週刊エンジョイポケモン放送局   作:魔女っ子アルト姫

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エンジョイ:PWCSランクバトル、ファーストバトル

「バトル、お願いします!!」

 

そんな元気のいい声でやって来たのはオレンジアカデミーの学生だった。しかし驚くべきことにやって来たのはネモではなかった、なんという来るなら来るで速攻で来るような気がしていたのだが……

 

「分かりました、受けましょう」

「宜しくお願いします、ボクが使うのはこの二匹です!!」

 

そう言ってボールを投げる、確かにPWCSのバトルは対戦する者同士がルールを設定する事が出来る。それをしなくても運営側が勝手に相手を決めてくれるのだが……それ以上に自分のポケモンを公開する?そういうルールでのバトルを希望するのかと思っていると繰り出されたポケモンは……

 

「ドンオオオオッ」「カッゲ~!!」

「あら、ドオーとモトトカゲだね」

 

パルデア地方では見慣れたポケモン達、オレンジアカデミーの生徒ならば別に持っていても可笑しくないし寧ろナンジャモの対策としては優秀な組み合わせ―――対ナンジャモ?とここでラビは思い至った。

 

「……もしかしてナンジャモさんに勝てないと私に相談をくれた方ですか?」

「はいそうです!!あれから勉強とかの兼ね合いとかあってなかなかジム挑戦に行けてませんけど、次はライムさんのジムに行く予定です!!」

「ほぅ成程成程、それなら私のポケモンは―――この二人が相応しいでしょう」

「ムゥゥゥウッ?」「グモモ~?」

 

ちょうど近場で遊んでいた二匹を呼んだ、その二匹とはムウマージとハラバリー。自分が対ナンジャモの筆頭格に挙げた二匹がドオーとモトトカゲだった、態々それで挑んできてくれるとは中々粋な事をしてくれるじゃないか、しかもそれが自分にとってPWCSの初戦とは……巡り合わせという奴だろうか。ラビの庭のバトルフィールドへと移動した所にPWCSのランクバトル判定のドローンロトムが飛んできた。

 

『お待たせしました、PWCSのランクバトルジャッジを行わせて頂きます。PWCSモンスターボールクラスのランクバトルを行いますか?』

「勿論」「はい!!」

『トレーナー双方の了承を確認しました、スマホロトムより互いの情報を取得。このバトルはPWCSランクバトル公式戦として承認されました。それではボウルタウンのラビ VS セルクルタウンのグラバー。対戦ルールは2対2、ポケモンの交代は両者自由となりますがルールの変更希望は御座いますか?』

「それでお願いします」「はい!!俺達は今ここに出てるポケモン達で戦います!!」

『了解いたしました。変則ルール、手持ちポケモン開示式バトルを承認します。それでは両者、最初のポケモンをフィールドへ』

 

そんな所でラビがある事を思いついてドローンへと質問を投げた。

 

「ああそうだ、確認ですがこのバトルは私のスマホロトムで配信することは可能ですか?」

『配信希望ですね、少々お待ちください―――……承認されました、どうぞご自由に配信ください』

「どうも、んじゃロトム、後宜しく」

『分かったロト!!』

「(後、あれやこれやが映らないようにカメラワークと映った時用のフィルターも宜しく)」

『お任せロト!!』

 

配信と配信が被る気もするが、世の中には同時視聴枠という便利な言葉が存在する。そういう事にしておこう。

 

・おおおっいきなりかよヌシ!?

・オーバ:んだよやっぱりやる気満々じゃねぇか!?

・キバナ:おっ初日からラビの奴やるのかいいねぇ良いねぇ元気があって

・ナンジャモ:あ~んパルデア地方PWCSランクバトル配信の一番取られた~!!

・ナモ公がいます!!

・ワロタ

・ナンジャモ:笑うなぁ!!?

 

「まずは貴方ですよ、ハラバリーさん」「バッリバ~」

「それじゃあドオー!!」「ドンオ~」

 

・いやこれは

・ナンジャモ対策セットやんけ

・アイリス:ホント毎回出て来るもんねナンジャモちゃん相手に

・ナンジャモ:もう食傷気味だよ

・というかもしかしてだけど、ナモ公とコラボする切っ掛けってこの子じゃね?

・えっ何それエモい。

・エモい

・なんかおっさんの声でエモンガの鳴き声が再生されるんだが

 

『3、2、1……BATTLE START!!』

「先手必勝、ドオーマッドショット!!」

「ド~……オオオオオオッ!!!!」

「光の壁!!」

「バ~リリリ~、バババリッ……リリ~」

 

勢い良く発射される泥の弾丸、それを前にしてもハラバリーは一切動じずに光の壁を展開。特殊技であるマッドショットは半減されつつもハラバリーに直撃する、効果抜群と言っても光の壁の力でダメージは半減、実質的に等倍に軽減されてしまった。

 

「それなら欠伸だ!!」

「ド~……」

「ハイパーボイスだ」

「スゥゥゥ~……ババババッババババリリリリリリアララララ!!!!

「ああああああっ鼓膜がぁぁぁぁぁ!?」「ドオオオオッ!?」

「更に、怪電波」

グモグモモモモ~グッモッモ~!!!

「いやあああああ鳥肌ぁぁぁぁぁ!!?」「ドオオオオオッ!!?」

 

・ギャアアアアアア!!!?

・お、音量下げなきゃあああああ!!!!?

・いやああああああああ!!!?

・ナンジャモ:咄嗟に下げて正解だった

・キバナ:全くだ

・アイリス:ふぅ危なかった

・なんで間に合うんだよ!?

・音でせめるなおとでぇぇ!?

 

「ド、ドオー、ヘドロウェーブ!!」

「ドンオオオオ!!」

 

音で攻め立てられる中で必死で起こす毒の波、だがそれは明らかに勢いが弱くスピードもない。特攻ががくっと下がっている影響だろう、ハラバリーはそれを自分の身体を縮ませてから伸ばすように跳躍してそれを回避する。

 

・おおッすげぇジャンプ力だ

・というか弾力繊維?

・あんな避け方あるんだな

・ナンジャモ:ポケモンの身体のあれこれもバトルには応用できるからね、サンダースの棘とか

・ああ成程わかりやすい、ナモ公にしては

・ナンジャモ:一言余計だなぁっ!?

 

「貯水ドオーはハラバリーさんに強い、だが決してハラバリーさんが勝てない訳じゃないという事をよく覚えておくといい、アシッドボム!!」

 

・うっわぁお、特殊面がガッタガタになった……

・ハラバリーの電気に変えるも全く使えないのによく立ち回るなぁ……

・これがヌシのバトル……

・しかも、これ多分全然本気じゃないね?

・キバナ:半分も出してねぇだろうな

・アイリス:同感。

 

「というわけでとどめのマッドショット!!」

「グモモモ~バッリ~!!!」

 

発射された無数の泥の弾丸。それはドオーへと炸裂すると大爆発を引き起こしてドオーを吹き飛ばしてしまった、グラバーの足元に転がったドオーは完全に目を回して戦闘不能になっていた。

 

『ドオー戦闘不能!!ハラバリーの勝ち!!』

「ドオー、よくやったな、ゆっくり休んでくれ」

 

油断などはしていなかった。だが慢心はあったのかもしれない、ドオーならばハラバリーにも有利に戦えると……だが結果は全く違った。一方的な翻弄、そして敗北、だが次はそうはいかない……次は一緒にパルデアを駆けまわったこいつだ。

 

「次はモトトカゲ、君で行くぞ!!」

「カゲゲカッゲト~!!!」

「それでは、此方も交代でムウマージさん行きましょう」

「ムウゥ~♪」

『NEXT BATTLE ムウマージ VS モトトカゲ!!』

 

・キバナ:おっ元気があっていいな、まだまだ気持ちで負けてないな?

・ナンジャモ:こういう相手は戦ってて気分いいよね

・センリ:うむ、やるならこういう相手とやりたいという希望はあるな。

・勢いある方がやっぱりやりがいある系ですか

・アイリス:そりゃだってさ、諦めムードとかの相手と戦いたい?

・さらに絶望させてやりたいからYES

・鬼がいるぞ。

・だってその顔が一番美しいじゃないか

 

『3、2、1……BATTLE START!!』

「よしギアチェンジ!!」

「甘える」

「ムゥゥゥゥゥ♡」

「カ、カゲェ・・・・・///」

「照れて技出すの止めるなぁ?!」

 

・あ~あ、完全にメロメロだありゃ

・寧ろあれ甘えるじゃなくてメロメロなのでは?

・Mr.M:結婚したい

・いい加減にしとけよお前

・一回刺されろ

 

「怖い顔」

「ムゥゥゥゥゥゥッ♡マアアアアアアァァァァッ!!!!

「モカゲエエエエッ!!!?」

 

愛らしさ全開の甘えるから一転しての超至近距離からのバイオレンスホラー顔負けの怖い顔にモトトカゲはビックリを通り越して顔面蒼白になってガタガタと震え始めてしまった。これが感情のギャップによる相乗効果である。

 

「パワージェム!!」

「モトトカゲ来るぞ!!とにかく逃げ回るんだ!!」

「カ、カゲェェェェェッ!!!」

 

・モトトカゲちゃんと指示聞けてるって事は冷静さはあるって事か

・キバナ:いやあれは冷静って言わねぇ、逃げていいって言われてがむしゃらになってるだけだ

・アイリス:もう恐怖に支配されちゃってるね……余程怖かったんだね

・甘えると怖い顔ッてこんなにヤバイコンボになるの……?

・Mr.M想像してみな、お前にメロメロだったカワイ子ちゃんが豹変して怖い顔してきたの

・Mr.M:……結婚したい

・なんでや!!?

 

身体から光の宝石を生み出し、それを砲台のようにして光線を発射するムウマージから必死に逃げ出しているモトトカゲ、それでもバトルフィールドから出ない辺りバトルへの気持ちは途切れていないのはいい育て方をしている。いい関係を築けている良い証拠にもなっている。

 

「モトトカゲ確り!!ナンジャモさんのムウマージには勝てたじゃないか、俺達なら勝てる!!」

「カ~……ゲッ!!ゲェェ~!!!」

「ムゥッ!?」

 

グラバーの言葉で奮起したのか急ブレーキを掛けて反転、そのままムウマージへと突撃する。先程まであんなに怯えていたのに反撃に驚いたのかムウマージは動きを止めてしまった。

 

「今だっドラゴンクロー!!」

「焦るなムウマージ!!」

 

・ど、どっちが先に炸裂する!?

・ムウマ、いやモトトカゲだ!!

・これは良い感じに入ったんじゃないか!?

・やるじゃないかグラバー君!!

・メリッサ:Oh!!これは急所、デスネ!!

・おおっじゃあ大ダメージだ!!

 

「ムウマージ!!」

「今だ、畳み掛けろ一撃必殺、ドラゴンダイブ!!」

「モットオオオオ!!!」

「―――痛み分け」

「ムウウウウッ、ムウゥ♪」

「カ、ゲェェッ……!?」

 

ドラゴンダイブを放とうとしていたモトトカゲは突然動きを殺してしまった、赤黒い光が自分を取り囲むと全身に痛みと力が抜けていく感覚が突き抜けて来る。ダメージは一切受けていなかったはずなのに……と顔を上げるとそこには元気いっぱいのムウマージの姿があった。

 

「し、しまった痛み分けでダメージを押し付けられた!?」

「それでは改めて、パワージェム!!」

 

・ああっ動けない所に……

・これは、戦闘不能だなぁ……

・結構いい線行ってたけど、ヌシの方が何枚も上手かぁ……

・ナンジャモ:う~んこれは参考になった

・ナモ公がパクろうとしてます!!

・ナンジャモ:パ、パクリ違う!!リスペクトだよリスペクト!!

 

『モトトカゲ戦闘不能!!ムウマージの勝ち!!BATTLE OVER!!ボウルタウンのラビの勝利となります!!CONGRATULATIONS!!今回の勝敗によってPWCSのランキング変動を行います、専用アプリにて確認出来ますのでどうぞご確認ください!!それでは次回のバトルまでSee you again!!!』

                 

去っていくドローンロトムを見送ってグラバーへと手を差し伸べる。

 

「ナンジャモさんに勝てないと言っていた貴方が此処まで来た。貴方はまだまだ強くなれます、どうぞまた挑みに来てください」

「―――はい、泣きそうだったけど引っ込みました!!今度は俺の相棒のエクスレッグと一緒に挑み来ます!!それじゃあポケモンセンターに行きますので失礼します!!」

 

固い握手をしてから足早に駆けていくグラバー、引っ込んだと言っていたが去り際に一滴の涙がきらりと光った。悔しかった筈だ、だがそれを押し殺して前に進もうとしていた、きっと強くなる事だろう。そう思いつつも配信を切るとサザレが労いの言葉を掛けてくれながらも近づいてきた。

 

「お疲れ様、だけどちょっと意地悪いバトルだったんじゃない?」

「そうでもないさ、得意ばかりを押し続けても勝てないのがバトルだ。これで分かっただろうし……強くなっていくと思うぞ」

「フフフッ、また来てくれたら良いね。その時は相棒対決でもするの?」

「さあそれはどうでしょう」

「意地悪なんだから」

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