週刊エンジョイポケモン放送局   作:魔女っ子アルト姫

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エンジョイ?:待ち望んだ者、心待ちにする者

「ゴウゴウゴウゴウゴウゴウッ!!!」

「手を休めるなゴウカザル!!あいつはそれすら突破してきやがるぞ!!」

「ゴォオオオオウ!!!」

 

腕が無数に見える程の速度で行われていくラッシュ、それが一体何を意味しているのか、一体誰を対策しているのか、というか何を目的としているのかすら不明瞭だ。だってこんなの……まるで伝説か幻のポケモンを対策しているようなトレーニングメニューじゃないかとポケモンリーグ専属のトレーニング器具の整備チームは顔を見合わせていた。

 

「ラストォ!!」

「ゴオオオキャアアアアア!!!」

 

足腰のばねを全開にして真下から降り抜いた一撃はサンドバッグを豪快に縦に揺らした、そして繋いでいた鎖を粉砕するようにねじ切ってそのまま壁へと吹き飛ばした。壁には深々と跡が残り、そしてサンドバックは破裂して周囲に砂が四散した。それを見た清掃チームのチラーミィ達が即座に砂を回収に掛かった。

 

「……ダメだな」

「ゴゥ……」

「だな相棒、俺達のイメージでも全部すり抜けて一太刀入れて来やがった……」

『(今のをっ!?)』

 

整備チームも四天王が使用するトレーニング器具の調整や整備をして長いが、オーバのゴウカザルの調子は確実に最高潮、それなのにそれをすり抜けるというのは悪い冗談にしか聞こえない。それか慢心を殺す為の言い訳にしか聞こえない。

 

「早業も力業もまだまだ未完成だ……ゴウカザル今度はインファイト!!」

「ゴオオオオラアアアアアアア!!!!」

 

ゴウカザルの意欲もある、ラビのゴウカザルとシンジのエレキブルとの戦いは見たが、あれは自分から見ても凄かった。鉄の拳はインファイトは対象にならない筈なのに、対象になっているかのような爆発的な威力、あそこまでの威力は出せない。精神的なリミッターが全て外れていなければ……。

 

 

―――この度PWCSに正式に参加する事にしました。

 

 

 

ずっと自分が望んでいた時が漸く来てくれたのだ、自分にとって最高のライバルが再びバトルの舞台へと上がって来てくれた。幾たびのバトルを乗り越えて来たし自分も遥かに強くなっている自覚はあるし強さだけなら強い相手と戦った、だけど……

 

『ダイケンキ、シェルブレード!!!切り裂けぇ!!!』

『ゴウカザル、フレアドライブ!!!燃やし尽くせぇ!!!』

 

あの日、血肉が湧き躍る事はなかったのだ。実力が拮抗して互いが互いを高め合っているというあの時の感覚はまるで麻薬のような陶酔感を自分に与えていた、後から自分もあの日のバトルの映像を見直したが実況のMIX-UPという言葉にニヤリとしてしまった。

 

「(ならよ、もう一度あれをやりてぇって思うのはそんなにいけねぇ事かよ。あの時、俺は自分からタオルを投げてたんだ、それなのにゴウカザルは諦めてたトレーナーに言ったんだぜ、俺は負けてねぇ、まだやれるって……ラビはダイケンキと一緒に戦ってたんだ、俺はトレーナーとしての心構えとしても敗北してた。リベンジしたい……ってよ)ゴウカザル、今度は勝つぜ!!」

「ゴウッ!!!」

 

応任せとけ!!と言いたげな相棒とグータッチをする、さあ完成度を高めないとな!!

 

「レジアイス、電磁砲7連!!」

「レ~ジ~……ァァァァアアアイッ!!!」

 

バトルフィールドを滑るレジアイス、地面を凍てつかせる事で機動力を上げてから連続的に電磁砲を発射する。電磁砲は連射が利きにくい筈だがそれを平然と連射して命中精度の悪さを補う。

 

「守る!!」

「ゲ~ロンゲエエエエエッ!!!?」

「そ、そげんのあり!?」

 

オーロンゲの守るを瞬時に突破してその身体に突き刺さっていく無数の電磁砲、しかも通常の電磁砲に比べて小さいので威力が低いと思っていたが極端に低い訳じゃない。10万ボルトよりも強い程度の威力を十分に保っている上に確実な麻痺まである、厄介過ぎるにもほどがある。

 

「よ~し何とかできたね!!」

「相変わらず突拍子もなか事ばいとも簡単に成功しゃしぇてしまう子やなぁ……」

「エッヘン!!」

「褒めとらん」

 

バトルフィールドで模擬戦を行っていたのはユウリとそんな彼女の大切な友人であるマリィ、兄からジムリーダーを引き継いで自らマイナーリーグからメジャーリーグへと昇格を果たした新進気鋭のジムリーダーである。そんな彼女に模擬戦をお願いしたユウリは特訓で編み出したという新技のテストを行っていた。

 

「それにしたっちゃ、ようもまあこげん技ば思いついたけんばい、エキシビションマッチから凄か研究しとったんな知っとったけど……そげん強かったんラビしゃんって」

「うん物凄く」

 

マリィもあのエキシビジョンマッチは見ていた、自分が届かずに悔しい思いをした相手を、伝説のポケモンであるレジアイスを真っ向から捻じ伏せた上で2‐0のほぼストレート勝ちをやってのけたラビの強さは末恐ろしいものを感じた。あれで半隠居状態だと言われてなんの冗談なんだと思ったものだ。

 

「マリィもみたらラビの配信、オーロンゲの配信もあったし」

「う~ん……そげなんっていまいち面白しゃが分からんっちゃけど……キバナしゃんのインスタも面白しゃとかいっちょん分からん人やし……楽しめるかな?」

「キバナさんのはあれ写真だけだし、ラビさんのはリアルタイムでの映像だからかなりわかりやすいと思うよ。昔のも全部アーカイブあるし、なんだったら切り抜き動画を見てみるのもありだと思うよ」

「んじゃ切り抜きから始めてみようかな、お勧めとかあったら教えて欲しかっちゃけど」

「勿論いいよ!!というか私が切り抜き動画投稿してるから!!」

「ガラルんチャンピオンが何やっとーとよ」

 

と言いながらもマリィは心からラビには感謝している。一時期は本当に心配だった友人が元気を取り戻したのだから。

 

 

ガラルチャンピオンに復帰してからのユウリはまた人間と関わる忙しい時間を送っているが、以前と比べて本当に楽しくも充実する時間を送れるようになった。特に夜6時前には確りと仕事は切り上げられて家までアーマーガアタクシーで送迎して貰えるようにまでなって、母も自分を笑顔で出迎えてくれるようになった。毎日家のベッドで眠るのがこんなにも気持ちいいなんて思いもしなかった。

 

「毎日楽しくなったなぁ~」

 

そう呟くとマリィからだったらもっと早く相談してくれればよかったのに、という視線が飛んでいた。だって難しかったんだからしょうがないじゃないか、自分はマリィに勝ったうえでチャンピオンになったのにその立場が辛いなんてどの口が裂けて言えるセリフ何だろうか。

 

「ラビさんと戦えるのは何時かな~♪」

 

きっとあの人は推薦もあったからスーパーボール帯、いやハイパー帯からのスタートかもしれない。そう思うとワクワクが止まらない、早く戦いたい、強くなった自分を見て欲しい、そんな思いを抱きながらも自分も氷の上へと滑り出してレジアイスと共にフィギュアスケート遊びを開始する。一緒にトリプルアクセルを決めたりしているとラビの配信が始まったのでマリィと一緒に見るのであった。

 

 

「皆さんこんにちは、今日もポケモン育ててますか?まだまだな貴方もこれからの貴方も、此処をきっかけに一歩踏み出して行きましょう。本日ご紹介するポケモンさんは此方」

「メェコココッ……♪」

「ユキメノコさんです」

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