週刊エンジョイポケモン放送局   作:魔女っ子アルト姫

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エンジョイ:PWCS ハイパーランク昇格戦 後編

『スマホロトムより互いの情報を取得。このバトルはPWCSランクバトル、スーパーボールクラス公式戦として承認されました。そして今バトルは両者のハイパーボール級への昇格戦となります。勝者はハイパーボール級への昇格となります!!対戦ルールは2対2、ポケモンの交代は両者自由となります。ラビ選手 VS タクト選手。それでは両者、最初のポケモンをフィールドへ』

「行くぞ……ダークライ!!」「―――……ンゥゥッ!!!」

「芽生えろ、咲き誇れ……フラージェス!!」「ラァアスッ!!!」

 

・おおっ昇格戦!?

・どこも昇格戦はワクワクするよなぁ

・言えてる。

・ンでヌシの相手は―――えっ?

・ジュン:タ、タクトォ!?

・うっそだろダークライ使い!?ってマジでダークライ使ってるぅ!!?

・マジかよあいつもいるのかよ!?

・キバナ:噂のダークライ使いか……話じゃジムリーダーとのバトルが多いって話だな。

・今調べたけどマジでジムリーダーバッカとバトルしてる。

・強い奴だけ狙ってるって訳か?ダークライのお陰で勝ってるようなもんのくせに……

・サトシ:い、いやそうじゃないんだよ。なんかダークライの話が行き過ぎちゃって誰もバトルの申し込みを受けてくれないみたいなんだって話を俺聞いたよ

・ナンジャモ:あ~……まあトーナメント方式じゃないから避けられるなら避けたいよなぁダークライとのバトルとか……気持ちは凄い分かる。

・ヌシ、これ勝てるの?

・か、勝てるだろ俺達のヌシだぞ

 

『フラージェス VS ダークライ!!3、2、1……BATTLE START!!』

 

開始の合図と当時にラビはテラスタルオーブを取り出した。基本的にテラスタルを運用してこなかったラビとしては珍しい事だとタクトも思ったがそれが逆にこれから何をするのかを理解させた、妨害しようと思考するよりも先にテラスタルオーブは投げられた。

 

「染め上げろ、自らを、世界をっ!!」

「フラアアアアッ!!!」

 

草テラスタルを発現させ、草タイプとなったフラージェスの身体はより一層その煌きを高まらせていく。草タイプになった事で特性のフラワーベールが起動していく。

 

「流石に止められんか……悪の波動!!」

「瞑想!!」

 

悪の波動を瞑想しながらも真正面から受け止めるフラージェス、草タイプになっている事でダメージは等倍になってしまうがそこはフラージェス。その特防種族値は圧巻の154、これより上となるとそれこそディフェンスフォルムのデオキシスかレジアイスしかいないという破格の数値。それが瞑想で特防を上げる、更に強固になる。

 

・うわっ平然とダークライの一致悪の波動を受け止めてるよ!?

・並大抵の火力じゃねぇのに……

・キバナ:こいつ、特防がとんでもなく硬いんだよな

・ナンジャモ:ボクラビ氏に聞いた事あるよ、フラージェスの特防はポケモンの中でも三本指に入る位に高いって

・アイリス:いやたっか!?

・それマジで?

・ナモ公の言葉だけだったら微妙だけど、ヌシの言葉だったらなぁ……

 

「瞑想」

 

瞑想を重ね掛けして能力を着実に伸ばしていくラビ、この状況にタクトは見た目以上に苦戦を強いられている。ダークライの主力技は全て特殊、そして切り札であるダークホールからの夢食いや悪夢も完全に封じられている状態。こうなると中々に辛い。

 

「冷凍ビーム!!」

「ッァァァァアアッ!!!」

「更に瞑想!!」

 

瞑想の重ねがけ、それは冷凍ビームを真っ向から受けても平気な顔を出来る程度には特防が高まっている。そして身体へと伸びようとしてた氷が瞬時に溶けていく、フラワーベールのお陰で氷の心配をしなくても良い。矢張り草テラスフラージェスは良い組み合わせだ。

 

「くそっダークライ、影分身!!」

「「「「「ラァァァァッ!!!」」」」」

「チャームボイス!!」

「フ~ラァ~ジェ~♪」

 

・うわ無数にダークライが増えた!?

・だけどそこに冷静なチャームボイス

・必ず先制且つ命中の技が入ります。

・うっわこりゃ効いてるぞ

・あのダークライを相手に、一歩も引いてない所か圧倒してるよ……

・マジかよこれ

 

「ッ……ダァァッ……!!」

「まだいけるかダークライ!!」

「ァァアアアッ!!!」

 

チャームボイスで撃墜されても立ち上がり、浮き上がったダークライ。ダークライは確かに強いが決して無敵ではない、それはサトシがジュカインで倒した事でも証明されているし対策を講じれば倒せない相手では決してない。

 

「ダークライ、悪の波動!!」

「グラスフィールド」

 

草原を展開するフラージェス、悪の波動が突き刺さるがそれすらもダメージを感じていないような仕草を見せている。無事にグラスフィールドは展開出来た、これで回復も出来る。さあどうしてくるダークライ使いと思っているとタクトは名案を思い付いた。

 

「黒い霧だダークライ!!」

「気付いたか!!花吹雪!!」

 

ダークライは腕から膨大な黒い霧を展開してフィールドそのものを黒く染めようとする、だがフラージェスは無数の花びらを舞い散らせるとそれを一気に動かして風の動きを作り出して黒い霧が此方に到達しないようにしてみせた。ギリギリの所だったが、なんとかセーフだった。

 

「流石のフラワーベールも黒い霧は防げないようですね」

「そういう特性の仕様なんでね、だからその為の対策もしてある」

「流石です―――此処まで俺とダークライを翻弄してくれるなんて……サトシ君のジュカイン以来ですよ!!ダークライ、接近だ、ゼロ距離から悪の波動をぶち込め!!!」

 

ダークライの瞳が輝いた。その瞳には明確な喜びが浮かんで圧倒的なスピードで距離を詰めながらもその手に悪の波動をチャージしていく。文字通りのゼロ距離まで距離を詰めた時―――

 

「マジカルシャイン!!」

「ラァアアアアッ!!!」

 

回避不可の超至近距離でマジカルシャインが放たれる、ダークライの悪の波動にすら誘爆したそれはフィールドで巨大な爆炎を生み出していく。

 

「ダークライッ!!!」

 

・ど、如何なった!?

・フッ幾ら瞑想を積んだフラージェスとはいえこの距離からの悪の波動ではひとたまりも―――

・おうフラグやめろや

・というか、そのフラグだと負けるのダークライじゃね?

・……あれ、そうじゃん!?

 

「……ッ……ァァァァゥッ……」

『ダークライ戦闘不能!!フラージェスの勝ち!!!』

 

・うおおおおっダークライが堕ちたぁ!!

・サトシさんに続く快挙じゃね!?

・サトシ:いやあれはジュカインが頑張ってくれただけ……

・アイリス:というかいっちゃ悪いけどタクトさんってチャンピオンリーグでリョウさんに負けてるもんね。

・あ~そっか……

・でもダークライ倒したのは凄くね!?

・しかも圧倒してたしなぁ……

・でもダークライも凄かったなぁ……

 

「有難うダークライ……ゆっくり休んでくれ。ならば頼むぞ―――エンテイ!!!」

「ガアアアアアアアアウア!!!」

 

・エ、エンテイだぁぁ!?

・どこで見つけてくんだよンなポケモン!?

・というか、マジでなんでそんなのゲットできんの⁉

・サトシ:もしかして、ラティオスの後にエンテイが控えてた……?

・アイリス:仮に突破しててもエンテイが待ち受けてたかもしれない訳ね……

・キバナ:スズラン大会のレベルの高さが分かるな……。

・ナンジャモ:いやタクト氏がやばいだけでは?

 

『NEXT BATTLE フラージェス VS エンテイ!!3、2、1……BATTLE START!!』

「エンテイ、聖なる炎!!」

「雨乞い!!」

「フゥッ~ラァ~……ジェェェスッ……!!!」

 

技の発動のそれより前に雨乞いの展開に成功するフラージェス。エンテイの炎技は威力が落ちる、だが発射されたのは紫の色の火球、聖なる炎。それはフラージェスを焼き尽くすが雨乞いのお陰で何とか耐え切る……しかし何でこれが物理技なんだとラビは思うのであった。

 

「行けるぞエンテイ、続けてニトロチャージ!!」

「ウゥゥウアアアアアアアア!!!!」

「甘える!!」

「ラッジェッ♡」

「ウッゥウガアラァァァ!!!」

 

雨乞いと甘えるでパワーが落ちたとはいえエンテイの一撃は強烈でフラージェスはもう限界に近い、流石はエンテイ……それならばやる事は一つだけ!!

 

「エンテイ、とどめの神速!!」

「ウゥウゥラアアガアア!!!」

「耐えろフラージェス!!」

「フウウラァアアアアッ!!!!」

 

・いや流石にこれは―――

・行けるか!?

・神速が決まって……

・どうだ!?

・た、耐えてる!!

 

「我武者羅!!!」

「ッ神速で下がれ!!」

「フウウラァアアアオゥ!!!」

「ガアアエエング!!!」

 

神速で後ろへと下げるが、フラージェス渾身の一撃が頭部へと当たる。だが後ろに下がりながらである為に我武者羅は完璧にヒットする事は無かった。限界に近いフラージェスの我武者羅は間違いなくエンテイの体力を大きく削ったが、同程度にはいかなかった。フラージェスは悔しそうな顔をしながらもゆっくりと倒れ込んでしまった。

 

『フラージェス戦闘不能!!エンテイの勝ち!!』

 

・さ、流石に無理か……

・特性発動の為にテラスしちゃってたからなぁ……

・でも雨乞いで上手くカバーしてたよな

・うん、実際かなりうまいし相当仕事してた。

・サトシ:ラビさんは次何で来るんだ……

・キバナ:次で全てが決まるな……

 

「タクト、素直に言おう……今俺は楽しい、そして俺はお前に勝って上に行く、お前もその気があるなら追いかけてこい」

「―――まだまだ、俺は貴方に勝って上に行く!!」

「ハッその意気だ!!行くぞ相棒、ダイケンキィィッ!!!」

「ケエエンッ!!!!」

 

・うおおおおっ!!?

・ダイケンキだぁぁぁ!!!

・ヌシの相棒来たぁぁぁ!!!

・マジか、此処で出すのか!?

・いやエンテイならこの位……

・サトシ:そうか雨乞いはこの為だったんだ!!

 

「遂に来た、ダイケンキっ……行くぞエンテイ!!俺達の決勝戦は……此処だ!!」

「ガオオオオオオンッ!!!!」

『NEXT BATTLE ダイケンキ VS エンテイ!!3、2、1……BATTLE START!!』

「エンテイ、聖なる炎!!」

「シェルブレード、正面突破ァ!!」

 

エンテイの究極技と言っても過言ではない聖なる炎、エンテイの生みの親とされるホウオウの技と同じ炎を放つ。雨乞いで炎の勢いは落ちて、水技の威力は上がる、その状況下とはいえダイケンキはラビの指示に全くの疑いも躊躇も見せずに正面突撃し、真っ向からシェルブレードで聖なる炎を一刀両断してみせた。

 

「何っ!?」

「アクアジェットで加速、そっから再びシェルブレード!!!」

「ケエエエエンンッ―――キィィィッッ!!!!」

「グオオウウッ……!!!?」

 

アクアジェットで加速、そこから生み出されたスピードのまま一気にエンテイに一太刀浴びせかけるダイケンキ。その威力は思わずエンテイが膝を突きそうになるほどの破壊力を秘めていた。

 

「負けるなエンテイ!!草分けだ!!」

 

雨下での威力低下を嫌って草分けで加速しながら襲い掛かって来るエンテイだがラビはそれを待っていた。ダイケンキも同じだったのか笑っていた、タクトは何か仕掛けて来る、何をするつもりだと思ったが直ぐに理解した。

 

「しまったそういう事か!!エンテイ神速だ、離れろ!!」

「遅い、水浸し!!」

「ケエエエエンッ!!!」

「グゥゥウオオオウゥッ!!?」

 

・おおおっ!?エンテイが水タイプになった!?

・うっわぁっタイプ一致すら奪った!?

・これ、マジで辛い状況じゃん!!あのエンテイを!!!

・ミナキ:あのスイクンと同格のエンテイをここまで翻弄するのか!?

・タイプ相性優位とはいえ……

 

「くそファイヤーの時と同じ戦術か!!エンテイ、それを利用しろウェザーボール!!」

「付け焼き刃が、辻斬り!!」

 

水タイプになった事を逆に利用しようと立ち回ろうとするが、本来真逆のタイプだったポケモンにそれは酷な話。それでもエンテイのウェザーボールはかなりの威力ではあったが、それすらもダイケンキは斬り捨てて辻斬りをエンテイに当てた。

 

「テェェエ……エエエエンッ……!!」

「アンコール」

「ケエエンキキキイ」

 

・うっわ更にアンコールでウェザーボールで縛りやがった

・あれ、ヌシの戦術エグくくね?

・キバナ:まあラビだからな……勝てる状況でも相手の勝ち筋潰してくる奴だし

・サトシ:ラビさんならこの位するからなぁ……

・ナンジャモ:凄い信頼だ

 

「タクト、上がって来いよ素早く―――剣の舞、そこから力強く―――シェルブレード!!

ケエエエエンッ……―――ダアアアアアアケエエエエエエエエッ!!!!

 

素早く剣の舞を完了させると一気に突撃するダイケンキ、それをエンテイはウェザーボールを連射して立ち向かうがそれを完全に無視して突き進む。身体に水球が幾ら当たろうと全く揺らがず、閃光のように、激流のように迫るダイケンキの大太刀がエンテイの身体を貫いた。通り過ぎたダイケンキはゆっくりとアシガタナを納刀、その咆哮は火山と共にあると言われるエンテイの身体が遂に地面へと落ちた。

 

『―――……エンテイ戦闘不能!!ダイケンキの勝ち!!!BATTLE OVER!!ラビ選手の勝利となります!!今回の勝敗によってPWCSのランキング変動を行います、今回の勝利によりラビ選手はハイパーボールクラスへと昇格となります!!CONGRATULATIONS!!それでは次回のバトルまでSee you again!!!』

 

・ダークライとエンテイ相手に……勝った。

・しかもダークライに至っては完勝に近い

・ダークライってこんな簡単に勝てたっけ……サトシさんだってヘラクロスで対策してたのに

・寝言で眠り対策か

・サトシ:今思うとあれはあれで甘かったんだよなぁ……ダークライの特性も悪夢も夢食いも全部通じる状態だから対策とは言えないんだよなぁ……

・アイリス:いや普通はその位だと思うよ?あとはやる気とか

 

「エンテイ、本当にいいバトルだった……ラビさん、本日は有難う御座いました。本当に、本当に有難う御座いました!!」

「此方こそ、良いバトルだった。タクト、お前がその気ならまた来い。実はな―――ごにょごにょ……」

「ッ!!?それは本当ですか!?」

「マジマジ」

 

・えっ何々、何話してんの?

・ヌシ~まだ配信続いてる~!!

・キバナ:いやだからごにょごにょしてんだろ?

・サトシ:それは言えてますね。

・アイリス:何話してんだろうね

 

「さて、見て貰った通りにダークライといえどやりようはあるんですよ。無敵などではないです、というかダークライは結構耐久面が低いですから一撃受けるとマジで辛いんですよね」

「ええ、だからこそダークホールなんかでカバーして、受けたら夢食いで回復したりとか」

「だからこそ眠りを対策されたら脆い、良い経験だったでしょ」

「はい、勉強させて頂きました」

 

・あれ、タクトって凄いいい顔してるじゃん

・ここだけ見てるとなんで嫌われてるのかわからねぇなこれ

・ダークライ使うからやろ

・まあうん……戦いにくい相手ではある。

・でも、なんかこれ見たら戦ってみたくなってきた。

・俺も……挑戦してみたいよね。

・幻に勝てるか分からないけど、戦う機会がまずないもんな。

 

「また、挑みに来い。待ってるぞ」

「はいっまた来ます!!有難う御座いました!!!」

 

此処で配信を切る。頭を下げてエニシダの元へと行くとエニシダは笑顔で出迎えて本当にいいバトルだったと彼を労う、そこには同情や励ましなどはない。本当の賞賛があった。それを受けてタクトは嬉しそうにしていた、忘れていた何かを思い出せたような顔を作って、一歩を踏み出す。

 

「お疲れ様ラビ」

「ああ、ダイケンキもお疲れさん」

「ケェン」

「やれやれ……似合わねぇな、何が待ってるだよ」

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