「ただいま~タマンチュラタルト買って来たよ~」
「お疲れ~い、カイリューも普段からお使い頼んで悪いな」
「ウッリュ~アウアウリュ~」
ニコニコしながらも背中からサザレが降りるのをサポートするカイリュー。サザレもカイリューには乗り慣れているので補助は必要ないのだが、カイリューの気遣いを無駄にしない為に補助を受けている。背中に人を乗せる事に慣れている為にそのスピードは負担を感じない程度に素早く、揺れもないし勿論Gが身体を蝕むなんて事もない。
「いやぁごめんね遅くなって、行列出来てて並んでたら遅くなっちゃった」
「ムクロジは大人気だから買って来れただけでもめっけもんよ」
「ラビならそう言ってくれると思ったよ」
「アウッ?アウアウ~リュ~!!」
「んっ?」
カイリューが何かに反応して声を上げている、指が向けられた先を見ると此方に接近してくるカイリューが見えて来た。双眼鏡で覗いてみるとカイリュータクシー便のマークが見えた。あれが取材を申し込んで来た記者が乗っているというカイリューだ。
「デンリュウ!!デンリュウちゃんはおるか!?お~いデンリュ~?デン~リュ~ちゃ~ん?」
「ウ、ウ~リュ~!!」
ワザとらしく、どっかの任侠っぽく名前を呼んでみると慌てたドタドタ走りでやって来たデンリュウ、今回は転ばなかったのか少しだけホッとした顔をしている。
「デンリュウさん、あのカイリューさんにこの辺りに着陸してくださいという合図を送ってください。タクシー便ならその辺りの発光信号の意味合いも確りと分かる筈です」
「ウリュッ!!」
ラジャりました!!と敬礼しながらも自慢のライトを輝かせてカイリューに信号を送ると、それに気づいたのかカイリューはゆっくりと降下しながら着陸した。デンリュウはそれを見ながらちゃんと出来て良かったぁ~と胸を撫で下ろしている。
「ウリュ?ウ~リュリュルアウアウアウウ」
「おっ?お前さんもしかして……シャガさんの所にいたあのカイリューじゃないか、お前カイリュータクシー便になったのか」
「ウリュ!!」
エッヘン!!と自慢げに胸を張るカイリュー。自分の知っている子のカイリューはカイリューらしく穏やかだがそれいじょうに無邪気、バトルに向かない程に気質が優しかったがスピードが素晴らしかったのでそれを活かすべきだとシャガに進言したんだが……タクシー便になっているとは、立派になった物だと……と思っているとタクシーユニットの扉が開いて、そこから這いずる様に女性が出て来た。紫色の髪が顔を覆っている為に、何か得体の知らない何かが這い出て来たような光景にデンリュウはピィィッ!!!という声を上げながらラビのカイリューの背後に隠れてしまった。
「え、ええっと貴方が月刊ポケモン大好きクラブの……ラシーマさん?」
「……は、はいこんな姿で申し訳ありません……イッシュ地方から、此処までカイリューの神速に耐えてたもので……」
「し、神速!?」
「しかもこいつの神速!?」
タクシー便カイリューはラビが認める程の最速個体、スピード超特化型であり、そのスピードはオンバーンの加速力を併せ持ったようなものでそんなカイリューの神速……よく生きてるなとラビは素で思ってしまった。
「一先ず……休みます?」
「ご、ご迷惑でなければ……」
「い、生き返るぅ~……」
「悪いな婦長さん、こんな事にメガシンカさせちまって」
「タブネ~」
家へと上がったラシーマはメガタブンネからの癒しの波動を受けて何とか立ち直る事に成功した。ラビのタブンネは普段は庭で傷ついたポケモン、主にバ鴉が傷つけたポケモンを癒すのが仕事である医療班に属しており今回はラシーマを治す為だけにメガシンカまでさせてしまってなんだか申し訳ない、だがタブンネは自分に出来る事があって嬉しいとにこやか。イッシュからの付き合いだが……誰かを癒す為ならばオーバーワークも辞さない為に副班長のハピナスと副班長補佐を務めるラッキーからは貴方がよく休め!!と怒られたりもしている。
「あのカイリュー、ウチの出版社と提携しているカイリュータクシー便の子なんですけど……なんか随分と懐かれてしまいまして……なんかいつの間にか私の専属になっちゃって……嬉しいと言えば嬉しいんですけど、あのスピードに中々体が慣れませんでして……」
「いや慣れたらそれはそれでやばいって……」
「マッハ2.5だぞカイリューの高速移動時の巡航速度……それが高速移動やら神速したら更に跳ね上がるからな……その時の加速に掛かるGなんて余程ポケモンと触れ合って鍛えてるか、特殊耐Gスーツでも着ない限り慣れないぞ」
「……あの子、私を殺す気なんですか?」
「いや完全な善意だな、あいつに邪気とかそういうのとは無縁だから。まあこの場合はそれが原因で尚の事悪いんだけどな」
「Oh……」
ラシーマからすればあのカイリューは嫌いになりたくない、だがこれからも仕事を続けていく過程でもうあんな苦労をしたくはない……如何すれば……と頭を抱えているとラビはメタグロスを呼んだ。
「メタ」
「俺のメタグロスです、こいつはスピード狂でしてね。持ち前のサイコパワーと頭脳を総動員して日々究極のスピードを追及してるバカです」
「あっそれは配信で見た事があります」
「ンで、こいつは身体に掛かる気流やらをサイコパワーで捻じ曲げてるって訳です」
「は、はぁ……」
「ちょっと失礼」
そういうとラビは自前のポケモン図鑑を向けた、スマホロトムではなくイッシュ地方で使われている旧式モデルのポケモン図鑑だ。まだ使ってる人いるのか……とラシーマは懐かしさを覚える。
「おっ覚えてるじゃないか……いやお前どういう技覚えてんだよ」
「ウリュ?ウ~リュリュアウアウアウア~」
「あ~……そうか、このうちのいくつかは俺が仕込んだんだっけ……まあちょうどいい、ラシーマさん、これからこいつに乗るときはリフレクターと光の壁を使うように指示して下さい」
「か、壁をですか?というか覚えましたっけ……?」
「覚えるんですよ、バリアーっていう技を覚える関係ですかね」
ラビ曰く、メタグロスが超高速飛行を行う時には必ずこの二つの技を展開するという。これで自らの身体を覆って身体を保護するプロテクター的な役割をさせるのだという。そして驚くべき事か、この二つを併用している時にはGすらも軽減する事が判明した。
「タクシーユニットの大きさとカイリューとの密着を見る限り、何とかなるだろ。まあ取り合えずやってみてくれ」
「ウリュ!!ウ~……リュ!!」
「そうそうそう、上手い上手い。ほれ次は光の壁」
「リュ~!!」
リフレクターと光の壁はユニットも確りと包み込んで発動された。これでGもある程度軽減してくれる筈だ、ラシーマは効果があるのかと不安そうだが自分の身体で実証済みなので大丈夫だろう。まあラティオスでテストしたから成功したんだと、言われたら何も言えなくなるが……。
「―――……試しに、乗ってみます」
「えっ本気ですか?」
「私だってポケモントレーナーの端くれです、ポケモンの努力を無駄にするなんて……したくありません!!カイリュー、ちょっと上昇してから神速やってみて!!」
「ウリュ!!」
覚悟を決めたかのような表情でユニットに乗り込む、カイリューはそれを確認してからゆっくりと上昇……そして一気に神速を発動した。その速度はデオキシスやドラパルトも一目置く程の超スピード。神速だからと言って此処までのスピードは中々でない……そして数分後、そのカイリューと戦いたがる鴉をラビのカイリューが抑えているとゆっくりと降下してきた。そしてユニットからは感激と言わんばかりに輝いた顔のラシーマがいた。
「大丈夫でした、全然平気でした!!耐Gモードと併用すると確かにGを感じますけど全然耐えられるレベルでした!!!凄いですよラビさん!!!壁にこんな活用方法があったなんて!!これについても是非取材をさせてください!!!」
「まあ取り敢えず……ムクロジのタマンチュラタルトでも食べながら取材を受けますよ」
うん、カイリュー、過去作でリフレクターも覚えたんですよ。
ラビの過去編に需要はありますか?
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あり
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ない
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さっさと次書け