週刊エンジョイポケモン放送局   作:魔女っ子アルト姫

349 / 691
エンジョイ?:PWCSに向けて……?

「ねぇラビ、PWCSに参加決めたんだよね?」

「ああ、オモダカさんからこれマジですか?処理していいんですよね?って言う確認の連絡が来た上に本当に処理しますけどいいんですよね、もうボタン押すだけですよ?っていう段階でも確認来た。もう俺は登録されてる」

「じゃあさ……なんで普通に寝てるの?」

 

ベランダで簡易ベッドを出して横になり、腹の上にはピカチュウが丸くなっている。それを撫でているラビに思わずサザレがツッコミを入れてしまった、PWCSは世界的にも広く認知される大人気且つトレーナーが最終的に目指す目標ともいえる世界大会でそれに優勝する為に日々厳しい特訓で身を傷つけているトレーナーとポケモンは数知れずという大会なのに……ラビはそれに備える気があるようには全く思えない程にのんびりとしている。

 

「だってお前、次の大会があるのは最低でも1年後だぞ。それに向けて今から気を張ってどうするんだ?今からずっと張り続けるのか、それこそ意味がなくて消耗して通常のコンディションさえも大きく劣化する事になる。お前だってある一瞬を撮りたいって思った時にこそ集中力を総動員するだろ?それと同じさ」

「そう言われたら、分からなくもない、かな……?」

 

サザレは写真家としてこれまで多くのトレーナーとポケモンを撮って来た、その中には当然バトルへの備えや大きな目標への積み重ねというテーマで大会前の心構えを聞いたり撮ったりもしてきただろう、故に今の自分のスタンスがどうにも納得できなかったのだろう。

 

「というかぶっちゃけようか?」

「何を?」

 

指が向けられる、その先を見ると……

 

「ガアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!!!!」

「クオオオオオオオオオンヌッ!!!」

「ウルルルルルルララアアアアアア!!!!」

 

ガラルでは狂乱の鋼鴉の異名を取り伝説相手でも決して臆さないアーマーガア。一見すれば清廉な騎士、だが一皮剝くとその凶暴性を剥き出しにする波動の狂戦士たるルカリオ。進化前の時から徹底して容赦がなく、相手の急所を正確無比に抉っていく流の格闘家のウーラオス。ラビのポケモン達の中でも屈指の戦闘狂三人衆がそこにいる。今回戦っている(絡んでいる)のは……アーマーガアがドレディア、ルカリオがペンドラー、ウーラオスがゴウカザル、地味に自分達が有利な相手を選んでないか……?と思ったりもした。

 

「あいつらが基本庭を巡回して戦う相手を決めて喧嘩売ってる訳だからな、基本あいつらが鍛えながら鍛えてるようなもんだぞ」

「あ~……」

 

この三馬鹿が基本的にバトルをしない時はないので常にバトル相手を探しているようなもの。ラビもそれを認識しており、出来るだけ色んな奴と戦ってくれと言ってある。まあこれは負担が集中するのを避けるためだったのだが……結果的にあれらは全てのポケモンに喧嘩を売っているという状況が生まれた。

 

「というかさ、なんでドレディアは相性最悪なアーマーガアに立ち回れてるの」

「良くも悪くもドレディアは目立つから絡まれやすいんだよなぁ……そのお陰であいつ、対アーマーガア戦術を構築してるし……あいつ対アーマーガアの勝率4割だぞ」

「ええっ……」

 

1軍やら準1軍やらと枠組みを作ってメンバーを分けてこそいるが、基本的に自分のポケモン達に弱者はいない。いたとしても自分が鍛えるし周囲が支えて守り抜くというのがこの庭の構造である。でなければエクスプローラーズの襲撃に耐える事など出来る訳もない。

 

「にしても……サトシさんも面倒なもんを渡してくれたもんだぜ……」

 

溜息交じりに懐から取り出したケース、そこには綺麗な石が収まっている。

 

『今までラビさんにお世話になりましたし、これをお渡ししますね。楽しみに、してますから』

 

そこにあるのはゲッコウガナイト、そうサトシも使ったゲッコウガのメガシンカに必要とされるメガストーンである。当人曰く、旅の途中でゲットした謎の鉱石を研磨して貰ったら出て来たらしい。そしてもう一つ、今現在使っている方のストーンはカスミが偶然ゲットしたのでプレゼントしてくれたとの事。次の大会での目玉にしようと話をしていたらしいのだが……つい使ってしまったと後で謝り倒したと言っていた。

 

「でもそれでゲッコウガがメガシンカ出来るって事なんでしょ?普通に考えたら凄い良い事なんじゃ……」

「まあな……だけどメガシンカも結構面倒な事なんだよ」

 

サトシの厚意は嬉しいと言えば嬉しいのだが……メガシンカは自分のゲッコウガとの相性が悪い。何故ならばゲッコウガの戦術は変幻自在を生かす事でタイプ相性の優位性を渡さないのが基本、常に相手の苦手で攻めて此方の弱点を突いてくるならばそれに優位を取るタイプになって翻弄、常に変化する事で相手に思考させる時間的余裕を与えない。

 

「メガシンカはそりゃ強いさ、種類にもよるがより強く、より速く、より硬くを実現する更なる進化なのは事実。だけど問題もある、例えば分かりやすい所だとガブだな」

「ガブってガブリアス?」

「ああ。ガブリアスの強みはスピードだ、だがメガガブリアスになるとこれが下がってしまって今まで上を取れてた相手にも先手を許してしまう事が多い」

「じゃあトリックルームでフォローとか」

「いや使うにしても速い部類なんだ」

 

元々のガブリアスが極めて高い汎用性を持っていて夢特性も鮫肌、攻撃も防御も素早さも高い水準だったのを素早さを落として攻撃と防御を強化したメガガブリアスはそれまでの戦術とはまた別の戦いを要求される。それまでと同じ戦い方では確実に狩られる。

 

「闇雲にメガシンカしても良いって訳じゃないんだね……」

「そういう事、場合によってはルカリオとかをメガシンカさせた方がいい状況だってあるだろうしな。戦ってみたメガゲッコウガはバランス良く能力が上がってる感じでまだ扱い易い部類だけどメガシンカして特性が変わるのが一番痛い」

 

運用するならメガゲッコウガの特性を調べなければならない、それによってはこのメガストーンは封印するしかない。だけどサトシはメガシンカミラーを望んでいる……ホント頭痛い……。

 

「全くサトシさんも面倒な物をプレゼントしてくれたもんだぜ」

「メガストーンをそんな風に言うのはラビ位だと思うよ」

 

だって本当にそうなんだもん……と思っていると頭上にアーマーガアがやって来た、だが自分のではない、あれは通常色のアーマーガアだ、やっぱりあの色もカッコいいよなぁ……と思いつつも誰かが来たのかと思ったのだが、アーマーガアに乗っている人物を見た瞬間、警備班が一斉に攻撃準備に入ったがそれを止めたのは乗っている男の声だった。

 

「よくも俺の前に顔を出せたな……アメジオ」

「突然来た事を詫びさせてほしい、だが俺は戦いを望まない―――ラビ、話を、させて欲しい」

 

そこにいたのはエクスプローラーズの一人、アメジオだった。素直な事を言うとこいつと話す舌など持ち合わせていないのだが……その瞳には真剣な光が宿っている、この状態のアメジオならば話をしても悪くはないかもしれない。

 

「サザレ、茶を頼む」

「分かった」

「すまない」

ラビの過去編に需要はありますか?

  • あり
  • ない
  • さっさと次書け
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。