「切り伏せろオノノクス、ドラゴンクロー!!」
「ノォオオオオオッ!!クスゥ!!」
「セグレイブ、巨剣突撃!!」
「グレエエエエエ!!」
バトルフィールドに木霊するポケモンの雄たけびとトレーナーの指示、その元を辿ってみればラビと四天王のハッサクがバトルを行っていた。フィールドに出ているのはオノノクスとセグレイブ、両者の一撃がぶつかり合う。互いの技のエネルギーが干渉し合い、大爆発を引き起こす。爆煙が上がる中で苦悶の声と共にセグレイブが弾き飛ばされた。
「セグレイブ!!?」
「ノォオオオオァアァァァ!!!」
煙を突き破るかのように迫ってきたオノノクス、自分の牙は一つしかない。だがその程度で勝てると思われるのは心外だと言わんばかりのドラゴンクローがセグレイブへと炸裂する。ドラゴンタイプにドラゴンタイプの技は効果抜群、だがそれでは説明がつかない程にセグレイブは吹き飛び、壁へと叩きつけられてしまった。
「ァァァァア!!!」
叩きつけられ、既に動けなくなっているセグレイブへと向かって行くオノノクス。その目には確かな敵意と闘志が未だに灯り続けている。彼の中ではまだバトルは終わっていない。
「なっ!?待ちなさいセグレイブは既に―――!!」
「大丈夫です」
オノノクスを止めようとするハッサクをラビが止める、オノノクスの目は血走っていて最早正気とは思えぬ程の威圧感を放っている。それを大丈夫とは思えなかった、がセグレイブの下へと到達する前に壁から離れて地面へとその巨体が墜ちた。そしてオノノクスはセグレイブの様子を確認し、完全に目を回して戦闘不能状態である事を確認すると牙の刃を収めてラビの元へと戻った。
「大丈夫だったでしょう?」
「お、驚きました……貴方の言っていましたオノノクスの問題点とはこういった所なのですね」
「ええ。こいつにとってのバトルの終わりとは相手が完全な戦闘不能状態を指す、だからバトルに出すと必ず自分で確認しないと刃を収めません」
戻ってきたオノノクス、その瞳にはアーマーガアのような興奮もなければ勝利への喜びもない。唯々ラビへと戦果を報告をしている。
「よくやったなオノノクス、四天王のハッサクさんのセグレイブ相手にこれだ。流石だ」
「―――オノ……」
その言葉を受けて漸くオノノクスの瞳にも喜びの色が現れる。そして静かに頭を下げると自分からボールへと戻っていった。バッグから体力回復の為の木の実を多めに出してセグレイブへと差し出す。
「さあどうぞ食べてください、今回はバトルして下さって有難う御座いました」
「レイブ、グレレイイブ!!」
「これはどうも、セグレイブはまた戦わせてほしいそうですね。負けているのは嫌だそうです」
「ハハッはい、時間が合えばお相手させて頂きます」
その答えを聞いて満足したのかセグレイブは木の実を食べ始めた。今回バトルしたのは配信を見たハッサクが都合があれば是非オノノクスを見せて欲しいと言われたから、それとラビ自身もオノノクスの事を相談したかったからである。
「しかし凄まじい強さでした、侮っていた訳ではありませんがいうなれば片牙ですので戦闘能力はいかほどなのかと思いはしましたが……そんな事を思っている余裕などありませんでした」
「そう言われると嬉しい限りですけど、こういったバトルスタイルなのでちょっと困っちゃうことも多くて」
「フム……確かに、相手の戦闘不能を確認するまで戦うというのは少々過激ですね……詳しくお話を聞かせて頂いても宜しいですか?」
「勿論です、今のままでもいいですけど俺はこのままでいいのかとも思いまして今回は相談を……」
「皆さんこんにちは、今日もポケモン育ててますか?まだまだな貴方もこれからの貴方も、此処をきっかけに一歩踏み出して行きましょう。本日ご紹介するポケモンさんは此方」
「ババババババリリリリリリ」
「ハラバリーさんです、ってまだ食べてるんですか?カメラを回す前に食べきってくださいって言ったじゃないですかってあああ丸呑みしちゃった……」
| ・おっハラバリー!! ・ナンジャモのオキニ!! ・ドンナモンジャTVだとマスコット的な存在だよなぁ ・可愛いよな。 ・にしても意外なチョイスだな |
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「ハラバリーさんは電気単タイプです。っとはいえ実はナンジャモさんにハラバリーの新しい可能性を開拓したいけど参考の為に教えて欲しいとお願いを受けまして、そこで私の配信でご紹介する運びとなりました」
| ・流石ナンジャモwww ・人に考えさせるのかwww ・いやこれで来場者増えるならお互いにメリットあるのでは? ・本当に参考の為で御座るかぁ~? ・にしてもナンジャモと仲良いんだな |
|---|
「私からすれば配信者として遥か上の存在で先輩ですからね、敬意を払っています。さて、ハラバリーさんはナンジャモさんの相棒としても有名ですね。頭の所にある目のようなものは放電を行う為の器官です、本当の顔は此処の真ん中にある此処です。このコブから身体が伸び縮みする度にお腹のへそダイナモで発電した電気を放電出来ます」
| ・すっげぇボヨンボヨンしておられる。 ・これで発電してるのか。 ・これで結構早いからビビるんだよなぁ。 |
|---|
「さてそんなハラバリーさんの特性は電気に変えると静電気、そして夢特性が湿り気ですね。静電気は皆さんご存じ、直接攻撃してきた相手を一定確率で麻痺にする特性で湿り気は自爆や大爆発といった技を出来なくするものです。そして矢張りというべきかハラバリーさんと言えば電気に変えるですね。これは攻撃を受けると充電を行った状態になるという面白い物です」
| ・じゅ、充電? ・電気タイプなら当たり前、じゃね? ・直ぐに電気が打てるって事? |
|---|
「いえ、この場合の充電はポケモンの技です。電気タイプの技には充電という技があり、これを使うと次に使う電気タイプの技の威力を倍増させ、特防を上げることが出来ます。ハラバリーさんの特性の場合はこの威力倍増を行えるんです。ですので一撃を耐えて充電し、返しの反撃の大ダメージ!!という事が出来るポケモンです」
| ・あ~成程!! ・えっ面白!? ・流石ナンジャモの相棒だぜ!! ・なお切り札はムウマージな模様。 ・あれはジムリーダーとしての切り札みたいなもんだから良いじゃねえか。 |
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「ハラバリーさんは攻撃面も中々あります、どの位かと言えば……そうですね……特防方面に特化育成したキョジオーンさんに充電状態且つ電気テラスタルで10万ボルトを放ったら一撃で持って行ける位といえば伝わるかな……いや分かりづらいかな?」
| ・十分やべぇじゃねえか!? ・何処が中々だよ!!? ・世間一般じゃキョジオーン一撃はやばいって言うんだよ!! ・電気テラスタルもいるとしてもとんでもねぇ火力だ……。 ・つうかそのデータもどっから仕入れてるんだ……? |
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「こういう特性ですので攻撃兼回復技でもあるパラボラチャージを撃つと雷と同程度の威力で体力を回復できる技になるのでとんでもないタフネスを発揮する事になります、加えて自前で怠けるという回復技も覚えるので素早いポケモンが多い印象の電気タイプには珍しい耐久自慢なポケモンさんになります」
| ・言われてみればスピード自慢が多い印象…… ・サンダースとか ・ライチュウとか ・デデンネとか ・いやあの腎臓は違うだろ。 ・腎臓……? ・横から見たらそう見えるじゃん。 ・どういう発想だよwwww |
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「と言っても矢張り地面タイプには弱いという電気タイプの悩みもありますが、水タイプの技も確りと覚えます。水の波動や冷や水、少々威力には難がありますので何だったら水浸しも覚えます。水浸しは相手を一時的に水タイプに変えてしまうという技ですので、地面タイプの電気無効を逆に封じ込めつつ、此方を有利にする事も強引ですが可能です」
| ・は~凄いじゃん ・う~む地面でいけば勝てると思ったのに難しいか…… ・おっナンジャモの突破に苦労トレーナーが居るぞ。 ・モトトカゲとドオー連れてけwww ・それで負けてんだよ!!アローラライチュウの瓦割りでモトトカゲが倒されたわ!! |
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「更にボルトチェンジも覚えますから、一度攻撃を受けてからパワーアップしてボルトチェンジを繰り出して大ダメージを与えつつ他のパーティメンバーを無償降臨させて突破する事も可能です。他にも相手の特防を下げるアシッドボムも覚えるのでハラバリーさんだけで相手のパーティをガタガタにして半壊させてしまう事も可能な凄いポケモンさんです」
「(ガツガツムシャムシャガツガツムシャムシャガツガツムシャムシャ)……バリバリ?」
「……アンタまだ食うか」
| ・凄い、凄い、けど……www ・超マイペースwwww ・スゲェ勢いで木の実食ってやがるwwww ・本当に凄いんだろうなぁお前wwww ・面白いwwww |
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「実はハラバリーさんを育てる上で一番大変なのがこの性格なんです。ハラバリーさんは温厚且つ暢気な性格でして育てる事自体は簡単なんです、が言うなればヤドンさんタイプな性格をしていて攻撃されるまで相手の敵意に気づかなかったりのんびりしているんです。ですので攻撃を受けなくてもバトルにやる気を出してくれるように育てるのが難しいポケモンさんなのです」
| ・確かにヤドン味を感じる……。 ・ぬぼぉ……としてるもんな。 ・でも耐久型としてはこの性格は良いんじゃないか? ・あ~そういう考え方もあるな。 ・なんだろうこの感じ、前もこの配信で見た気が…… |
|---|
「あ~もしかして……」
「ヤドラン……?」
「そうそうヤドランさん……ってなんで勝手に出て来るんですか」
| ・そうか此処のヤドランか!! ・ホント、雰囲気似てるわぁ ・確かにこれは同じタイプですわ ・あっハラバリーさんがヤドランの方へ |
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「バリ」
「ヤド……?」
「ババリ?」
「ヤァ……」
「ババリ、バア?」
「ヤド、ラン……?」
「ババ、グモ、リリバ?」
「ヤァ?ヤァ……ドラ、ラン?」
「グモグモグモー?ババリバリ???」
「ヤァ???ヤドラン……???」
「いや、会話成立してますそれ?」
| ・なんかわからないけど和むわwwww ・なんか頭の中が空っぽになる様な光景だwww ・現代社会に頭を空に出来る時が来るなんてwww ・もう互いが互いに何の話してるのかさえ分かってなさそうwww ・あ~脳がとけりゅ~ |
|---|
何が何だか分からないが好評だったみたいなので15分程度そのままハラバリーとヤドランの様子を配信し続けたのちに配信は切った、のだが。
『ラビ氏~!!あれ、動画にしてあげちゃおうよ!!絶対に人気出るよ!!』
「えっ需要あるんですかあれ?」
『あるあるありまくりだよ!!』
「そ、そこまで言うなら……」
というナンジャモからの助言もあってハラバリーとヤドランが延々と頭にハテナを浮かべながら会話をしている動画を初めての動画としてアップした結果……とんでもない再生数を叩き出した上にトレンド入りまでしてしまい、ラビは呆然とするのであった。
「なんでこうなったんでしょうね……?」
「バリバリ?」
「ヤドラン?」
と、共に首を傾げる姿があった。