「こりゃ話には聞いてやしたが随分とド派手にやったみたいでやんすね、どんなポケモンが外部から力を加えたんでやすか?」
「知りたいですか?」
「知りたいでやすねぇ、技術者としてこれほどのパワーを持つポケモンを完全に防ぐバリアを作りたいのと一ポケモントレーナーとしてどんなポケモンがこんな事をしたのかを」
「……本当に、知りたいですか?」
「あっやっぱり遠慮するでがす、藪からアーボックはごめんでやす」
訂正しつつも改めて皆に気合を入れて仕事するぞ~と声を掛ける責任者、イッシュ三龍が自宅に集うというとんでもイベントが漸く終わり、バトルフィールドのバリア装置に手が入る事になった。漸く家の前に建てた『諸事情によってバトル出来ません、申し訳ありません』という看板を撤去出来る……溜息と嘆きの声が聞こえてくるのは割かし鬱陶しいのだ。
「んっアンテナも持ってくのかい?」
「ええ、上からのご指示で何だったら全交換にしようという事になりやしてね。如何やら上役は今回の事に関する全てを徹底的に洗い出したいらしいんでがす。ああ、お金の事なら心配しないでください。料金は最初にお伝えした通りで問題ないでがす」
「ならいいんですけど……」
「大丈夫でがす、超特急でだけど扱いと調整は繊細丁寧にが家のモットーでがす!!テメェら気合入れてやるでがす!!」
『うぃ~す!!!』
そう言えば増築の際にも一から作ったのに僅か三日で完成した事を思い出した、工事などにはポケモンも参加していてダイオウドウやローブシンと言った自分も持っているポケモンが基礎工事をあっという間に終わらせるとジバコイルやレアコイルといった磁気を扱えるポケモンがクレーン替わりに建材を運んでいく。改めてこの世界の建築技術は凄いと思い知らされる。そんなこんなで約2時間後……
「完了でがす!!」
「……まさか2時間程度で完了するとは」
「なぁに今回はバトルフィールド用の工事はしてないから早かったんですよ、それに装置を取り外して交換するだけならこの位でがす。さてと、これでPWCSに復帰でかすか?」
「シンプルに他所行ってバトルの相手を探せばいいんですけどね……それはそれで相手が困るかなぁって思って」
「あ~……ジムリーダーに街中で目が合ったからポケモンバトル、されるようなもんですからね。それなら会場でサメハダーの群れに襲われた方がまだマシでがすね」
「そこまで言われるのか私は」
そんなこんなで交換完了。DEFの作業員は手を振って去っていった、ついでに自分のサインと写真も持つとホクホク笑顔で帰っていった。
「さてと……規格自体は交換前と同じだけど部分部分が違うらしいな……更に高出力で発生出来るハイパワーアンテナとそれに対応可能な大容量バッテリーに交換……こんなにして貰ったのに値段半額でよかったのかな……さてと、試してみるか」
スマホロトムのアプリから機器にアクセスして早速起動させてみる。駆動音と共にアンテナが稼働してフィールドが極彩色のバリアフィールドに包まれていく。見た感じは以前と変わらないのだが……さてと、早速チェックを……
「ああそうか、皆帰ったんだっけ……」
折角だからレシラムかゼクロムにお試しをお願いしようと思ったが、トウヤとトウコはアララギ、アデク、アイリス、チェレンが連れて帰ったのだった。勿論Nも一緒にイッシュに向かって行った、折角だからもう一度最初のジムから挑み直してみるのもいいかなと呟いていたから、三人旅でジム巡りをするかもしれない。
「んじゃ……いやキュレムじゃマズいか……」
流石にプラスの要素を持っているレシラムかゼクロムがいない状態でキュレムを出すとまた気温低下を引き起こす。というかレシラムとの見極めの段階で周辺エリアのポケモン達が大移動を起こして大きな問題に繋がり掛けている、漸く戻りつつあるのにそれを乱すのはマズい……という訳なので此処は。
『それで私、という事か』
「そゆこと」
便利使いしているようで気が引けるが、一撃の破壊力という意味合いではゼクロムにも引けを取らない種族値を誇るデオキシスにお願いする事にした。まあこの世界では種族値はそこまで当てにはならないのだが……
『具体的には何をすればいい?』
「物理と特殊を交互にやってみてくれ」
『承知した、それでは最近アシレーヌ殿と手合せをして編み出した技から……』
それを聞いて真っ先に物理技か、と思う自分は可笑しいのか、それともアシレーヌが可笑しいのか……と思うラビであった。デオキシスは片腕を肥大化させるとそこにサイコパワーを纏わせていく、そして一気に加速すると思いっきりバリアを殴りつけた。アプリでバリアの状況を確認すると大きな負荷自体は受けているが許容範囲内で問題は起きていない。
『フム、中々だな』
「次は特殊だぞ」
『分かっている、ムゥゥンッ……!!!』
「おまっ……!?」
次の攻撃を指示をするとデオキシスは徐に胸の前で触手4本を構えた、その中心にエネルギーが収束して球状へと変化する。確かに特殊技を指示したが誰もサイコブーストを撃てとは言っていない!!と言おうとしたが、サイコブーストは発射されてしまった。
「うおおおおっ……!?」
爆風と衝撃波がラビにも襲い掛かるが、思った程ではなかった。加減したのか?と思ったら目の前にはダークライの姿があって防御態勢を取っていた。如何やらダークライが盾になってくれたらしい……本当に頼りになる護衛役だ。
「有難うダークライ、あれって事はお前が出て来なかったらマズい程度には威力あった……?」
「ァァァ」
YESと返してくるダークライはデオキシスが感心しているようにバリアを叩いているのを見て、大丈夫だなと判断したのか再び影の中に引っ込んでいった。感謝を抱きながらもアプリを見ると今までの問題なく対応出来ていた、過負荷も起きていない。
『フム……ノーマルフォルムでは破れんか、ではアタックフォルムで……』
「やらんでいいやらんでいい……もう十分だって」
『むっそうか、ではこの辺りで。また呼んでくれ、今度は破ってみせる』
「いや破られたら困るんだって」
そう言うも飛んでいくデオキシスを見送る事しか出来なかった。なんというか、最近アシレーヌと絡む事が多くなってから脳筋気味になっていないか?一先ずこれでバリアは使える、解除すると、今度は看板にバトル、受け付けていますという物に書き換えて指しておく。
「これで良しっと……」
「あっあのっもしかしてバトルの申し込み再開ですか!!?」
「ああ、今ちょうど申し込みを再開したところだよ」
背後からそんな声を掛けられる、看板を安定させてから振り向くとそこにはバトル希望と思われる少年がいた。そしてその少年は何処かで見た事があるような……いや絡んだ事は無い筈なので一方的に知っているだけの可能性が高い。
「ご、ご挨拶が遅れました!!僕はシューティーと言いますっイッシュ地方から来ました!!」
あ~確かに知ってる名前だわ……と納得した。サトシのイッシュ地方編のライバル枠だった少年、それがシューティー。基本を重んじるトレーナーでサトシのミジュマルがアクアジェットがブレるのを目を瞑っているせいだと指摘出来る程には観察眼は鋭い。生憎それ位しか覚えていないのがなんだか申し訳ない……まあバトルしてれば思い出すか。
「スーパーボールクラスのバトルをお願いします!!」
「良いでしょう、此方へ」
「こ、光栄です!!あのラビさんとバトルできるなんて……!!」
「まあどの話をしているのかは知りませんが、私はそれほど凄いトレーナーではありませんから」
「何を言うんですかご謙遜を!!」
妙に自分を持ち上げて来るような感じがするのだが……これはいわゆるお世辞という奴だろうか、それとも社交辞令か?なんだか落ち着かない……いや自分ではなくシューティーが。妙に浮かれている感じがしてならない。そう思っているとドローンロトムがやって来た。
『スマホロトムより互いの情報を取得。このバトルはPWCSランクバトル、スーパーボールクラス公式戦として承認されました。対戦ルールは2対2、ポケモンの交代は両者自由となります。ラビ選手 VS シューティー選手。それでは両者、最初のポケモンをフィールドへ』
「行くぞ、あのラビさんとのバトルだ。気合入れていくぞシャンデラ!!」「シャラランッ!!」
「さてと行きますか……メガヤンマさん!!」「ヤ"ァァァァンマ"ァァ……!!」
イッシュ二人目はシュータローじゃなくてシューティーです。
ラビの過去編に需要はありますか?
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さっさと次書け