週刊エンジョイポケモン放送局   作:魔女っ子アルト姫

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エンジョイ:PWCSランクバトル VS カエデ 後編

『スマホロトムより互いの情報を取得。このバトルはPWCSランクバトル、スーパーボールクラス公式戦として承認されました。対戦ルールは2対2、ポケモンの交代は両者自由となります。ラビ選手 VS カエデ選手。それでは両者、最初のポケモンをフィールドへ』

「行くわよ、ムウマージ!!」「ムウウッ!!」

「バシャーモ、アクセル全開!!」「バッシャアアアアモッ!!バシャッ!!?」

 

バトルフィールドへと飛び出したバシャーモが元気よくポーズを決めるのだが、目の前にいたカエデを見ると高速移動も真っ青なスピードで膝をつきながらもカエデを口説き始めた。

 

「えっえええっ!!?」

「……おいバシャーモ、いい加減にしねぇとマジでミミロップをアシレーヌとダイケンキ付きで嗾けるぞ」

「……シャモッ」

 

そこまで言われてバシャーモは酷く渋々と言いたげな様子でいじけたように戻っていく、それにカエデはポカンとした顔でムウマージと思わず顔を見合わせて何だったのあれ……と言葉を失っているとラビは一度バシャーモをボールに戻してから再び出した。

 

「え、ええっ何今の」

「ム、ムウウ」

 

・バシャーモ何今のすげぇ素早い動き

・サトシ:綺麗なお姉さん見つけたタケシみたいだった

・カスミ:あ~既視感あると思ったらそれね

・タケシ:……俺って客観的に見るとあんな感じなのか

・ああそうか、このバシャーモ女性見ると口説く癖あるのか

・ツツジ:そういえば私も口説かれましたね……何を言ってるか全然分かりませんでしたが

・シャガ:ああ、あったな。

・でもなんでいったんボールに戻したん?

・キバナ:高速移動並に速かったからな、それで反則疑われない為に対策だろうな。

 

「すいませんウチの馬鹿がご迷惑をおかけしました。このバシャーモは相手が女性だと口説き始めるもんでして……」

「えっ口説かれたんですか今の!?」

「ええ、多分美しいとか可憐だとか言ってたと思います」

「……ま、まさかポケモンにナンパされるなんて初めての経験だわ……」

「どうします、ちょっと休憩取ります?」

「い、いいえ大丈夫です、始めましょう」

『それでは改めまして……バシャーモ VS ムウマージ!!3、2、1……BATTLE START!!』

「ムウマージ影打ち!!」

「ビルドアップ」

 

・先制技と変化技か

・分かりやすく両者ともに様子見って感じだな

・相性的な事を言ったらどうなんだろ

・まあ格闘が効かない事を考えたら……ムウマージじゃない?

・でも炎の格闘技もあるからなぁ……

 

「サイケ光線!!」

「回避!!」

 

極彩色の光線を紙一重の所で避けていく、駆け出したバシャーモを追撃するムウマージだがスピードが乗り始めたバシャーモはワザとらしく上体をそらしながらカエデに向けてウィンクをしたり、投げキッスをしたりとやりたい放題。カエデ自身、初めての経験故かシンプルに戸惑いを感じてしまっている。ムウマージは真面目に戦う気が無いバシャーモに若干キレている。

 

「ホントお前は相手を自然と煽るのは天下一品だな……ニトロチャージ!!」

「シャアアアアアモッ!!!」

「ム、ムウウウウ!!!?」

 

突然の方向転換から炎を纏っての突撃に対応出来なかったムウマージはまともに炎を受けてしまう、その後見事な着地を決めてからビルドアップをしてアピールするバシャーモに何なのよ……と思わず呟いてしまうカエデ。

 

・煽ってるwww

・多分、あれ全部カエデさんに向けてのアピールなんやろな

・色んな意味で動きに淀みがねぇ……

・これがナンパ師か……

・キバナ:でもあの行動の繋ぎの上手さはガチなのがなぁ……

 

「辻斬り!!」

「シャアアアアァァモッ……!!」

「ムウマージ、今よ道連れ!!」

「ムッ―――……マァジ……」

「ムウマージ!?」

『ムウマージ戦闘不能!!バシャーモの勝ち!!』

 

ビルドアップが積まれていたからとはいえ辻斬りで此処までの大ダメージを叩き出した、それにも驚くが何よりバシャーモが辻斬りを覚えるなんて自分のデータにもない……そしてそれをムウマージが道連れを行うよりもずっと早く叩き込んだ事……これが自分を遥かに超えるデータを蓄積しているトレーナーとのバトル―――面白い、だからこそ私はもっと先に行けるかもしれないじゃないか!!ムウマージを戻しながらも次のボールを握る。

 

「行くわよ、ライボルト!!!」

「ボオオオオラオト!!!」

「そして―――これが私の新たな切り札よ!!轟く雷鳴が、叡智と共に新たな地平を開く!!メガシンカぁ!!!」

「ラアアアアアアアアアアアアアアアアアアアルト!!!!」

 

・あれって、キーストーン!?

・という事はぁ!?

・メガシンカだぁ!!!

・メガライボルトだぁ!!!

・うおおおカッコいい鬣でけぇぇ!!!

 

『NEXT BATTLE バシャーモ VS メガライボルト!!3、2、1……BATTLE START!!』

「バトンタッチ」

「バシャ」

 

・えっバトンタッチ!?

・ここから炎と雷の果てしない熱いバトルじゃなくて!?

・平然と戻しやがった

・キバナ:ビルドアップ二回にニトロチャージ、だけどメガライボルトは威嚇だから攻撃は一段階

・アイリス:攻撃1、防御2、素早さは1かな

・ナンジャモ:忘れてない?あのバシャーモ加速だよ?

・……あああっ!?

・そうじゃんそうだったぁ!!!

・というかナモ公、よく覚えてるな……

・ナンジャモ:ラビ氏の今までの配信で取り扱ったポケモンのデータ纏めたソフト作って検索かければ一発にしたから

・そこまでするか……!?

 

「GOゼブライカ!!」

「ラィィィィカッ!!!」

「くっゼブライカ……!!」

『CHANGE BATTLE ゼブライカ VS メガライボルト!!3、2、1……BATTLE START!!』

 

カエデは思わず歯軋りをしていた。炎と電気の組み合わせ、普通に考えれば炎タイプに対して水が来ることを考えてゼブライカを選択したのだろうがこの場合はメガライボルトにとって最悪の状況と言える。何故ならばゼブライカには特性の避雷針がある、そうなるとメガライボルトの最大火力の電気技を封じられたも同然、だがそれで諦める訳にはいかない。

 

「ライボルト、最後まで全力で行くわよ!!」

「ボゥルト!!!」

「駆け抜けろ!!!」

「ラィィィッカッ!!!」

 

その言葉の通りに、ゼブライカは瞬時に稲妻となった。大地を疾走する稲妻、そのスピードは文字通りの閃光となっていた。

 

「負けてられないわ、ライボルト追うのよ!!そして炎の牙!!」

「ボルゥト!!」

 

それを追いかけるライボルト、メガシンカした事で強化された能力はゼブライカに追走する程に速い。その外見通り、落雷と同じスピードの瞬発力を持つと言われているだけの事はあるのだが……ライボルトはゼブライカを捉えようとするもゼブライカは負けじと自在にコースを変えてライボルトの追撃をいなしていく。

 

・な、なんだこの光景……バトルフィールドに二つの閃光が……

・デンジ:……これほどの超高速戦闘、滅多に見られる物じゃない

・目、目が追い付かねぇ……。

・これ、どっちがどっち?

・ゴ、ごめん分からない……

・ナンジャモ:白黒っぽいのがゼブライカで青黄がライボルトだよ

・分かるのナモ公!?

・ナンジャモ:いや体色考えたら分かるじゃん

 

「メガシンカしたライボルトで追い付けないなんて如何なって―――そうかニトロチャージの、いやそれだけじゃ……そ、そうか思い出したあのバシャーモが加速の特性!?」

「それだけじゃない、メガライボルトは膨大になった電力を自分でも制御しきれていない。ライボルトはその電力を運動エネルギーとしても使っている、だからこそ最高速度では圧倒的でも加速力では劣る、だけど能力が上がってるならその制御は出来る。そこでストップ!!」

「ライッ!!」

 

即座に停止したゼブライカだが、その目の前を減速しきれずに滑るように動くライボルトが見えた。矢張りまだまだメガシンカをものにし切れていない。

 

「10万馬力!!」

「ゼエエイイカッ!!!」

 

再び加速したゼブライカが力強くライボルトの頭部を踏み抜いた、その一撃に必死に食い縛って踏ん張って耐えてみせる姿は流石はメガシンカという所。ビルドアップ一回分の攻撃アップではメガライボルトは倒れないという事だろう。

 

「ライボルト踏ん張って!!シグナルビーム!!」

「ラア、ルトォォォ!!!」

「ニトロチャージ!!」

 

・ニトロチャージで防御しやがった!!

・そしてそのまま突撃……!!

・うっこりゃ痛い……

・というかメガシンカをゼブライカで圧倒するなよ

・まあ電気技が使えないのがなぁ……。

 

「ライボルト、お願い頑張って!!この技が通じなかったらもう本当に終わり、だけど撃ってみるしかない!!オーバーヒート!!!」

「ラアアアアアアボルトオオオオオ!!!!」

 

渾身の気迫から放たれる爆炎の炎、電気技が通じないならばと放った炎の大技。それはゼブライカへと向かって行く、どうだ通じるのか、行けるのか!?という期待が湧き上がる中でゼブライカは障壁を展開してオーバーヒートを真っ向から受け止めてしまった。守る……それも覚えているのか……とカエデは素直に打ちのめされた気分になっていた。

 

・最後の一発も止められた……

・というか回避せずに敢ての防御……

・これは心に来ますわ……

・あれ、カエデさんが両手を上げた

・これって……

 

「審判、この勝負は私の負けです。これ以上は意味がありません」

『それは降参という事になりますが宜しいですか?』

「ええ、これ以上はライボルトに要らない負担を掛けちゃいますから……また出直します」

『承知しました。カエデ選手からの降参の申し出を受諾、BATTLE OVER!!ラビ選手の勝利となります!!』

 

・敢て、引いた……

・ええ~これありなん?

・ルール的には何の問題もないだろ

・キバナ:最後まで戦いきるだけが華じゃねえ、PWCSもまだ続くんだしそれを考えたら次の戦いを考えて此処でやめるのも勇気ある選択だと思うぜ

・アイリス:私も支持するよ、最後まで戦いきるのも立派だけど、自分から敗北を認めるって中々出来ないし勇気あるよ

・ナンジャモ:ボクも同意見。この人を悪く言うならボクは許せないな

・な、ナモ公がなんかカッコいい……

・伊達にジムリーダーじゃねぇな

 

 

『CONGRATULATIONS!!今回の勝敗によってPWCSのランキング変動を行います、専用アプリにて確認出来ますのでどうぞご確認ください!!それでは次回のバトルまでSee you again!!!』

「お疲れ様ライボルト、メガシンカは私たちの切り札だけどまだまだ練習しないと駄目みたいね。だけど貴方ならきっと物に出来るって信じてるわ、私と一緒に頑張りましょう」

「ラゥ!!」

 

ドローンロトムが去る中で配信を切っているとカエデはライボルトの事を抱きしめて励ました、ライボルトもそれを受けて必ずもっと強くなることをカエデに誓う。それに触発されたのか、ゼブライカが珍しく甘えて来た。

 

「よしよし、お前も頑張ったな。今日はご馳走を作ってやるよ」

「ライッ!!?ラ~イ……カゼ~……」

「おう、初っ端に全部出てたぞ」

 

思いっきり喜ぼうとしたのを必死に抑えて隠そうとしたが、丸分かりなゼブライカに笑顔が零れた。そんな自分達を見るとカエデは素直に負けましたと頭を下げて来た。

 

「私はデータには自信があったんですが、矢張りラビさんの膨大なポケモンから二体を決め打ちするのは無理がありましたね……私はポリゴンZとファイヤー辺りが来ると思ってたんですけど……」

「ポリゴンZはともかく、ファイヤーはそう簡単に出しませんから。リクエストがあったら出しますけど」

「あっちゃ~……私もまだまだか……出直してきます、行くよライボルトってあっごめんダメージ酷いよねって走れるの!?って待った冗談だからまってボールに入っていいからって待って置いてかないで本気で待って!!?」

 

わちゃわちゃしながら去っていくカエデを見送るとボールからバシャーモが飛び出してきた、カエデに向けて最高のドヤ顔とポーズを決めるのだが、その時には既にカエデは走り出してしまったライボルトを追いかけていなかったのでバシャーモは打ちひしがれたように膝をついた。所謂orzである。

 

「バッシャァァァ……」

「ミミロップ、やっておしまい」

「ロップァァァァァ!!!!」

「バシャゴバァァァァァァ!!!!?」

 

バシャーモ、本当にいい加減にしておけ。ミミロップにベタ惚れなのに何でこんな事をするのか……ラビにはバシャーモの心がまるで理解出来なかった。

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