週刊エンジョイポケモン放送局   作:魔女っ子アルト姫

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エンジョイ:PWCSランクバトル VS コウヘイ 後編

「ラグラージ、毒突き!!」

「ラアアグアアア!!」

 

毒を滴らせながらも迫って来るラグラージの猛烈な突き、それをアシレーヌはアクアジェットを併用しながら回避していく。地上を滑るように行く姿は美しさすらある。

 

「何と可憐な……って違うっ!!今度は10万馬力!!」

 

すいすいが発動している為かその巨体とは思えぬほどの高速移動を披露しながらも渾身の一撃が放たれる。これならばっ!!という確信を持っているコウヘイだが、ウチのアシレーヌを舐めて貰っては困るな、と思っているとそれは現実となった。

 

「なっ!!?そ、そんな、こんな事があり得るんですかぁ!?」

「ラ、ラグゥァ!?」

「……きゅううん」

 

メガラグラージ渾身の10万馬力をアシレーヌは何の気なしに受け止めてしまった。というよりも片腕、いや片鰭?で止めてしまった。しかも当の本人は酷く面白くない、失望したような表情を作っていたからメガラグラージは言葉を失っていた。

 

・いや止めるなよ!!?

・ラグラージが、メガシンカした、状態は、凄いんだけどぉ!?

・アラン:いや冗談抜きでやばいぞ……!?メガラグラージは俺のリザードンと互角にやり合うパワーを持つほどなんだぞ!?それを技を使わずに受け止められる!?

・サトシ:流石ラビさんのアシレーヌ……

・レッド:俺のカビゴンとパワー勝負できるし、あのアシレーヌ。

・ええ……

・あの本気出したカビゴンって言われるあのカビゴン?

 

「きゅうんきゅん」

「ラ……ラアアグアアアアアアアアアッ!!!!」

「お、落ち着くんだラグラージ!!!」

「煽っちゃってまぁ……」

 

アシレーヌの一言が、ラグラージのプライドを刺激してしまった。

 

「メガシンカ、大したことはないのね」

「ふ、ふざけるなぁぁぁぁぁ!!!!」

 

と二人は言っていた。アシレーヌはいつも相手をしてくれているラグラージがメガシンカを果たした姿と同じだと聞いて少し期待していた。何故ならばラビはラグラージのメガストーンは持ってこそいるが、許可を出してくれないので、メガラグラージとは戦った事が無いのでこれでメガシンカした場合の強さを計る事が出来ると思っていた。それで楽しみにしていたらしいのだが……それはアシレーヌを満足させる程ではなかった。それがコウヘイのラグラージの誇りに傷を付けてしまった。

 

「ランングガアアアアアアアッ!!!!」

「落ち着くんだ、落ち着けラグラージ!!!」

 

・ルリナ:これはラグラージ凄い怒ってるわねぇ……

・ミクリ:だね。メガシンカはトレーナーとの絆の証、それを侮辱されるのはトレーナーを馬鹿にされているも同じだからね。このラグラージはコウヘイ君の事を心から大切に思っているんだ。

・カスミ:でもアシレーヌも多分その事を馬鹿にしたんじゃないと思うわ、多分……ラグラージの実力自体の事を言ったんだと思うわ。

・サトシ:じゃあその言い方が悪かったとかそういう感じ?

・アラン:恐らく……。

 

「きゅううううぬっきゅううんきゅん」

「ラッグゥ!?ラグアアアアッ!!!」

 

何サラッとお前メガラグラージで得たパワー全否定してるんだ、素直に貴方のパワーが無いだけで別に貴方のメガシンカを否定してない、というのはアシレーヌ、それは謝っていないし侮辱しているようなもんだぞ。

 

「きゅううんぬ……きゅうん!!」

 

ラグラージの振り被った一撃を楽に捌いて受け流した、そしてそこへアシレーヌは笑顔を浮かべながらもその顔面へと拳……拳を叩き込んだ。咄嗟にラグラージは両手で受け止めるが拳の勢いは衰えないままにラグラージは地面に叩き付けられた、それだけでは勢いが死なずにクレーターが生まれた。あれは本当にアシレーヌかと言われたら自分も自信が無い。

 

・……なああれホントアシレーヌ?

・アシレーヌって物理高かったっけ……

・いや特殊の筈

・それなのにこれか

・すっげぇ……

 

凄い事は凄いが、だが妙にアシレーヌは少しばかり機嫌が悪いような気がする。何かあったのか?と思うが立ち上がって来るラグラージは再び突進してくる。これは完全に冷静さを失っているな……こうなったらメガシンカポケモンだろうが全く怖くはない。

 

「餞別代りにお前の全力を叩き込んだれ猛々しく―――ムーンインパクト!!!

―――きゅぅぅぅぅぅっ……んんんぬっ!!!!

 

真っ直ぐに向かって来るラグラージ、それに向けて構えを取ったアシレーヌ。最早ラグラージの顔にはデータトレーナーのポケモンという色はなく、唯々突撃する色しかなかった。そのラグラージが全力で繰り出した拳に合わせるかのように懐へと入り込みながら振るった一撃は身体をくの字に折って完全に動きを止めた。最早ラグラージの瞳に光はなく、ゆっくりと身体を地面へと横たわらせ、メガシンカが解除された。

 

「ラ、ラグラージ!!?」

『ラグラージ、戦闘不能!!アシレーヌの勝ち!!』

「きゅうん、きゅいきゅんぬ」

 

貴方の最後の一撃は頂いておきますわ、その気があるなら取り戻しにらっしゃい。と述べるアシレーヌはそっと頬へと付いた傷を撫でた。最後の一撃はアシレーヌに届いて確かにダメージを与えていた。彼女からすれば出来るなら最初からやりなさいと言いたいのだろうが……この場では言わない、言うならば次戦う時に言う。

 

・だからなんなんだよこのアシレーヌ。

・ホントそれな。

・もう言葉がねぇわ。

・こいつに勝つには何をしたらいいんだ?

・電気で攻めるとか……

・電気すら掴んで曲げそうだ。

・いやそれは……

 

「……まだだ、ドリュウズもラグラージも頑張ってくれたのに僕が真っ先に諦めてどうするんだ!!諦めたら方程式も解けない!!最後まで、最後の最後まで戦うんだカバルドン!!!」

「ガバアアアドッ!!!」

「迎え撃つぞ、アシレーヌ!!」

「きゅううぬっ!!」

『NEXT BATTLE アシレーヌ VS カバルドン!!3、2、1……BATTLE START!!』

「地震ですカバルドン!!」

「アクアジェットで空へ!!」

「ならばストーンエッジ!!」

 

地震を撃ち放つカバルドンに対してアクアジェットで空へと昇るアシレーヌ、カバルドンは即座に上を見るとストーンエッジを無数に撃ち出していく。

 

「アクアテール!!」

「きゅううんぬん!!」

 

アクアジェットの水をそのまま尾へと集めて極長のアクアテールを作り出してそれを振るってストーンエッジを全て迎撃した所か、振り回して周囲に水をばらまく事で砂嵐の砂を叩き落すという超荒技を披露しながらカバルドンを吹き飛ばす。

 

「ガバァァアア……!!」

「アクアブレイク!!」

 

天から舞い降りながら加速し、その拳をカバルドンへと振り下ろした。その一撃を受けてカバルドンは白目を剝きながら倒れ込んでしまった。

 

『カバルドン、戦闘不能!!アシレーヌの勝ち!!BATTLE OVER!!ラビ選手の勝利となります!!』』

 

・ナンジャモ:砂パじゃなきゃもっと行けたと思うんだよなぁ……

・ラバイ:砂パだとしても完成度が低いし戦術も身体に染みこませてなかったな。そこも問題だ

・レベ:あれなら雨パの方が適性あったと思う。

・キバナ:それは思った。砂を生かし切れてなかった感じだな。

・アイリス:生かそうとしてたのもドリュウズだけだったしね。

 

 

「カバルドン本当にお疲れ様でした……今回、君達は完璧に戦ってくれた。足りなかったのは僕ですね……ラビさん!!僕は戦術の一つとして天候をメインに据えた戦いを研究していますが、それを本格化させたいと思います!!そして―――いずれ、その方程式を完成させてもう一度挑みます!!」

「何時でも」

「それでは失礼します、早くポケモンセンターに行かなければ!!」

 

駆け出して行ったコウヘイ、データを重視する割にポケモンの事を信じているし大好きなトレーナー。今の自分に何が足りないかを直ぐに許容してそれを伸ばそうとする前向きさはラビとしては好ましい美点だ。

 

「きゅううんぬ?きゅうううん」

「ラ、ラグ?ラ、ラグゥゥ……」

 

配信を切っているとバトルが終わったのにアシレーヌがラグラージを呼びつけた、何故か構えだしたラグラージと拳を作って振り被ったアシレーヌ。まさかと思った直後にはアシレーヌの一撃がラグラージへと炸裂していた。何やってんの⁉と焦りそうになったが、ラグラージはそれを完璧に受け止めていた。

 

「きゅううん♪」

 

満足気に鰭の感触を確かめるとそのままウキウキでフィールドから去っていくアシレーヌ、それを見送った後何だったんです?と言いたげに自分を見て来るラグラージ。ラビは肩を竦めてさぁ?と答えるのが精々だった。

 

『やっぱり貴方でなければだめね』

 

「あいつ、ラグラージ狙ってたんだ……ラグラージ」

「ラグ?」

「ダイケンキに秘訣でも習ってきな」

「ラグッ!?(何のっ!?)」

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