!?」

「そうか、ならいい」

 

アゲートの腹部にアシガタナが減り込んだ、その衝撃で身体はくの字に折れ曲がり呼吸も出来ずにそのまま崩れ落ちていく。

 

「早業の峰打ちだ、勘弁しろ。悪いなダイケンキ」

「ケェン」

 

女を斬って喜ぶ趣味はないとアシガタナを納めるダイケンキ、頼もしい相棒な事だ。残ったメンバーに目を向けると戦う意思は完全にないのか手を上げていた。

 

「本当にいいのか、お前達の立場も危うくなりかねんぞ」

「キョジオーンと俺、サンゴとオニゴーリの命を救ってくれた相手に何もしない事は心苦しいが、これが最大の譲歩だ」

「鬼そういう事、気に入らねぇけどオニゴーリ助けてくれたから、だけど勘違いすんなよ!!鬼今回だけだかんな!!」

 

サンゴは顔を真っ赤にしながらも叫んでいるが、それでも中にあるのは大切なポケモンを救ってくれた事への恩。エクスプローラーズに所属はしているが根っからの悪人という訳ではなさそうだ。他の二人も自分への攻撃意志はなし……ならば自分は先に行こうと、するのだが。

 

「待ってほしい」

 

オニキスが自分を止めた。矢張り何かあるのかと思ったらサイン色紙とペンを差し出してきた。

 

「今回の返礼としてサインが欲しい。ファンなんだ、オニキスとキョジオーンへ、と頼む」

「だぁぁぁっ!!?鬼何やってんだぁぁぁ!!?」

 

突然の事にサンゴが全力でズッコケた。無論ラビも思考が凍った、まさか過ぎる展開に言葉が出ない。だがそれに対してサイドンと共にいたジルも声を上げた。

 

「そ、それなら俺も欲しい!!サイドンと一緒にずっと見てるんだ!!特にドサイドン回は勉強になったし今は波乗りを覚えようと一緒に特訓してるんだ!!」

「ドオオンッ!!」

「お前もかぁぁぁ!!!おいちょっと何とか言って―――」

「私も是非お願いします!!」

「なんなんだよこの配信者は人を豹変させてばっかりじゃねぇか!!?なに笑ってんだ鬼ふざけんなぁぁぁぁ!!!」




シリアス前の清涼剤という名のギャグです。

ラビの過去編に需要はありますか?

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