「「あ、あのラビさん……」」
「何かな問題児コンビ」
「「ど、どういう事なんですかこれ……」」
「見ての通りだよ」
文字通りの電撃参戦から三日が経った。オモダカの情報操作によって目撃された超高速飛翔体は以前も目撃情報のあった黒いレックウザという事になり、無事にそれらが浸透していった。そんな毎日の中でもトウ2コンビは自分のポケモンの相手をし続けていたのであった。最初こそ異様なまでにバトルへと熱を上げるポケモンに困惑こそすれど、なんとか適応し始めて行ったときの事……呼んでいた客人がやって来た。顔を真っ青にしているトウ2コンビをしり目にラビは抜け抜けと言ってのける。
「だって前以て言っちゃったらもうさ、色々と覚悟というか準備出来ちゃうじゃん」
「させて、くださいよぉ……!!」
「そうもいかない、端的に言ってお前たちのやった事はテロに準ずるともとれちゃうんだから。それを俺の裁量権を使って内々に済ませたんだからこの程度は受け入れてくれないと」
それを言われたら何も言えなくなるというか自分達の行動がテロ的な行いだったの!?という驚愕に染まっている顔をしている、それを見たひとりが静かに額に青筋を立てた。
「ほぅ……他地方に無断で侵入した挙句、その地方の特別指定保護区、言うなれば国立公園でそこは特に厳重に景観の維持と生態系を保護する必要があるエリアなんだけどなぁ……この辺りは旅に出る前の講習とか注意喚起出も確りと言われてると思うんだけどなぁ……僕の勘違いかな、君達も僕と一緒に確りと受けたよねぇ……!?」
「あ、あのその……」
「か、顔が怖いよチェレン……?」
「そういう類の事をしたんだよこの大馬鹿兄妹ぃ!!!!」
大声を張り上げながらも青筋を更に立てながら説教を展開するのは二人の幼馴染兼現在はイッシュでジムリーダーの一角を担っているチェレン。トウヤとトウコとは小さい時からの付き合いであり旅も出る時には一緒だった。当然ラビも顔見知り、というか一時的に帰って来た時に旅の注意事項を指導した事もあるし何だったらその時に保護区関連の注意事項も言っている。
「いやはや……まさかこんな事をしちまうとはなぁ……流石のワシもフォローしきれんよこればっかりは、チェレンの言うとおりに確りと反省するように」
「というか既に最大限のフォローをラビさんがしてくれてるようなもんだからね……大事にしなかっただけで本当に凄い譲歩されたようなもんだよ」
説教をするチェレンを見守るのはトウヤに敗北した事でチャンピオンの座から降りようとしたのだが、肝心のトウヤと準優勝のトウコさえもリーグ終了直後にチャンピオンを辞退してNの捜索に移ってしまったが故にチャンピオンを続投せざるを得なくなったが、今ではちゃんと引退して寺子屋で子供にポケモンとの付き合い方を教えているアデクと現チャンピオンのアイリスであった。
「ホント、何やってんだよトウヤ兄ちゃんにトウコ姉ちゃん……」
「本当に一回はチャンピオンまで行ったのかなぁ……?」
一緒に付いて来ているのはそれだけではなく、何とキョウヘイとメイまでもがやってきている。メイは女優として忙しい筈だが、スケジュール的な余裕があったので来てくれたらしい。キョウヘイは会合があったはずなのだが……親戚の不祥事があったと聞いて、全力で仕事を片付けて駆けつけて来た。
「そう言ってやるな、それを言ったら俺も正直な事を言えば二人とはどっこいどっこいだ」
「でもラビさんは他の地方にポケモンリーグの常連且つ他のチャンピオンをあと一歩のところまで追い込んだりもしてるじゃないですか、実績的にはいい勝負ですよ」
「まあこの状況になってしまったらチャンピオン云々なんて何の意味もない称号にしかなりませんからどうでもいいですけどね」
「流石キョウヘイ、ドライだな」
「経営者は義理人情だけじゃやってられませんから」
肩を竦めながらもキョウヘイは現実的な意見を口にする、そしてそれは親戚にも適用される。
「Nさんとの話は聞いた事あるし二人が必死に探してるのは俺も知ってる、だけどさなんでラビさんが一緒にいるってこと認識出来なかった訳?いるって分かってたらもっと穏便且つスムーズにいったじゃん」
「そ、それはその……」
「目前の利益につられたって奴?だとしたら二人は本当に愚かな事をしたよ、分かる?この状況を作ったのは二人な訳なんだよ。相手がラビさんだったからセーフ、じゃないんだよラビさんでも普通にアウトなのにこの人は知り合いだからと二人の事情を情状酌量の余地ありって事にして二人の事を見逃してくれてる訳なのに理解してるの?これがもしも二人のお父さんお母さんに知られたらこれの比じゃない位には怒られるの理解してるのかな」
「本当そうだよね、トウヤお兄ちゃんとトウコお姉ちゃんラビさんの事を尊敬してるって言ったのは嘘だったのかなぁ~……まあ嘘だったんだろうね、じゃなかったらこんな不敬で迷惑極まりないような事なんて絶対できないもんね~迷惑かけるだけじゃなくてラビさんの、ポケモンを問答無用でぶっ飛ばして、ラビさんの家の、バトルフィールドのバリアをオーバーロードさせて、本当にさ―――何やってんの、冗談抜きでさ」
「「ッ……」」
「う~む流石今売り出し中の大人気女優……凄まじい殺気と威圧感じゃ」
「いやぁあの状態のメイちゃんには近づきたくないなぁ……」
それには同感だ、というか我ながら10年間待たせた割には自分は懐かれているなぁ……という事を再実感したラビであった。そんな説教がチェレンのそれに追加される。怒りを必死で抑えつつも、幼馴染の愚行に怒りながら説教するチェレン、理路整然としながらも的確に今の二人の状況を説明して理解させていくキョウヘイの説教、そして感情と二人の内面を遠慮なく容赦なく抉るような言葉を女優のスキルフル活用で振るうメイという三方向からの説教が展開される。それを見てアララという言葉を零すのはアララギ博士。この人まで来たのか、とラビは思った。
「これは私からのお小言は無用みたいね、あの三人に任せちゃいましょうか」
「アンタまで来て大丈夫なのか研究所は」
「大丈夫、いい機会だからベルに任せてあるわ」
「大丈夫なのか?帰ったら研究所が散らかってても知らんぞ」
「大丈夫―――じゃないかも……マズいいきなり不安になってきた……」
いわんこっちゃない……ベルもトウヤトウコの幼馴染なのだがマイペースでお調子者なドジっ子、だが芯は確りとしておりポケモンの事を考えて行動が出来る。現在はアララギ研究所の研究助手を務めている。キョウヘイとメイにポケモンを渡したのもベルだったりする。
「ンで来た理由は?」
「勿論―――イッシュ神話の三龍を見る為に決まってるじゃない!!!」
「だと思ったわ、だけど一応アンタだってイッシュのポケモン学の権威なんだからあいつらに説教はしてやってくれ、でないとなんで来たんだよって言われかねんぞ」
「それもそうね……と言ってもそういうのは苦手なのよねぇ……」
「あっラビさん私も三龍見たい~!!」
「あ~Nさんに許可とらんと流石になぁ……」
三龍は閉鎖中のバトルフィールドに居る、レシラムとゼクロムがいる関係でキュレムの冷気による気温変動は起きないのでキュレムも久々に外でくつろいでいるのだが、どうやら途中でバトルを中断されてしまったレシラムは納得が行っていないのかバトルをしろ!!と言ってきているらしいのだが……一方のゼクロムは本当に申し訳なかった……と土下座してきた。トレーナーよりもずっと確りしていて思わず笑いそうになった。その代わりに家備え付けの非常時稼働用の大容量バッテリーに充電をお願いしたら二つ返事でOKを返してくれた。そして僅か10秒でバッテリーが満充電になって、ゼクロムはえっ本当にこれだけでいいの?まだ何もしてないような……みたいな顔をされた。本当にこいつは伝説のポケモンなのか、と思ってしまった。
「Nさん、博士がレシラム達に会いたいそうなんですけどどうします?」
「最終決定権は君だよ、ボクはそれに従うさ」
ラビの過去編に需要はありますか?
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さっさと次書け