週刊エンジョイポケモン放送局   作:魔女っ子アルト姫

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エンジョイ:PWCSランクバトル VS センリ 後編

『スマホロトムより互いの情報を取得。このバトルはPWCSランクバトル、ハイパーボールクラス公式戦として承認されました。対戦ルールは2対2、ポケモンの交代は両者自由となります。ラビ選手 VS センリ選手。それでは両者、最初のポケモンをフィールドへ』

「行くぞ、バッフロン!!」「バッフゥゥゥウンッ!!!」

「さあお前の望んだ舞台だ、好きに暴れろ―――アーマーガア!!」

「―――……ガアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッッッッッ!!!!!!!」

 

 

・おおっヌシのハイパー帯が始まるお!!

・こりゃ見ものだ、相手は……

・キバナ:おっホウエンのジムリーダーじゃねえか?

・サトシ:センリさん!!マサトも一緒じゃないか

・げぇっ!?俺のトラウマジムリーダー!?

・もうシュッキングは勘弁してください……。

・威張るからビルドアップして瓦割してギガインパクトはやめて……。

・アイリス:な、なんか凄いトラウマになってる人いない?

・ナンジャモ:ジョウトのアカネさんがトラウマになってるって噂聞いた事あるけど……

・もしかしてノーマルってトラウマになりやすい?

・そしてバッフロンと―――げぇっ!!?

・バッ……バーサーガァ!?

・狂乱の鋼鴉だぁぁぁ!!!?

 

「ガアアアアアアアッ!!ガァッ……ガアアアアアアアアアアアアアアアアアッッッッ!!!!!

「なんという羽ばたきの強さと声の圧力だ……これが狂乱とまで言われるアーマーガアか!!」

「す、凄い声だ……これが本当にアーマーガアなの!!?」

 

センリはもちろんアーマーガアの事を知らなかったわけではない、ラビの主な手持ちはリサーチを掛けていたし自分でも配信を見直して研究をした。その中では当然アーマーガアの事もあったが……実際に相対すればその圧力に言葉が出ないのだ、これがガラルではその異常なまでの戦闘欲によって狂乱とまで言われたアーマーガア。

 

一方のマサトは自分の知識の中にあるアーマーガアとの相違に混乱していた。まず色違いなのも驚いたがそれ以上にボールから出た瞬間に広げられた翼によって押し出された風圧に煽られ、手摺にしがみ付いた。そしてあの爛々と妖しく輝いている瞳……アーマーガアと言えばガラルの空の王者にしてその飛行能力と巨体に反して人に馴れやすく知能が極めて高いと言われている鳥ポケモン。だがあのアーマーガアからはそんな要素は全く感じられない、ただの狂戦士にしか見えない。

 

「テンションが少し上がってるな。上げてけ上げてけ」

「(これで、少しだと……?つまり、まだまだウォーミングアップという事か……面白い!!)」

『アーマーガア VS バッフロン!!3、2、1……BATTLE START!!』

「鉄壁」

「バッフロン、ワイルドボルトォ!!!」

「バアアフゥゥゥゥウンッ!!!!」

 

猛烈な電撃を放電しながら突撃するバッフロン、鉄壁で守りを固めているアーマーガアは回避できずにそれをまともに受ける。全身に迸る電撃がアーマーガアを包み込みつつも吹き飛ばした。

 

「やったぁっ!!ワイルドボルトは電気タイプで効果は抜群だ!!それにパパのバッフロンは捨て身!!ワイルドボルトの威力は凄いんだ!!」

 

・捨て身バッフロンか!!

・確かヌシのもそうだっけ?

・ナンジャモ:えっとね、違うね。ラビ氏のバッフロンは草食だね

・ああそっちもあったか。

・んじゃあアーマーガアには大ダメージか……鉄壁してると言っても捨て身はきついぞ

・ユウリ:いやあのアーマーガアがその程度で倒せるなら私はレジアイスで負けてない

・うわぁっガラルのチャンピオン!?

 

「……ガアアアアアアアアアアアアアアアアッ!!!!!」

「ク、クリティカルヒットした筈なのに!?」

 

吹き飛ばされたアーマーガアは空中でグルンと身体を翻すと雄々しく翼を広げて叫びをあげる。鉄壁だけで効果抜群のワイルドボルトを受け切ってしまった。

 

「もう一度ワイルドボルト!!」

「バアアアフウウウウウ!!!!」

「更に鉄壁!!」

 

再びのワイルドボルト、それもまた直撃する……が再びアーマーガアは雄叫びと共に元気いっぱいの様子を見せている。

 

「な、なんで!?電気タイプは効果抜群の筈なのに……」

「噂には聞いていたが、これほどまでに……」

「それはこっちのセリフです。そのバッフロン本当に捨て身ですか、にしてはダメージを負っている様子が全くないんですが」

 

ラビが気になったのは捨て身の特性持ちでワイルドボルトを放ったのにも拘らず平然としているバッフロンである。ダメージを隠している様子もまるでない、何がどうなっているのか……そういうとセンリは笑って答えた。

 

「私は得意分野はポケモンの特性の力を引き出す事、このバッフロンも特別特訓を受けていてね……捨て身が上がった分受ける反動を大幅に抑える事に成功したのさ」

「えっ~……」

 

・おいふざけんなwww

・何威力上げたまま反動軽減してんだwwww

・アンタいい加減にしろよマジで

・サトシ:だからバッフロンも全然平気そうなのか……

・アイリス:ええっそんな事出来ちゃうの……?

・キバナ:まあ怠けのケッキングを動けるようにする、よりかは何とか……

 

「サラッととんでもない事してるのお分かりですか?素直な事言ったらふざけんないい加減に特性改変すんなって言いたいです」

「誉め言葉として受け取っておくよ」

「褒めてない」

「ならもう一度味わうと良い!!ワイルドボルト!!」

「羽休め」

「ッ!?」

 

再び電撃を纏って突撃するバッフロンだが、それよりも早くアーマーガアは地面に下りて羽を休めていた。ワイルドボルトが再び炸裂するのだが……今度は先程よりもずっとダメージを負っていなさそうな様子だった。

 

「ど、どうして!?」

「羽休めは使っている間、飛行タイプではなくなる……それを突いたか」

「ええ、鋼タイプに対する電気タイプは等倍なだけ。更にダメージは低い、お釣りとしては十分です。もう一度鉄壁」

 

最早物理攻撃は通じないと思った方が良いとセンリは汗をかく。まさかバッフロンのワイルドボルトが此処まで通じないとは……反動の軽減だけではなく威力の上昇にも成功しているのに……面白い、これが高みか……!!ならば。

 

「伝えろバッフロン、私たちの力をっ穿つほどに!!ワイルドボルトォォォッ!!!!」

「フオオオオオンッ!!!!」

「潰せ、ボディプレス!!!!」

「ガアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!!!!!」

 

・ワイルドボルト怒涛の連打ぁ!!

・普通なら有り得ない光景ですよこれ

・サトシ:でもレッドさんとかはボルテッカー連打とかしてるけど……

・あの人と一緒にしないで

・レッド:流石の俺も反動軽減はしてない。それに耐えうる体力をつけてるだけ

・負担軽く出来ないからそれを受け止めきれる体力を付けよう?

・いやその発想は可笑しい。

・って言ってる場合じゃない!!ワイルドボルト中のバッフロンを、アーマーガアが潰したぁ!?

・躊躇なく行ったぁぁぁ!!!迷う事無く潰したぁ!!!

 

「バッ……フォォッォゥ……!!!」

「つけ上がる」

「ガアアアアアアアウアアアア!!!」

 

翼で掬い上げる様な打撃を浴びせかけるアーマーガア、それを顎に受けたバッフロンは引っ繰り返りながらも何度も地面に打ち付けられ、センリの足元へと転がった。

 

「バッバッフロン!!?」

「フウウウゥゥゥッ……」

『バッフロン、戦闘不能!!アーマーガアの勝ち!!』

「ガアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!」

 

・やっぱあのアーマーガアやべぇ奴だわ。

・今更タウンにさよならバイバイだわ。

・エキシビションマッチの時からわかってたろ

・ガラル民は昔からわかってたぞ

・ホントそれ

・というかバッフロンも大分可笑しいからな

 

「パ、パパのバッフロンが……」

「相性勝ちって所もあるけどあのアーマーガアをちょっと甘く見てたね」

 

父が成す術もなく一匹を失った光景が信じられないと言いたげなマサトに対してサザレは言った。

 

「彼にとって生きる事は戦う事、戦う事こそが彼にとって生きる意味であり理由なんだよ。戦うことこそが生きる歓びであり、彼が生きているのはその為なんだよ」

 

戦闘狂という呼ぶべきポケモンは他にもいる、だがその中でも突出しているのがアーマーガアなのだ。他の者は戦いを娯楽として捉えて楽しむがアーマーガアにとってはそれこそが生きる意味で歓びなのだ。ウーラオスやルカリオとはその質とバトルへのスタンスがまるで違う。

 

「センリさん、ハッキリ言っておきます。俺のアーマーガアにとってバトルとは生きる事、そして生きる意味であり歓び。狂乱の鋼鴉、馬鹿言っちゃいけないよ、こいつは狂っちゃいねぇよ―――こいつはバトルの為だけに生きて、生きているからこそ戦う。常在戦場がこいつの本質だ」

「……成程、ならばそれすらも砕く意志と強さが必要という訳だな。悪かったなアーマーガア、甘く見た訳ではない、私のポケモンの中でいま最も勢いがあったのがこの最近ゲットしたバッフロンなんだ。だが今度はそうはいかんぞ!!行くぞぉっケッキングゥゥ!!!」

「ケッキンッッッッ!!!!」

 

・ギャアアアア出たああああああ!!!?

・シュッキングだぁぁぁぁぁ!!!?

・こいつが噂の怠けないケッキングか

・た、確かに目にやる気と覇気が満ちてる……。

・こんなケッキング見た事がねぇ……

・マジでこれものぐさポケモンって言われてるポケモンなの?

・信じられねぇ……

 

「ケ、ケッキングならアーマーガアなんて怖くないよっ頑張れ~!!」

「さて、如何かな」

『NEXT BATTLE アーマーガア VS ケッキング!!3、2、1……BATTLE START!!』

「ケッキング、10万ボルト!!」

「やはりそう来るか、守る!!」

 

予想通りの特殊で攻めて来た、ケッキングは特殊も95と十二分に高い。鉄壁で極限にまで防御が上がっているのならば特殊の方が効力はある。

 

「今度は火炎放射だ!!」

「ドリル嘴で正面突破ァ!!」

 

炎を吐き出すケッキングに対してアーマーガアは超高速で回転しながら突撃、マサトは幾らなんでも鋼タイプでは無茶だと口にするが、アーマーガアは迷う事なくそれを実行し火炎放射と激突する。一瞬の拮抗の後、火炎放射を突き破ってケッキングへとドリル嘴を直撃させる。

 

「ケェェッ―――……グッッ!!!」

 

胸にドリル嘴を受けて苦痛に顔を歪ませるが、すぐに思いっきり胸を張ってアーマーガアを吹き飛ばしながらもまだまだやれるぜ!!というのをアピールする。

 

「良いぞケッキング、その調子だ!!」

「相変わらず異様にテンションの高いケッキングだ……」

「ガアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッガアアアアアアアアアアアアアア!!!!」

「自分も負けてねぇってか?」

 

・ま、マジでなまけねぇ……

・なんなのセンリさん、ポケモンの生体改造でもしてるの?

・ま、まあ肉体改造なんて言葉がある位だし特性に改造があっても……

・だとしても納得できるかぁ!?

・出来ねぇよなぁ!!!

 

「ならばこれはどうだ、吹雪だぁ!!」

「暴風だ、押し返せ!!」

「ケエエキイイイインッ!!!!」「ガアアアアアアアアアアアッ!!!!」

 

怒涛の氷結を吐き出すケッキングと翼を勢い良く羽ばたかせて凄まじい暴風を生み出すアーマーガア。何方も一進一退の熾烈な激突をするが、暴風が徐々に吹雪を押し込み始めた。ケッキングも更に力を込めて吹雪を強めるのだが……アーマーガアはケッキングの強さに更にテンションが高まってしまい、暴風のパワーが跳ね上がる。それによって暴風は吹雪を飲み込んだ大嵐と化し、ケッキングへと襲い掛かった。

 

・おおおっ押し切ったぁ!?

・マジかよ吹雪の方が威力は高い筈だろ?!

・技威力の問題もあるけど……

・シロナ:技には広範囲を攻撃するものと範囲を絞ったものがあるの。吹雪の場合はフィールド全体を攻撃するような技ね、多分冷凍ビームならあの暴風を貫通できてたわ

・技の性質って奴か……

・それも考慮しないと駄目なのか……

 

「ケッキング大丈夫か!?」

「ケ、ケェェ~……?」

「ケッキング如何しちゃったの!?」

「暴風の追加効果で混乱してるね……しかも身体の一部が凍り付いてるし」

「くそっここで混乱を引いてしまったか、ケッキング確りしろ!!」

「ケッ~……ケッ!?キン―――グゥゥッ!!?」

 

最速覚醒を果たしたケッキングだが、目の前に爛々とした光を滾らせたアーマーガアが歓びの声を上げていた。攻撃の為に腕を振り被るが、それよりも早く翼が顎を狙って放たれてケッキングは宙を舞う。そして素早く頭上を取ったアーマーガアが恍惚に口角を持ち上げた。

 

「ボディプレス!!!」

「負けるなケッキング!!破壊光線だぁ!!!」

「ケエエエエエエエエエエエエエエングウウウウウウウ!!!!」

「ガアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!!!!」

 

渾身の破壊光線、空気を震わせ、一瞬のうちに視界を真っ白に染め上げてしまう程の眩い光を放つ。それを真正面から切り裂くように突き進んでいくアーマーガア、そして重力と自らの防御とスピードを掛け合わせた渾身の一撃でケッキング諸共、フィールドへ隕石のように激突した。

 

「ケッキングゥゥゥゥッ!!!」

 

センリの声が響き渡った、相棒を信じているような、何処か不安を孕んでいる声が木霊した。土煙が立ち込める中、突如としてそれが晴れた。風圧がフィールドを駆け巡っていき、マサトの眼鏡、サザレの髪、センリとラビの衣服を揺らした。その中心に立った者は自らの勝利を誇示するように高らかに天へと向けて勝利の凱歌を響き渡らせた。

 

「ガアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッッッッッ!!!!!!!ガアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッッッッッッッ!!!!!!!」

『ケッキング、戦闘不能!!アーマーガアの勝ち!!BATTLE OVER!!ラビ選手の勝利となります!!』

 

・あのケッキングに勝ちやがった……

・シュッキングに真っ向勝負で勝ちよった……

・やっぱりあのアーマーガアってやべぇのな

・トウガン:だが、鋼タイプ使いとしては戦ってみたいものだな!!

・フウロ:私は飛行タイプ使いとして戦いたいなぁ~私の時はいなかった子だし

・ハヤト:同じく。

・ミカン:わ、私も……

・ジムリーダーにとっては戦ってみたい相手なんだあれ。

 

「パ、パパが負けた……一体も倒せずに……」

 

マサトからすればジム戦で父が敗れた事以上の衝撃があった。父は何の手加減もしていない、それどころか間違いなく全力で勝ちを狙っていた。だがアーマーガアはそれすらも悠々と飛び去って行ってしまった。これがいま世界中で注目されているトレーナーの実力……と薄ら寒さすら感じて身震いをしてしまった。

 

『CONGRATULATIONS!!今回の勝敗によってPWCSのランキング変動を行います、専用アプリにて確認出来ますのでどうぞご確認ください!!それでは次回のバトルまでSee you again!!!』

「―――ハハハハハハッ!!!いやぁテラスタルを使う暇も無かったというか使う事を忘れていたな!!これは身体に染みこませないといかんな!!しかし負けた負けた、完敗だよラビ君!!アーマーガアも本当に強かったぞ!!私のケッキングすらも凌駕するとは!!」

「これが最初からケッキングだったら違ったかもしれませんけどね、ウチの馬鹿は弱点技ぶつけられたぐらいで戦意は削がれないので」

「ガアアアアアッ……」

 

恍惚とした表情でうっとりとしているアーマーガア、如何やらかなり満足のいくバトルだったので満悦なご様子。配信を切っている所へマサトが客席から降りて来た。

 

「パ、パパ……そ、その……こ、今度は勝ってね!!ボ、僕も特訓付き合うから!!ラビさんにリベンジしようよ!!もう一回!!」

「おおっ嬉しい事を言ってくれるじゃないかマサト!!サトシ君の時から大きく成長したな!!」

「だ、だからそれは本当にやめてってば……!!本当に今思うと恥ずかしいんだからぁ!!?」

「ほほう?このお坊ちゃま君はサトシさん相手に何をしたんですか?」

「実はね、私にサトシ君が勝った後に」

「わああああっわあああああああっ!!!」

「おっいい顔してるね、はい一枚。ラビとセンリさんもツーショットどうです?」

「おおっいいな、撮ろう撮ろう!!」

「センリさんはこんなにいい人なのに、なんでお前そんな風に育ったの?」

「……やめてください、なんなら土下座しますからもう勘弁してください」

「知ってます?土下座ってするだけならタダなんですよ?」

「ダメだこの人絶対許してくれないよパパ!!」




はい、というわけで、今後エンジョイポケモン放送局のマスコットはアーマーガアに決定しましたわ~い……本当にいいの?皆、いいです!!って言ってくれるけど全然可愛くないよ?せめてアシドンナ様にしない?

後、ポケモンSSでいう事ではないかもしれませんが偉大な名牝のご冥福をお祈りいたします。

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