週刊エンジョイポケモン放送局   作:魔女っ子アルト姫

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エンジョイ:剣舞オノノクス

「もういい、戻れ」

 

ボールのビームが放たれた、それよりも前にそのポケモンは動きを止めた。自分の指示には何時だって忠実、その癖に凶暴性で言えばアーマーガアですら勝てない程恐ろしい。事実、戻された事で死角になっていたアーマーガアが見えたが地に翼を下ろすように倒れているのが良い証拠。

 

「大丈夫かアーマーガア、お前さんも懲りないな。あいつに勝てない事は分かってたんだろ」

「……ガアアア!!」

「分かってるよ。男として強い相手に勝ちたいんだろ、それは分かってるし否定する気もないから安心しろ……だけどそのダメージを毎回ジョーイさんに説明する俺の身にもなってくれない?」

「ガァア!」

「ああはい、言う事聞く気皆無なのね。はいはい分かりました……取り合えずお前もセンターに連れて行くからさっさと戻れ」

「ガァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ……

 

アーマーガアを戻しながらも先に戻したモンスターボールを見る。良くも悪くもこのポケモンこそが自分の最高戦力の一角。だが兎に角バトルで使うと強すぎる、相手を文字通りの戦闘不能状態にするまでバトルをやめない、これはアーマーガアのように戦闘が好きだからという事ではない。何方かと言えばイダイナキバのそれに近い。

 

「パラドックスポケモンに真正面からぶつかれるとしたらお前さんだな……よし、連れて行くか」

 

アーマーガア、クレベースに次いでの三匹目としてエリアゼロ突入メンバーの選抜として決定はする、が……もう少し自分に心を開いてほしいなぁという思いがある。いや十分に懐いてくれている事は分かっているのだが……どうにも忠義というか臣下というべきか……そちら方面の信頼の寄せ方しかしてくれない。

 

「アブソルさん、みたいなのは困るが……それでも仲良くしたいんだがなぁ……」

 

 

「皆さんこんにちは、今日もポケモン育ててますか?まだまだな貴方もこれからの貴方も、此処をきっかけに一歩踏み出して行きましょう。本日ご紹介するポケモンさんは此方」

「……」

「オノノクスです、すみません皆さん不愛想です。ほら御挨拶」

「……ノス」

 

 

・わああああああああ!!!?!

・オノノクスだぁぁぁぁぁ!!!?

・火力お化けだぁぁぁあ!!!?

・い、いやちょっと待て、黒いオノノクスぅ!!?

・色違いだぁぁぁぁ!!?

 

「はい、色違いです。本来のカラーは鎧のような皮膚の部分が金色なんですがその部分が黒くなってます」

 

・いやカッコよ!?

・マジで漆黒のブラックドラゴンとか最高かよ!!!

・被ってんぞ

・ええいこまけぇ事は良いんだよ!!

・そうだブラックドラゴンサイコー!!

・あ、あれなんか違和感が……

・あれ、左の牙が……?

 

「はい。私のオノノクスは色違いなんですが……オノンドの時にポケモンハンターに狙われ牙を折られてしまったんです、その時に私が偶然見つけまして、ポケモンハンターをなんとか撃退して彼をポケモンセンターに連れて行き、その時の縁で私のポケモンになりました」

 

・ひっでぇ……

・色違いか……俺達からすれば珍しくて幸運の象徴みたいなもんだけど違うのか

・ポケモンにとっては一匹だけ肌の色とかが全く違う訳だしな……

・しっかし許せねぇなハンターの奴!!!

 

「その時は何とかなったんですが、残念ながらオノンドさんの時に牙が折れてしまうと二度と生え変わる事はありません。ですので今、オノノクスの状態でも牙の片方はこのようになっています。と言っても彼は既にこの事を完全に乗り越えています、寧ろ牙が一つになっただけそちらにエネルギーを収束させて大技を繰り出すようになったので普通のオノノクスさんよりもやべぇ事になってます」

 

・ええっ……

・なんじゃあそれ

・主のポケモンって一癖も二癖もあり過ぎじゃね?

・全然苦にしてないのね

・というか仮にしてたら紹介しなくね?

 

「私はそこまで畜生じゃないですよ。さて、オノノクスと言えばこの斧のような牙ですがこの牙の鋭さと頑強さは凄まじいの一言、あのギルガルドさんの剣の鋭さにも負けません。鋼鉄の柱をいとも簡単に切り裂ける破壊力と一切刃こぼれしない頑丈さを兼ね備えているんです。加えて手入れも欠かさず、研ぎを行ったり土を舐めてミネラル分を補給したりもします」

 

・ギルガルド級とかこっわ。

・流石ドラゴンタイプ屈指のパワーファイター……。

・そりゃあの強さも納得だわ。

 

「そんなオノノクスの特性は闘争心、型破り、夢特性が緊張感です」

 

・闘争心と型破りはもう知ってるな。

・この型破りオノノクスがやべぇのなんの……。

・マジで怖いんだよなぁ……。

・だけど緊張感?プレッシャーみたいなもんか?

・確かに圧力あるもんなぁ……。

 

「緊張感は言ってしまえば木の実を食べる事が出来なくする特性です。体力回復の為のオボンの実、状態異常回復の為のラムの実と言った木の実を持たせても使用できなくするという物です。言ってしまえば睨みを利かせて食えると思うなよ?って威圧してるみたいな感じです」

 

・ヤクザかよ!?

・いやこわ、シンプルにこわ!?

・打開の一手である木の実封じるとか鬼か!?

・全部が超攻撃的じゃねえか……

・こっわ……。

 

「そんなオノノクスの強みと言えばその攻撃力の高さ、メガシンカポケモンを除けば一般ポケモンでは他の追随を許しません。素早さも中々なのですが他の強力なドラゴンポケモンであるカイリューさんやガブリアスさんに比べてるとやや物足りなさこそありますが、それすら気にならなくなるほどの超火力ドラゴンがオノノクスです」

 

・そうそう、これが怖いんだお

・オノノクスと言えば火力の高さだお

・本当に怖いんだお

・具体的にどんなところが怖いんだお?

・なにこの語尾。

・誤字なのにはずい。

 

「ご存じの通り、型破りのオノノクスは相手の特性を気にする事もなく遠慮なく自分の火力をぶち込めます。相手の特性を無視できます、分かりやすい所だと化けの皮だろうが攻撃出来る為に極めて優れたアタッカーと言えます」

 

・いやぁ怖いでしょ。

・いや~怖いですね~

・マジで怖いわ。

・型破りのドリュウズみたいなもんか

・あれよりこええぞ。

 

「型破りといえば以前紹介したドリュウズさんがいますが、オノノクスの恐ろしさは技範囲の広さです。苦手とするフェアリータイプはアイアンヘッド、鋼タイプの対策に地震やインファイト、シャドークローなども覚えますので満遍なく自身の攻撃力を活かすことが出来ます。更に素早さについても龍の舞を覚える上に攻撃しながらも自身の素早さを上げる事の出来るスケイルショットを覚える事も出来ますから、耐久面が少し不安かな位しかありません」

 

・いや、甘く見てました。怖い!!

・実際オノノクスさんは怖いよ。

・対面したら一番怖いドラゴンだもん。

・他はまだ何とかなるんだ。

・でもオノノクスはマジで対応ミスったらパーティ全部持って行かれる。

 

「私は剣の舞をしながら火力を確保し、スケイルショットで素早さを上げながら攻撃すると言った事をしますね。耐久の方は壁を展開しておけば何とかなりますから気にすることなく火力を押し付けます。更に型破りですから頑丈を貫通してハサミギロチンで一撃必殺!!も狙えます」

 

・剣舞まで覚えんのこいつ!?

・いやどうやって止めるんだよ!!?しかもスケイルショットもえぐい威力になるだろ!?

・うっわ~……それで相手絶望するんだろうなぁ……

・目を回して動けないポケモン、それを見て血の気が引けて呆然とするトレーナー

・……そそる。ちょっと育てて来る。

・うぉい不穏すぎるぞお前!!?

 

「此処まで恐ろし気な事を言いましたが、オノノクスの性格自体は温厚そのものです。縄張りに入ったとしても荒らさない限り大丈夫です、フライゴンさんほどではありませんが育てやすいドラゴンタイプでもあります。但し、勝手に牙に触られる事は嫌がるので注意を」

 

・大人しいのか……。

・外敵には容赦がないタイプか。

・でも、キバゴとかかわいいんだよなぁ……怖いけど育てたいなぁ……

・う~ん頼もしい事は間違いないだろうしな。

・オノノクスをどう生かすかは他でも通用しそうだな。

 

 

配信を切ってオノノクスの方へと目をやると少しだけ、笑っている感じがした。だが直ぐに自分に頭を下げて自分からボールの中へと戻って行ってしまった。

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